エスコンジャパンリート投資法人 2022年7月期決算概要

エスコンジャパンリート投資法人
2022年7月期(第11期)決算動画説明書
動画  https://www.net-presentations.com/2971/20220915/xmkodf/
資料 
https://www.escon-reit.jp/file/ir_library_term-5b6e61a7c53d509d2b473796402d00356b5e31bd.pdf
説明者  株式会社エスコンアセットマネジメント 代表取締役社長 鍵山 武治
説明
先ず、エスコンアセットマネジメントが、7月15日付で金融庁より業務停止命令および
業務改善命令の処分通知を受けたことにつきましては、皆様に多大なご心配と、ご迷惑を
おかけし、誠に申し訳ございませんでした。決算説明の前に行政処分の経緯、原因となる
事実、改善状況を説明致します。
4頁をご覧下さい。7月15日金融庁より受けた行政処分は、業務停止命令と業務改善命令
です。業務停止命令は、10月14日までの3か月間、不動産信託受益権を含む新たな資産
運用委託契約の締結禁止、および、不動産の取得に係る運用指図を禁止されるものです。
業務停止命令により、本投資法人が保有している資産の管理、運営等に制限がかかることは
ございません。業務改善命令は五つ出ております。一つ目は、投資主に対して行政処分の
内容を説明し、適切な対応を行うこと。二つ目は経営姿勢の明確化、体制の構築、並びに、
これらを実現するための業務運営方法の見直しをすること。三つ目は、発生原因を究明し、
再発防止策の策定をすること。四つ目は、経営陣を含めた責任の所在の明確化を図ること。
五つ目は、改善報告書を提出することですが、これは、8月15日金融庁に提出し、受理
されています。
5頁をご覧下さい。行政処分の原因となる事実について説明致します。行政処分の原因と
なる事実は二つあり、一つは、不動産鑑定業者の独立性を損なう不適切な働きかけ。もう
一つは、不適切な不動産鑑定業者の選定プロセスです。これらが、金融商品取引法の忠実
義務に違反すると認められました。
6頁から行政処分に対する改善状況について説明致します。
業務改善命令の一つ目、「投資主様に対し行政処分の内容を説明すること」については適時
開示により対応済みです。今後も、開示すべき事項がある都度、継続してまいります。
業務改善命令の二つ目、業務運営方法の明確化です。既に開示済みのコンプライアンス宣言
に加えて、将来に向けてどのような企業になりたいかと言う基本的価値観を、全役職員で
共有するため、経営理念を策定します。
7頁をご覧下さい。2-2取締役会の構成変更については、スポンサーからの影響力を遮断し、
利益相反を防止することを目的としています。監査等委員会の役員として、社外から知見の
ある社外取締役2名が新たに加わり、取締役等において適宜、適切に経営陣に対する意見
や指導を受けています。
8頁をご覧下さい。監査等委員会設置会社への移行についてです。これまで以上に、
ガバナンス機能を発揮させ、内部監査の実効性を確保し、課題改善を着実に実行してまいり
ます。投資運用委員会、コンプライアンス委員会の構成員の変更については、意思決定の
公正性、利益相反取引に対する牽制機能強化等のため、変更致しました。
9頁をご覧下さい。特に、投資運用委員会においては、投資運用経験を豊富に有する外部
委員を1名増員、投資主利益に資する運営に関する意見、指導を受けています。
10頁をご覧下さい。物件取得について、今後は従来の機関決定フローに加え、取締役会の
決議事項とし、更なる牽制を効かせてまいります。
12頁をご覧下さい。発生原因を究明し、再発防止策を策定することについては、以下の
再発防止策を構築してまいります。ア)鑑定評価の発注ルールについては、売却希望価格を
鑑定業者に伝えることを禁止する。イ)発注業務のモニタリングの強化については、メイル
送信の際には、コンプライアンス部を宛先に入れることや、コンプライアンスオフィサーが
鑑定業者への発注の停止を命ずることが出来るといった変更を行ってまいります。ウ)投資
運用業の意思決定の妥当性を検証するため、社内プロセスを明確化してまいります。
13頁をご覧下さい。エ)日本エスコングループと取引する際に、対等な交渉を行うため、
