森トラストリート投資法人 2024年8月期決算概要
森トラストリート投資法人
2024年8月期(第45期)決算動画説明書
○動画 https://www.net-presentations.com/8961/20241023/nwe7tgfidsf/
○説明資料
https://www.mt-reit.jp/file/term-4e29f8d5584b16ca85cf9776da51524f1a0b2837.pdf
○説明者 森トラストリート投資法人 執行役員 兼
森トラスト・アセットマネジメント株式会社 代表取締役社長 内藤 宏史
○説明
2024年10月23日に発表致しました森トラストリート2024年8月期(第45期)の決算の概要、並びに、今後の見通しについて説明させて頂きます。それでは資料に基づき説明致します。尚、これ以降の説明では、2024年8月期のことを当期と、2024年2月期のことを前期と呼んでまいります。又、ホテルに関しましては、平均客室単価をADRと、ADRに客室稼働率を乗じて算出する、販売可能な客室1室当たりの宿泊売上高を表す値をRevPARと申し上げます。
3頁左上をご覧ください。当期の実績分配金は、投資口一口当たり1,757円となり、半年前に示した予想を78円ほど上回りました。これについては後ほど説明します。左下のアセットをご覧ください。当期は、橋本MTRビルの持分の1/2を譲渡していますが、物件数は21物件と前期までと変わりません。これらに伴い、資産規模は37億円減少し、4,656億円になりました。その下の稼働率については、オフィス空室への入居が進んだこと、および、橋本MTRビルの一部を譲渡したことにより、サブリースベースの稼働率は4ポイント上昇し、94.8%となりました。1つ下のボックス、含み益については、27億円増加し453億円となりました。続いて頁右上の、デットについては大きな変動はありませんが、長期発行体格付けは、引き続きAA となっています。頁右下のエクイティにつきましては、発行済投資口数は変動なく、一口あたりNAV(Net Asset Value)は76,618円となりました。
続いて当期の決算ハイライトについて説明します。4頁をご覧ください。先ず、左上の「1. 実力ベース分配金の着実な成長」をご覧ください。3つの棒グラフのうち中央が当期の分配近、左が前期実績、右が半年前に示しました予想値を示しています。濃い赤は、物件の売却益などの一時的な要因などを除いた、所謂、実力ベースでの分配金額を示しています。結果として、当期一口当たり分配金は1,757円、一時的要因を除くと1,730円となり、1,700円台に到達しました。
一時的要因を除いた実力ベースでの比較では、前期実績を68円、率にして4.1%上回り、予想値を74円、率にして4.5%上回る結果となりました。次に、その下の「2.オフィスの安定稼働」をご覧下さい。オフィス10物件全体の期中平均稼働率は、前期93.7%から、当期は97.9%に0.6ポイント上昇し、引き続き高位安定しています。又、その下では、大崎MTビルの事例について触れています。纏まった空室のある大崎MTビルについて、当期において営業に注力した結果、複数の成約があり、2025年2月末には95%近い稼働率に達する見込みです。
続いて「3.ホテル業績の成長」について説明します。各ホテルの売上や利益によって賃料が変わる、変動賃料の4ホテルについては、引き続きインバウンドの拡大を取り込み、順調に賃料水準が上昇しています。コロナ前の2019年同期の賃料実績との比較では、前期が95%の回復であったのに対し、当期は102%となりコロナ前の水準を上回りました。次に「4.テナント退去への対応」について説明します。1棟借りしていたテナントが退去した橋本MTRビルについて、当期中に持分の1/2の譲渡を行い、売却益を計上しました。尚、残りの持分についても2025年2月期の期初に譲渡を完了しています。
次に品川区のオフィスビルである、ONビルを1棟借りしているテナントが、同ビルに所在する東京本社を移転することを明らかにしています。移転時期は、2026年度中を目途とする公表されており、現時点では、ONビルからの退去については、時期、規模を含め未確定ですが、今後様々な可能性を視野に、対応方針について検討を進めてまいります。
5頁をご覧ください。決算ハイライトのうち、変動賃料4ホテルの実績について、もう少し詳細に説明します。この頁では、夫々のホテル業績の月次の推移をグラフで示しており、薄いピンクの部分が当期の賃料に反映されている期間です。ホテル毎に指標は異なりますが、いずれもコロナ前の2019年実績に当たる、0%の水準を上回る期間が増えてきており、順調に推移しています。頁左下のコートヤード東京、および右下のコートヤード新大阪の2物件については、ADR、稼働率、RevPARのデータも示しています。当期においては、両ホテルともにRevPARが2019年水準の110%を超えており、前期のRevPARとの比較でも、東京は11%、大阪は8%、夫々伸びています。ホテルマーケットを取り巻く環境については、後ほどホテルの内部成長戦略についての説明の中でも、触れさせて頂きます。
