ユナイテッド・アーバン投資法人 2023年11月期決算概要
ユナイテッド・アーバン投資法人
2023年11月期(第40期)決算動画説明書&質疑応答
○動画 https://www.net-presentations.com/8960/20240119/fciresk/
○説明資料
https://www.united-reit.co.jp/file/ir_library_term-1e84744f6244c0dcc701aaa542d2fdd816cc9744.pdf
〇質疑応答
https://www.united-reit.co.jp/file/ir_library_term-08716114097060c791036e2556cb929159deef4e.pdf
○説明者 丸紅リートアドバイザーズ株式会社 代表取締役社長執行役員 馬躰 純一
○説明
ユナイテッド・アーバン投資法人2023年11月期決算説明動画をご視聴頂きまして誠に有難うございます。ユナイテッド・アーバン投資法人の資産運用会社丸紅リートアドバイザーズは、昨年12月より、社名をジャパンリートアドバイザーズから変更致しました。
先ず初めに、本投資法人の、今後の更なる成長を目指して取り組む方針、施策をお伝えしたいと思います。資料2頁をご覧ください。本投資法人は、これまで資産規模の拡大を図りながら、中長期にわたり安定した収益を確保しうる、根源的価値を有する不動産において、個々の不動産の収益を持続的に成長させることで、投資主価値の最大化に努めてまいりました。本投資法人は、昨年12月に節目となる上場20年を迎え、更なる成長を目指し、4つの重点的な取り組みを実施してまいります。先ず、投資主価値の向上に向けての取り組み。これまで通り内部成長、外部成長を通じ、DPUとNAVの向上に取り組んでまいります。DPUについては、含み益のある資産売却益も活用し、3,500円をベースに持続的な成長を目指してまいります。
次に安定運用を念頭にした、持続的資産規模の拡大についてです。現在、約7,000億円の資産規模を生かしながら、常に安定運用が可能な状況をベースに、これまで同様総合型リートの強みを生かしながら、最良のタイミングで、最良のアセットタイプを取得することを継続してまいります。分散投資を実現することにより、ビジネス環境の変化に左右されない、安定的な運用と外部成長を持続的に実践致します。次に、ポートフォリオの収益力、質的向上に資する外部成長についてです。資産規模の拡大に伴い、収益を増加させるとともに、約7,000億円ある資産の中で、将来的に収益力、競争力の低下が見込まれるアセットについては、資産の入替を実施し、収益性の向上を図ってまいります。資産入替においては、築年数や利回り等の質的向上を図り、開発案件にも一定数に取り組むことにより、ポートフォリオの若返りを図ります。
又、将来的に収益の拡大が見込める、根源的価値を有する物件については、早い段階で投資することにより、将来の収益を確保する施策にも努めてまいります。最後に、内部成長については、キャッシュフローとNAVの向上を意識し、現状のインフレ化において、賃料ギャップを生かした賃料上昇の享受に努めます。全セクターにおいて、ハンズオン・マネジメントの実践により、高稼働の維持と賃料の引き上げに努めてまいります。又、ホテルセクターにおいては、インバウンド事業の取り込みを成長ドライバーとして、業績回復、成長を図り、歩合賃料によるアップサイドを図ってまいります。これら4つの施策に取り組みながら、4頁以降で説明致します一口当たり分配金DPUは、外部環境に左右されることなく、含み益も生かしながら、3,500円をベースとして持続的成長に進めてまいります。
それでは資料に沿って説明致します。資料3頁をご覧ください。2023年11月期決算のエグゼクティブサマリーです。DPUは、前期比、6ヶ月前予想比ともにプラスの3,371円で着地致しました。又、ポートフォリオの質的向上を目指し、収益力と築年数を改善させながら、資産規模の拡大を図りました。2物件4,500百万円の物件取得と、1物件1,450百万円の資産入替を実施し、資産規模の拡大と併せて、310百万円の売却益を実現しました。賃貸事業利益について、ホテルの業績拡大とオフィスビルの高稼働を活かし、利益を押し上げる結果となりました。今後も、ポートフォリオの収益性の向上により、DPUの成長を継続してまいります。
