インヴィンシブル投資法人 2024年6月期決算概要
インヴィンシブル投資法人
2024年6月期(第42期)決算動画説明書
○動画 https://www.net-presentations.com/8963/20240827/nuyr78rd/
○説明資料
https://www.invincible-inv.co.jp/ir/upd/20240826_JPN_June2024FP_vF2.pdf
〇説明資料一部訂正
https://www.invincible-inv.co.jp/ir/upd/140120240827577008.pdf
〇質疑応答 https://www.invincible-inv.co.jp/news/upd/20240826_QA_JPN.pdf
○説明者 コンソナント・インベストメント・マネジメント株式会社
取締役会長 市來 直人
○説明
本日は、インヴィンシブルの2024年6月期(第42期)の決算説明会にご参加頂き本当に有難うございます。
先ず、最初の目次をご覧ください。第1章のエグゼクティブ・サマリーは割愛し、2章から7章まで、ESGに関する取り組みまでを説明させて頂きます。
それでは 6頁をご覧ください。
最初に2024年7月 取得物件の概要をご説明致します。インヴィンシブルは、7月31日にフルサービス型8物件、リゾートタイプ3物件、 宿泊特化型1物件の合計12物件の国内ホテルを、平均鑑定NOI利回り6.0%、取得価格合計1,044億円で取得しました。
続いて7頁をご覧ください。この取得により全J-REIT最大のホテルポートフォリオ は104物件、取得価格ベースで6,122億円に拡大致しました。10年前にインビジブルがホテル投資を始めた時は、宿泊特化型を中心としていたホテルポートフォリオは、継続的な外部成長を通じて、ホテルタイプ 地域の両面で分散とバランスの取れたホテルポートフォリオに発展してきました。今後、コロナ禍から大きく回復している宴会、会議、レストランなどの非宿泊関連事業および地方でのインバウンド事業の取り込みを狙っていきます。
8頁では、今回の取得を通じて本投資法人は、滋賀、奈良、熊本、宮崎の4県にもホテル投資を拡大することになり、ホテルを保有する都道府県数は29に達したことを示しております。
9頁からは24年6月期の決算と、2024年12月期および2025年6月期業績予想をご説明致します。
10頁は、24年12月期および25年6月期の業績予想です。左側最初の列に前期、次に当期の実績を示し、比較しております。本投資法人の国内ホテルは、季節性の要因で、夏休みなどが含まれる1年の後半の方が前半よりも売上は多いため、当期の国内ホテルの賃料は前期マイナスとなりました。一方、ケイマンの2ホテルは、逆に前半が繁忙期でありますから、運営委託収益は前期プラスとなり、又、シェラトンを保有しているTMK(特別目的会社)からの受取配当金が8期ぶりに計上されました。これらを総合して、営業収益は前期比で12.3%増加の211億円になりました。尚、当期のTMKからの受取配当金14億円は、会計期間に関する特殊要因により、通常よりも6か月多い12ヶ月分に相当する額になっております。当期の一口当たりの分配金は、対前期比16.9%増の1,917円となり、2010年2月に本投資法人の称号がインビジブル投資法人になって以降、最大の金額となりました。
11頁をご覧ください。コロナ禍前の2019年6月期と比較して、営業収益に占める住居の比率が20.4%から7.2%に低下し、営業収益の殆どがホテルになっていることが示されております。
12頁に参ります。24年12月期業績予想の概要についてです。左側の最初の列が23年12月期の実績で、2列目が24年12月期の予想です。24年12月期は、サンシャイン・スイーツ・リゾートの大規改修による売り止めや、5月に開業致しましたホテル・インディゴ・グランド・ケイマン(今後インディゴと申し上げます)などの開業キャンペーンなどの影響で、海外からの海外運営委託収益が前年同期比で4.8% 下回るものの 7月に取得したホテルによる賃料増加などにより営業収益は前年同期比26%増の237億円、一口当たり分配金は、同9.6%増の1,797円を見込んでおります、インバウンド全般が力強い需要を見せる中、依然、訪日客数がコロナ前の水準を下回る中国人の需要が回復していく次第では、更なる上積みも期待されます。
