インヴィンシブル投資法人 2022年6月期決算概要
インヴィンシブル投資法人
2022年6月期(第期)決算動画信説明書
動画 https://www.net-presentations.com/8963/20220826/jdnjirj/
資料 https://www.invincible-inv.co.jp/ir/upd/140120220812519197.pdf
説明者 コンソナント・インベストメント・マネジメント株式会社
代表取締役会長 市來 直人
説明
決算説明を始めます。
先ず、目次をご覧下さい。第1章のエグゼクティブサマリーは、お読み頂ければお分かり
頂けると思いますので、割愛して、第2章2022年6月期決算概要から順に、第6章ESG
に関する取組みまで、左側の部分を説明させて頂きます。
それでは4頁、第2章の1、運用実績をご覧下さい。当期純利益は1,015百万円となりまし
た。その概ね全額を分配し、一口当たりの分配金は166円とさせて頂きます。対前期比で
大幅な増益となりましたが、不動産などの売却益は、対前期比で11億円減少しており
まして、ポートフォリオの収益は回復基調にあると言えます。当期のMHMからの支払い
賃料に関しては、原契約固定賃料の約18%に相当する固定賃料900百万円に、変動賃料
1,996百万円を加えた2,896百万円となりまして、この合計額は原契約固定賃料の約58%
でした。再び行政による行動制限が厳格化する事が無い想定の下、2022年12月期は、物件
売却益無しでの黒字決算達成を目指します。
続いて5頁、ポートフォリオの収益構成です。下の表の右端の2022年6月期と、その2つ
左側にあります2021年6月期を比較してご覧下さい。当期の営業収益は、国内の変動賃料
の変動分と、ケイマンの2つのホテルの営業収益が大幅に増加したことによりまして、
住居と商業施設は一部物件の売却により減少となりましたが、全体としては前年同期比
63.2%の増加となりました。
6頁にまいります。資本的支出および減価償却についてです。現時点での年間修正予算は、
半年前の当初予算とほぼ変わらず、若干減少するという予測です。当期の資本的支出は、
約6億円で、1億円を超える大型の投資は無く、投資額が最大だったのは高松東急REI
ホテルで、受水槽更新工事68.4百万円で、次に大きかったのはホテルエピナール那須の
パン工房改装45.8百万円でした。
次の7頁から第3章、ホテル運営状況と市場環境について説明致します。右から3番目の
2022年6月期実績と、その右側の差異の列をご覧下さい。当期のホテルKPIは国内・海外
ともに前年同期比で全て上昇しました。しかしながら、コロナ禍の長期化により、2019年
レベルまでは回復せず、ホテル全体のNOIは2019年の約24%となりました。
8頁に移ります。コロナ禍における国内の状況と、インヴィンシブルホテル稼働率の推移
について説明致します。上段右側のグラフをご覧下さい。当期も、インヴィンシブルが所有
する国内75ホテルの稼働率は、全国平均を毎月上回る水準で推移致しました。2022年
3月には前月からの増加幅が全国平均を大きく上回る11.8ポイントとなりまして、2020年
以降最大の伸びとなりました。左下の水色の線が示しております通り、インバウンド需要
が回復しない中、国内需要には一定の回復が見られ、2021年12月の国内需要は、2019年の
同時期を超えるボリュームとなりました。右下のグラフをご覧下さい。足元では、新規感
染者数の拡大により第7波に入っており、再び行政による行動制限が発令されるかが注視
されますが、ワクチン接種率も高まり、行政による都度の行動制限も徐々に短期化・寛容化
していると考えられます。
9頁に移ります。コロナ禍における海外の状況についてです。左側にあります米国のホテ
ル指標の週次推移に関するグラフをご覧下さい。グレイの棒グラフが2019年の同じ週を100
としたRevPARの推移を示しております。2022年3月13日の週以降の米国ホテルRevPAR
指数は、多くの週で2019年を上回って推移しました。水色で示している稼働率に関しては
、コロナ禍でホテル従業員を削減した結果、人員不足のため回復が鈍いですが、オレンジ色
のADRは2019年以上に上昇し、2022年3月13日の週以降は連続して2019年同時期と
比較して10%以上高い状態が続き、7月17日の週には、記録上過去最高値を更新致し
