日本ロジスティクスファンド投資法人 2022年1月期決算概要
日本ロジスティクスファンド投資法人
2022年1月期(第33期)決算説明動画配信説明書 及び 質疑応答
動画 https://www.net-presentations.com/8967/20220317/gftjkij/
資料 https://ssl4.eir-parts.net/doc/8967/ir_material_for_fiscal_ym/115132/00.pdf
説明者 三井物産ロジスティクス・パートナーズ株式会社 代表取締役社長 亀岡 直弘
説明
3頁をご覧下さい。
私から投資家の皆様へ一言申し上げたいと思います。
本投資法人は本年2月に公募増資を実施致しました。本投資法人では上場以来、外部環境
の変化に関わらず一口当たり分配金と一口当たりNAVの安定と持続的成長を追求して
まいりましたが、2017年の公募増資以降は、Active Asset Managementという
キーワードを掲げ、2度の自己投資口の取得、物件入れ替えによるポートフォリオの質的
強化、力強い内部成長を実現するための業務改革・体制変更、そしてESGへの取り組みの
加速など様々な施策を推進するとともに、物件取得に関しましては、事業パートナーとの
共同開発やOBR(保有物件の再開発)、CRE戦略等の多様かつ独自のアプローチを
打ち出し、物件パイプラインの拡充に努めてまいりました。足元ではこれらの施策が実を
結び、着実に成果が出始めております。
今回の公募増資とそれに伴う物件取得により、巡航での一口当たり分配金につきましては、
5.3%の成長を実現するとともに、Active Asset Managementにおける目標としていた
5,000円を達成致します。これを機に、物流リート最長の運用実績に裏打ちされた成長戦略
を一段と発展させ、投資主価値の更なる向上を目指すDevelop the Valueの推進と通じ、
新たな成長ステージに進んでまいりたいと考えております。
既に進捗が見られる内部成長、ESGへの取り組みに加え、継続的に外部成長を実現できる
体制を早期に構築し、より力強く、スピード感を持った投資主価値の向上を目指します。
国際情勢や金融環境が大きく変動する中であっても、引き続き自律的、主体的な成長戦略を
推進し、一口当たり分配金・NAVの安定的、持続的な成長を追求してまいりますので、
引き続き宜しくお願い致します。
6頁をご覧下さい。
従来の一口当たり巡航分配金5,000円の達成を踏まえ、新たにDevelop the Value という
キーワードを掲げ、Active Asset Managementと通じて推進してきた多様かつ独自の
運用戦略を一段と発展させ、投資主価値の更なる向上を目指して参りたいと考えて
おります。
先ず、外部成長に関しましては、最優先課題であると認識しておりまして、引き続き多様
かつ独自のアプローチにてパイプラインの拡充を進めてまいります。具体的には足元の
物件取得環境を踏まえまして、事業パートナーとの協同開発に代表されるように、
開発段階から案件に関与することで、より有利な条件で物件取得を可能とする取り組みに
注力し、物件取得する機会を創出してまいります。又、物件取得ソーシングに関わる資産運用会社の体制をより一層強化してまいります。
次に内部成長に関しましては、足元好調に推移している再契約交渉等における賃料増額の取り組みに加え、稼働の安定性や事業環境の変化への耐性の確保にも配慮した運用を
行ってまいります。そのほか引き続き財務の安定性と柔軟性の確保、ESGへの取り組みの
加速についても継続的に注力してまいります。
当面の一口当たり分配金の目標としましては、巡航水準で10%の増加となる5,600円から
5,700円を目指します。
7頁をご覧下さい。物件取得に関しては、従来からご説明させて頂いている通り、多様かつ
独自のアプローチで、パイプラインを構築するという活動を推進してきておりますが、
直近の取得資産3物件は、いずれも、これらの多様なアプローチによる取り組みが
果実化した結果だと考えております。
8頁をご覧下さい。資産物件のほかにも、こうした多様かつ独自のアプローチにより、確実
にパイプラインの積み上げが進捗しております。
大阪内陸部にてスポンサーが開発予定の大型物件、鑑定からディスカウント率6.5%、NOI
利回り4.5%にて先日フォワードコミットメント契約を締結した尼崎物流センターなど、
一部スライドでご紹介しておりますが、引き続き多様かつ独自のアプローチにて
