三菱地所物流リート投資法人 2023年8月期決算概要

三菱地所物流リート投資法人
2023年8月期(第10期)決算動画説明書&質疑応答
○動画  https://www.youtube.com/watch?v=t07nuomeMrE
○説明資料
https://mel-reit.co.jp/file/ir_library_term-c372c530f634c5c151bdd756437eca25733618a4.pdf
○説明者 三菱地所物流リート投資法人 執行役員 兼
     三菱地所投資顧問株式会社 執行役員物流リート部長 髙梨 憲
○説明&質疑応答
決算説明会資料に沿って説明致します。
3頁をご覧下さい。先ずは運用 ハイライトですが、ポイントは4点ございます。1点目の当期第14期の決算ですが、10期連続の増収・増益・増配で着地致しました。主に前期の公募増資による外部成長効果により、分配金は、前期比+2.7%の7,832円となりました。2点目は、機動的な外部成長と財務戦略による分配金成長の継続です。本投資法人は、先月9月に低いL TVを活用することで、2物件を94億円で取得しています。長期金利上昇の影響により、物流セクター全体の投資口価格が、軟調に推移する難しいマーケット環境においても、増資に拠らない、かつ、相対的に高い利回りの物件取得という、規律を持った外部成長により、継続的かつ着実な分配金成長を実現しております。取得した2物件は、いずれもMJIA独自ソース物件で、平均鑑定NOI利回り4.7%は、インプライド・キャップレートを大幅に上回っており、分配金成長に寄与しております。この外部成長の継続により、今後1年間の予想分配金成長率は、3.2%を見込んでいます。3点目は内部成長です。賃料改定は、今期14期についても、契約満了区画の全てで賃料増額を達成し、増額率は8.3%となりました。続く第15期についても、満了予定区画の全てで、契約締結は完了しており、増額率は5.4%を見込んでいます。このように力強い内部成長も継続しており、今後も分配金成長への寄与が期待できると考えています。最後にESGでは、今年8月にMSCI ESGレーティングがシングルA に向上したほか、今月10月のGRESBリアルエステイト評価においても、4年連続最高位の5-Starsを獲得しています。

5頁以降で、直近 9月に実施した物件取得の概要について説明致します。本投資法人は先月、DPDおよびCREを通じて、2物件94億円を平均鑑定の利回り4.7%という、魅力ある利回りで取得しました。頁右手では、本取得が各種指標に与える効果について記載しております。一口当たり巡航分配金は3.3%、一口当たりNAVは0.5%の成長を想定しています。又、LTVについては、巡航水準として考えている40%から50%の下限水準に到達していますが、今後も継続的な投資主価値向上のために、エクイティコストとデットコストのバランスを見据えながら、LTVの引き上げについては、引き続き保守的に運用する方針です。
続いて 6頁と7頁で、取得物件の概要について説明致します。

先ず6頁、9月29日に取得した MJロジパーク加古川Ⅰです。本物件は、本運用会社独自のプログラムであるPDP(パートナーシップ・ディベロップメント・プログラム)による開発型案件であり、JR西日本不動産開発の物流施設開発を、本資産運用会社がサポートすることにより、魅力ある利回りでの取得を実現しております。1階、2階夫々にトラックバースを設けたマルチテナント型物流施設であり、西日本広域配送に強い立地が特徴です。 続いて7頁、 9月19日に取得したMJ インダストリアルパーク郡山です。本物件は、鬼怒川ゴム工業による、セール&リースバック案件です。同社は既に、本投資法人で取得済みの底地案件の売主であり、継続的なリレーションが活かされた同一売主2度目のCRE案件となります。東北自動車道と磐越自動車道等の広域道路網や、全国有数の規模を誇る貨物ターミナル駅を要する、郡山市内最大の工業団地内に所在し、自動車部品の製造を行う工場用地として使用されています。

9頁をご覧下さい。NOIの実績と予想を説明致します。第14期は、第12期から13期に取得した物件の固都税が費用化するなど、費用増となった一方で、第13期に取得した8物件の収益通期寄与による外部成長効果と、既存物件の内部成長効果により、対前期比1億円プラスとなる6,045百万円で着地致しました。続く予想NOIについては、先ほど申し上げました先月の物件取得による外部成長効果と既存物件の賃料増加の継続効果等により、第15期で195百万円プラスとなる6,241百万円を、 第16期で122百万円プラスとなる6,363百万円を予想しています。このように本投資法人は、継続的な外部成長および着実な内部成長を続けており、上場来、一貫してNOI成長を続けております。

続く10頁では、一口当たり分配金について説明致します。実績、予想、いずれの期においても、先ほど申し上げましたNOIの増加を主因として、継続的な増加を見込んでおります。 分配金につきましても、10期連続の増配を実現しておりますが 今後も外部成長と内部成長の継続により、更なる上積みを目指してまいります。