続きまして資料4頁をご覧下さい。2024年5月期、2024年11月期の業績予想です。2024年5月期の一口当たり分配金DPUは、内部留保の取り崩しをせずに3,500円で、ホテルの業績回復による歩合賃料の増加が主な要因となります。2024年11月期においては、川崎東芝ビルのシングルテナントの退去はあるものの、DPUは3,500円を維持する見通しで、2024年の年間DPUは前年比+400円、7,000円を想定しています。戦略的な外部成長と着実な内部成長の増益を持って、DPUを持続的に成長させてまいります。
資料5頁、一口当たり分配金(主な差異要因)2023年11月期にお進みください。2023年11月期のDPUは3,371円、資産入替による売却益の計上、修繕費および水道光熱費収支の改善と、ホテル、オフィスの賃料増加、新規物件の利益貢献等により、前期比+142円、6ヶ月前予想比+71円となりました。2023年5月期のDPU3,229円と、2023年11月期の3,371円との実績差異は+142円、前期比+4.4%ですが、この頁ではDPUの増減影響を要因別に一口当たり換算で表記しています。大きな増減として、左から4列目売却益計上は、グランルージュ栄の売却益+101円、頁左から2列目にある新規取得物件の利益供与+52円、販管費・業外損益他では、分配金連動となる資産運用報酬の増加、Luz福岡天神のリニューアル工事に伴う不動産等除却損の計上等で-44円となります。既存物件利益増減では、前期に発生した違約金等による賃貸一時収入の剥落で-134円、修繕費、水道光熱費収支の改善で+124円、賃料・共益費ではホテルの業績改善、オフィスの賃料・共益費増等に+49円により、+39円となっています。
次に資料6頁、2024年5月期、2024年11月期で、業績予想における要因ごとの影響差額、増減額を説明します。2024年5月期は、ホテルの業績回復による歩合賃料の増加により、DPU3,500円を想定しています。頁左側、2023年11月期実績と2024年5月期予算比が+129円、前期比+3.8%で、主な要因は、売却益剥落-101円、既存物件利益増減+272円、販管費・営業外損益他-35円を想定しています。尚、既存物件利益増減+272円の主な内訳は、賃料・共益費合計で+266円と大きく貢献し、中でもホテルの業績改善に伴う歩合賃料の収受により+179円、ほかに商業施設の歩合賃料等の収受により+37円オフィスの稼働率改善により+28円を夫々それぞれ見込んでいます。2025年5月と2024年11月の予想は頁右側となり、内訳として、売却物件利益消失-3円、既存物件利益増減+10円、川崎東芝ビル利益増減-6円、販管費・営業外損益他-1円で、DPU3,500円を維持する想定をしています。尚、川崎東芝ビル利益増減-6円の要因については、2024年11月期初でのシングルテナント退去に伴い賃料収入が剥落しますが、中途解約違約金収入他と相殺した結果となっています。
次に外部成長について資産入替と取得パイプラインについて説明します。
資料7頁をご覧ください。2023年11月期から2024年5月期の資産入替についてです。本投資法人においては、ポートフォリオの質的改善および収益力向上に資する資産入替を実施しております。物件取得については、様々な手法を駆使し、多種多様な地域、用途の物件の中から、ポートフォリオの質的向上を目指し外部成長を継続した結果、商業施設1物件とホテル開発用地1 物件、取得価格合計45億円、商業施設の想定NOI利回り4.9%、築年数は5年となります。築浅の案件や開発の案件に取り組むことに、ポートフォリオの収益力の基盤を強化し、総合型リートの投資方針のもと、利回り水準を意識しながら、多様なアセットタイプの物件取得をすることができました。
資産譲渡については、将来の設備投資負担、マーケット動向等を踏まえて物件売却を判断し、2023年11月期には鑑定評価額および帳簿価額を上回る水準で、購入意向を受容したグランルージュ栄、1,450百万円で売却し、売却益310百万円を実現しました。又、2024年5月期は、既に建物部分を売却済みである府中ビルの土地部分を20億円で売却する予定です。収益力と築年数の観点からも、ポートフォリオの質的向上を図り、NOI利回りは譲渡物件の実績3.1%に対し、取得物件の想定4.9%と大幅改善、築年数は17年から4年へと若返りを図りました。又、取得パイプラインについては、用途、地域を分散させながら、8 物件600から700億円程度となっており、引き続き本資産運用会社の情報ネットワークとスポンサー機能を活用し、資産規模の拡大を図ってまいります。