ました。右下の2つのグラフをご覧下さい。グローバルに見て、新型肺炎に関する人々の
経験値が向上している中、Deloitte が2020年4月以降毎月行っておりますオンライン
調査によりますと、欧米の主要国でホテル滞在は安全だと思う人、および、今後3カ月以
内にホテルを利用する観光旅行計画を検討している人が増加傾向にあり、新型肺炎感染が
拡大・沈静を繰り返す中でも、旅行意欲が向上していると考えられます。
10頁では、インヴィンシブルホテルポートフォリオの2022年12月期予想に関して、説明
致します。上段の稼働率に関する折れ線グラフをご覧下さい。黒が2019年、オレンジが
2020年、青が2021年の各実績、緑が今年の7月までの実績と8月から10月までの予想
です。2021年第4四半期は、全国的に緊急事態宣言などの行動制限の適用がなく、新型
肺炎の新規感染者数・重症者数は大幅に減少し、本投資法人が保有する国内75物件の稼働
率は、2021年12月には61.6%と、2020年3月以降の最大値まで回復しました。しかし
2022年年初以降、オミクロン株により新規感染者数が急増し、1月の稼働率は48.5%に
急落しました。本年1月9日から蔓延防止措置が当初3県で発令され、ピーク時には36都
道府県にまで適用されました。3月21日に全国的に解除され、その後稼働率は2022年
第2四半期平均で、68.6%に回復しました。尚、RevPARは2019年第2四半期対比で
約58%の水準でした。この背景には、日本国民全体の新型肺炎の中での生活への適応が
進んだことが考えられ、第6波では過去最多の新規感染者が発生しましたが緊急事態宣言
発令には至らず、行動制限が解除された3月下旬以降は、国内観光需要を中心に、稼働率
は改善しました。今後、再び行政による行動制限が厳格化する事がなければ、更なる回復が
期待される一方、これまでで最も高い感染レベルを更新し続けてきた第7波の収束時期は
不透明で、今後のホテルの業績予想は、非常に困難な状況が続いており、2022年12期の
業績予想は未定とさせて頂きます。
続きまして、11頁では、最大のテナントでありますMHMによるコロナ禍における対応を
紹介します。MHMは徹底した感染対策を継続して行いながら、コロナ禍においても新たな
需要獲得への取り組みを積極的に推進するとともに、変わりゆく外部環境に柔軟に対応を
続けております。特に当期は、企業研修や拠点間リモート会議、各種試験会場として各種
試験会場として、感染対策に優れた広いホテル会議室を必要とする会議案件を、2019年
同期を上回って獲得し、又、宿泊需要が回復しつつある教育旅行の獲得にも、実績を上げ
ております。
続いて12頁、MHMによる今後の見通しと戦略についてです。表の上段、2022年12月期
の見通しにつきましては、国内需要はレジャー、ビジネスともに一定の回復が見られる一
方、インバウンド需要はほぼ消失した状況が続きますが、今後政府による水際対策の緩和が
進み、入国時PCR検査や、入国者数の制限などの規制が無くなれば、徐々に回復していく
見通しです。2023年以降に関しましては、国内ビジネス需要は、リモートワークの進展
などの影響はあるものの、社員研修などを含めた多様な需要が想定され、インバウンドに
おいては、来訪人の個人旅行も自由になり、リベンジトラベルなどによる剰余の高まりを
期待しております。感染状況や政府の施策など、刻々と変わっていく不安定な状況が、今
後も続くと考えられますので、MHMは、変化に柔軟に対応した収益最大化の取組みを実行して
まいります。
次に13頁では、シェアラトンの取組みについて紹介致します。左上段の表をご覧下さい。
当期も国内外の旅行が難しい状況でも、旅行気分を味わえる様々な企画を実施してまいり
ました。又、その下の表が示します通り、宿泊需要が伸び悩む中で、MICE・宴会の需要
に関しましては、春の修学旅行や保険会社等のインセンティブイベントの需要の回復により
、2022年6月期の実績は、前年同期を大幅に上回るものとなりました。ウエディングの需要
に関しましては、現在、徐々に回復の基調にあり、中型・大型サイズの婚礼が増え、充実
した施設やブランド力を生かして、更なる販売促進を行ってまいります。全く新しい取組
みと致しましては、8月1日より、ホテル業界では初となるボーイング737MAXの実機材を
使用したフライトシミュレーターとキャビンモックアップのセットを導入し、プロ操縦士
も使用するシミューレーターでの、格的な操縦体験の提供を通じて新たな需要喚起を、