続いて13頁、2025年6月期業績予想の概要をご覧ください。 先ほど述べました通り、シェラトンを保有するTMKからの配当金は、24年6月は特殊要因により12ヶ月分配当と相当となっていましたが、25年6月期は6ヶ月配当と見込んでおります。この結果TMKの受取配当金は前年同期比で減少しますが、主に24年7月に取得しましたホテルの賃料増加などにより、営業収益は対前年同期比14.7%増の242億円、純利益は12.2%増の144億円を予想しております。一口当たり分配金は、前年同期比1.1%減の1,895円を見込みますが、仮に前年同期のTMKからの配当金が特殊要因による12ヶ月分相当ではなく、通常の6ヶ月分相当と仮定した場合、一口当たりの分配金は1,861円であったと考えられ、この場合、25年6月の一口当たり分配金は前年同期比1.8%増に転じます。
次に14頁、国内ホテルKPIをご覧下さい。国内ホテルKPIについては、月次開示の国内81ホテルベースの数値に加え、7月に新規取得しました12 物件を加えた、93 ホテルベースの数値も合わせてお示ししています。本投資法人が保有する国内ホテル81物件の当期のKPIは、全て前年同期を上回りまし。たRevPARは11%増、GOPは前年同期比17.2%増となりました。24年12月期も全てのKPIが前年同期を上回る予想で、国内81ホテルベースのGOPは、前年同期を3.6%上回る見込みです。25年6月期も、大阪関西万博をはじめ、需要増の因子がいくつもあることを背景に、全ての KPIが前年同期を上回ることを見込みます。
15頁をご覧ください。続いてケイマンホテルのKPIについてです。ここでは、棒グラフは、為替変動の影響を排除するため、全て1ドル110円で換算しています。紺色の折れ線グラフは、各期における加重平均為替レートを使って円換算をしています。当期は、全てのKPIが前年同期を上回りました。一方、24年12月期は、業績予想のページでお伝えした通り、競合ホテルの開業キャンペーンセールス、サンシャイン・スイーツ・リゾーツの改修工事による客室売り止め等の影響により、米ドルベースのGOPは、前年同期比で11.3%の減少を見込んでおります。
16頁に参ります。MHMが運営する73物件の売上と、GOPの推移の実績と2024年、25年の予想についてです。当期は、客室売上が昨年同期を13.7%上回り、更に宴会、会議、レストラン、婚礼で構成されます料飲売上が、2019年同期比で100.2%となりまして、コロナ禍以降初めて2019年水準を上回りました。又、MHMによる販売可能指数に対するGOPを最大化する戦略が引き続き奏功し、各種コストの上昇圧力ある中でも、GOP比率は39.7%と、2019年同期と同水準のGOP比率を達成しました。24年12月期、25年6月期も、客室売上および料飲売上の両方が伸長し、GOP比率も現状と同水準で維持していく見通しです。
続いて17頁、料飲部門のうち、宴会・会議需要の動向についてです。先ず、宴会需要についてです。宴会費用の低迷の一因には、コロナ禍による出社頻度の低下が上がられますが、左上の資料がお示しする通り、足元では社内、社外関係者との対面コミュニケーション促進を主な理由として、オフィス回帰のトレンドが見られます。又、もはやコロナ対策で会食を控えるということは、社会通念ではなくなったと言えると思います。今後、この対面コミュニケーションへの回帰のトレンドにリンクした、宴会需要の増加が期待されます。続いて左側中段が、研修関連の会議需要についてです。人材不足が続く経営環境においては、社員のスキル、リテンション、マネジメント向上の重要性が高まっており、そのための手段の一環として、教育・研修のニーズが高まっています。
又、人的資本に関する情報の開示・義務化も、社員教育・研修拡充の流れの一因となっています。これらの動向を反映して、今後3年間の教育・研修費用を増加させる見込みの企業割合は、2021年度の43.1%から2023年度には62.8%まで高まっております。今後、この社員教育の充実の機運の高まりに連動して、ホテル施設を利用したオフサイトなどの研修会議需要の増加が期待されます。右側の棒グラフをご覧ください。只今ご説明しました動向も反映して、MHM、シェラトンの宴会・会議の売上は、回復・増加しています。2019年より宴会・会議運営を継続して行っているMHM運営の主な18物件においては、会議売上は2023年6月期の段階で、コロナ禍前の水準である2019年同期を上回っており、又、宴会売上については、堅調な回復を継続しており、24年6月期には、2019年同期の93%まで回復しました。今後、一層の回復・増加が期待されます。シェラトンにおきますMICE、BANQUETの売上も、順調な回復を見せており、一層の回復・増加が期待されます。
