産業ファンド投資法人 2024年1月期決算概要
産業ファンド投資法人
2024年1月期(第33期)決算動画説明書&質疑応答
○動画 https://www.net-presentations.com/3249/20240329/dswadfscd23/
○説明資料
https://contents.xj-storage.jp/xcontents/32490/ce6c812e/2c72/43a9/957e/333ea7cc26fc/20240329095428996s.pdf
〇参考資料
https://contents.xj-storage.jp/xcontents/32490/394a752b/4f04/414a/bbb7/13cc55d9691d/20240329095316691s.pdf
○説明者 株式会社KJRマネジメント
代表取締役社長 鈴木 直樹
執行役員インダストリアル本部長 上田 英彦
○説明
産業ファンド投資法人の2024年1月期(第33期)の決算内容について説明致します。
3頁をご覧ください。本投資法人は、公募増資を通じて資産規模も大きく増加し、新たな成長ステージに入りました。今期のハイライトは3点ございます。先ず1点目として、CREカーブアウトが順調に進捗し、ロジスティードおよびセントラル・タンクターミナルの主要事業拠点を案件化、そして公募増資を通じて、487億円のエクイティ調達を実行致しました。今回のエクイティ調達では新NISA制度の活用を企図して小口販売を徹底し、投資家層の拡充を図ると同時に、プライシング後の投資口価格の維持・向上に努めました。2点目ですが、資産売却により譲渡益を還元することで、一口当たりの分配金が大幅に上昇致しました。第33期実績は、当初予想から5.3%増加して3,434円、第34期も期初予想から5.1%増加して3,390円となる見込みです。3点目ですが、保有物件において順調な収益向上が見込まれます。今回取得したロジスティードポートフォリオの賃貸借契約には、CPI連動の賃料改定が組み込まれており、既存保有物件でも、川口ロジスティクスセンター、大阪住之江ロジスティクスセンターⅠで、湘南ヘルスイノベーションパークでも順調な収益増加を見込んでおります。
4頁をご覧ください。今回の公募増資の概要です。CREカーブアウトによる収益性の高い物件取得を通じて、エクイティの継続的な成長が実現できました。新規取得資産28物件1,082億円および匿名組合出資持ち分166億円の取得、そのための資金調達として借入金 620億円、エクイティ487億円および資産売却代金を含む現・預金を活用致しました。
5頁をご覧下さい。今回取得した物件の取得価格と、鑑定評価額の差額は大きく、匿名組合出資の裏付け資産まで含めると、含み益が234億円、11%となり、直近1年間における他の物流リートの取得事例と比較しても、大きなものとなっております。今回の取得物件は非常にタイトなスケジュールの中、過去に証券化されたことのない多数の物件を、同時にデュ-デリジェンスし、且つ、各物件の個別事情を考慮しながら、賃貸借契約を1から作り込む作業など、複雑、且つ、膨大な対応が求められましたが、本投資法人のこれまでの知見とノウハウをフルに活用したことで、最終的に新規取得資産28物件においては、鑑定評価額に対して10%低い価格で取引を纏めることができました。こうした大きな含み益を持つ物件取得は、本投資法人のNAV成長にも寄与しております。
6頁をご覧ください。今回の物件取得に伴い、デットを620億円調達致しました。長期金利が上昇傾向であったため、調達金利の想定は保守的に見込んでいましたが、最終的に想定を下回る水準で金利決定し、1期当たり約50百万円の削減効果、一口当たりの分配金で19.4円の収益改善に繋がりました。その収益改善額については、現在の公表予算には反映しておらず、今後の借り換えの長期化や固定化および修繕計画の前倒しなど、ポートフォリオの収益維持・向上の施策に活用していきたいと考えております。
7頁をご覧下さい。今回の公募増資により、時価総額が大きく増加し、J-REITの中では15番目となりました。投資口価格も、公募増資のマーケティング期間中は下がったものの、その後回復基調であり、足元では東証リート指数をアウトパフォームしております。更に日々の出来高も約24億円と、公募増資前に比べて3.4倍に増加するなど、流動性も高まっております。
8頁をご覧ください。今回の物件取得後のバランスシートです。取得価格の合計は約5,000億円、鑑定評価額は約6,000億円、含み益は約1,000億円に達し、LTVは簿価ベースで51%、時価ベースで42.7%となり、一口当たりのNAVは136,239円と0.5%上昇致しました。