物件パイプラインの確保を進めております。特に、事業パートナーとの協同開発に関し
ましては、銀行等の金融機関との間で締結しているコミットメントラインを増額する
ことで投資余力を確保するとともに、フォワードコミットメント契約を締結した
尼崎物流センターのほかにも、首都圏、中部圏、九州圏等においても着実にパイプラインの
拡充を進めております。これらの物件の取得を通じ、力強い外部成長を実現し、当面の
一口当たり分配金の目標である5,600円から5,700円の達成を目指してまいります。
9頁をご覧下さい。パイプラインの拡充は着実に進んでおりますが、外部成長力の強化が
最重要課題との認識のもと、物件ソーシング力、取得力をさらに強化する目的で、
資産運用会社において3つの柱からなる体制変更を進めております。
1つ目の柱は機能分化と業務プロセスの見直しになります。物件取得、ソーシングの部隊を、
物件取得先とのリレーション構築、ソーシング等の案件発掘に特化するチームと、
アンダーライティング、ストラクチャリング、ドキュメンテーション等の取得戦略の構築や
売買の実務対応に特化するチームに分け、夫々のチームが専門性を発揮するとともに、
有機的に連携することで、今まで以上の成果を上げてまいります。尚、足元好調なテナント
との再契約交渉やリーシングに関しても、テナントとのリレーション構築のチームと、
交渉・戦略を練るチームへの機能分化と、業務プロセスの見直しを進めてきた経緯も
ありまして、同様のコンセプトに基づく体制変更となっております。
2つ目の柱は、人員の強化・拡充になります。2021年3月と2022年3月の単純比較で、
5名体制から、9名体制へと人員を80%増加させるとともに、新規採用や人事異動等に
より、アンダーライティングやストラクチャリングなど専門性の高い人材の投入を進めて
おります。引き続き採用活動を進めておりまして、今後も人員の強化・拡充を図って
まいります。
3つ目の柱は、マネージメントの強化です。人員の増加や機能分化を踏まえまして、新たに
副部長を指名し、部長と連携のうえ新体制による物件取得、更新活動をリードする体制を
構築しております。これらの施策を通じ、物件取得、ソーシングに関する体制を強化し、
よりスピード感を持ったパイプラインの拡充を目指してまいります。
10頁をご覧下さい。直近でフォワードコミットメント契約を締結した尼崎物流センターに
ついてご説明させて頂きます。
リース会社を事業パートナーとしたテナントリーシング完了済みの協同開発案件です。
NOI利回り4.5%、鑑定評価額から6.5%ディスカウントされた価格で取得予定です。
大消費地である大阪、神戸への配送拠点として利便性の高い立地であり、又、高速道路への
アクセスも良好です。阪神「出屋敷駅」から徒歩圏内、且つ、港湾労働法適用地域外であり、
雇用の確保にも有利な優良物件であります。直近で取得した3物件につきましては、
スライド下段の通りですが、特に再開発事業を推進中の浦安物流センターにつきましては、
リーシングに関しては100%を完了しており、締結済みの賃貸借契約を前提とした
NOI利回りは6.9%と、非常に高い利回りを実現しております。浦安物流センターは、
1階建ての築古物件を取り壊し、新たに4階建ての最新スペックの物流施設を開発する
ことで、床面積の大幅な増加等により大きなValue-upを実現し、東京湾エリアの中でも、
都心に近いプレミアム立地でありながら、高い利回りでポートフォリオに取り込むことに
成功した案件になります。
12頁をご覧下さい。今後のOBRの候補となる物件は、現在ポートフォリオ全体で8物件
程度ありますが、これら全てでOBRを行った場合の潜在的な延床面積の増加余地は、
約16万M2、ポートフォリオ全体の約11%に相当する規模となります。足元の稼働率は
100%ですので、すぐに再開発できる訳ではありませんが、既存テナントとの長期的な
リレーションの構築や、OBR期間中の収入減少、除却損等の一過性の費用の発生が、
ポートフォリオ全体に与える影響の見極めなど、総合的に判断のうえ、JLFの運用に
とってベストのタイミングで検討してまいります。又、JLFの特徴的な取り組みであり、
且つ、強みでもあるOBR実施の可能性を広げるため、OBRの推進によって蓄積された
知見、Know-Howを活用したOBR戦略の深堀についても、引き続き検討を進めて
おります。OBR戦略深掘りの一つは、工場や郊外の商業施設等につき、物流施設として
