コンフォリア・レジデンシャル投資法人 2023年7月期決算概要
コンフォリア・レジデンシャル投資法人
2023年7月期(第26期)決算動画説明書
○動画 https://www.net-presentations.com/3282/20230915/dmi3n2/
○説明資料 https://www.net-presentations.com/3282/20230915/dmi3n2/data/02.pdf
○説明者 東急不動産リート・マネジメント株式会社
コンフォリア運用本部長 坂元 貴
○説明
賃貸住宅マーケットは、コロナ禍が明け、経済活動の再開により、都市への力強い人口回帰が継続しており、本投資法人の運営環境も好調を維持しております。そのような環境下、本年8月に経済活動の再開と東京回帰のタイミングを捉え、10年連続11回目となる公募増資を実施致しました。本日は、7月に決算を迎えた第26期の状況と、公募増資の概要および今後の運用方針等につきまして説明致します。
それでは4頁の第26期ハイライトをご覧下さい。左側の通り、譲渡益を除いた一口当たり当期純利益、つまり実力ベースの分配金でありますEPUは5,334円、対予想比で116円、+2.2%の着地となりました。期を通して稼働率が高水準で推移したことが大きな要因です。右側、一口当たりNAVは、対前期1,898円増加の328,130円と、こちらもプラスとなっております。
続いて5頁の運用サマリーです。外部成長では、本年2月に実施致しました公募増資と、取得余力を活用し、物件取得を行うとともに、専有面積が狭く、競争力が低下していたコンフォリア西大井を譲渡する取り組みにより、本年7月末で、資産規模は2,999億円まで拡大しました。又、内部成長では、ポートフォリオ全体の入替時賃料変動率が+4.6%と大きく伸びております。特に、シングルタイプの戻りは、当初の想定を上回るスピードで回復しています。又、コンパクトやファミリータイプのトレンドに変化はありません。
6頁をご覧下さい。一口当たり分配金実績について説明致します。対前期は、取得した物件の取得効果に加え、既存物件の稼働率改善等により、133円上回5,620円となりました。 対業績予想では、一口当たり分配金に差異はございませんが、対前期同様、稼働率が高位に推移したことにより、譲渡益を除いた一口当たり当期純利益は、5,334円と予想値の5,218円から116円の成長となりました。
続いて7頁をご覧下さい。業績予想について説明致します。第27期、28期の一口当たり 分配金は、夫々5,650円、5,660円と致しました。一口当たり分配金を5,600円台の高水準に保ちつつ、一口当たり当期純利益を着実に成長させ、継続、且つ、安定的な増配の実現を図りたいと考えております。その一口当たり当期純利益ですが、27期は、本年8月に実施した公募増資に伴う新規物件の寄与に加え、非繁忙期の収益増等により、前期から36円増加の5,370円と見込んでおります。28期は、今回POで取得した物件の通期稼働等により、27期から40円増加の5,410円を予想しております。
続いて9頁以降で、足元の運用状況を詳しくご紹介させて頂きます。まず振り返りとなりますが、昨年の7月期決算の際、シングルタイプの入替時賃料変動率は、2024年を目途に反転すると想定しておりました。一方で、経済活動の再開による賃貸マーケットの戻りは想定以上となり、ほぼ1年前倒しでのプラス転換となっております。その要因につきまして 10頁以降で詳しく見ていきます。賃貸マーケットで重要なファクターとなる23区の転入、入国超過数と貸家着工数の推移を記載しております。2022年までのグラフとなっておりますが、緑色の需要面はすでにコロナ前に到達しており、2023年は、2022年を上回る推移が継続しています。その一方で、青色の供給面は横這いの状況ですから、本年の繁忙期でも受給が逼迫し、本投資法人の稼働率は、高水準で推移する結果となりました。
11頁をご覧下さい。更にコロナ前の状況と異なる点は、賃金上昇が顕著に発生している点です。左の図の通り足元では、コア CPI の上昇に連動する形で、賃上げ率も上昇しています。日本は、コストプッシュ型インフレであり、賃金上昇は伴っていないとの見方をされてきましたが、データで見ると賃金の上昇が見られる状況となっております。結果、右の図の通り、本投資法人の入替時賃料変動率も大きく反転し、その上昇率はコアCPIを上回る状況となっています。受給バランスがタイト化し、更に賃上げがプラス効果となり、賃料の上昇が発生しているものと分析をしております。今後についても、この状況は継続するものと考えております。