10頁をご覧ください。第33期分配金実績ですが、当初予想から174円上振れて3,434円となり、水光熱費収支の改善や新規取得資産の収益寄与により収益は上振れました。又、横浜都築R&Dセンターの売却に伴う減損損失を計上致しますが、これは税会不一致の問題でもあり、一時差異等調整引当額、所謂、ATAで調整され、実質的な分配金の影響は特段ございません。続いて第34期の予測分配金ですが、当初予想から165円上振れ、3,390円と見込んでおります。売却物件の賃貸収益が減少しますが、既存物件の収益改善や戸塚テクノロジーセンターの1回目の売却益計上等により、当初予想から増加する見込みです。
11頁をご覧ください。続いて第35期の予想分配金は、3,390円と見込んでおります。主な変動要因は、戸塚テクノロジーセンターの1回目と神戸ロジスティクスセンターの4回目の売却益の剥落、戸塚テクノロジーセンターの2回目の売却益計上、そして新規取得資産の収益が寄与致します。戸塚テクノロジーセンターについては、第36期にも3回目の売却益約10億円、現在の投資口数を前提に試算すると、一口当たり393円が発生する見込みです。最後に固都税費用化や一過性の売却益の影響等を除く1口当たりの分配金は、3,248円と試算しております。調整項目として戸塚テクノロジーセンターの売却益の剥落、2024年取得資産の固都税の費用化、再開発や水光熱費用の利益超過分配の調整、その他保有物件の賃料の変動等を考慮しております。尚、この調整項目にはCPI連動の効果を含めておらず、この効果が出てくると更なるアップサイドも期待できます。
13頁をご覧ください。本投資法人の投資戦略です。これまでの投資戦略に、CREカーブアウト案件が加わることで、取得機会が大幅に増加しております。冒頭でロジスティードとセントラル・タンクターミナルの案件に触れましたが、前回の決算発表の場でも話しました通り、CREカーブアウト案件は非常に独自性と付加価値が高い取り組みであり、本投資法人の投資戦略の選択肢が増えると同時に、収益性が高い物件取得が期待でき、今後の外部成長力を力強くサポートできると考えております。スポンサーのみが相手先と取得価格や賃貸借契約を交渉して物件を整え、本投資法人が取得するというものではなく、我々運用会社も、スポンサーと一緒になって相手方に流動化や投資スキームを提案し、本投資法人の投資主価値向上に資する物件を取得する取り組みであり、現在も複数の案件でご提案させて頂いております。
14頁をご覧ください。CREカーブアウトのコンセプトを示しております。日本企業は今、低い株主利益率、特にバランスシートの効率性を改善させなければならないという、かつてない資本市場からのプレッシャーの下にあります。その中で、不動産をオフバラしようというアセットライトの機運が大きく深まっていると考えており、こうしたニーズに応えるために、本投資法人による不動産保有を通じた価値提供を行い、それを通じて本投資法人の投資主価値の向上を図っていく、これがスポンサーと共同して進めているCREカーブアウト戦略でございます。
15頁をご覧ください。ご参考までに、直近3年間の取得物件の状況です。本投資法人が推進するCRE提案での投資戦略上で、取得するアセットクラスや規模感は、年度によって変動はございます。今回の公募増資で取得した物件は、全て物流施設でございましたが、直近はセントラル・タンクターミナルの使用事業拠点や、現在提案している案件でも、物流施設以外も多くございます。引き続きCRE/PRE戦略およびCREカーブアウト案件を通じて、多様なアセットクラス取得を目指していきたいと考えております。
16頁をご覧ください。パイプラインの状況です。引き続きスポンサーとの共同案件も含め パイプラインは豊富にございます。本投資法人単独によるCRE案件に加え、スポンサーと共同したカーブアウト案件や開発案件も含めると、足元詳細検討案件が今、17件で約2,000億円ございます。その内訳は、下のパイチャートに示しており、非物流施設も増えております。右側をご覧ください。優先交渉権取得済みの案件例を記載していますが、アセントラル・タンクターミナルとロジスティードの開発案件だけでも約300億円になります。
17頁をご覧ください。本投資法人は保有物件において、将来の収益性が低下する兆候があれば、テナントの入替や資産入替など様々なシミュレーションを行っております。そして課題が顕在化する前に最善の対応を行っており、物件売却に関しては、直近3年間で見ると約430億円の売却を行い、多額の含み益を投資主の皆様へ還元しております。