続きまして当期決算の詳細につきまして説明します。7頁をご覧ください。頁左側の表中、赤枠で囲んだC列が当期の実績、その左側のB列が2024年4月に公表した予想値です。一番右に両者の差異を示しております。表の一番上、営業収益をご覧ください。ホテル賃料 やオフィス賃料の上振れ等により、営業収益は、予想比+195百万円の11,746百万円となりました。営業費用は、修繕工事の見直しや工期の後ろ倒し、保守的に想定していた水道光熱費等の下振れにより、予想を111百万円下回る4,243百万円となり、これを差し引いた 営業利益は、予想比+305百万円の7,503百万円となりました。これに営業外の収益および費用を加減し、不動産等売却益のうち530百万円を内部留保として積み立てた結果、一口当たり分配金は1,757円 となり、予想を78円上回りました。
8頁をご覧下さい。8頁では、前期から当期に至る、一口当たり分配金の変動要因を滝チャートで説明します。一番左が前期実績、右から2つ目が当期実績のグラフです。前期実績のうち、一時的要因を除いた濃い赤の部分が示す1,662円からスタートし、プラス要因としてオフィス賃料の増加、ホテル賃料の増加、新橋と仙台の物件入替による収益性向上を加算し、マイナス要因として、橋本MTRビルのテナント退去による影響等を控除した結果が1,730円となり、これに橋本MTRビルの売却益のうち27円を加えた1,757円が、当期の分配金となります。
続いて2025年2月期および2025年8月期の業績予想について説明します。10頁をご覧ください。10頁、11頁では、業績予想の前提となる各種イベントを纏めて説明します。頁 左半分は当期までの実績を、右半分がこの先2期分の予想の前提条件となります。以降の説明では、今走っている2025年2月期のことを来期と言い、2期先の2025年8月期のことを再来期と言います。先ず、不動産賃貸事業収益は、当期か再来期に向けて70百万円ほどの上積みを予想しています。オフィス10物件の平均稼働率は、大崎MTビルを含め巡航水準に到達し、97%台の高稼働率が継続することを見込んでいます。尚、退去済み、退去予定の区画については、空室が継続することを保守的に想定しており、今後新規の契約により、入居が進んだ場合は上振れの要因になります。変動賃料4ホテルの賃料合計については、足元の業績が継続する前提の下、2019年実績比で、来期は108%、再来期は110%までの回復を夫々見込んでいます。当期実績は102%であり、今後も更に力強く伸びるシナリオを採用しています。
続いて11頁です。物件数は、当期末の21物件から、既に譲渡した橋本MTRビルにより、1物件マイナスの20物件となり、新たな物件の動きは見込んでいません。来期は、橋本MTRビルの第2回目の売却益を計上しますが、続く再来期については、売却益等は見込んでいません。頁一番下、支払いリスクについては、今後のベース金利の上昇を見込んでおり、期中平均金利は、当期0.64%から再来期は0.81%まで上昇する前提としています。
12頁をご覧ください。ここでは、先ほど説明しました前提条件に基づく、来期2025年2月期、および再来期2025年8月期の業績予想について纏めて示しております。頁左上をご覧ください。先ず、来期につきましては、一口当たり予想分配金は1,740円と、当期実績を17円下回るものの、半年前に示しました当初予想から、40円上方修正しています。尚、一時的要因を除いた分配金は1,702円と、こちらも当初予想から44円上方修正し、当期に続き1,700円を上回る着地を予想しています。下の表中、B列に来期予想の詳細を示しています。
営業収益は、オフィス、ホテル賃料の増加など不動産賃貸事業収益の底上げにより、当期実績を62百万円上回る11,800百万円を見込んでいます。営業費用は、修繕費の増加等により、42百万円の増加の4,285百万円を見込んでいます。利息等の営業外費用は827百万円、純利益は当期から100百万円減少し、6,684百万円となります 。又、内部留保488百万円積み立てることとしています。続いて頁右上をご覧ください。再来期の予想を示していますが、未確定の要素が多いため、現在の環境がそのまま推移する前提での予想となります。再来期は、橋本MTRビルの売却益の剥落等により、一口当たり分配金は1,669円と、来期予想を71円下回る予想としています。尚、一時的要因を除いた分配金との比較では、来期予想を33円下回ります。頁右側に、前の期との差異要因を記載しておりますので、ご確認ください。
続く13頁では、当期の一口当たり分配金実績から、来期および再來期の分配金予想に至る、変動要因を滝チャートで示しています。売却益による増減はあるものの、一時的要因を除いた濃い赤色の実力ベース分配金は、安定的に推移するものと見込んでいます。
続く14頁は、森トラスト・ホテルリートと合併した2023年8月期以降の、分配金実績および予想の推移を示しています。前期以降は、各期における予想の見直しの利益も、併せてグラフ上に表示しており、時間の経過に連れ、そして予想の見直しの度に、着実に成長している様子がお分かり頂けます。