立地等評価したうえでこれを取得し、テナント退去後に物流施設の再開発を行う、多用途
からの転用になります。又、既存物件の隣地に所在する物件を、将来的なOBRの実施を
視野に評価し、取得するアプローチにつきましても検討を進めております。
14頁をご覧下さい。保有物件の管理につきましては、物件ごとの状況を見極め、
物件ごとに、若しくは同じ物件に対してもタイミングや、その時の状況に応じて、攻めの
Asset Managementと守りのAsset Managementを駆使した柔軟な対応を行い、力強い
内部成長を実現しております。保有物件の管理、運用体制につきましては、数年前より、
大幅な見直しと強化を行ってきておりますが、足元でこれらの施策の成果が着実に現れて
きております
15頁をご覧下さい。2021年1月から2023年1月に満期を迎える賃貸借契約に
つきましては、既に再契約、若しくは、リテナントの対応が完了している16契約全てに
おいて賃料増額を実現しておりまして、又、総額幅につきましても記載の通り、特に
2021年7月以降は、約8%から10%と大幅な賃料増額となっております。2023年1月期
につきましては灰色で表示している未更改の部分が残っておりますが、未更改部分に
つきましても、引き続き賃料増額を目指して、再契約等の交渉を積極的に進めてまいります。
又、スライドの右側ではいくつか事例を紹介しておりますが、一件ごとの状況を見極め、
柔軟なテナント交渉を行うことで、大幅な賃料増額を実現しております。
16頁をご覧下さい。ポートフォリオ全体の稼働率については上場来の平均で98%を超えて
おり、従来より安定した稼働を維持してきておりますが、足元の稼働率は100%と非常に
高くなっております。又、2022年7月期に満期を迎える契約につきましては、再契約等の
対応が100%完了しております。次の2023年1月期につきましても、44.5%で対応が
完了し、その他の契約についても適宜テナントとの交渉を進めておりまして、稼働率に
つきましては、引き続き高い水準で推移する見込みとなっております。
17頁をご覧下さい。財務の状況についてもご説明させて頂きます。
本投資法人では、強固な財務基盤を維持しておりまして、スライド左下に記載の通り、
格付けはJ-REIT最高水準となっております。LTVについては、足元総資産ベースで、44%
程度、鑑定ベースで30%程度となっており、本年2月の公募増資の結果、微減、若しくは
横這いの水準となりました。引き続き現在のLTV水準を維持し、格付けにも配慮した運用
を続けてまいります。又、新規の借り入れ、リファイナンス等におきましては、金利の
固定化と返済期限の分散を進めており、金利上昇への耐性確保を進めております。
19頁をご覧下さい。足許取り組みを加速させているESGに関しましては、多くのUp-date
がございますけれども、ここでは主なものをご紹介させて頂きます。
先ず、GRESBにつきましては、2021年の評価で最高位である5スターを獲得しました。
グリーンビルディング認証につきましては、賃貸可能面積で、ポートフォリオの62%で
取得しており、2021年7月期末時点の44%から向上致しました。本投資法人では
2025年度までに20%、2030年度までに70%という目標を設定しておりますが、2025年度
の目標を前倒しで達成したことになります。引き続き2030年度の目標の前倒し達成や、
目標自体の引き上げも含め検討するとともに、更なる取得比率の向上を目指してまいり
ます。監督役員に関しましても1名増員し、執行役員を含めた役員5名体制です。多様性、
専門性が高い監督役員によるガバナンスの強化を進めております。
20頁をご覧下さい。昨年PRIやTCFD提言に署名、賛同しておりますが、TCFDに
関しては提言に沿った情報開示や、GHG排出量Net0(Zero)を意識したGHG排出目標
の作成に向けた準備を進めております。気候変動に関わる取り組みは、避けて通れない課題
と認識しており、引き続き取り組みを強化してまいります。ESGへの取り組みに関し
ましては本資料のAppendixにも記載しているほか、Web-Siteからご確認頂ける
サステナビリティレポートにも、詳しく記載しておりますので是非ご確認下さい。
それでは、2022年1月期の実績、及び、2022年7月期、2023年1月期の予想について
ご説明させて頂きます。
22頁をご覧下さい。2022年1月期の実績についてご説明致します。2021年7月期は、
2021年1月期と同様、浦安物流センターのOBRや千葉北物流センターの大規模