19頁をご覧ください。本投資法人が取り組んでいる開発案件です。建築コストが上昇する中、コストコントロールを図りながら、取得価格ベースで約540億円の開発プロジェクトを推進しております。こちらに記載の開発4物件の取得価格と、鑑定評価額の差額である含み益においても、現時点で合計約110億円以上見込んでおり、将来のNAV向上に大きく貢献する見込みでございます。又、外部パートナーを活用した開発案件については、資本市場の状況を見ながら、取得のタイミングを決めていきたいと考えております。現在の進捗状況ですが、1列目のロジスティードが開発中の兵庫三田ロジスティクスセンターⅡは、今年の11月に竣工予定、2列目の羽村ロジスティクスセンターおよび3列目の習志野ロジスティクスセンターⅠは来年の2月に竣工予定でございます。4列目の習志野ロジスティクスセンターⅡはプランの作成が終了し、1棟貸しのテナント候補先と最終交渉をしております。又、これらの開発物件以外においても、先日公募増資で取得した物件の一部において、ロジスティードから再開発のご相談も受けております。
20頁をご覧ください。本投資法人にとって、今回のロジスティードポートフォリオを取得することは、大きな意義がございました。第1に信用力が高いテナントとの長期契約およびCPI連動賃料が組み込まれた物件取得ができること、第2にこうした賃料が盛り込まれた複数の物件を一括取得することで、産業ファンドのNOI総額が26.7%増加し、インフレ体制の高いポートフォリオの構築を、一気に進捗させることができた点でございます。参考までに右側に、CPI連動賃料による収益への影響を纏めております。初回賃料改定においての試算ですが、例えば毎年CPIが1%増加すると、1期当たりの収益は232百万円増加し、一口当たり91円の増配効果になる見込みです。
21頁をご覧ください。続いて期間満了を迎えるテナントへの対応状況です。左上のリストをご覧ください。足元、全国の物流施設の空室率は上昇していますが、本投資法人のポートフォリオは、高い稼働率を維持しております。左下をご覧ください。こちらは今後3年間に期間満了を迎える賃貸借契約の状況です。本投資法人は、これまで契約満了の機会に、マーケット賃料との乖離があれば、賃料増額を実現してきました。右側に、直近の契約満了時の賃料改定条項を記載していますが、直近31 件のうち45.2%で増賃となっており、又、増額時の賃料上昇率11.8%となっております。
22頁をご覧ください。最近増賃した物件について、本投資法人が取得した時点と増賃後の年間NOIの比較でございます。川口ロジスティクスセンターは約11年保有しておりますが、取得時に比べNOIは2倍以上の増加、直近契約更新した大阪住之江ロジスティクスセンターⅠも、7年保有しておりますが、95百万円増加と大きなNOI増加を見込んでおります。右下の湘南ヘルスイノベーションパークの増賃の事例ですが、マスターリース区画以外の直接契約テナントの一部区画で空室があったものの、後継テナントを速やかに見つけることができました。賃料も15.4%を増加、且つ、水光熱費もパススルーとすることで合意でき、4月から入居予定でございます。本投資法人の保有物件には、長期契約で、且つ、賃料改定がフラットなものもございますが、契約満了時にマーケット賃料との乖離があれば、このように大きな増収が実現できております。今後のインフレ対策へ向け、なんらかの賃料改定条項の組み入れ等を進めると同時に、長期契約の物件でも更改時の増賃については、しっかりと対応していきたいと考えております。
少し飛びますが、25頁をご覧ください。今回の公募増資により、簿価LTV51%、時価LTV42.7%になる見込みです。基本的にこれまでとLTVの考え方に大きな変更はありませんが、多少の上振れ、下振れはあるものの、現状の水準間を維持していくという方針でございます。
26頁をご覧ください。今後の借り換えの状況です。本投資法人は、これまで期間10年前後の長期の固定借入が中心であったこともあり、J-REITの中では既存の借入コストは、比較的高めでございました。足元では、借入期間の短縮や分散により借入コストをコントロールしており、直近の借入890億円は、返済合計190億円の平均借入期間8年から7.1年に短くなったものの、平均適用金利は0.91%と借入コストを低減することができました。今後も、基本的には長期固定借入を推進するものの、返済期限の分散を含め、全体の借入コストをコントロールし、分配金に与える影響を見ながら、柔軟に判断していきたいと考えております。