資料8頁は開発案件の物件取得についてです。博多祇園開発用地は、本投資法が開発事業主体として取り組む開発プロジェクトであり、博多祇園エリアの3つのポテンシャルを生かしたホテル開発案件です。日本有数のデベロッパーのプロジェクトマネジメント機能を活用し、本年秋に着工し、2026年秋の竣工を目指しております。博多祇園エリアは、ビジネス、観光両面での宿泊需要を享受できる希少な立地にあり、本開発案件の取り組みにより、新築案件を高利回りで取得できることが期待されます。今後も開発リスクやリーシングリスクを極力抑えた取り組みを構築し、一定数を継続してまいります。
資料9頁は、川崎東芝ビルの対応方針についてです。川崎東芝ビルにつきましては、シングルテナントから2023年5月31日付け解約通知受容後、物件価値の最大化を目指し、売却、リテナント、建替等の検討を行ってまいりました。改修、バリューアップのうえ継続保有するプランの検討も行ってまいりましたが、川崎市内のオフィスマーケット環境や本物件規模に鑑みると、リテナントによる賃料低下は避けられず、リノベーション工事費用等も考慮すると、リノベーション後の償却後利益が大幅に低下する結論に至りました。加えて、リノベーション、リテナントの期間中の収益悪化や、リテナントリスクを抱えることなど総合的に判断し、継続保有することは選択肢として外すことと致しました。
一方、売却については、タッピングを経て2023年12月より約300社に対する公開入札を実施しております。テナント退去の2024年6月1日以降に、現状融資にて譲渡を予定しており、売却代金および売却損益の資金使途については、投資主価値の最大化と安定分配を念頭に最終決定致します。尚、2023年11月末時点の鑑定評価額については、マルチテナント仕様の継続使用を前提とすると、リーシングの面積が大規模であるため相当のリーシング期間、および大規模な床需要に際しての相応の賃料ディスカウントによりリテナント後の賃料が下落すること、イノベーション工事費用等のコスト負担増により、185億円と前期比-125億円となりました。
続いて 内部成長について説明します。資料10頁をご覧ください。ホテルの運用状況についてです。左上段グラフの通り、2023年11月期のRevPARは、ADR の上昇を主因として 前期比+9.8%、 6ヶ月前予想比+7.2%となりました。日本人の宿泊需要増加に加え、旺盛な外国人の宿泊需要により、コロナ禍前の水準を超える状況が継続しています。今後も稼働率の上昇に伴い、RevPARの改善は継続する見込みです。右上段のグラフは変動賃料型ホテルの地域別RevPARとなりますが、コロナ禍前の水準を100として示したグラフとなります。2023年11月期では、首都圏や大阪圏においては、既にコロナ禍前の水準を超えておりますが、沖縄については8割強の回復にとどまっており、今後右下段の国際線の2023年冬スケジュールにありますように、国際線定期便が本格的に回復することにより、沖縄などの地方エリアにおける宿泊需要が回復し、結果、RevPARの上昇および収益貢献につながることを期待しております。
11頁はホテルのタイプ別共込み賃料と変動賃料型ホテルの売上構成についてです。頁左側のグラフにある通り、RevPARの改善に伴い賃料は順調に回復しました。グラフ上部に示すように、2024年の年間賃料については、コロナ禍前の水準を超える見込みです。頁右側のグラフは、変動賃料型ホテルの年間売上構成です。宿泊部門については、概ね回復しているものの、料飲部門の需要回復が緩やかで、コロナ禍前の水準には回復しておりません。今後、宿泊需要の回復に伴う料飲部分の回復と、SNSやテレビを活用したマーケティングによる料飲部門の売上向上施策を進めることで、ホテル全体の売上GOPが更に引き上がり、収益貢献が期待されます。