リニューアル工事における一過性の費用が発生していましたが、当期は主としてこれらの
一過性の費用がなくなった反動で増収、増益となり、営業収益は前期比1億1千万円
増加の92億7千万円、NOIは前期比2億2千万円増加の76億4千万円、当期純利益は
前期比5億円増加の44億1千万円となりました。一過性の費用がなくなったのに合わせ
まして、内部留保の一部取り崩しについても見込んでおりませんが、既存物件の内部成長
効果等の影響で、一口当たり分配金も増加し、前期比71円増加の4,871円となりました。
23頁をご覧下さい。2022年7月期の予想の説明になります。
前期比で費用も増加しますが、久喜物流センター、板橋物流センターの新規取得、
千葉北物流センターのリニューアル工事後リテナントの通期寄与、その他既存物件に
おける内部成長効果などの影響で大幅に増益となり、前期比増収、増益を予想しております。
営業収益は前期比3億円増加の95億7千万円、NOIは前期比2億9千万円増加の
79億3千万円、当期純利益は1億9千万円増加の46億円となり、一口当たり分配金は
前期比49円増加の4,920円を見込んでおります。
24頁をご覧下さい。2023年1月期の予想のご説明になります。
浦安物流センターの再開発後の建物の竣工、及び新テナントの入居、又、2022年7月期に
取得した久喜物流センター、板橋物流センターの通期寄与、その他既存物件における
内部成長効果等によりまして、2022年1月期に続きまして大幅な増収、増益となります。
営業収益は前期比4億8千万円増加の100億6千万円、NOIは前期比3億6千万円増加の
82億8千万円、当期純利益は前期比2億5千万円増加の48億5千万円となり、
一口当たり分配金は前期比270円増加の5,190円を予想しております。尚、固都税考慮後
の巡航の一口当たり分配金は5,130円となる見込みです。
本円2月の公募増資、それに伴う物件取得等の影響によりまして、2022年7月期、
2023年1月期にかけて一口当たり分配金が大きく成長し、従来当面の目標としていた
5,000円を達成致しました。
冒頭でも申し上げました通り、一口当たり巡航分配金の目標5,000円の達成を機に、新たな
分配金目標を設定するとともに物流リート快調の運営実績に裏打ちされた成功戦略を一段
と発展させ、投手主価値の更なる向上を目指すDevelop the Value戦略の推進を通じ、
新たな成長ステージに進んでまいりたいと考えております。
足元成果が出ている内部成長、ESGへの取り組みに加えまして、力強い外部成長を実現
できる体制を早期に構築し、新たな分配金目標の達成、そして一口当たり分配金、NAVの
安定的、持続的な成長を追求してまいりたいと考えておりますので、引き続き宜しくお願い致します。
ご清聴、有難うございました。
質疑応答
Q:分配金を5,600~5,700円に約10%成長させていくとの方針だが、タイムスケジュール
として今後何年間でこれを目指してされていくのか。
A:新しく掲げた分配金のタイムスケジュール、明確な時期の設定は行っていないが、
開発も含めたパイプラインの事業計画をベースにすると、大体3~4年のタイムスパンで
達成したいと思っている。
スポンサーが建設したリストから購入するだけのものと比べると、パートナーとの
協同開発は、投資家からは見えにくさがあるかもしれないが、これまでのパイプラインの
積み上げとか、パートナーとの協同開発を買ってきた実績があり、こうした点を強化して
いきたいと思っている。今のペースでいくと3~4年で達成できるのではないか思って
いるが、これを、より速いペースで達成できるべく努力を引き続きやっていくこととの
セットで考えていきたいと思っている。
内部成長に関しましても、足元好調ですのでこういったものをコツコツと積み上げて
いくということも、プラスで寄与させたいと考えている。
Q:12頁で「更なるポテンシャル向上のために商業施設など、他の用途からの転換を視野に
入れて物件取得を検討」とのことであるが、単純に用途変更して使うのか、若しくは
建て替え再開発を前提に他のタイプの物件を買うということなのか考え方を教えて
頂きたい。他の会社にはない考え方であるが、ポテンシャルもあるかもしれないが、
思われるのだが。
A:建物を残してConversionしていくやり方もあるし、若しくは取り壊して更地から
OBRのような形で一から開発するというやり方の両方ともあると考えている。
