スターツプロシード投資法人 2023年4月期決算概要
スターツプロシード投資法人
2023年4月期(第35期)決算動画説明書
○動画 https://www.net-presentations.com/8979/20230614/sdoeklk342/
○資料
https://www.sp-inv.co.jp/file/top_financial-00b7cdf6d87f572f836ca3fa66258c13af1ad25c.pdf
○説明者 スターツプロシード投資法人 執行役員 兼
スターツアセットマネジメント株式会社 代表取締役 平出 和也
○説明
スターツプロシード投資法人、第35期決算説明を始めます。
先ず最初に、第35期の決算ハイライトを説明したいと思います。
3頁をご覧下さい。分配金ですが、当初の予想は5,580円でしたが、結果的には5,667円という、僅かに予想を上回る数字で着地することができました。一口当たりのNAVは、230,307円で、期末時点のNAV倍率は0.97倍となりました。期中に行った外部成長ですが、今回は公募増資による物件取得が5物件、120億円強の物件取得をし、一方で当期も継続的な資産の入替を行い、3物件を売却し、譲渡益が122百万円となりました。この物件の売却に合わせてプロシード松戸を取得し、従来から続けてきた積極的な資産の入替を今期も継続しております。数年ぶりの増資を行った結果、1,000億円を超える資産規模となりました。併せて内部成長においては、期中の平均稼働率が96.6%となり、コロナ禍の影響からも脱却をしたと言おうことで、コロナ前とほぼ遜色のない水準まで、稼働率を底上げすることができています。期末の4月末時点の稼働率は96.3%となりましたが、引き続き賃貸住宅の需要については旺盛なものがあり、安定的な稼働率が達成できているという状態です。又、入替時の賃料についても、新規の入居の入替時で+0.9%と、従来通り穏やかな賃料の増額が図れてきているという傾向です。続きまして、財務運営についてですが、今回借入れを行った結果、固定化比率も60%程度まで上がりました。又、今年の5月24日にリファイナンスを行った結果、その分も含めますと概ね70%程度の固定化比率ということで、将来的な金利の変動をヘッジすべく固定化比率を高めていくという取り組みを、従来通り着実に行ってきております。信用格付けにおいてもJCRのA(安定的)は、前期から変更はありません。ESGの取組みに関しては、5月24日のリファイナンス時に、第4回投資法人債(グリーンボンド)を15億円発行することができました。こうした取り組みも従来に比べて着実に行ってきています。又、GRESBのリアルエステイトにも初参加し、評価を取得しております。
それでは、具体的に35期の決算についてもう少し詳細に説明したいと思います。4頁をご覧下さい。35期は、先ほど申し上げましたが、一口当たりの分配金が5,667円と言う結果になりました。期中の平均稼働率は96.6%です。分配金の増減の主な要因として、賃料収入の増加、礼金収入の増加等で156円上回りました。一方で、34期に有った譲渡益の剥落部分等、物件の入替等の効果が-338円となり、この辺りが分配金の変動に大きく影響を及ぼしており、結果的に期初の予想を若干上回る形で着地をすることができました。
今後の業績予想について説明をしたいと思います。5頁をご覧下さい。今動いている第36期においては、期中の平均稼働率は96.2%、結果として分配金を4,580円としております。
これも、昨年の11月の公募増資の時に発表しました業績予想を据え置いて、同じ数字を業績予想として発表させて頂いております。続く37期においても、一口当たり分配金は、同額の4,580円、期中平均稼働率は96.5%と想定しております。37期からは、これも公募増資の時から発表しておりました利益超過分配を継続的に行っていくことで、330円強の利益超過分配金部分も含めた4,580円と言う形で業績を予想しております。
次に分配金の推移を纏めております。6頁をご覧下さい。従来から4,000円を少し超えるような分配金から、物件の入替を積極的に行い、譲渡益を分配するという取り組みも含めて、4,500円を超えるタイミングや、期によっては5,000円を超える時もありましたが、巡航の分配金では、4,500円を安定的に超える形を達成することができてきました。又、従来通り、継続して物件の入替等は積極的に行って行きますので、今後も4,580円の巡航の分配金に、譲渡益が発生した分については、巡航分配金に加えた形で分配金としてお届けするということ考えていきたいと思っております。