18頁に参ります。資本的支出および減価償却についてです。2024年の戦略的CAPEXは、年初ではフレックステイイン飯田橋およびサンシャイン・スイーツ・リゾートにおける改装工事への支出を予定しておりましたが、ホテルポートフォリオの更なる収益性改善のための、他の物件への追加支出を決定したことなどから、年初予算から約5億円増加し、現時点では約23億円の投資を見込んでおります。
それでは、戦略的CAPEXに関する事例を2件ご紹介します。
19頁では、フレックステイン飯田橋の戦略的CAPEX事例について紹介しています。改修工事は今年の9月20日までの予定で、投資額は3.9億円の予定です。工事内容は、2階のレストランスペースと、退去しました1階のテナントスペースを客室に改装することで、客室数を59室から68室に7室増やします。加えて、ルームミックスを変更します。定員2人の部屋を定員3人の部屋に改装することで、定員3人の部屋の割合を8%から47%まで引き上げます。又、定員5人と6人の部屋も新設致します。これらの結果、定員数は123人から178人に大幅に増加し、年間GOPは82.8%増の99百万円増を見込み、ROIは約25%の想定をしております。
続いて20頁、サンシャイン・スイート・リゾートの戦略的CAPEX事例についてご紹介します。サンシャインの周辺では、ホテル・インディゴ・グランド・ケイマンの開催や、他のホテルのリニューアルが続いているため、竣工から25年経過した本ホテルの競争力強化が喫緊の課題であり、そのために大規模改修を実施します。全客室の全面改装、ロビー、レストランなど共用部の改装に加えて、新たにピックルボールコート等の新設工事などを予定しております。客室棟は、A棟とB棟の2つがありますから、売り止めを伴う客室内装工事期間は、A棟は本年8月から11月、B棟は25年の5月から8月に分割し、繁忙期に当たります12月から4月は、両方の宿泊棟を稼働させることで販売期間の損失を最小限に抑える予定です。改修費用の総額は2,600万ドルを見込んでおりまして、改修効果は通期をする2026年には、NOIは未改装の場合と比べて91.5%増加し、ROIは13.2%となる計画です。
22頁をご覧ください。ここからは第4章で、ホテル運営状況と市場環境について説明致します。先ずは、日本国内における延べ宿泊者数推移でございます。24年の1月から6月の延べ宿泊者数は3億人泊と、前年同期間から7.5%伸びました。日本人の延べ宿泊者数は2.8%の微減、外国人は57%増となり外国人が宿泊者数増加を牽引する形となりました。全体として、過去10年間の推移を見てみますと、外国人の延べ宿泊者数は、10年前の2,100万人から24年の7,700万人へと3倍以上成長しており、結果、日本の宿泊市場の25%を占めるまでになっております。2030年までに訪日外国人数を、2019年の約2倍に増やす政府目標を踏まえ、今後、インバウンドの成長は一層高まっていくと考えております。
23頁は、日本人の国内需要、旅行需要についてです。日本人の2024年の国内旅行、消費額は、2019年比で6%増える見込みです。背景の一つには、円安の進行による海外旅行の減少があると考えられます。
24頁は、明治安田生命による2024年の夏休みの過ごし方に関するアンケート調査です。夏休みに使う金額は、3年連続で増加し、旅行に行くためにお金を使う、増やすという人が最も多く、夏休みの過ごし方の圧倒的第1位は、国内旅行です。又、右下のデータがお示しする通り、安・近・短から、高くても、遠くへ、長く、に嗜好は変化し、地方ホテルへのプラスの効果が期待されます。
25頁からはインバウンドについてです。先ずは、市場動向についてです。2024年1月から6月の訪日外国人旅行者数は、2019年同期間比6.9%増です。内訳としては、中国以外の国からは21.6%増加している一方で、中国からは32.3%減少している状況です。一人当たりの旅行消費額に関しては、買い物代が2019年から24年にかけて24.7%の増加にとどまる一方で、宿泊費、飲食費と言ったコト消費が60%伸びました。中でも、宿泊費の増加は、29,145円と、全費用項目で最大の大きさで、66%増加しました。ADRの更なる上昇が期待されます。
26頁は、中国のインバウンドです。グレーの棒グラフは、2019年同月を100とした場合の中国人の訪日客数の推移です。6月時点で2019年比 75%です。紺の棒グラフは、同じく2019年同月を100とした場合の、MHMが運営する73ホテルでの、中国人への客室販売数の推移です。訪日中国人数の回復を上回る形で推移し、この6月には2019年同月比で102%を記録しています。訪日中国人数が回復しきっていない中で、MHMは受注をしっかり確保できていることが示されております。