工場とか郊外の商業施設の中には、立地として物流施設に非常に近いものもあり、現在の
使われ方ではアンダーバリューになっていても物流施設として評価し直すと、ある種の
アービトラージになるものもあるのではないか仮説を持っており、こうした案件の
発掘を行っているところです。当然、工場、商業施設として暫く保有していくという
ことになるが、既存のテナントが退去したら直ぐに再開発、Conversionなど、その物件
が持っているConditionでベストな進め方を判断していく。いずれにしてもテナントが
退去したらOBRなりConversionを行うので、所謂、リテナントは発生しないと
思っている。保有期間中の修繕、CAPEXに関しては、対応していく必要があると思って
いるが、グループの中に商業関係などの物件の保有をしているリート、或は私募ファンド
があるので、こうした知見、Know-Howをグループ内で共有することで、十分対応
できると思っている。
物流になる前にリートの中で保有するので、その間の利回り等が、ポートフォリオ全体に
与える影響とか、若しくは分配金に与える影響が焦点になってくると思っており、あまり
負担が大きい場合は、建物部分はリース会社等に持って頂き、我々は底地だけを持つとか、
若しくは内部留保を一部活用して、分配金に影響が出ないようにするとか、種々工夫を
しながら分配金に影響が出ない形で案件として仕上げていきたいと考えております。
Q:スライド15頁に「力強い賃料増額の達成」とあるが、今後の見方として、Rent-Gapが
かなり残っているものでも、引き続き高い増額率が期待できるのか。
指標統計を見ると、供給増加の影響などで賃料の上昇幅が鈍化している統計もあるが、
今後をどのように見ているのか伺いたい。
A:基本的に内部成長に関する目線としては、賃料更改を迎える契約に関しては、平均して
3~4%の賃料増額をやっていきたいと考えている。今、ポートフォリオ全体で、一桁後半
のRent-Gapがあるかなと思っており、賃料更改を迎えるものに関して、3~4%の
賃上げを継続していくということに関しては、当面、無理なく出来ると思っている。
15頁に記載している例としては、目標の3~4%という目線からするとかなり高い数字に
なっているが、足元目標としているものより好調に推移しているというのが現状になる
が、これは物件ごとのエリアにおける賃料ギャップとか、現在の契約の状況とか、今後の
見通しとかを加味して、攻めと守りのAsset Managementを柔軟に組み合わせるなかで、結果として、足元は非常にうまくいっており、目標の3~4%の賃料増額に関しては、
引き続き無理なく進められると考えている。
足元の需給バランスが少し弱くなっているとのコメントも頂いているが、スライドの
33頁に需給バランスのグラフを載せている。首都圏で見ると、2021年末の空室率が少し
上がっている。2018年あたりから過去最高の供給が続いている中、需要に関しても非常
に強くて、2019年は特に顕著で、過去最高の供給を大幅に上回る新規の需要があり、
2020年も供給を需要が上回ったということで空室率は非常に低率になっていたが、
そこから比べると2021年は供給が需要より多かったということで、データを出している
会社により色々あるが、少し空室率が上がったということになる。ただ、引き続き水準と
しては、2%を下回っているような状況であり、今までが好調過ぎることからすれば少し
悪化したというようなことを言われたりするが、引き続き需給環境という意味では非常
に締まっていて良好な状況と考えている。2023年に向けて空室率が上るというレポート
もあるが、そうしたレポートの中でも、首都圏に関しては2023年で5%以下の空室率、
近畿圏に関しては2%以下の空室率を予想し、中部圏に関しては、足元少し空室率は
下がっているが、ここから供給が増えていくということで、中部圏の見通しを厳しめに
見ていて、全体的に言うと少し上がっていくという見方をしているレポートが昨年末に
出ていた。いずれにしても首都圏、近畿圏、中部圏というような大きな括りではなく、
もっと小さなエリアでも、場所、場所による需給の乱れみたいなものがあるので、
タイミングとかエリアをしっかり見極めて、しっかりとした物件を買っていく、若しくは、
物件ごとの状況を見極めた交渉をしていく、ということが非常に重要で、それをやって
いけば全く問題なく進められると考えている。少なくとも、一番のボリュームゾーンで
ある首都圏においては、引き続き、良好な環境が当面は期待できると考えている。
