ケネディクス・レジデンシャル・ネクスト投資法人 2022年7月期決算概要

ケネディクス・レジデンシャル・ネクスト投資法人
2022年7月期(第21期)決算動画説明書
動画  https://www.video-streaming.net/ir/3278/202209/index.html
資料  https://www.kdr-reit.com/Portals/0/pdf/ir/library/kdr_21st_material.pdf
説明者 ケネディクス・レジデンシャル・ネクスト投資法人 執行役員 兼
    ケネディクス不動産投資顧問株式会社 取締役最高業務執行者(CCO)兼
レジデンシャル・リート本部長 川島 哲
説明
本投資法人の2022年7月期(第21期)の決算概要について説明致します。
先ず5頁は、第21期のハイライトです。今期は、社宅、学生寮を含む居住用施設5物件、
ヘルスケア施設3物件の合計8物件、131億円を取得しました。期末時点のAUMは
2,907億円と、順調に拡大を継続しています。財務では、2月に5年連続の公募増資により、
92億円の資金調達を実施し、その後リファイナンス、新規借入れを夫々3度実施しました。
これに伴い、ボラタイルな金利環境下ではありましたが、コスト重視の柔軟な借入期間設定、
極度借入枠の設定とその積極的な活用により、前期比0.07ポイントの平均借入金利の低減
を実現しました。投資口価格は、特に3月中旬以降堅調に推移し、今期は東証REIT指数
に対しても8.2%ポイントアウトパフォームしました。この結果、期末の時価総額は前期比
+345億円と拡大し、物件価値の向上も伴い一口当たりNAVも前期比7,175円上昇しまし
た。分配金は予想通り4,101円です。
続いて6頁は居住用施設の運用ハイライトです。上段は稼働率の推移です。今期は、ポート
フォリオ全体では、昨年の7月期(第19期)比で0.3ポイント改善しました。特に、赤い
折れ線の、昨年落ち込んでいた都心中心部の稼働率が、+1.3ポイントと大きく改善し、
東京経済圏の回復に寄与しました。中段は賃料増加率の推移です。青色の新規賃料増加率は、
主にFamilyとSmall Familyが寄与し、1.9%と前期から大きく回復、第19期の実績1.6%
を上回りました。一方、更新時の賃料増加率は、第19期比で0.3ポイント低下しました。
引続き稼働率重視のリーシングを継続していますが、賃貸需給は全体的に改善傾向にあり、
下段左の棒グラフの通り、前年対比で礼金取得額が増加し、広告宣伝費は低下しました。
稼働率、新規賃料増加率の回復の中でも、こうしたその他リーシング関連収支の改善を実現
しています。一方、世界的なエネルギー価格高騰のなか、主に燃料調整費の上昇により、
ここ1年間で電気料金が増加しています。足元の環境を見ますと、今後も当面高騰が続く
と想定しています。回復傾向にある内部成長の機会をしっかり実現させていくことにより、
外部要因によるコスト増を出来る限りカバーしていくように、より機動的な運営を心掛けてまいりたいと思います。
それでは、決算数値について説明致します。7頁をご覧下さい。左側が前期実績比です。
第21期の居住用施設の稼働率は、96.3%と予想通りで着地しました。営業収益では、前期
売却した売却益が剥落しましたが、新規取得物件が大きく寄与したほか、礼金・更新料の
増加などにより、前期比+304百万円となりました。費用では、季節要因によるリーシング
関連コストの増加、修繕費・原状回復費の増加、新規取得物件の影響などで、賃貸事業費用
が前期比+216百万円、新規取得物件の減価償却費などの計上と合わせ、営業費用は+249
百万円となりました。この結果、当期純利益は4,122百万円、前期比2百万円の増益です。
今期は、RTAの他、利益剰余金146百万円の取崩しを行い、一口当たり分配金は予想通り
4,101円です。頁右側が予想比です。予想比では、リースアップ案件の進捗の遅れなどで、
居住用施設の減収があったのに対し、礼金・更新料などその他賃貸事業収入が想定を上回り、
営業収益は+39百万円。一方費用面では、電気料の高騰による水光熱費の増加、予定外
工事、回転率の上振れなどによる修繕・原状回復費の増加により、営業費用が+73百万円
となりました。支払利息の削減等により、営業外費用で-19百万円が寄与し、当期純利益
では-14百万円の着地となりました。増額について内部留保の取崩し額を調整し、分配金
は予想通りです。
8頁は、第22期、第23期の業績予想です。頁左側が第22期予想と前期比です。稼働率は