最後にサステナビリティについてです。
28頁をご覧ください。2024年3月1日にKJRMグループとして、サステナビリティの基本的な考え方や活動を、ステークホルダーと共有するためにサステナビリティレポートを発行いたしましたので、詳細は左下のリンク先をご参照ください。又、CDP気候変動プログラムにも参加し、昨年度よりワンノッチ上がり、シングルAのスコアを取得致しました。
その他のサステナビリティの取り組みは29頁および30頁に記載しており、32頁以降は利益超過分配の明細、第33期決算数字および第34期と第35期業績予想の増減要因の詳細を纏めておりますのでご参照ください。
以上で私からの説明は終了致します。
<質疑応答>
Q:今回の公募増資のタイミングについてですが、今年も去年もなんですが、REIT市場が一番厳しい時に増資を行われているという印象がありますが、資本市場環境をしっかり把握した上で、それでもこのタイミングでやるという判断であったのか、若しくは、資本市場よりも物件取得優先なのか、そういうところについての考え方を、今一度伺いしたい。
A:今回の公募増資のタイミングについてですが、今回公募増資でマーケティングをやっている時もやはり一番沢山の質問が来たのが、この点でございます。結論から言いますと、今回のロジストポートフォリオというのは、売主のコーポレートアクション等も含めて、このタイミングで売却するというのが条件の中で進めておりました。今回、これが仮に、先方がもし遅らせるようなことになった時には、恐らくこの価格では多分買えなかったであろうと思います。今回、このタイミングでというところで、我々が私募のスキームも含めてやらせて頂きました。冒頭でも話しました通り、初めての証券化の物件が全てですので、非常に、やってみると膨大な作業があると。その部分です、恐らく他社がこれを手掛けるには、なかなか大変であっただろうと思われます。ですので、今回の丁度タイミングとしては、資本市場は軟調な時であったものの、それに対しては、それに向けて前回の公募増資でも、レバレッジを下げたり、手元キャッシュを厚めにしたりだとか、様々なシミュレーションをさせて頂きました。今回の物件取得で含み益が100億円、且つ、CPI連動のこういった物件が取得できる、正にこれはIIFの中長期的に考えても、やっぱり取得するべきである。調達に関しても、これをブリッジでやるとなると、恐らくそのタイミングでは買えない、色々な関係者が増えるので、そういった背景を総合的に判断して、このタイミングで公募増資を決断したというところでございます
Q:今後の分配金成長ですが、どれぐらいの成長率を目指されていくのか。今回の増資では、一応分配金は3%増加したというお話ではありましたが、殆どがレバレッジの上昇効果と見ておりますので、仮に、これからレバレッジが引き上げられないということであれば、今後についてはぐらいの成長を目指されていくのか教えて頂きたい。
A:分配金成長率ですが、こちらの方も、ちょっと株価次第というところもありますが、今後も3%成長に向けて目指していきたいと思っております。今回の物件取得に絡めて物件売却も行いまして、所謂、結構利回りが高めの底地、R&Dを売ったので、その発射台を一旦下げてから上げていくというところであったので、必ずしも全てがレバレッジによるものではないのですが、今後、株価の方も見ながら3%成長を目標としつつ、その時の状況に応じて考えていければなと思っております。
Q:確認となりますが、20頁に今回の物件取得での物件は、全部CPI連動条項が入っているということで、シミュレーションも出されておりますけれども、CPI年率が1%上昇すれば、一口当たりでいきますとざっくり91円だと3%弱になりますけれども、CPIの連動による更新が、確か5年後、5年に1回ということであれば、CPIが5%上がれば分配金は3%弱上がるという理解でいいのか。それであれば、普通に賃料改定、契約更新をした時の方が、アップサイドが大きいのか、どうか。そちらについての考え方をお伺いできればと思います。
A:契約の期間とCPIのところのバランスというところでいきますと、今回のロジスティードの案件というのは、基本的に長期契約です。なぜなら、ロジスティードにとっても、我々も、その後色々とあちら側の経営者の方、社長含めてお会いしましたけど、本当に旗艦施設であると。その中でも、長期で使い続けたい、これがないと非常に困るという中での取り組みであったので、ここを、例えば短く切って賃料アップというのは、ちょっと入り口のところではなかなか難しかったというところでございます。一方で、他の物流施設に関して、今、毎期何らか知らずの更改がありますけれども、そこは期間だとか相手の事情だとかマーケット賃料とか見ながら、柔軟に対応していければと思います。