続いてLTVの推移について纏めております。7頁をご覧下さい。LTVについては、概ね50%程度で安定的に推移をさせるということで、前回の増資を経て直近では51%のLTVですが、今後も概ね50%程度で安定的に推移させていくという風に考えております。
続いて35期に取得物件について説明致します。8頁をご覧下さい。6年ぶりの公募増資で、昨年の11月にスポンサーのパイプラインにあったプロシード山下公園ザ・タワーを初め、5物件を約122億円で取得しました。加えて期中にスポンサーのパイプラインにありましたプロシード松戸を約5億円で取得しました。
続いて今後の物件入替の方針について簡単に説明致します。9頁をご覧下さい。従来通り築年数が相応に経過している物件、投資規模が相対的に小さい物件、或いは、地方の物件、こういった物件を優先的に入れ替えの対象としてリストアップする中で、相応の購入者が出た場合には積極的に入替を行っていくという方針に基づいて、ここ数年来、物件の入替を積極的に行ってきました。この35期についても、物件を取得する一方で、頁の下にあるような高円寺南を初め、柏、白楽の物件を譲渡対象として売却を行いました。こうした取り組みについては36期以降も継続して行っていくという考えです。
続いて運用資産に関する賃貸条件の状況について説明致します。10頁をご覧下さい。先ず、入替時賃料の増減状況を継続的に比較しておりますが、この35期においては、結果的に入替時に増額できる割合が42.5%と 若干増額できるものの割合が減少していますが、賃料の上げ幅については、前期を上回る0.9%となっており、賃料の穏やかな増額傾向は堅持することができています。又、更新時の賃料改定においても、0.2%の変動率ということで、これも僅かですが上げることができました。入替時の賃料の増額については、大分一巡をしてきたということもあり、従来に比べると更新時に増額できる割合は減ってきていますが、着実に対象物件の中で増額は図れており、引き続き足元の賃貸住宅市場においては、特段大きな心配をするような状況ではないという認識です。又、礼金については、前期は設定額がマイナスになっていましたが、35期においてはプラスに転じることができました。これも、足元の賃貸マーケットが、従来に比べると少し力強さを取り戻しつつある、あるいは、コロナ禍から脱却し、特に新入社員やそのような類の人向けの社宅や寮のニーズ等も、この繁忙期においては旺盛であったということで、礼金の設定も前期に比べたら少し強気に設定することができました。
続いて各住居タイプ別の平均入居期間を纏めております。11頁をご覧下さい。従前から説明しておりますように、期を追うごとに平均の入居年数が伸びてきております。これは我々が目指している姿であり、入替時に際立った大きな賃料増額が目指せるようなポートフォリオではありませんし、中堅所得者層向けに、安定した住宅家賃層向けに部屋を供給しておりますので、入替時には僅かに賃料の増額は図れるものの、寧ろ入替時のダウンタイムやリフォームの費用等を考えると、安心的に入居者さんに更新をして住み続けて頂いた方が、ポートフォリオ全体としてはNOIに寄与するというような分析をしており、正にこのような住戸タイプごとに平均の入居年数が、年々少しずつ伸びてきているというのは、我々は寧ろ歓迎しております。快適に住み続けて頂く中で、更新時には僅かに賃料の増額も得ることができており、結果的に高稼働を維持することができて、安定的な分配金に繋がっていると考えており、今後もこの考え方は維持していきたいと思っております。
続いてポートフォリオ全体の平均賃料等について説明致します。12頁をご覧下さい。物件の入替等あったこともあり、ポートフォリオ全体の平均賃料が99,000円強となっています。概ね、前期とはそれほど変わってはいませんが、我々が標榜しているような、最も需要が安定している中間所得者層向けの賃貸住宅でポートフォリオを構築しております。これが結果的に安定した稼働に繋がっていると、我々は評価をしており、今後も物件の入替等は継続して行っていきますが、我々の特徴は維持をしながら進めていきたいと思っております。
続きまして稼働率の推移について説明致します。13頁をご覧下さい。ここ10年程度の稼働率の推移を纏めておりますが、概ね96%を上回るような水準で、安定的に推移をしておりますが、コロナ禍のタイミングでは96%を若干割り込むような状態もありましたが、そこを脱却して96%台の後半を安定的に達成することができております。尚且つ賃料水準についても、微増傾向を維持しながらでも稼働率を底上げすることができており、今後もこの傾向は、今の賃貸住宅市場においては継続できるのではないかと考えております。