12頁をご覧下さい。賃貸住宅マーケットに追い風が吹く中、運営面でも本投資法人の強みを最大限活用したレーシング戦略を図ってまいりました。右側記載の通り、23区に集中したポートフォリオ構成をベースに、高い付加価値を提供するソフト面の競争優位性を生かし、環境変化を的確に捉えたリーシング戦略を実施した結果、シングルタイプでも早期反転が実現できました。引き続き好調なマーケット環境だけに頼ることなく、様々な仕掛けと取り組みにより、収益の最大化を図ってまいります。
13頁をご覧下さい。ここでは、コロナ前とコロナ後での稼働率の変化を記載しています。左上記載のポートフォリオの平均稼働率は、今期過去最高の97%となりました。左下記載の通り、契約率の上昇と低い解約率が要因となっています。右側では、部屋タイプ別の記載ですが、特にシングルタイプが好調な推移となりました。
14頁をご覧下さい。賃料動向について纏めています。先ず、上段は賃貸住宅の賃料単価推移です。今期は、前期から0.2%を上昇し、期末のレントギャップも3%と、対前期比+2ポイントとなりました。下段2本の折れ線は、緑が入替時、青が更新時の賃料変動率ですが、入替、更新ともに、第23期を底に上昇傾向が続いています。
15頁をご覧下さい。こちらでは、シングルタイプのエリア別入替時賃料変動率を記載しています。左上のグラフの通り、コロナ前の水準と比較すると、足元の状況は、まだ1段低い状態ではあるものの、今期は関西圏を除きプラス転換を実現しました。右側記載の通り、23区のエリア別で見ても、全エリアでプラス転換しています。左下の関西圏の回復は、東京圏および23区と比較して遅れてはいるものの、大阪市でも転入超過傾向が続いており、本年7月単月で入替賃料変動率を見た場合は、3.4%とプラス転換していますので、今後、回復度合いが高まるものと考えています。
16頁をご覧下さい。シングルタイプでの入替時賃料変動率の見通しを、足元の状況から分析しています。今期末時点のシングルタイプの契約戸数は5,359戸、うち約4割にあたる2,223戸が、今後1年以内に契約満了時期を迎えます。この2,223戸のうち約7割に当たる 1,567戸は、足元のマーケット賃料と比較して、アンダーレント、つまり、市場よりも低い賃料で入居している状況となり、マーケット賃料を下回る区画が大半を占める状況になっています。仮に2,223戸が全て入れ替わり、現行のマーケット賃料で成約した場合、シングルタイプの入替時賃料変動率は、3.8%まで増加するものと見込んでいます。
17頁をご覧下さい。収益を高める施策として注力しているリノベーションの状況です。継続的な取り組みとして実施していますが、従来に増して大きな成果を上げております。左が記載の通り、197百万円をかけて55戸のリノベーションを実施致しました。成約済みの34戸における月額賃料の増加額は、110万円を超えています。好立地、且つ、比較的ゆとりのある物件住戸であれば、築年数にかかわらず収益の向上が図れますので、引き続き実施をしてまいります。
18頁をご覧下さい。続きまして財務の状況ですが、今期も金利動向を注視しつつ、安定的な財務基盤の構築を図る借り換え等を実施致しました。尚、下段の通り、今期末のLTVは、 期中物件取得により51.5%となりましたが、直近のLTVは50.6%となっています。詳細は 21頁で説明致します。
19頁をご覧下さい。左上1の有利子負債の状況内にて赤字で記載の通り、本年4月に格上げとなり、JCRよりAAフラット(安定的)のレーティングを付与されております。
21頁をご覧下さい。本年8月に実施した公募増資についてご説明致します。上段記載の通りJ-REIT最長となる10年連続、11回目の公募増資を実施致しました。特に転入超過に転じた東京回帰のトレンドを捉え、左側にある通り、23区に所在する賃貸住宅への集中投資を行いました。又、LTVも、現行から0.9 ポイント引き下げ50.6%、LTV55%までの借り入れ余力は317億円と、新たな物件取得に活用可能となる潤沢な取得余力を確保しました。
22頁をご覧下さい。前回および今回の公募増資を通じて、2023年の取得資産合計は246億円、資産規模は3,073億円まで拡大予定となっております。公募増資および外部成長力は本投資法人の強みの一つと捉えておりますので、引き続きタイミングを見極めつつ、投資主価値の向上が図れる公募増資、物件取得を推進してまいります。