Q:今しがた、質疑の中で少しご説明のあった今後の利益成長についてですが、EPU乃至DPUで、目安として年間3%を目指さすとの説明でしたが、内部成長と外部成長でどちらを主な利益成長推進力としていくのか、内訳で言うとどれぐらいの、夫々の貢献を見ているのかについて、もう少し追加で説明をお願いします。
A:利益成長のところに関しましては、やはり外部成長が主になってくると思います。今手掛けている開発案件も含めてですね。ざっくり、例えば3%とすると、1.5から2ぐらいが外部成長、それ以外が内部成長、コストの削減とかそういった努力も含めて、という大体そんなイメージで考えております。
Q:今回のロジスティードからの物件取得のプロセスについて、追加で説明をお願いしたい。産業ファンド以外にも買い手としての競合先はあったのかどうか、産業ファンドが買い手として選ばれた決め手について等、又、フェアな取引であったということに関して、追加でご説明があればお願いします。
A:物件取得の時のプロセスですが、どこまでお話できるかっていうところもありますが、元々ロジスティードさんは、従前からアセットライトというのを対外的にも掲げられておりまして、その中で色々と提案を募集していたというのは聞いております。その中で、我々 KJRMとして提案をさせて頂きましたが、それは今回のリートの部分と私募のスキームです。時期も含めた色んな提案内容をロジスティードにご評価して頂き、且つ、彼らも売った後もしっかりと、ちゃんと信頼できるパートナーで、転売とかされても困りますし、そういった長期的に保有して頂ける、そういったところもあったのかもしれませんが、我々の提案が一番刺さったというところです。実際にこのスケジュール感で、果たしてどこまで他社でできたのかっていうところもありますが、 そういうexecution能力も含めて 評価頂いたのかなと思っております。
Q:外部成長の物件、パイプラインの変化に関してですが、前回の資料は53件で5,070億円とあって、今回はPO後で、17 物件で4,012億円となっておりますが、この間の入り繰りについて簡単にご説明を頂ければと思います。
A:パイプラインの変化でいきますと、16頁のところで行くと、先ほど話しました40件、4,000億円というのは、ざっくりとした、所謂、ロングリストというか、常に色々動いているところで、17件のところで、大体2,000億円ぐらいあります。前回の話しましたところは、ロジスティータの部分も入っていたりというところはございました。今回のこの2,000億円の中には、当然前回には入っていなかったものも、そうですね、半分ぐらいは入れ替わっているような状況ですけれども、中身としましては物流 だけじゃなくて、最近ではちょっと工場の話もあったりだとか、あとKRRのPEチームと共同しながら色々と検討している案件とか、そういったものも増えてきているというところでございます。
Q:KKRとの協業の話が14頁にあり、一緒にやるようになってから時間が経っていますが、今回のロジスティードの話も含めて、事例としてこのような先方のサポートを受けましたというような、紹介できる事例があれば、改めてお伺いしたい。
(以下の補足説明あり。
協業と書かれてあるので、物件を見つけてくることもあるだろうし、ロジスティードの話を証券化するのに、他のグループでは厳しいかもしれないというところで、KKR側からも少しサポートをして貰ったとか、この案件に限らず、最近の協業と言われている部分で紹介できる事例があれば、伺いたい)
A:案件の詳細は、ちょっと名前は言えませんが、イメージとしては、例えば、KKRのPE部門が、色々な会社に投資とかする時に、やはりその中で保有不動産のバリエーションみたいな話が、必ず最初にあります。まあそういった時に第三者のレポートっていうのはよくあるんですが、実際その中で我々も色々と相談を受けて、よりリアルな形でどこまでIIFがこういった産業不動産であれば取得できそうかとか、そういうのをバリエーションしながら、そうすることによって、よりPEチームをもっと具体的に、相手先に刺さるような提案ができるというところもあって、そういったところでコラボしながらやっているという所で、ここに書いている協業により物件取得というのは、主にはそういったところでございます。クロージング云々というのは、基本的にはこちらの方で、不動産に関しては纏めてやっているというところでございます。