前期実績と同じ96.3%を想定しています。収入面では、非繁忙期による礼金・更新料等の
減少はありますが、既存物件の増収、前期までの取得物件および第22期取得予定物件の
収益寄与により、営業収益は前期比+110百万円を見込んでいます。費用面では、季節要因によりリーシング関連コスト、修繕・原状回復費が減少する一方、水光熱費・減価償却費・
資産運用報酬の増加などにより、前期比+24百万円の見込みです。営業外費用で支払利息、
融資関連費用が前期比-24百万円と寄与し、当期純利益は前期比110百万円増益の、4,232
百万円の見込みです。当期は56百万円の利益剰余金の取崩しにより、一口当たり分配金は、
4,120円を下限値とする想定です。右側が第23期の予想と前期比です。第23期の稼働率も
96.3%の想定です。既存物件賃料、礼金・更新料の増収などにより、営業収益は前期比
+103百万円、繁忙期によるリーシングコスト増、新規物件の固都税の費用化などにより、
営業費用は前期比+90百万円、当期純利益は前期比+7百万円の4,240百万円を見込んで
います。利益剰余金48百万円の取崩しを行い、第23期についても一口当たり分配金は、
4,120円を下限値としました。
9頁は分配金の方針です。前述の通り、第22期、第23期の分配金は、第21期から上昇
改定し、4,120円を下限値としました。棒グラフの青色部分で示される巡航DPUとの差額
は、内部留保の取崩しを行い、下限値以上の分配金を維持する予定です。第21期初に実施
した公募増資による成長効果などにより、記載の通り巡航DPUは、第22期、第23期と
増加する見込みであり、中期目標とする4,300円に向けて、引続き成長させたいと思い
ます。第21期には売却はありませんでしたが、今後売却益が得られた際には、投資主への
還元や、内部留保への充当を行い、この中期目標達成までの安定的な分配金水準の維持に
活用します。第21期末の内部留保は、1,964百万円、一口当たり1,878円あります。今後
も巡航分配金の成長とともに、一口当たり分配金の安定も念頭に置いたマネジメントを
継続します。
それでは11頁以降で運用の状況を説明致します。
11頁上段は、地域別稼働率です。今期の平均稼働率は96.3%と、前期実績を維持しました。
コロナ禍以降、それ以前と比べ、東京経済圏と地方経済圏の差が小さい推移が続いています。
下段は住戸タイプ別稼働率です。FamilyとSmall Familyが依然好調です。又、Singleも季節性による上下はありましたが、概ね95%での推移となりました。Singleは主に東京
都内で軟調局面が続いていますが、昨年に比べるとリーシング環境は改善傾向にあります。
コロナ発生から約2年半が経過し、賃料調整も進んだことと、2022年に入ってからは、
東京23区の転入超過数が回復し、都心への人口回帰傾向も見られることが背景と捉えて
おり、今後も回復基調が継続すると考えています。
13頁は賃料増加率の推移です。右上段、タイプ別の新規賃料増加率を見ますと、Familyが
5.1%と大きく増加率を伸ばし、Small Familyも1.8%と堅調です。一方、Singleタイプは
-0.1%とほぼ横ばいの期となりましたが、前期の-1.5%からは大きく改善し、下げ止まり
傾向にあります。下段は更新賃料の増加率です。こちらは前期比で低下しました。コロナ禍
に新規入居したテナントも増え、更新時の賃料の据置き率が増加したことが要因です。
15頁はエリア別の新規賃料増減率です。今期は、右下青枠内に記載の通り、都心8区の
増加率が1.7%と、前期から大きく回復しました。又、その他東京経済圏も2.3%と第18期
の水準まで回復しました。地方では引続き名古屋エリアや、大阪の中心部Singleタイプの
弱含みが続いています。その他関西圏、福岡・札幌は堅調な賃料増額を実現しました。
16頁はヘルスケア施設・宿泊施設の運用状況です。上段左が、ヘルスケア施設の利用者の
入居率です。前期は、コロナが比較的落ち着いた状況だったのに対し、今期は年初から
急拡大したオミクロン株の影響により、退去後の新規入居者の獲得営業に制約が出る施設
がありましたが、メディカル施設は93.0%と、引続き90%超の利用率を維持しています。
シニアリビング施設は、今期85.6%と前期より1.7ポイント低下しましたが、これは前期
からの新規取得物件のうち、新築リースアップ案件が含まれたことや、2名店員の拠出比率の高い物件があったことなども影響しており、全般としては安定して推移しています。上段