図ってまいります。
続いて14頁、15頁では、ケイマンの2ホテルについて説明致します。14頁をご覧下さい。
ケイマン諸島では、これまでケイマン諸島への旅行を敬遠する大きな理由になっており
ました、5歳以上の旅行者に対する滞在中の抗原検査が、本年2月17日の時点で解除され
るなど、水際対策緩和が進みました。それにより、4月1日よりサンシャイン・スイーツ・
リゾートは、政府指定の自己隔離施設としての契約を終了し、全ての客室が観光客の宿泊
向けとなっております。6月12日から米国への入国者に対する新型肺炎検査の陰性証明が
不要とされ、米国人旅行客は帰国時の心配がなくなり、特にケイマン諸島への団体旅行客
集客にプラスの影響が期待されます。右下のグラフをご覧下さい。当期期初にケイマン諸
島におけるワクチン2回目接種率は80%に達し、2月中旬以降はケイマンへの商業便も増加
し、ケイマン2ホテルの収支は、前期の運営委託損失176百万円から、当期は運営委託
収益1,013百万円へ大きく改善致しました。ケイマン諸島では、6月30日から入国前検査
証明書の提出も屋内でのマスク着用も不要になり、8月24日からは旅行関連の規制が全て
撤廃され、旅行客はワクチン接種未接種に関わらず隔離や事前の旅行許可取得なしで
ケイマン諸島への訪問が可能となりましたので、感謝祭以降の次のピ-クシーズンでの
更なる回復が期待されます。
15頁は、ケイマン諸島への宿泊訪問客数と商業便の座席総数についてです。左側の
棒グラフは、宿泊を伴う訪問客数の変化について、グレイで2019年、濃紺で2022年を
示しています。訪問客数は、4、5月には2019年の5割強にまで回復してまいりました。
右側の表をご覧下さい。2022年1月から9月のケイマン諸島への商業便の座席総数は、
2019年同時期比-33%ですが、ユナイテッド航空は、2019年レベルを超えてきており、
全般に、順調に回復する予定です。
16頁に参ります。国内の新規ホテル供給状況についてです。左側の棒グラフをご覧下さい。
「週刊ホテルレストラン」による半年ごとの調査によると、2022年から2025年の4年間の
間に43,759室が新・増設される計画です。これは2020年6月時点に判明していた、
2020年から2023年の4年間で計画されていた新規供給客室数89,343室の約半分
であり、パンデミックの影響で新規供給が大幅に減少していると言えます。右側の折れ線
グラフをご覧下さい。新・増設ホテルの計画確認客室数は、2019年12月時点の調査以来
、6回連続で減少傾向が続いています。
続いて、17頁をご覧下さい。国内既存ホテルの状況について説明します。左上の折れ線
グラフを見て頂けますと、帝国データバンクの調査によると、ホテル・旅館業者の景気動
向指数(景気DI)は2021年6月期を底に徐々に改善していますが、その下の棒グラフが示し
ていますように、当期の倒産件数は、前年同期および前期と比較して増加しています。又
、その下にあります閉鎖理由の円グラフをご覧頂くと、2022年3月までの6ヶ月間で閉鎖
したホテル室数約5,000室のうち、新型肺炎の感染拡大による影響は約25%を占め、契約
終了に次ぐ多さとなっています。右側をご覧下さい。日本経済新聞によると、2022年
5月末までの2年間で、コロナ禍によりホテルや旅館、旅行会社など旅行宿泊関連施設が
約1割、5,000施設が閉業した可能性があります。
18頁は、ビジネス・レジャーの動向に関する一定の前提条件に基づく試算です。
上段の積上げ面グラフをご覧下さい。コロナ禍に入りまして、従前3割程度を占めていた
インバウンド客が不在の中、国内需要はレジャー・ビジネス両面において一定の回復が認
められます。当期は、第2四半期の平均稼働率が68.6%に回復する中、本試算の前提条件に
基づくと、2019年対比では、ビジネス需要が増加した状況が続いており、MHMは
ビジネスの繰り延べ需要を着実に獲得していると考えられます。
19頁は、インバウンド市場の動向についてです。左上の月別訪日外国人推移と、左下の
インバウンドに関する規制緩和の実績と見通しをご覧下さい。当期のインバウンド旅行
客数は、新型肺炎の影響のなかった2019年比で約97%減の507,600人と、当期もイン
バウンド需要が、ほぼ消失した状況が継続しています。2022年3月以降、政府による入国
者に対する制限、検疫や隔離措置が徐々に緩和され、6月10日からは添乗員付きの団体
