森トラストリート投資法人 2025年2月期決算概要

森トラストリート投資法人
2025年2月期(第46期)決算動画説明書
○動画  https://www.net-presentations.com/8961/20250422/fuafyr8936/
○説明資料
https://www.mt-reit.jp/file/term-810d20160603c5a1ae6af4ef3e02805e6344cf5a.pdf
○説明者 森トラストリート投資法人 執行役員 兼
     森トラスト・アセットマネジメント株式会社 代表取締役社長 内藤 宏史
〇説明
2025年4月22日に発表しました森トラストリート投資法人、2025年2月期(第46期)の決算概要、並びに今後の見通しについて説明させて頂きます。それでは資料に基づき説明致します。尚、これ以降の説明では、2025年2月を当期、2024年8月期を前期と呼んでまいります。又、ホテルに関しましては、平均客室単価をADR、ADRに客室稼働率を乗じて算出する、販売可能な客室1室当たりの客室売上高を表す値を、RevPARと申し上げます。

3頁をご覧ください。当期の業績の報告に先立ちまして、本投資法人が、現在、そして今後取り組むべき課題や投資主の皆様からの期待を整理し、夫々に対して取るべき戦略的な対応方針について検討致しました。この頁では、その全体像について説明し、以降の頁において、対応方針に基づき当期に実施した施策について、個別に説明してまいります。先ず、頁 左側に、本投資法人の課題や本投資法人への期待を、5つのボックスに分けて記載しております。そこから右に伸びる矢印の先に、取りうる対応方針を記載しています。最上段左側をご覧ください。金利上昇等によるコスト増を上回る内部成長とのご期待に対しては、オフィス、ホテル夫々の内部成長戦略を進展させ、実力ベースの分配金の成長を継続することが重要であると考えます。

その下の、スポンサーサポートの継続、手元資金の活用、投資口価格に対するアクションというご期待に対しては、物件取得、交換、デットの一部返済、自己投資口の取得の検討といった対応が考えられ、これらは資本コストを意識した運営という軸で纏めています。更に1番下の、個別物件における課題の解決という期待に対しては、ONビルにかかる今後の運営方針の検討を、今後着実に進めてまいります。以上のような対応方針に則した各種施策を今後進展させることにより、右側の3つと赤いボックスがある継続的な成長性の確保、分配金の成長、リスク低減によるマーケットでの評価向上といった効果を拡大させ、最終的には投資口価格の回復に繋げたいと考えています。

それでは、各種施策のうち当期に取り組んだものを説明致します。4頁をご覧ください。内部成長にかかる施策の結果について説明します。本投資法人では、これまで、物件の売却益や内部留保の取り崩しなどの、一時的要因を除いた実力ベースの分配金の成長が、ポートフォリオの中長期的に亘る真の実力を表すものであると考え、重要視してまいりました。足元で、この成長を支えるものとして、オフィス、ホテルの持続的な収益力の成長があります。オフィスについては、稼働率が向上し、成長の軸足が賃料の増額改定に移りつつあり、ホテルについては、客室単価、稼働率からなるRevPARの成長が継続しています。

これらが成長のエンジンとなり、実力ベースの分配金は、森トラストホテルリート投資法人と合併した、2023年8月以降3連続で増加しており、この間の成長率は年率で5.9%となり、金利上昇等のコスト増による影響を上回り、他の投資法人との比較においても、高い水準で実質的な成長を継続しています。又、その成長の勢いは足元でも続いており、今後も成長が期待できます。

これ以降、オフィスとホテルの夫々について、詳細に説明致します。
5頁をご覧ください。オフィスについては、好調なマーケットを反映し、左側のグラフに示す通り稼働率が高止りし、右側のグラフの通り、徐々に賃料が増額するフェーズに移りつつあります。当期の実績は、契約更新の対象となる区画のうち、44%が増額改定、56%が据え置きとなり、増額部分に限った増額改定率は10%を超えています。改定の対象となる区画が、毎期異なるため、変動はあるものの、今後も増額改定の機会が増加していくものと考えます。

6頁をご覧ください。続いてホテルの内部成長です。左上の表をご覧ください。変動賃料4 ホテルの、今期の賃料実績は、前年同期から12%上昇しています。又、その下のグラフは、変動賃料4ホテルの年間の賃料合計額の推移を表しており、赤枠で示しております直近1年間の賃料額合計は、コロナ前の2019年水準を超えています。一番右のバーで示しました今後2期の予想を含めると、2023年8月期以降、年平均で12%を超える成長率となります。又、ホテルの更なる成長を考えるうえで、ホテルマーケット全体の成長に着目する必要があります。