右の棒グラフは、賃料負担力の推移ですが、ポートフォリオ全体では、前期同水準を維持し
ています。下段右は宿泊施設の稼働率とADRの前年同月比の推移です。安定的の高稼働を
維持しており、又、ADRは、今年に入ってから昨年に比べ上昇しました。インバウンド
需要の取込みには、依然大きな制約がありますが、国内需要は改善傾向を示しています。
17頁から18頁で、ポートフォリオメンテナンスの方針を説明致します。17頁は計画修繕
です。KDRでは、築15年を目途に、各々の物件の状況を考慮して、大規模修繕を順次実施
することで、物件の機能と競争力の維持に努めています。グラフに記載の通りCAPEXは
毎期の減価償却費の範囲内で実施していく方針です。グラフの点線より右が、来期22期
から第25期までの計画値で、第24期、第25期は大規模修繕のタイミングに来る物件が
集中することから、一時的に多くの資本的支出および修繕費が発生する見込みです。
こうした一時的な要因については、内部留保等を活用して、分配金への影響をコントロール
してまいります。18頁はバリューアップ工事です。ここでは、KDXレジデンス代官山Ⅱの
専有部リノベーション、ヘルスケア施設ジョイステージ八王子の浴室改造工事の事例を
記載しています。このように・、テナント満足度の向上、賃料の増額に有効に繋がる機会を
捉え、今後もバリューアップ工事を実施していきたいと思います。
次に、今後の更なる成長への取組みについて説明致します。
21頁はAUMの推移です。第19期に掲げた新中期目標である3,700億円に向けて、順調に
拡大をしており、直近1年間でも、約250億円のAUM増加を実現しました。上段の
2物件は、2月の公募増資以降、新たに取得を発表した物件であり、このように今後も取得
機会を適時に捉え、積極的な外部成長を通じ、投資主価値の向上を実現してまいります。
22頁は、外部成長の方針と足元のパイプラインです。KDRは居住用施設、ヘルスケア施設
を主たる投資対象としており、その2種類のアセットタイプいずれにおいても、安定性と
成長性に寄与する物件取得に注力してまいります。コロナの影響による都心近郊部の賃貸
需要の高まりは、既に定着しつつありますが、今後With CORONAの世の中においては、都心への人口転入も回復傾向を示しており、都内での投資機会にも再度注力していく予定
です。又、コロナ禍を通じ安定した実績を示している、ヘルスケア施設を取得出来るREIT
である強みを生かし、ガイドラインに定める投資比率目標の範囲内において、優良なヘルス
ケア施設を、積極的に取得していきたいと思います。このような投資方針に沿い、現在右側
に記載の4物件が、足元の主要なパイプラインとなっています。うち3物件をスポンサー
サポートが占める通り、スポンサーケネディクスから安定したサポートを得ながらも、運用
会社独自のルートでのソーシングも意欲的に展開しており、今後の外部成長の可能性も
堅調です。
次に財務の状況です。25頁の左上段に示す通り、今期、平均残存年数はやや短期化しまし
たが、平均金利は、前期実績以上の0.07ポイントの低減を実現しました。右側LTVは、
今期末50.5%と前期末から低下し、月末時点では50.7%となる見込みですが、LTV
ターゲット上限までの取得余力は、十分にあります。又、今期は、新規レンダー2社と取引
を開始し、取引先は28社まで拡大、厚いBank Formationを備えています。金利状況は、
引続き不透明な状況を継続していますが、堅実な財務運営に努め、改善を目指してまいり
ます。
最後に、サステナビリティの状況です。
29頁は、環境への取り組み状況です。環境認証では、今期KDXレジデンス大濠ハーバー
ビュータワーのCASBEE認証Sランクを新たに取得しました。又、気候変動への対応と
して、今般、温室効果ガス排出量の削減目標を、新たに設定し、公表致しました。居住用
施設の共有部の目標として、2015年度対比で2030年度までに40%の削減、2050年度まで
にカーボンニュートラルの実現を目指して、削減に取り組んでまいります。
30頁は、社会(Social)とガバナンス(Governance)への取組みです。今期は7月に、KDR
3度目となるソーシャルローンを調達しました。今後もソーシャルファイナンスを積極的に
活用してまいります。KDRでは、今後も資産運用会社が制定したサステナビリティ方針に
基づき、昨年新設したサステナビリティ推進室を中心に、ESGへの取組みを推進して
まいります。
以上、KDRの2022年7月期の決算概要を説明申し上げました。
最後までご清聴頂き、有難うございました。