12頁より、本投資法人の成長戦略について説明致します。先ずは、外部成長戦略です。先月にはMJIAソーシングの2物件を取得しておりますが、今回の決算発表に合わせてスポンサー開発の1物件をパイプラインに追加しており、合計で14 物件81万m2のパイプラインを確保しています。これらを活用し、マーケット環境等を見極めつつ、適切なタイミングと規模で、本投資法人の継続的な外部成長を実現してまいります。

次の13頁では内部成長について説明致します。先ず、上段の賃料改定状況の推移では、2023年8月期も満了を迎えた全ての区画で賃料増額が実現でき、3%のプラスで着地しています。 足元の2024年2月期においても、満了予定区間の全てで契約締結が完了しており、賃料増額幅は5.4%のプラスとなる見込みです。翌2024年8月期についても、満了予定区画の3割程度で契約締結が完了しており、条件合意済みの区画と合わせますと、4割程度となります。現在の交渉状況から考えますと、引き続き増額トレンドを継続出来る見込みです。本資産運用会社独自の取り組みとして、冷凍冷蔵設備の更新による大幅な賃料増額や、新たなグリーンリースの締結も継続しており、内部成長も引き続きハイブリッドで着実に積み上げています。

14頁ではインフレの影響について説明致します。頁左側は、賃貸事業収益への影響です。本投資法人のポートフォリオの、約6割を占めるマルチテナント型施設では、その8割強は、5年未満の契約残存期間となっております。先ほど内部成長の頁で説明の通り、過去一貫して力強い賃料増額改定を実現しており、インフレ率を上回る増額改定を実現しております。又、一方のBTSや底地も含めたシングルテナント物件は、長期的安定収益に資する長期契約が多くを占めておりますので、ポートフォリオ全体の収益の安定性に寄与しております。右側では、水光熱費の影響について説明致します。本投資法人負担する水光熱費は、マルチテナント型施設の共用部のみであり、ポートフォリオ全体の延床面積ベースで、4.5%と非常に限定的です。又、足元では水光熱費単価の上昇が落ち着いたことに加え、テナントへの請求単価、請求方法の見直しや、自家消費型太陽光発電の導入などの施策により、損益の改善が実現しています。

続いて15頁では財務戦略について説明致します。本投資法人は、引き続き三菱地所グループの高い信用力を生かし、安定した財務運営を行っています。負債の平均残存年数は、5.5年、平均調達金利0.56%と、J-REITトップクラスの良好な経済条件で長期固定化を図っており、金利上昇による影響を受けにくい財務を構築しています。今年7月には、第2回となるグリーンボンドを、発行市場を適切に見極めたことにより、10年0.9%という好条件で起債することができました。又、先月の物件取得に伴う借り入れによりLTVを活用していますが、第16期末の予想LTVは40.2%と、引き続き低水準を維持しております。続いて ESGについて説明致しますので、17頁をご覧下さい。左上記載の通り、本投資法人でこの3月に策定しましたGHG総排出量削減目標が、科学的根拠に基づく目標であるとしてSBTより認定を取得しました。又、2023年のGRESBリアルエステイト評価では、4年連続の5-Starsを取得したことに加え、直近では、MSCIのESG格付もシングルAに向上しております。その他ESGファイナンスも引き続き推進しています。

最後に、中長期の戦略について説明致しますので、19頁をご覧下さい。資産規模は、継続的な公募増資と効果的なLTVの活用により、着実な成長を遂げてまいりました。足元では長期金利の上昇が継続しており、見通しが難しい市場環境となっておりますが、今後も適切なタイミングを見極め、外部成長を継続してまいります。又、一口当たり分配金、NAVについても、10期連続の成長を実現しております。今後も着実な外部成長と内部成長を軸に、引き続き投資主の価値の向上を目指してまいります。
説明は以上となります。ご清聴、有難うございました。

<質疑応答>
Q:説明にて最後に、「適切なタイミングを見極めて、外部成長を目指すことを継続していく」との一方で、「公募増資が難しい時は、LTVを活用して取得していく」との話ではありましたが、今後についても、柔軟対応をしていくという考えでいいのか、或いは、ある程度資本市場が厳しい状況下でも行く時には行くのかというか、増配率に拘るというよりも、ちょっとでも増配できれば、そこは柔軟運用していくという考えなのか、資本市場に対する考え方も含めて、最後に言われたことをもう少しお伺いできればと思います。又、低いLTVを活用して、今回も取得されたということの一方で、まだ45%の上限値までは余裕はあるということではありますが、仮の話ですが増資しづらい状況が、もし続くということであれば、躊躇なく45%ぐらいまでは持って行くという考えがあるのかな、ないのか、お伺いできればと思います。
A:今後の資本市場の環境を踏まえて、どう行動するのかとの質問に対してですが、言われるように、今回は投資口価格の水準に鑑み、増資による成長ではなく、温存しておいたL TV を活用して、かつ、手元にレディな物件が複数あったということもありますが、インプライド・キャップを上回る魅力的な物件があるというところを踏まえ、LTVを使った外部成長ということをさせて頂いております。その結果、LTV 40.2%ということになりますが、巡航水準の40から50というレンジ、その中でも上限のイメージとしては、45%をイメージしておりますけれども、その使い方については、今までと同様に、引き続き 保守的にという風に考えております。金利上昇局面でもあり、 極力もデットも使いたくないと考えておりますので、投資口価格の水準、それから期待されるDPUの成長率の目線も、予てよりはというところはあるかと思いますので、保守的な運用を心がけてまいります。2つの質問を合わせたような回答になって恐縮ですが、以上です。