Q:8頁に開発案件の話があるが、基本的に稼働資産を買うよりは開発の方が、相対的に
利回りが高くなる可能性があると思っているが、先々、資材等のコストアップによって
開発物件の利回りが下がっていく可能性についてご意見を伺いたい。
A:今後とも開発が絡む案件が増えていくと思っている。勿論、スポンサーからは買って
いくが、スポンサーからの供給だけだと、やろうとしている外部成長が十分にできない
こともあり、又、既存の収益物件が売買マーケットに出るというのは、数か多くなく、
更に、一方で物流施設は人気化しており、入札等で買うとかなり高くなり、利回り目線が
合わないという現実がある。よって、引き続きスポンサーからの供給を太くしていくと
いうことと、資産運用会社として一番努力できるところとしては、事業パートナーとの
協同開発とかOBRも含め開発から関与することで、より有利な利回りで物件を取得して
いくことに、より力を入れていきたい考えている。当然、開発の素地の値段も上がって
きており、開発コストについても上がってきているのは事実であるが、収益物件も
スポンサーが作って買うことになるので、スポンサー側の素地の値段、開発コストも
上がってきている中で、当然、収益物件の値段も上がっていく。相対的な比較で言うと、
当然、収益物件よりは、引き続き開発段階から関与することで案件化していく取り組みの
方が、より有利な利回り、条件で取得できる可能性があるという状況に変わりはない
と思っている。素地にしても、開発コストにしても、上がっていくマーケットの中では、
いかに工夫して低廉なコストで作っていくかということに注力しながら進めていく
必要があると考えている。
Q:DPUの中期目標についてだが、
・内部成長、外部成長で大体どのくらいの貢献なのか、内訳のBreak-Downはあるのか。
・賃上げとか、既に保有している物件の再開発など、ある程度確度が高そうなものと、
まだ見えていない投資案件とか、株価など不確定な要素に依存している部分を
分けるとしたらどんな感じのイメージになるのでしょうか
・依存物件である程度のダウンサイドを織り込んでいるのか
A:先ず、新しい目標5,600円~5,700円に向けた内部成長と外部成長の内訳ということ
だが、内部成長をコツコツと積み上げていくことは継続的にやっていきたいと思って
いるが、物流の場合は、外部成長が大きなFactorとなる。
契約更改を迎える物件に関しては、定借で見て3~4%の賃上げを行うということを
考えた時に、定借だけで言うと年間大体8%が契約更改を迎えるということなので、
これに対して3~4%の賃上げを行うという前提で考えると、DPUレベルで、年間で
25円とか35円とかのレンジでのDPU成長が見込める。期毎で言うと10円~15円
プラスアルファ。そのほかに関しては、基本的には外部成長することで目標の達成を
目指していくことなる。
・不確実な部分を除くということですが、パイプラインについては金額的には足元で
800億円程度積み上がっている。
スポンサー絡みのものが30%位、40%位が事業パートナーとの協同開発絡みのものに
なる。開発案件は、竣工に時間が掛かかるとか、買える状況になるには少し時間が
掛かるものもあるが、これらに関しては時間が来れば買える状況になってくるので、
800億円のパイプラインについては徐々にデリバリーされていくと思っている。
先ほど株価の動きも不確実性があるとの指摘であったが、確かに我々がコントロール
できるものではないのだが、こういったものを適宜買っていくと外部成長が出来て
いくと考える。
あとは、減価償却見合いで、年間で30~40億円の間でCashが溜まっていくので、仮に
増資等による資金調達が出来ないようになったとしても、こうしたCashを活用して、
又、レバレッジに関しても、総資産ベースで50%までのレバレッジを活用するので
あれば、更に350億円のCashを使うことが出来る。足元でもCashは80億円弱あり、
今あるCash、レバレッジの活用、減価償却見合いで溜まっていくCash等を活用して、これから適宜デリバリーされていくパイプラインを、3~4年という時間軸の中で、
しっかりと買っていくことが出来ると思っている。
勿論、レバレッジの余力は残しておきたいし、格付け等にも影響を与えるものであり、
環境次第で公募増資とかも感がえながらやっていきたいと考えている。
・ダウンサイドついてだが、足元保有している物件で、特に、見通せる範囲でダウンサイド
を懸念している案件は無い。