共通の交渉ルールを設けます。オ)適正な人員配置のため、人的リソースの確保を行います。
カ)中部電力および日本エスコンと連携し、原因の更なる究明に努め、再発防止策を充実
してまいります。キ)中部電力グループ・共同ヘルプラインの活用により、違法行為や不正
行為の未然防止に努めてまいります。
14頁をご覧下さい。業務改善命令の四つ目、経営陣を含めた責任の明確化についてです。
人員交代等により体制を変更し、これまで以上にガバナンスを効かせた体制としてまいり
ます。
以上、改善状況について説明致しました。今回の行政処分を重く受け止め、スポンサーで
ある日本エスコンおよび中部電力とも協力の上、業務改善策を着実に実行し、再発防止に
取組んでまいります。又、業務改善を通じて体制を強化し、皆様からの信頼を回復できる
よう公正、且つ、適切な業務運営の実現に努めてまいります。
続きまして、エスコンジャパンリート投資法人の第11期決算、並びに、第12期、第13期の業績予想について説明致します。
15頁をご覧下さい。サマリーの頁です。先ず、第11期のハイライトです。第11期には、
旧パリマルシェ西春における、主要テナントの契約期間満了に伴う退去がございました。
後継テナントは、東海エリアで総合スーパーや食品スーパーを複数店舗展開する、株式会社
義津屋グループ様で、ダウンタイムを生じさせることなく賃貸借契約を締結致しました。
しかしながら、賃料は低下することとなりました。同施設は5月に名称をヨシヅヤY
ストア西春店へと変更のうえ、Renewal Openしております。今般の主要テナント入替に
伴い、テナント様とは各種合意書を締結させて頂き、7月4日には第11期の業績予想の
修正を公表致しました。又、tonarie大和高田において、大型テナントであるアカチャンホンポ
と賃貸借契約を締結し、6月に開業致しました。これにより、tonarie大和高田における
稼働率は93.3%から100%へ向上致しました。次に、今年7月末の決算となります第11期
の決算概要です。第11期における一口当たり分配金は、7月4日付け業績予想3,471円の
ところ133円増、率としては3.8%増の3,604円となりました。続きまして、第12期、
第13期の一口当たり分配金予想は、リファイナンスに係る費用の発生や、燃料調節費の
上昇に伴う水道光熱費収支の悪化等を織り込み、夫々3,201円、3,218円を見込んでおり
ます。次に、今後の成長戦略についてです。先ずは、法令等遵守態勢および内部管理態勢の
強化により、公正、且つ、適切な業務運営を実現し、二度とこのような不適切な行為の再発
がないことを、皆様にご安心頂ける状態への信頼回復を目指してまいります。そのうえで、
引続き中期目標として掲げている1千億円の資産規模の達成のため、スポンサーサポート
を活用し、引続き積極的な取組みを進めてまいります。
18頁をご覧下さい。グラフは、本投資法人が2019年2月に上場して以降の、投資口価格
の推移です。2022年7月末時点の、投資口価格119,800円における予想分配金利回りは、
5.36%です。物件の稼働率は、7月末時点で99.9%となっており、引続き高い稼働率を維持
しています。
続きまして、決算概要について説明致します。20頁をご覧下さい。第11期実績を説明致し
ます。一口当たり分配金については、7月4日開示時点の予想3,471円から133円増加し、
3,604円となりました。右側の表をご覧下さい。第11期決算の当期純利益実績について、
7月4日開示時点の予想値からの主な変動要因です。先ず、tonarie清和台における、大雨
の影響による増水対応工事に係る保険収入の発生、並びに、当該漏水工事に係るテナントへ
の補償金支払い額が、見込みより削減できたことによりプラスになりました。次に修繕費に
ついては、予定していた工事の実施時期の期ずれにより削減され、プラスになりました。又、
水道光熱費については、収入および支出共に増加したものの、収支はマイナスとなりました。
一方、売上歩合賃料収入の増加等により、収支はプラスになっております。他には、各種
一般管理費が見込みより削減できたことにより、収支がプラスになりました。これらの要因
により、当期純利益は、7月4日付けの業績予想比46百万円プラスとなり、一口当たり
分配金を133円引き上げることが出来ました。
21頁をご覧下さい。本投資法人のポートフォリオの概要について説明致します。先ずは、
