グローバル・ワン不動産投資法人 2023年9月期決算概要
グローバル・ワン不動産投資法人
2023年9月期(第40期)決算動画説明書
○動画 https://www.video-streaming.net/ir/8958/40_2023_9/
○説明資料 https://ssl4.eir-parts.net/doc/8958/tdnet/2365221/00.pdf
〇資料一部訂正 https://ssl4.eir-parts.net/doc/8958/tdnet/2367022/00.pdf
○説明者 グローバル・アライアンス・リアルティ株式会社
代表取締役社長 山内 和紀
○説明
本投資法人は、本年9月25日に上場20周年を迎えることができました。これも、ひとえに皆様のご支援の賜物と深く感謝申し上げます。今後も、本投資法人の投資主価値向上に向け、外部環境に応じた様々な取り組みにチャレンジしてまいりますので、引き続きお力添えを賜りますようよろしくお願い申し上げます。それでは、資料に沿って第40期の決算の概要と運用状況について、説明致します。
決算説明資料の4頁をご覧下さい。先ず、1の初めにで、投資主価値向上に向けた当期の実績と今後の取り組み、最後に当面の取り組みについて話をさせて頂いた後、詳細な説明として、 2の決算、並びに、3の運用状況について説明致します。
資料6頁をご覧下さい。投資主価値向上に向けた当期実績と今後の取り組みについて説明致します。先ず、分配金についてです。当期の分配金は、大手町ファーストスクエアの持分30%の売却等により、前期比+178円の増配となる3,038円と、予想通りの着地となりました。今期と来期の分配金予想については、7頁の右上、一口当たり分配金の推移のグラフをご覧下さい。今41期は、大手町の3回目の売却30%持分の譲渡とグローバル・ワン上野と淀屋橋フレックスタワーの交換取引などがあり、前期比-79円の2,959円を見込んでいます。翌42期は、大手町の4回目の売却10%持分の譲渡と、今回公表した交換取引、即ち、新ダイビル、土佐堀ダイビルと楽天クリムゾンハウス青山の交換なので、2,400円の分配金を予想しています。大手町の売却益が剥落する2025年9月期(44期)以降。巡航分配金を2,400円以上で安定化させていくためには、42期の濃いブルーの部分の2,266円を、内部成長によって2,400円の水準に引き上げていく必要があります。このため、この2,400円までの不足分である130円強を埋めていくべき、42期の予想稼働率が95%を下回る物件を中心に、早期埋め戻しに注力してまいります。
それでは6頁に戻って頂き、内部成長について改めて説明致します。当期末のポートフォリオ稼働率は、豊洲等でテナントの入居があった影響で、前期比0.3ポイントのプラス、予想比で0.1ポイントプラスの96.6%となりました。又、空室区画の埋め戻しに伴う入替増額と賃料増額により、テナント契約ベースの月額賃料は、前期比220万円の増加となりました。右の欄の今後の取り組みとしては、稼働率の低迷が続いている豊洲を、先ずは、一刻も早く正常稼働に戻すことに注力するとともに、現在、横浜プラザビルのショールーム区画に入居しているパナソニックの退去が、来年7月に予定されておりますので、当該区画の後継テナントの探索に努めます。賃料改定に関しては、ポートフォリオとしては、現行賃料がマーケット賃料を上回る状況にありますので、テナントとより丁寧な対話を継続し、トータルでの賃料増額実現を目指してまいります。又、足元では、既存ビルの空室率頭打ちの兆しも伺えますので、より良い賃貸条件となるよう粘り強く交渉してまいります。
続いて外部成長です。グローバル・ワン上野と淀江橋フレックスタワーの交換を9月29日に公表し、この交換に付随する一連の取引として、都心3区に所在するオフィスビル取得に関わる優先交渉権を同時に取得しました。厳しい物件取得環境が継続する中、交換によるポートフォリオの収益性向上に加えて、優先交渉権の取得を通じて、中長期的な資産規模拡大による収益基盤の強化と、更なる収益性の向上を企図した取り組みを実現しました。そして今回、テナント集中度の高い楽天クリムゾンハウス青山の持分20%を譲渡する一方で、大手町ファーストスクエアの譲渡先であるダイビル株式会社より、新ダイビルの持ち分5%と土佐堀ダイビルの持ち分20%を取得するという交換による資産入替を公表しました。この交換取引による資産規模拡大は9億円程度となりますが、グローバル・ワンの課題であった、テナント分散が進展することになります。今後とも、多様のソーシングのルートを最大限に活用し、中長期目標である資産規模2,500億円に向けて、グローバル・ワンの持続的な成長に注力してまいります。