資料12、13頁はオフィスの運用状況です。多様なリーシング手法を追求することにより、高稼働を継続しております。2023年のオフィスマーケットでは、大型の新築案件が供給され、一部案件ではリーシングに苦戦が見られたものの、本投資法人のオフィスポートフォリオは、左のバーチャートの通り退去区画の埋め戻しも好調で、2023年11月期の稼働率は97.8%と、引き続き高稼働を維持しております。2024年の11月期においても、川崎東芝ビルの売却が実現した場合は、98%程度の高稼働率を維持できる見通しです。
13頁はオフィスの賃料改定状況、並びに、賃料 ギャップとなります。左側の賃料改定状況のグラフにありますように、2023年11月には、引き続き増額での賃料改定を継続することができました。物件ごとの運用状況を踏まえ、戦略的にテナント入替、契約条件交渉を行うことにより増額での改定ができました。右側の賃料ギャップのグラフにありますように、地方案件を中心に賃料ギャップを活かすことにより、大幅な賃料改正も実施しました。頁右下に、主な賃料増額事例を記載しておりますのでご確認ください。
資料14頁は商業施設の運用状況です。2023年11月期の稼働率は99.5%と、プロアクティブなリーシングにより、高稼働を維持しております。頁左側のバーチャートの入退去状況をご覧ください。2023年11月期に、Luz福岡天神の収容テナント約5,200m2の入居が開始されたことから、入居面積が大幅に改善し高稼働を維持しました。本投資法人では、中長期的な施設全体の収益の安定化、リスクの低減と、ダウンタイムの最短化を念頭に、テナント入替を継続しております。又、業態転換やテナント入替によるリテナント戦略により、収益の向上だけでなく施設の集客力や活性化を促進し、2024年5月期、2024年11月期においても、引き続き高稼働を継続する見込みです。
15頁は、住居の運用状況です。首都圏の物件やファミリータイプを中心に、高稼働で安定的に運用できています。賃料も物価上昇率を上回る増額ができており、なかでもファミリータイプについては、近年の分譲マンション価格の高騰から、賃貸需要が高まっており、賃料は増額傾向、今後もこの傾向が継続する見込みです。頁右側の住戸タイプのパイチャートにもありますように、住宅のポートフォリオは、幅広い需要層の獲得が可能で、今後も住宅の安定運用を見込んでおります。
16頁は物流施設の運用状況です。物流施設は15物件、516億円を現在運用中で、近年資産規模の拡大を図ってまいりました。左側下段にありますように、主要国のEC化率を比べると、日本のEC化率は11.8%と、まだまだ成長余力があります。しかしながら物流施設は、開発中のものを含め大型案件の供給が増加しております。エリアごとに細かく受給バランスを見ながら、資産規模の拡大を目指していきたいと考えています。又、各テナントとは契約期間の長期化を図り、今後も安定運用を継続致します。
続いて財務運営となります。資料17頁にお進みください。頁左上段に記載の通り、2023年11月期の資金調達では、335億円を調達しました。市中金利が上昇傾向にあるなか、コストの抑制を意識しながら、短期の借り入れや変動金利による借り入れも一定程度組み入れた結果、当期の調達コストは前期と同程度の水準となりました。今後も安定した財務基盤を維持しつつ、柔軟な資金調達による金融コストの抑制を継続してまいります。
最後に資料18頁に、ESGおよび気候変動への取り組みを纏めております。環境に関する取り組みの信頼性、客観性を高めるため、環境マネジメントシステム「エコアクション21」の第三者認証を取得しました。事業者の環境への取り組みを、環境省が策定した環境マネジメントシステムに適合している場合に取得でき、認証取得物件は31物件となります。2024年中にポートフォリオ全体へ認証範囲を拡大する予定です。又、環境性能の客観性、信頼性を高め、テナント誘致の競争力や物件価値向上を企図して、ZEB Ready評価の取得も進めています。今後、照明や空調設備等、更新時に大幅な一次エネルギーの削減が見込める場合は、積極的にZEB評価の取得に努めてまいります。その他ESGに関する取り組みにつきましては、補足説明資料45頁から53頁を併せてご覧ください。
説明は以上となります。決算、業績予想、運用状況の詳細は、説明資料に纏めていますので、併せてご確認ください。
ご清聴有難うございました。