続いて取得資産の取得価格や鑑定評価等について触れたいと思います。14頁をご覧下さい。貸借対照表上の資産の計上額の合計は980億円強ですが、鑑定評価は1,180億円と2割弱ほど上回った水準となっており、足元の好調な不動産市場を受けて、期ごとに鑑定評価も微増しております。こういった背景を基に、物件の入替時には相応の、個別の物件ごとの売却益が享受できるということになりますので、今後もこういった好調な不動産市場を背景に、物件の入替を適宜行いながら譲渡益を分配し、分配金の底上げを行っていきたいと思っております。
続いて財務状況について説明致します。15頁をご覧下さい。昨年11月に公募増資を行い、有利子負債の総額は520億円強となりました。併せて借入金の長期化、固定化というのは、ここ数年取組みを継続しておりましたが、これらも引き続き行っていきます。こうした取組みを評価され、1年前にJCRの格付けが1つ上がり、今期についてはその格付けが継続しております。今後も更なる格付けの評価の向上に向けて、財務基盤の強化については、今まで通り取組みを続けていきたいと思っております。
続いて有利子負債の具体的な状況について説明したいと思います。16頁をご覧下さい。今回借換えを行い、従来の期間よりは若干長くして6.5年で調達を行いました。有利子負債に占める固定化比率は35期末で59.7%、5月24日のリファイナンスを経て69.2%となっています。又、借入期間の残存期間も35期末で3.1年、リファイナンス後の5月24日以降の状況で3.6年と着実に増やしてきており、財務基盤の安定化も図りながら穏やかな分配金の成長を達成していくことを目指しております。
続いて前回(2016年11月)の公募増資以降の投資口価格の推移について纏めております。17頁をご覧下さい。公募増資後、着実に投資口価格に対しても評価を受け、安定的に23万円近く、或いはそれを超える価格で推移しております。今後も着実な分配金を届ける一方で、投資口価格の評価を更に高めていくための施策を継続して行きたいと考えております。
続いて投資主の状況について纏めています。18頁をご覧下さい。前回の公募増資を経て、個人の投資家の割合が漸減している傾向は従来通りで、積極的な期間投資家へのIR等も行った結果、機関投資家の投資口保有割合、海外投資家の割合等も従来と比べると少し増えてきており、結果としてその分が個人の投資口の保有割合の漸減となっておりますが、引き続き我々の特徴であります個人の投資口保有の方々向けのIR等も積極的に行いながら、バランスの良い形でこの傾向を維持していきたいと思っております。
続いてサステナビリティに関する取組みについて触れたいと思います。
20頁をご覧下さい。環境面の取組みについては、保有物件の中でリノベーションを行い、物件の長寿命化に積極的に取り組みを行っております。結果として入居率の改善や賃料の増額に繋がるような資本的支出を使い、積極的に行っております。
続いて環境認証の取得に関しても積極的に取り組んでいます。21頁をご覧下さい。西新井のアルティア棟がCASBEE不動産評価認証で最上位ランクを頂きました。又、BELSの評価についても3物件、それからGRESBについても初参加を行いました。
続いてSの社会についてです。22頁をご覧下さい。発災時の対応を柔軟に行えるようにかまどベンチや井戸を作るとか、又、社会的に取組み意義の高いような施設と複合した物件開発、具体的には保育園・幼稚園や学校などの子育て支援施設や図書館、こうした公共複合施設の開発や、プロシード投資法人への物件の取得、こうしたものを通じて安定的な社会基盤の整備に資する取組みを、今後も継続していきたいと考えております。
24頁をご覧下さい。環境パフォーマンス目標を掲げております。エネルギーの消費量やGHG(CO2)排出量低減のKPIを設定し、それに向けて着実に取組みを行ってきております。
続きまして、今後の運用方針について説明致します。