底地の概要です。現在、本投資法人の資産の取得価格ベースで、約44.8%、償却後NOI
ベースで約46.1%を底値が占めております。残りは暮らし密着型の商業施設です。底地の
賃貸借残存期間は、5年以上が約98.4%を占め、賃貸借残存期間の平均年数は、12.7年と
なっており、長期安定稼働が見込まれます。左下グラフの通り、底地のテナントは、上場
会社が9割以上を占めていること、又、コロナの影響を受けづらいテナント構成である
ことからも、安定的に推移しております。
22頁をご覧下さい。暮らし密着型商業施設についてです。本投資法人は、賃料収入に
占める固定賃料の割合が約99%と高く、変動賃料割合が少ない構造となっています。商業
施設のテナント構成も、底地と同様食品スーパー、ドラッグストアの割合が大きく、暮らし
に密着した、安定した稼働となっています。次に下の段の折れ線グラフをご覧下さい。
オレンジ色の折れ線は、本投資法人が保有する商業施設1M2当たりの売上推移です。日本
ショッピングセンターの集計と比較しますと、2020年頃から続くコロナの影響下において
も、引続き変動幅は小さい状態が続いております。
23頁をご覧下さい。本投資法人の保有物件におけるテナントとの契約条件について説明
致します。第11期中において、新たに賃料減額の要請があったテナントは5件、テナント
の売上げ状況等を考慮し、賃料減額要請に対応しているテナントは3件、賃貸事業収入
としては123万円の金額に止まりました。以上から、新型コロナウイルスの影響は、
限定的になっていると言えますが、感染拡大の影響は、いまだ予断を許さない状況であり、
又、昨今の電気代高騰の影響も顕在化して来ているため、引続き今後のテナント動向は注視
しつつ、賃料収入の維持・向上に努めたいと考えております。尚、第11期中のテナントの
解約・退去は3件、新規契約は3件となりました。7月末時点での空室は、住宅を含めて
5区画となりました。以上、底地および暮らし密着型商業施設の概要について説明致し
ました。
続きまして、第12期、第13期の業績予想について説明致します。25頁をご覧下さい。
第12期の一口当たり分配金につきましては、水道光熱費の増加を見込み、2022年3月の予想から75円下振れとなる3,201円を予想しております。右側の表をご覧下さい。
第11期の当期純利益からの変動要因を記載しております。ヨシヅヤYストア西春店に
おいて、第11期中に退去したテナントからの、原状回復費用相当額の剥落によるマイナス、
第11期に集中した修繕費の剥落によるプラス、燃料調節費増加に伴う水道光熱費の増加、
リファイナンスに係る費用等を織り込んだ結果、当期純利益は、前期比141百万円の
マイナスとなっています。
26頁をご覧下さい。第13期の業績予想について説明致します。第13期は、第12期の
一口当たり分配金予想より17円増の、3,218円を予想しています。右側の表をご覧下さい。
第12期予想の当期純利益からの変動要因を記載しています。第13期は、テナント入替え
による一時的な減収や、必要修繕工事の実施、燃料調節費の増加に伴う水道光熱費収支の
悪化を、織り込んだことによるマイナスはあるものの、第12期実施予定のリファイナンス
に係る費用の剥落によるプラスがあるため、第12期予想分配金から17円上回る予想と
なっております。
27頁をご覧下さい。ヨシヅヤYストア西春店の運営状況について説明致します。先ずは、
物件の概要です。当施設は元々パレマルシェ西春と言う施設名称で、長きに亘って営業を
続けておりましたが、使用テナントが契約期間満了により退去した後、東海地方で総合
スーパーや食品スーパーを展開する義津屋様と、商業棟一棟貸しの賃貸借契約を締結し、
施設名称をヨシヅヤYストア西春店に変え、5月にRenewal Open致しました。義津屋様
との賃貸借契約は、固定賃料による商業棟5階までの一棟貸しです。現在空床である3階
に限り、テナント入居の実現に伴い、契約面積に応じて固定賃料が加算される契約となって
いるため、現在は、3階部分の賃料は発生しておりません。今後3階のリーシングが進捗し、
義津屋様から転貸するテナントの入居が実現した場合、入居面積に応じて固定賃料が加算
されますが、第12期、第13期の業績予想には、保守的に3階の賃料加算分は織り込んで