続いて27頁は、インバウンドの見通しです。右上のデータが示します通り、日本はアジア、欧米豪、両方のエリアの人々から海外旅行先として最も人気を集めており、左側にある政府 予想では、2024年の訪日客数は2019年水準を超過し、過去最大の3,500万人に到達する見込みでございます。
次に28頁は、訪日リピーターの推移と訪問先の傾向です。訪日2回目以上の訪日客を意味するリピーターの割合は、コロナ禍挟んで上昇傾向にあり、23年には68%に達しました。2030年の訪日客6,000万人という政府目標に向かって、今後もリピーターの増加が期待されます。リピーターは、初めて日本に訪れる外国人と比べて、北海道、青森、九州といった地方部に訪れる傾向があることから、リピーターの増加は、本投資法人の地方部の物件の業績向上に寄与するものと考えられます。
29頁をご覧ください。MHMによる取り組みについてです。MHMは、ホテルチェーン全体で、食が目的となる観光需要の創出を目指し、本社料飲部門が、商品開発、料飲マーケッティング戦略策定、指導、定期的な料理コンテストの実施、調理人の育成サポートやサービスクオリティなどの向上などを継続的に行うと共に、料理の分野別に最高レベルのスキルを持つ複数の統括総料理長が、夫々が常駐するホテルのみならず、MHMチェーン全体の料理の「美味しさの追求」を指揮しています。
インバウンドの取り込みのため、中国・台湾・韓国を担当するインバウンドセールス担当者を増員し、現地エージェントへのセールス能力を強化しています。又、欧米客の需要を取り込むために、部屋の広さの指定や食事制限の有無など欧米固有の受注条件に配慮し、欧米に特化した旅行会社へのセールスを実施しております。又、右側記載しました通り、活発化する内外の企業、教育機関、スポーツ団体などの活動に応じた積極的な永安営業による売上拡大にも取り組んできております。
30頁はMHMの今後の見通しと戦略についてです。先ず、インバウンド需要については、国際線夏ダイヤへの切替えタイミングで、関西国際空港の発着便増ほか、大阪関西万博の効果が期待できることから、更に増加していく見通しでございます。一方、国内ビジネスレジャー事業については保守的に想定をしています。今後の戦略としては、より詳細な分析と緻密な対策を実行するためのレベルマネジメントチームを動員し、細やかな価格調整を通じて売上の最大化に取り組みます。又、人員確保については、新卒採用とMHM独自の成田・ホスピタリティ・アカデミーから積極的に採用を続けます。加えて、新たにタレント・デベロプメント・セクションを設置し、多種多様な服務領域で活躍する、スペシャリスト育成のための採用・育成・教育体制を拡充してまいります。
続いて31頁は、シェラトンの取り組みです。コロナ禍において需要が低迷していた、生命保険会社のインセンティブ案件が復活しています。加えて、コンサルティング会社や監査法人のイベントが増加しております。新たにプロサッカーチームJEFユナイテッド市原千葉とアシストスポンサー契約を締結しました。更に複数のラグビーナショナルチームの宿泊事業を獲得するなど、ホテルの強みを生かしたスポーツ団体との関係を更に強化していきます。団体需要については、足元では修学旅行需要がコロナ前の水準付近まで回復しています。国内外の企業グループからの問い合わせも増加しており、確実に需要を取り込むために様々な施策を検討、実施してまいります。
32頁に示しています通り、これは毎回継続してお出ししていますが、これは、ビジネス、レジャー需要の動向です。ビジネス需要は、コロナ前のレベルで推移しており、今後はレジャー需要の増加を期待しております。
33頁、ケイマン諸島のホテル事業環境についてご説明致します。ホテルの新規開業やリノベーションにより、24年5月末のケイマン諸島の宿泊施設の客室数は8,022 室となり、25年には更に3ホテルが新規開業を予定しているなど、客室は9,000室を超える見込みです。一方、24年6月期のケイマン諸島に就航する航空便数は、2019年同期比84.8%と、23年6月期の同72.5%から12.3 ポイント上昇しました。ケイマン諸島への宿泊訪問客数は、2023年6月期としては、2018年、2019年に次ぐ過去3番目を記録しました。ケイマン諸島への航空便増便による空路での訪問客数増加を前提に、更なるアップサイドを企図としてウェスティンの増築を引き続き検討しています。23年7月に、政府中央計画委員会CPAから建築許可の条件付き承認を取得しましたが、近隣事業者からCPAに対して敷地外の駐車場に関する異議申し立てがなされました。今後はCPAに対して建築許可を再申請するとともに、最新の投資コストと投資収益率に対する調査を実施する予定です。