26頁をご覧下さい。36期以降の運用方針については、旧来からお伝えしていましたように、安定した分配金の確保を通じて投資主価値の向上を目指していくというところは変えておりません。具体的には、前回の増資で1千億円を超えるような資産規模に成長することができましたが、今後は従来に比べてスピードアップを図りながら、次の目標として1,500億円の資産規模を目指していきたいと思っております。又、内部成長については、今の96%程度の安定的な稼働率を維持しながら、家賃の底上げを図っていき、結果的に今の4,500円を超えるような分配金の水準を、数年かけて5,000円に近づけていくべく着実に行っていきたいと思っております。財務基盤については、先ほども申し上げた通り、借入金の長期化、金利の固定化を従来通り続けていきます。又、ESGの取組みについても我々の身の丈に合わせながら、やれるようなことを着実に一歩一歩進めていくと言おう姿勢で継続していきたいと思っております。
続いてスターツグループの協力体制、およびその結果として、今後本投資法人で取得をすることが可能な物件開発に繋がった取り組み事例として、いくつかを紹介したいと思います。
28頁をご覧下さい。先ずはプロシード小岩PJです。東京都江戸川区においてリート向けに土地を取得して、建物を建設するというようなPJを、スターツグループとRE-SEED機構と共同で出資をしながら、店舗付きの共同住宅の開発を行っています。完成後はリートで取得をするという想定で物件開発を行っております。
29頁をご覧下さい。取組み事例の②として、千葉県の浦安市において築35年程度経過をしたファミリー向けの賃貸住宅を、スポンサーが7棟、131世帯取得をして、大規模なフルリーリノベーションを行いました。耐震強度、コンクリート躯体の健全性等の評価も得ながら大規模なリノベーションを施し、入居所の募集をこの4月から開始しました。グループとしては、エレベーターの追加をしたり、オートロックの新設をしたりとか、思い切った耐震・リノベーションを行った大規模物件ということで、今後この取り組みをきっかけに、本投資法人においても、新築の物件の取得だけではなくリノベーション物件の取得を通じて、環境負荷の低減や、利回りの確保等にも資するような形で、築年数が相応に経過した物件に、資本的支出をしながら賃料アップ、稼働率アップを図っていくという取り組みにも今後力を入れていき茶位と思っております。
運用会社の取り組み事例としては、従来から説明をしていた東京都と一緒のやっている官民連携ファンド等の取組みもあります。30頁をご覧下さい。
続いてウエアハウジング物件ということで、31頁には、新たに組入れを行った物件、開発の予定が決まった物件を記載しております。ここには全部で9物件ありますが、早いものでは、今年の夏以降に竣工を迎える物件があります。現在9物件で100億円超のパイプラインですが、これらが巡視完成を経て、次回の増資、又は、物件の入替のタイミングで、ここに掲げている物件がリートに組み入れられてくることになります。
最後にスターツグループの開発プロジェクトの説明です。33頁をご覧下さい。従来から説明してものが中心になりますが、新たに埼玉県の熊谷市で子育て支援施設の拠点整備事業の事業者に選ばれるという取組みも行われました。又、この決算期後になりますが、福岡県の県有地の開発プロジェクトなども順次開発が進んでおります。
34頁には開発事例の①として、今年の12月に開業を迎える予定の札幌のホテルですが、法定再開発事業の中でホテル用地を取得して、開発を行っていたものが今年の冬に開業予定です。
35頁をご覧下さい。同じくホテルの開発になりますが、来年の春に横浜市の関内でホテルを開業する予定です。
36頁には、先ほど申し上げました埼玉県熊谷市の子育て支援施設を記載しております。今後これは全国的に、このような子育て支援の拠点になるような施設を、公共がPFI/PPP事業を通じて整備をしていく取組みが、全国的に広がると思いますが、そのきっかけになるようなプロジェクトということで我々は捉えており、これをきっかけに同様のプロジェクトを手掛けていきたいと思います。
37頁には事例の④として、関内の駅前の法定再開発事業の中で進めているオフィスビルの開発ですが、スポンサーグループとしては関わりを持って続けているということになります。
38頁は、事例の⑤として、名古屋の布袋駅前で開発をしていた図書館や保健施設、それに付随する商業施設が無事に竣工しまして、今年の4月に開業を迎えたという事例です。
39頁には、従来から説明していた府中や京都のホテルです。コロナ禍を経て外国の方々の来訪者も増えるということで、漸くコロナ禍の中で開業を迎えた物件ですが、稼働が順調になってきたという状況です。
最後に40頁は弘前、習志野の物件です。今後もこうした美術館や、公共施設も含めた社会インフラの整備に関わるような事業をグループとして手掛ける中で、本投資法人においても、取得可能な物件の開発に努めていきたいと思っております。
今回の決算説明は以上となります。有難うございました。