ここからは外部成長、内部成長戦略につきまして説明します。16頁をご覧ください。最初に外部成長戦略です。頁上部に、外部環境に対する認識、およびそれに対する今後の方針を纏めて示しています。全般的に優良物件の売却情報は限定的であり、価格も 高止まりしている状況が継続しています。オフィスについては、国内勢に加え、一時投資を見合わせていた海外投資家も積極姿勢に転換するなど、投資家の投資意欲は旺盛です。又、ホテルについても活発な取引が続いています。
この環境における本投資法人の今後の方針については、前期に説明させて頂いた方針を、基本的には継続することとします。具体的に申し上げますと、先ず、スポンサーサポートの活用や保有物件との入替等様々な手法で、ポートフォリオのクオリティー向上や資産規模の拡大を目指すこと、次に成長が期待できるセクターであるホテルについては、積極的に取得を検討すること、そしてオフィスについては、利回りが期待でき、稼働が安定している地方物件、および今後オフィス大量供給が予想される東京都心部においては、競争力が高く、優位性が保てる物件を中心に検討すること、以上3つを外部成長方針とします。本投資法人のポートフォリオの質に見合ったアセットを取得するハードルは高いものの、引き続き質に拘った投資を心掛けたいと考えています。
次に内部成長戦略について、オフィスとホテルに分けて説明します。17頁をご覧ください。先ず、オフィスです。頁左上に外部環境について纏めています。企業のオフィス拡張需要は旺盛であり、その下のグラフでもわかるように、空室率の低下や賃料の反転が顕著になりつつあります。一方で、エリアや物件毎の優劣が鮮明になりつつあり、競争力の高い物件については、より強い引き合いが見られます。これに対する今後の方針ですが、新規のテナントリーシングでは、企業のニーズを的確に捉え、立地、スペック等の優位性を生かして、高単価での成約を目指します。
又、既存テナントとの賃料改定については、保有している各物件の稼働率が高い水準にあることや、テナントの入替も考えられる環境になりつつあることから、個々のテナント契約の賃料ギャップに注意しつつ、積極的な増額改定を狙ってまいります。
18頁では、オフィス10物件に関する当期の入退去、および賃料改定の状況をグラフで示しています。右側のグラフのうち、一番右が当期の賃料改定状況を示しています。当期中に更新、再契約時期を迎えた契約のうち、面積ベースで約2割が増額、残りの約8割が据置きとなり、減額は1件のみとなりました。尚、この2割の増額部分についての改定率は+21%です。改定期を迎える契約ごとに状況は様々であり、一応に増額ができるわけではありませんが、オフィス市況の回復に伴い、賃料増額の機会が全般的に拡大しつつあることが分かります。
続いてホテルについて説明致します。19頁をご覧ください。頁左上の外部環境については、 引き続きインバウンド需要の伸び等を背景に、稼働率、ADR、RevPARは上昇傾向にあります。訪日外国人数もコロナ前水準を超え、まだ伸びています。一方で、レストラン、宴会、Miceといった需要は、宿泊事業に比べて緩やかに回復しています。又、人件費、エネルギーなどの運営コストの上昇については、留意が必要な状況であるとの認識です。これに対する今後の方針ですが、基本的にはこれまでの方針を継続することとし、引き続きインターナショナルブランドの販売チャネルを通じて、高単価のインバウンド事業を取り込み、レストラン、宴会、MICE等については、法人、代理店へのセールスを強化し、更なる取り込みを目指します。ADRの引き上げ、オペレーションの効率化を継続することで、利益率を底上げし、GOPの最大化を図ります。これにより、頁右下のグラフ、ホテル運営の状況に示しておりますように、当期以降はコロナ前の賃料水準を超えていくことを予想しています。
次に財務の状況について説明します。22頁をご覧下さい。政策変更等に伴う、ベース金利上昇に伴う借入コスト増大の影響を少しでも抑えるため、借入期間の短縮や短期変動金利 借入への振替など、柔軟に取り組んでまいります。一例として、ページ中段左側、24年8月期 財務ハイライトに示した通り 当期においてリファイナンスを行った借入金については、期限を迎えた 借入金の年齢が 平均3.89年であったのに対し 借り換え後の年限は、平均 3.05年 と0.84年 短縮しています。
ベース金利の上昇により、借り換え後の金利水準は上昇していますが、期限の短期化により、その影響を極力抑えるよう努めています。
最後に ESGに関する取り組みについて簡単に触れさせて頂きます。25頁をご覧ください。当期におきましても、ESGに関する取り組みを継続しております。一例として、2024年7月に、新たに2物件について環境認証評価を取得しました。これにより保有するポートフォリオのうち、物件数ベースで75%が環境認証評価を取得することとなりました。又、2024年GRESBリアルエステイト評価においては、4-Starsの評価を取得しています。ESGに関する詳細な情報につきましては、本投資法人のHPに掲載しているサステナビリティレポートをご覧ください。決算説明資料では、これ以降、本投資法人の特徴や詳細なデータについて掲載しておりますのでどうぞご覧ください。
説明は以上となります。最後になりますが、今後とも皆様のご期待に添えるよう、最善を尽くして運用してまいる所存でございます。 引き続きどうぞ宜しくお願い申し上げます。