右上のグラフにある通り、赤線に示したインバウンド数は、既にコロナ前の数字を上回っております。2030年には、現在の1.6倍にあたる、6000万人まで増加させる政府目標や、その下のグラフにある宿泊費の支出単価の上昇の様子を合わせて考えると、今後もインバウンドを中心に、マーケットは力強く拡大するものと考えております。 はまた このようなマーケットの成長を賃料に適切に反映できるよう、保有するホテルの契約満了等の機会を捉え、契約形態を見直すことについても検討してまいります。

7頁をご覧下さい。ここでは変動賃料4つのホテルの足元の状況について説明致します。詳細は割愛させて頂きますが、シャングリラ東京、コートヤード東京、コートヤード新大阪といったインバウンドに強みを持つホテルについては、当期以降に各月にかける 過去最高 となる賃料実績を更新しており、ヒルトン小田原についても、当期の賃料が過去最高となるなど足元でも好調が続いています。

8頁をご覧ください。手元資金の活用やスポンサーサポートの一環として、2025年3月、スポンサーから仙台MTビルを追加しました。地方の優良なオフィスビルであることから、相応の利回りを確保しており分、配金成長に貢献しています。又、今回の追加取得により、本投資法人が、本物件を100%取得することとなり、資産性や処分の自由度が増しています。本投資法人のポートフォリオに相応しい取得については、手元資金等を活用しつつ、引き続き厳選して取得を検討してまいります。

又、当期に償還期限を迎えた法人債についても、手元資金により召喚を行っています。尚、自己投資口の取得については、投資口価格が低迷する局面において、取り得る選択肢の一つであると認識しております。足元を内部成長が好調であることや、優良物件の取得可能性との比較の結果、現時点では実施していませんが、今後も検討 続けてまいります。

9頁をご覧ください。ONビルの1棟借りテナントである神戸製鋼が、2026年度中に東京本社を移転する旨を公表しています。本日現在、正式な通知を受領しておらず、退去については、時期を含め未確定ですが、本物件の今後の運営方針についての検討を開始しています。今後の検討方針については、売却、入替、リテナントなど、想定される多様な選択肢に幅広に検討を行う予定であり、その前段階として、マーケット情報の収集や需要の把握、シミュレーション等を開始します。

又、頁左下の建物配置図でも分かる通り、当投資法人が所有している大崎MTビルは、ONビルと敷地が一体であることから、これを絡めた取引についても選択肢の一つになり得るものと考えています。尚、頁右上の表では、本投資法人が20年以上の歴史の中で、大型テナントが退去した事例をご参考までに纏めております。マーケット環境や経済状況が様々ですが、その時々で取り得る最適な対応を行ってまいりました。以上、各課題への対応方針に基づく当期の各種施策について説明致しましたが、来期以降の取り組みを拡大させ、着実に推進してまいります。

続いて2025年2月期(第46期)決算につきまして報告致します。11頁左上をご覧ください。当期の実績分配率は投資口一口あたり1,788円となり、半年前に示しました予想を48円上回りました。売却益等の一時的要因を除いたベースの、所謂、実力ベースの分配については、1,752円とこちらも予想を50円上回りました。これについては後ほどございます。左下のアセットをご覧ください。当期は、橋本MTRビルの残りの持分を譲渡したため、物件数が20物件となりました。これに伴い資産規模は37億円減少し、4,619億円になりました。

その下の稼働率については オフィス空室へ入居が進んだこと、および橋本MTRビルの譲渡により、サブリースベースの稼働率は、約4ポイント上昇し99.1%になりました。1つ下のボックスの含み益については、37億円増加し490億円となりました。続いて頁右上のデットについては10億円の減少、長期発行体格は引き続き AA となっています。頁右下のエクイティにつきましては、発行済投資口数に変動はなく、一口当たりNAV(ネットアセットバリュー)は、前期から1.6%増加し、77,820円となりました。