おりません。
続きまして28頁、上の表をご覧下さい。ヨシヅヤYストア西春店における第11期の実績
および第12期、第13期の業績予想です。先ず、第11期実績につきましては、旧主要
テナントの退去時の原状回復工事は実施せず、金銭精算することとなったことにより、当該
原状回復工事相当額の合意に至った、第11期において一括計上を行ったことにより、賃貸
事業収益が大幅に増加致しました。賃貸事業費用についても、空床区画である3階の現状
回復工事を行ったことから増加していますが、結果として賃貸事業NOIは、当期において
は一時的に大幅にプラスとなっています。続いて、第12期、第13期の業績予想です。
第11期中の主要テナント入替に伴う賃料収入の減少や、建物設備を含む維持・管理区分が、
テナント負担からオーナー負担となったことによる費用の増加により、賃貸NOIが大幅に
下落し、第11期末の鑑定評価額も大幅に下落しました。尚、繰り返しにはなりますが、
3階フロア約700坪のリーシング成約に伴う賃料収入の増加は、織り込んでいません。今後
入居することでプラスとなります。義津屋様に置かれても、本投資法人においても、この
空床区画の埋戻しは、喫緊の課題であり、後継テナントを引続き模索してまいります。収益
改善を目指すとともに、スポンサーサポートを活用した将来的な資産の入替等多面的に
検討してまいります。
31頁をご覧下さい。運用実績および今後の成長戦略について説明致します。本投資法人は
2019年2月の上場以降、2度の公募増資を経て、今年7月末時点の資産規模は696億円と
なっています。今後も巡航ベース分配金の改善のためにも、外部成長は必須と考えており、
スポンサーおよびサポート会社との連携を深め、中期目標である資産規模1,000億円への
成長を目指して参りますので、引続きのご支援を賜りたく、宜しくお願い致します。
又、本投資法人は、ESG施策をより一層推進してまいります。第11期中に策定したESG
活動方針に係るマテリアリティを基に、今後も中部電力グループのサポートも生かし
ながら、ESGへの取組みを強化してまいります。他にも、投資家層の拡大や、財務安定性
の向上のためGlobal Fund Index EPRA Nareitの時価総額採用基準の緩和が公表された
ことを受け、組入れの可能性を視野に準備を進めて行くことや、格付けの向上を目指すこと
などの取組みを行ってまいります。
頁を飛ばしまして36頁です。最後にESGへの取組みについて説明致します。
環境に対する配慮、社会への貢献および組織のガバナンス強化が投資主価値向上に寄与
することを認識し、ESGに関するマテリアリティを設定しております。Eの環境につき
ましては、テナントとともに環境を考えた設備の更新等により、環境負荷の低減等に取組んでまいります。今期は、ヨシヅヤYストア西春店において、LED照明の導入を実施致し
ました。Sの社会貢献については、暮らしに密着した商業施設は、身近な日常生活に欠かせ
ないインフラとして、地域の皆様に多様な機能を提供できる場として考えていることから、
各商業施設では子供たちが集まり、地域の皆様が参加できる各種イベントの開催や、地方
自治体が主体となり、企業や店舗の協賛を得ながら乳幼児連れの外出支援や、子育て家庭に
対する各種割引等のサービスを提供する、子育てパスポート事業への参画、施設従業員や
施設運営会社が受講した認知症サポーター講座の経験を生かして、高齢者の方にも優しい
地域作りに貢献する等、今後もこのマテリアリティに沿って、取り組みを進めてまいります。
Gのガバナンスについては、今回の監査による指摘事項を改善し、ガバナンスの効いた体制
とします。又、社員への研修などにより、中身の伴った堅実な業務運営が出来るよう取り
組んでまいります。
以上簡単ではございますが、第11期の実績および第12期、第13期の予想、運用方針等に
ついて説明させて頂きました。
この度は、金融庁の処分を受け、誠に申し訳ございませんでした。体制強化、業務運営方法
の見直しにより、強固な基盤を作り、一日も早く信頼を取り戻すよう取組んでまいります。
運用につきましても、投資家の皆様の期待に沿えるよう、安定性に重点をおいた堅実な取り
組みをし、引き続き資産規模1,000億円を目指してまいります。今後とも宜しくお願い申し
上げます。ご清聴、有難うございました。