ツアーに限定して、外国人観光客の受け入れを再開されました。6月の訪日外国人数は、
4月、5月を下回っています。当期の期初には3,500人であった入国者数上限を、6月に
日本人を含めてから20,000人に拡大しましたが、平均で1日あたり約140,000人が入国
していた2019年には、遥かに及ばない状況です。右側上段グラフをご覧下さい。昨年
10月に行われた調査では、アジア、欧米豪のいずれの居住者の間でも、次に旅行したい国
・地域として日本がトップになりました。日本の観光客受入規制が十分に緩和されれば、イ
ンバウンド需要は大きく伸びると考えられます。来月以降に予定されております入国者PCR
検査免除、1日の入国者数の上限の緩和、そして撤廃が求められます。団体旅行だけでは
なく、外国人個人旅行の受け入れ再開も、非常に重要だと考えております。
続いて20,21頁では住居の運用状況について説明致します。20頁上段の表をご覧下さい。
当期の住居(41物件ベース)のNOIは、11億円超となりまして、前年同期比で-0.2%、
コロナ前の2019年6月期との比較では、+1.2%となりました。住居41物件と商業1物件
は、ともに安定的な収益を見込んでおります。
21頁にまいります。住居ポートフォリオの賃料改定状況を示しております。コロナ禍に
入り、都市部における人口流入超過傾向が弱まる中、新規契約の賃料増が厳しい状況、環
境ですが、募集条件を調整しながら稼働率の維持とNOIの最大化に努めております。
22頁にまいります。第5章財務の状況についてです。
本投資法人は、コロナ禍が始まってから本日現在まで財務制限条項への抵触は一切ござい
ません。借入期間の短期化に伴い、期中に返済期限が到来する既存借入金は増加している
が、当期は合計270億円の借換えを実施致しました。又、7月も返済期限が到来した既存借
入金502億円について同額の借換えを実施しております。
財務の健全性を高めるため、住居物件の譲渡で増加した手元資金の中から35億円を既存借
入金の一部弁済等に充当し、Loan to Valueは、前期の決算発表を行った2022年2月24日時
典の45.8%から当期末に44.9%へ低下しました。弁済後も2022年7月末時点の手元資金は
126億円ありまして、引き続き、利払い等に十分な額を保有しております。
続いて、23頁、24頁でESGに関する取組みを紹介致します。先ず、23頁は本投資法人に
よる取り組みです。
本投資法人は、経済・社会の発展、地球環境の保全への貢献といったサステナビリティの
観点から、不動産の投資運用におけるESG配慮の重要性を認識し、サステナビリティの
向上を重要な経営課題の一つと位置付け、持続可能な社会に向けた取り組みを、実施して
おります。当期に関しましては、主に省エネのための設備更新、グリーンリースの推進、
サステナビリティ・ガイドの作成、テナントへの配布などに注力致しました。
24頁にまいります。主要テナントであるMHMによる取り組みを紹介しています。左側の
4つの写真をご覧下さい。MHMでは、当期からの新しい取り組みとして、グループ内の
ホテルで不要になった食器や家具、備品などの施設間移動を促進する「マッチング・
プロジェクト」をスタートし、物品の再利用と廃棄物の削減に取り組んでおります。又、
改装工事においては、環境配慮がなされた資材の選定、食品廃棄ロスの低減等、様々な社
会貢献の取り組みを継続して行っております。
最後にAppendix(1)の最初にあります26頁、投資主優待をご覧下さい。
投資主はシェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテルおよび旧かんぽの宿、亀の井
ホテルを含む全てのマイステイズグループホテルに、投資主優待価格での宿泊ができます
。投資主優待制度による当期のマイステイズホテル利用実績は、前年同期比で約2.7倍と
大幅に増加致しました。皆様にも是非ご利用頂くようお願い申し上げます。
引き続き予断を許さない難しい事業環境が続きますが、日本国民全体の新型肺炎の中での
生活への適応が進んだと考えられ、又、入国者数上限を増やすなど水際対策の緩和も予定
されており、再び行政による行動規制が厳格化することがなければ、2022年12月期は、
物件売却益なしでの黒字決算達成を目指せると考えております。
私からの説明は以上とさせて頂きます。
長時間ご清聴頂きまして有難うございました。