続きまして当期決算の概要につきまして説明します。12頁をご覧下さい。頁左側の表中、赤枠で囲んだC列が当期の実績、その左側のB列が、2022年10月に公表した予想値です。一番右に両者の差異を示しています。表の一番上、営業収益をご覧ください。ホテル賃料の上振れ等により、営業収益は前期から+73百万円、予想比+110百万円の11,820百万円となりました。営業費用は修繕工事の見直しや、工期の後ろ倒し、保守的に想定していた仲介手数料等の下振れにより、予想を113百万円下回る4,171百万円となり、これを差し引いた営業利益は予想比+125百万円、7,648百万円となりました。これに営業外の収益および費用を加減し、不動産等売益のうち、494百万円を内部留保として積立てた結果、一口当たり分配金は、1,788円となりました。

13 頁をご覧下さい。この頁では、前期から当期に至る一口当たり分配金の変動要因を、滝チャートで説明します。一番左のバーが前期実績、右から2つ目のバーが当期実績です。前期実績のうち、一時的要因を除いた濃い赤の部分が示す1,730円からスタートし、プラス要因として、オフィス賃料の増加、ホテル賃料の増加、物件売却に伴うコスト減を踏まえ、マイナス要因として、支払利息の増加による影響等を控除した結果が、1,752円となり、これに橋本MTRビルの売却益のうち、36円を加えた1788 円が当期の分配金となります。実力ベース分配金としては、前期から22円増加し、一番右側のバーで示した半年前の予想からは、50円上振れしました。

続いて2025年8月期および2026年2月期の業績予想について説明します。15頁をご覧下さい。15頁、16頁では、業績予想を前提となる各種イベントを纏めて説明します。頁左半分は当期までの実績を、右半分がこの先2期の予想の前提条件となります。以降の説明では、今走っている 2025年 8月期を来期と言い、2026年2月期を再来期と言います。オフィス10物件の平均稼働日は、97から98%の高稼働率が継続することを見込んでおります。

尚、退去済み。退去予定の区画については、空室が継続することを保守的に想定しており、今後、新規の契約により、入居が進んだ場合は上振れの要因となります。変動賃料4ホテルの賃料の合計については、足元の業績が継続する前提のもと、前年同期比で来期は113%、再来期は110%までの成長を、夫々見込んでいます。当期実績は112%であり、力強い成長が続くシナリオを採用しています。以上を合わせた、ポートフォリオ全体の賃料の合計額である不動産賃貸事業収益は、2023年8月から来期までの2年間で約20%、年率にして5%の成長を見込んでいます。

続いて16頁です。物件数は、当期末の20件から、新たな動きは見込んでいません。頁一番下、支払利息については、今後のベース金利の上昇を見込んでおり、期中平均金利は当期0.69%から、再来期には0.87%まで上昇する前提としています。

17頁をご覧下さい。ここでは、只今説明しました前提条件に基づく、来期(2025年8月期)および再来期(2026年2月期)の業績予想について纏めて示しています。頁左上をご覧ください。先ず、来期につきましては、一口当たり予想分配金は、1,766円と、当期実績を22円下回るものの、半年前示しました当初予想からは97円上方修正しています。尚、当期における一時的要因を除いた実力ベース分配金からは、14円増額する予想となります。下の表中、B列に来期予想の詳細を示しています。

営業収益は、オフィス、ホテル賃料の増加など、不動産賃貸事業収益が264百万円増加するものの、不動産売却益の剥落により当期実績を391百万円下回る、11,418百万円を見込んでいます。営業費用は、公租公課、修繕費 減価償却費の増加や、仙台MTビルの追加取得に伴う費用増により、当期実績から89百万円増加の4,261百万円を見込んでいます。利息等の営業外費用は 919百万円、純利益は当期から 574百万円減少し、6,285百万円となります。続いて頁右上をご覧下さい。

再来期の予想を示していますが、未確定の要素が多いため、収益、費用とも、ある程度保守的な見立てをしています。再来期の一口当たり分配金は1,750円と、来期予想を16円下回る予想としていますが、オフィスの状況、ホテルの業績、コストの下振れ次第では、これを上回る可能性も十分にあると考えています。頁右側に、前の期との差異要因を記載しておりますのでご確認ください。
続く18頁では、左端に示しました当期分配金から、来期および再来期の分配金予想に至る変動要因を、滝チャートで示しています。頁中央のバーで示している来期(2025年8月期)予想1,766円については、売却益剥落による影響はあるものの、当期の実力ベース分配金1,752円を上回り、前回の予想値である1,669円からも大きく上振れしていることが分かります。又、頁右端の再来期についても、実力ベースでは、当期と同水準の予想であり、分配金水準の底上げがなされていることが分かり頂けます。