34頁では、国際観光客数が、特にケイマンに関係が深いアメリカ、欧州、そして中東で着実に台頭しており、ケイマンへの旅行者の割がアメリカでございますが、そのアメリカでのADRの上昇傾向が続いているということを示しております。
続いて35頁をご覧ください。ホテルの供給環境についてです。HOTELRESの調査によりますと、新・増設ホテル計画確認客室数が、2019年以降の減少トレンドから、23年12月に一度反発するも、24年6月には再び減少に転じました。背景としては、建設資材費および工事設計労務費がともに大きく増加傾向にあり、今後のホテルの供給は限定的なものになると考えられ、特に地方の既存のフルサービス型、リゾートタイプのホテルは、地域のインフラとしての重要性が高まるものと考えています。
37頁から2頁にわたっては、住居の運用状況についてです。
37頁をご覧下さい。当期においては、繁忙期に稼働率の維持・向上を優先してリーシング活動を行い、期中平均稼働率は過去9会計期最高の96.7%を記録し、当期の住居41物件のNOIは1,140百万円と、前年同期比1.2%増でした。今後も、住居41物件と商業1物件は、ともに安定的な収益を見込みます。
続いて38頁です。右下をご覧下さい。当期はレントアップにも積極的に取り組み、新規契約および更新契約の両方で、平均賃料は増加致しました。
次に第6章、財務の状況についてです。
40頁をご覧下さい。当期は2月に資金調達手段の多様化を企図して、本投資法人初のリテール債60億円を発行し、3月には株式会社日本格付研究所の信用格付がA(ポジティブ)からA+(安定的)に格上げされました。当期も引き続き借入期間の長期化・返済期限の分散化を推進しています。2024年7月には、ホテル12物件の取得に係る総額567億円の借入れを、平均借入期間5.9年で実行し、有利子負債の平均残存年数は、昨年12月時点の2.4年から、本年8月26日時点で3.5年に長期化しております。
42頁は、ESGに関する取組みで、先ず、本投資法人による取り組みについてです。当期は、本投資法人初のESGレポートを発行致しました。又、グリーンファイナンス実施のためのグリーンファイナンス・フレームワークに基づき、2024年1月と3月にグリーンローンによる借換えを実行致しました。外部環境認証取得物件を8物件増やし、合計22物件となりました。更に、DEI推進ポリシーの策定や、資産運用会社の従業員の資格取得・維持に必要な費用を、毎年一定金額負担する「資格取得支援制度」を導入するなど、快適な職場環境の創出や優秀な人材の育成・維持を企図した施策を導入致しました。
続いて43頁、MHMによる取り組みです。MHMでは、環境省補助金(Shift事業)を活用し、 CO2排出量削減とともに、エネルギーコストの削減に取り組んでおります。右側に参ります。本年7月に取得した物件の中では、アートホテル日暮里ラングウッドでは、コミュニティとの連携と地域への貢献を強化しており、又、右下のアートホテル大阪ベイタワーでは、改装やリニューアルで役目を終えた食器、家具、家電などを、全国のホテル間で情報を交換しながらマッチングを行い、可能な限り再利用する取組みを一般向けに拡大し、再利用可能な物品を販売するイベントを開催して、当日の売上高1百万円超を国際NGOプラン・インターナショナルに寄付をしました。
51頁、最後にご覧下さい。おかげさまで、今期も増収・増益を達成することができました。当期の一口当たり分配金1,917円は、2010年2月に現在の称号になって以降、最大の金額となりました。2024年12月期の分配金予想は1,797円で、24年の年間予想配当は、3,710円となり、前回予想の3,506円に対して約6%の増加という予想になります。年間でも、2010年2月のインヴィンシブルへの商号変更以降、最大の配当を目指します。尚、一口当たりのNAVは、当期末で64,699円と、前期比7.9%増加致しました。又、51頁でお示ししておりますように、スポンサーは、そのファンドで全国に50棟以上のホテル、約6,000室を保有し、コンソナントはこれらの中から、J-REIT最大のホテルポートフォリオを充実させるべく協議を行ってまいります。新たな成長のステージで、皆様からの倍旧のご支援をお願い申し上げます。長時間有難うございました。