Q:先ほどの質問にちょっとかぶせるような形になるんですけども、もう少し突っ込んで伺いたいと思いますが、今までの目安として示されていたのは、資産規模3,000億円到達時点で40%のLTVを考えているということですけれども、到達の手前で40%を超えたので、厳しいエクイティの調達環境が続けば、これからどうするのかについて、もう少しはっきりスタンスを伺いたいと思っていたのですが、一旦、バランスとの拡張というのを止める、デットでの拡張を止めるということなのか、まだちょっと巡航水準の上の方まで少し距離あるので もう少しLTVでの借り入れをやっていってもいいのか、直ちに止めるか、そうじゃないのかって、それぐらいの考え方、方針に関して、改めて確認させて頂ければ思います。
A:元々私共、AUM3,000億円到達の暁に、LTVが40%程度というイメージはお伝えしていたところです。今回に関しましては、先ほど申し上げた通り、パイプラインの中にレディな物件が複数あるという中で、一方で、エクイティ市場は厳しい環境が続いています。私共の前回のPOが昨年10月になり、このタイミングで1年経過しているという中で、どの程度の外部成長を継続できるかという数値的な目標、4%ということは従前来申し上げておりますが、4%とこだわることなく、但し、成長は示したいという思いがあり、レバレッジを若干活用して、向こう1年で、3~3.3%の水準間の成長を示ししたかったという判断に至っております。LTVが40%に到達した後の使い方ということで、正直、今後も短期的な将来の、エクイティ市場の動向次第かなと思っておりますが、当然NAVを大幅に下回るような投資をすることは考えておりませんし、投資をするのであれば、きちんとアクリーティブな成長ができる、或いは、インプライド・キャップレートを上回れる物件を取得できるのかどうか、私共は、規律を持った成長を標榜しており、そこはしっかりと守っていきたいと考えております。LTVの使い方、又、どの程度使うかは、成長として示すことが出来る水準間を見極めながら、バランスとして考えていきたいと思っております。

Q:9頁にNOIの推移を示されていますが、これを見ると2期分の計算で、継続して60~70百万円程度、年間で言うと1%ぐらいNOI成長というか、内部成長だけで続けられるのではないかというような見通しにも見えるのですが、そういう理解で良いのかどうかに関して、長期的に年間1%ぐらいのNOI成長、内部成長で継続していけそうかという点についてコメントを頂きたい。
A:内部成長が、年間で1%程度達成できておりますし、今後も当面の間はそこを目指すことになりますので、概ねご理解の通りで良いのかなと思っております。又、デットの調達コストが、昨今上昇傾向にありますので、しっかりとした内部成長をしたうえで、デットコストの上昇分は、そこで吸収していくというような見通しを持って運用してまいります。

Q:12頁でパイプラインの記載がありますが、竣工済みのものが結構あります。こんなことは、あまり考えられないとは思いますが、スポンサー或いは外部の方が、ちょっと持ち辛いからというところで、ソーシングを早目にやってほしいなっていうところも、もしかしたらあるのかなと。そうした中で、おそらく資本市場の状況にもよるとは思いますが、その辺りの間を保つようなブリッジファンドの組成も考えられるのか、もしその場合であれば、どういった主体が考えられるのか、お聞かせできる範囲で教えて頂ければと思います。
A:パイプラインからの今後の取得の仕方とのことですが、私共は今までも、スポンサーから物件取得をする際も含めて、仮に価格目線が折り合わない、或いは、増資のタイミングとの調整という意図で、ブリッジスキームを活用した取得の取り組みをしております。この頁で申し上げますと、スポンサー物件の上から3物件は、既にブリッジファンドの方で組入れ済みということですので、売主、これはスポンサーに限らずですが、売却されたい決算期のタイミング等に左右されないように、タイミング調整を含め、又、簿価低減効果も狙って引き続きこのブリッジ活用はやっていきたいと考えております。

次の質問がございませんので こちらで 質疑応答を終了させて頂きます。高梨より閉会の挨拶をさせて頂きます。
改めまして、本日はお忙しい中、三菱地所物流リート投資法人の第14期決算説明会にご参加頂き、有難うございました。 投資家様の皆様のご期待にお応えすべく、今後とも運用に努めさせて頂きますので、今後とも引き続きご支援を賜りますよう、宜しくお願いします。