続く19ページに、森トラストホテルリートと合併した、2023年8月期以降の分配金実績および予想の推移を一覧にしております。濃い色で示しております実力ベースプンパイ金のご注目を頂きますと、過去から将来に向けて、そして各期においては当初予想、修正予想、実績と、予想の見直しの度に着実に成長している様子がお分かり頂けます。

ここからは外部成長、内部成長戦略をついて説明致します。21頁をご覧ください。最初に外部成長戦略です。頁上部に、外部環境に対する認識およびそれに対する今後の方針を纏めて示しています。全般的に優良物件の売却情報は限定的であり、価格も高止まりしている状況が継続しています。オフィスについては、国内勢に加え、海外投資家の取得意欲が旺盛です。ホテルについても活発な取引が続いています。この環境における本投資法人の今後の方針については、前期に説明致しました方針を基本的には継続することとします。

具体的に申し上げますと、先ず、スポンサーサポートの活用や保有物件との入替等、様々な手法でポートフォリオにクオリティ向上や、資産規模の拡大を目指すこと、 次に成長が期待できるセクターであるホテルについては積極的に取得を検討すること、そしてオフィスについては、利回りが期待でき、稼働が安定している地方物件およびオフィス大量供給の影響で、優劣が鮮明になりつつある東京都心部においては、競争力が高く、優位性が保てる物件を中心に検討すること、以上3つを外部成長方針とします。

次に内部成長戦略について、オフィスとホテルに分けて説明します。22頁をご覧ください。先ずオフィスです。頁左上に外部環境について纏めています。好調な企業業績により、前向きな移転が増えたことに伴い、回復基調が強まり、特に競争力の強いエリア、物件に対する引合いは強まっており、賃料の上昇が見られます。左下のグラフでも分かるように、空室率の低下や賃料の上昇が顕著になりつつあり、右下の今後の見通しのグラフの通り、今後も力強く推移することが予想されています。これに対する今後の方針ですが、新規のテナントリーシングでは、企業のニーズを的確に捉え、立地、スペック等の優位性を生かして、高単価での成約を目指します。又、既存テナントの賃料改定については、積極的な増額改定を狙っております。

続いてホテルについて説明します。23頁をご覧ください。頁左上の外部環境については、引き続きインバウンド需要の拡大等を背景に、ADR、稼働率、RevPARの上昇が継続しています。一方で、レストラン、宴会、MICEといった需要は、宿泊事業に比べて緩やかに回復しています。又、人件費、エネルギーなどの運営コストの上昇については、引き続き留意が必要な状況です。これに対する今後の方針ですが、基本的にはこれまでの方針を継続することとし、引き続きインターナショナルブランドの販売チャネルを通じて、高単価のインバウンド需要を取り込みつつ、レストラン、宴会、MICE等については、法人、代理店へのセールスを強化し、必要の更なる取り込みを目指します。ADR、稼働率の引き上げ、オペレーションの効率化を継続することで、運営好スト増に対応し、GOPの最大化を図ります。

次に財務の状況について簡単に説明します。26頁をご覧下さい。トランプショックにより、金融関係については不透明感が生じつつありますが、本投資法人では、現時点においては引き続きベース金利の上昇が続くことを保守的に想定し、借入期間の短縮や短期変動金利借入への振替について取り組む想定でおります。但し、今後、金融環境に変化が生じた際には、方針の修正などについて柔軟に対応をしてまいります。

最後に、ESG に関する取組みについて、簡単に触れさせて頂きます。29頁をご覧ください。当期におきましても、ESGに関する取組みを継続しております。昨年、DBJ Green Building認証のメニューにホテルが追加されて以降、ホテルでの認証取得を推進しており、新たに5つのホテルについて環境認証評価を取得しました。これにより、保有するポートフォリオのうち、物件数ベースで94.7%が環境認証評価を取得しています。ESGに関する詳細な情報につきましては、本投資法人のHP内の特設頁およびサステナビリティレポートをご覧下さい。

決算説明資料では、これ以降、本投資法人の特徴や詳細なデータについて掲載しておりますので、どうぞご覧ください。
説明は以上となります。最後になりますが、今後とも皆様のご期待に添えるよう、最善を尽くして運用してまいる所存でございます。引き続きどうぞ宜しくお願い申し上げます。