Q:16頁のパイプラインのところですが、前の方の質問の回答のところにも、用途として工場なんかもありましたが、私はデベロッパーの、例えばヒューリックの担当なのですが、ヒューリックはCREの案件に注力されていて、今回のロジスティードのところの私募ファンドの出資なんかも、ヒューリックのものもあったと思いますが、その前後に、工場のSales & Lease Backの話もあったかと思います。その意味で工場も、今回のロジスティードと同じように、結構しっかりしたところで、長く使ってくれるところであれば、従来よりも投資先として有力になってきたかどうか、その辺の考え方をお伺いできればと思います。
A:工場とか出てくるのかということに関して言いますと、正にそのご指摘の通り、色々ご相談は受けております。やはり14頁にある通り、色々と日本企業のガバナンス強化の中でご相談を受けながら、ただ我々としても、当然ながら何でも良いからという訳ではなくて、当たり前ですが不動産投資ですので、価値がきちっとあるということ、長期的にしっかりと運用できるっていうものを厳選して、投資を決めているというところでございます。これに関しては、我々はもう昔からずっとやっておりますし、やはり最近は少し件数というか、問い合わせもちょっと増えてきているのかなと思っております。
Q:確認ですが、ロジスティードとのリースバックの件で、先ほどのご説明の通り、良い価格で買えましたという話があり、長期保有が前提ですとのことでしたが、これは、御社の方で、短期で売るということはないと思いますが、長期で持たなくてはいけないみたいな条項が、特に付いているわけではないという理解で良いのか。
A:基本的に長期契約です。確か最初は5年だったかな、それは持つと、全部ではありませんが、基本はそういった中で、すぐに短期でどうこうというよりかは、基本は長期で保有するというところで合意して進めているので、制約ではないのですが、我々も別に問題もないので売る必要もないので、逆に我々は長期で持ちますというところを提案していますので、状況としてはそういったところでございます。
Q:デットの話ですが、今回投資における業績修正の中でも、保守的でありながらも、かなり金利コストも乗っているのではないかと思っていますが、今後の金利コストをどのようにマネージしていくのか、少しレバーも、今までよりは若干ではありますが高まっておりますけれども、期限前弁済の考え方とかも含めて何か方針をお伺いできれば幸いです。
A:借り換えについてですが、金利環境がこういった状況でしたし、今回の公募増資の時の予算設定でも、日銀の動きとかまだ見えないところもあったので、現状の予算でも一定程度のバッファを乗せながら、予算立てをしております。公募増資でのデット部分も、結構大きめバッファのせていたのですが、そこまで行かなかったということで、結構コスト下げには繋がっているというところでございます。ですので、今想定している予算のところでも、そのバッファの範囲内であれば、そんなに大きな影響はないと思いますし、仮にそれが少し上振れしそうであれば、期間を多少調整するとか、そういったところでなんとかマネージできるのではないかと思っております。期限前弁済については、積極的にどうこうというより、例えば一部変動借入れしているものとか、短期で借入れているものとかで、期限が来た時に、一旦ちょっと返すかというような運用するかもしれませんが、基本的に長期の部分を、どんどんデットを返していくというのは、今のところは想定していないというとこでございます。
Q:日本企業のガバナンス問題が、去年から東証を通じて言われていると思いますが、やはりそういったところから、去年あたりからそういった持ち込みというか相談っていうのは結構多くなってきたのでしょうか。あと工場とかインフラ施設も色々とあるとは思いますが、今後のこういった、今回のロジスティードのような案件というのを、期待できると考えてよろしいのでしょうか、その辺りをお聞かせ頂ければと思います。
A:ガバナンス問題に端を発して、こういった話というのは、案件数は増えてきていますし、あとはスポンサーのPEチームと、逆に我々の方から待つのではなくて、積極的に提案を仕掛けているようなところもございます。内容としては、今回のタンクターミナルはインフラ管理者と言っていますが、そういうのが今後もあるのかどうかわからないですけども、物流、工場、インフラ、夫々案件としては検討しております。
その他ご質問がないようですので、これにて質疑応答を終了させて頂きます。
以上をもちまして、産業ファンド投資法人2024年1月期(第33期)の決算説明会を終了とさせて頂きます。
本日はお忙しい中ご参加頂き、誠に有難うございました。