24頁をご覧下さい。中期目標達成に向けた取り組みを説明致します。本投資法人が以前より掲げている、巡航EPU5,500円達成に向けた戦略を説明致します。コロナ禍は既に脱し、経済活動は正常化していますが、引き続き世界的なインフレ、金利上昇、資材価格やエネルギー価格の高騰という、本投資法人の運営に対するダウンサイドリスクも、常態化しつつあると認識しております。本投資法人は、これらのリスク要因に対し、インフレ率を上回る入替賃料変動率による内部成長、パイプラインを活用した外部成長、ポートフォリオクオリティの向上と譲渡益を有効活用する資産入替を組み合わせ、ダウンサイドリスクをはねのけるとともに、巡航EPU5,500円の早期達成を図ってまいります。25頁から具体的な施策についてご紹介をさせて頂きます。
25頁をご覧下さい。1つ目が、続的な成長に向けた財務戦略の推進です。先ず、下段部分に記載している、本投資法人が有する手元流動性は現在228億円、この潤沢な資金を背景に、 金利コストの低減を実現する短期年限での借り入れが選択可能となり、守りの財務リスク軽減が図れています。闇雲な長期年限、固定借入れに拘らず、財務安定性と金利コスト低減を両立させるバーベル戦略を引き続き構築してまいります。この守りをベースに、上段記載の攻めと致しまして、手元流動性の一部と、L TVを活用した物件取得やリノベーションに活用をしてまいります。
26頁をご覧下さい。続いては投資口価格の推移についてです。本投資法人の投資口価格は、 年始以降東証リート指数を大きくアウトパフォームしており、本年8月も状況を見極めた 公募増資を実施致しました。引き続き、機を見極めた上で公募増資を通じた投資主価値向上を実現するとともに、投資機会の提供を実現したいと考えております。
27頁をご覧下さい。こちらはパイプラインの状況を記載しております。本年2回の公募増資後においても、28 物件、約800億円強と認識しています。引き続き、スポンサー開発案件が中心でありますが、運用会社独自ルートの物件も確保しています。取得規模感はこれまで同様、年150億円から200億円程度の組み入れを想定しております。
28頁をご覧下さい。先ず、左側は前回決算時に紹介しました築年数15年超、且つ、平均戸あたり面積 25m2以下となる物件の競争力低下を鑑み、今後の売却候補とする方針をお伝えしたスライドですが、仮に物件を売却した際の売却益の活用方針と、NAVへの影響をシュミレーションしております。右側記載の通り、売却候補9物件の合計売却益は、約34億円、うち24億円を投資主還元に回し、残りの10億円は内部留保する形としています。売却益の計上は、含み益の顕在化であり、NAVの低下要因となりますが、下段記載の通り、 本投資法人では減価償却効果により、期ごと約10億円の含み益が生み出されています。仮に各期1物件売却すると想定し、且つ、既存物件の鑑定評価額が変化しない場合、含み益の実現によるマイナス影響は、減価償却効果によるNAV上昇効果に比べ小さいことから、含み益を顕在化しつつ、NAV成長が可能となる戦略が図れるものと考えております。
30頁をご覧下さい。最後にサステナビリティについてご紹介します。上段は、リノベーション物件の取得についてです。記載の通り、リノベーション物件の取得は、複数のメリットを享受できるものと考えております。ESG推進に加え、希少性および取得機会の拡大にも繋がっています。本年8月の公募増資では、本投資法人としては2物件目となる、コンフォリア高島平の取得を公表致しました。引き続き将来の成長に繋がるリノベーション物件の取得を継続してまいります。下段は、中長期的なKPI目標を定め、毎期着実な進捗を図っています。引き続き環境負荷の軽減について、様々な取り組みを推進してまいります。 今期も多くの皆様に支えられまして、今回の決算を無事に終了することができました。これも皆様からの変わらぬご支援の賜物と考えております。本投資法人を取り巻く環境の変化は目まぐるしく、先ほど説明致しましたダウンサイドリスクの存在もありますが、本投資法人のポートフォリオは、これらの環境変化やダウンサイドリスクを上回る内部成長、外部成長が可能と考えており、更なる投資主価値の向上に努めてまいりたいと考えています。
私からの説明は以上となります。最後までご視聴頂き有難うございました。