次に財務IRです。財務に関しては、資金効率の向上と財務コストの抑制を目的に、敷金リリース12億円を実施し、リファイナンスのタイミングで10億円の借入金を返済しました。又、固定金利の上昇を受けて、 当初3年間は変動金利、残り2年間は、固定金利で調達するフロートFIXローンで25億円の借入を行い、金利コストの抑制に努めました。IRでは、4年ぶりに対面による海外 IRを実施し、香港。シンガポール、ロンドンの投資家とミーティングを行ったほか、当社の株主である地方銀行をはじめとする、地方金融機関とのミーティングを積極的に実施しました。又、個人投資家に対しては、オンラインによる説明会を行い、グローバル・ワンへの更なる理解と投資家層の裾野の拡大に努めました。今後の財務に関する取り組みについては、引き続きデットの期日分散を図るとともに、調達方法の工夫など知恵を絞って、厳しい金利環境に対応してまいります。次にESGについてです。当期は2023年のGRESBリアルエステート評価と開示評価のいずれにおいても、4年連続で最高評価を獲得しました。今後はグローバル・ワンの SBIt認証の取得に向けた対応を行うとともに、気候変動リスクの定量評価に向けて、TCFD提言に沿った一層の情報開示に努めてまいります。
8頁をご覧下さい。これまで内部成長、外部成長、財務に関する今後の取り組みについて説明してきたことを、当面注力する取り組みとして纏めています。内部成長に関しては、真水 ベースで巡航分配金2,400円を実現できるように、稼働率が低迷している一部物件の早期 埋め戻しに努めます。次に外部成長ですが、ポートフォリオの質の向上と資産規模の継続的な拡大のため、当社独自のソーシングルートを使って全方位外交を展開し、ブリッジスキームなど様々な方法を検討しながら、更なる物件取得機会の拡大に努めます。又、パイプラインの案件化や資産入替を継続し、ポートフォリオやテナントの分散を一層進展させ、安定した収益基盤の構築に努めます。財務については、複数年限での調達による期間短縮化や、グリーンファイナンスなどあらゆる手段を検討し、安定的な資金調達、期日分散、コスト抑制の実現に努めます。
続きまして2の決算です。10頁をご覧下さい。当期決算の予想との対比です。当期、40期の分配金は予想通りの3,038円となりました。右の表に、増減益分析の要因を記載しています。営業利益は34百万円、DPU換算で33円、予想比で上振れしていますが、これは電気料金下落による水光熱収支の改善と修繕費の下振れを主因として、賃貸事業損益が36百万円プラスになったことが大きく影響しています。営業利益が予想比で上振れしたため、圧縮積立金を想定よりも43百万円積み増して、予想分配金3,038円を確保致しました。
続きまして11頁をご覧下さい。こちらは、前期、39期の実績との比較です。当期の営業収益は、大手町の2回目の譲渡に伴う売却益計上により、7,239百万円と前期比575百万円の増収、当期純利益は3,353百万円と429百万円の増益となりました。右側の表をご覧下さい。営業利益は、前期比で433百万円増加しましたが、主な要因は、資産入替において前期比524百万円の増益となったことです。増減益要因を見て頂きますと、既存10物件の賃貸事業損益は、賃料改定、フリーレント解消、テナント入居による増益要因がありましたが、それらを上回るテナント退去もあったため、43百万円の減益となりました。更に、利益連動の運用報酬の増加や、その他一般管理費の増加による減益要因もありましたが、資産入替における名古屋所得の外部成長効果と大手町売却による増益効果が大きいため、トータルでは、営業利益が前期比大幅増となりました。
12頁は、41期(2024年3月期)の業績予想です。41期は40期同様、大手町30%持分の譲渡に伴う売却益計上がありますが、営業収益は、前期比-48百万円となる7,191百万円、当期純利益は、前期比-31百万円の3,322百万円を計画しています。当期純利益が当初計画よりも下振れしたため、圧縮積立金として内部留保する金額を減らし、半年前の分配金予想と同額の2,959円を維持します。右の表をご覧下さい。大手町の賃貸事業損益は、2回目の売却に伴う持分減少により、前期比90百万円下振れるため、資産入替では82百万円の減益を見込んでいます。既存8物件の賃貸事業損益では、フリーレント解消や、テナント入居等によって78百万円の増益を見込みます。一方、賃貸事業損益以外では、資産連動の運用報酬の増加や、その他一般会員の増加による減益要因があり、更に資産入替における減益が大きく影響し、トータルで、営業利益32百万円の減益となります。
13頁は、2024年9月期の業績予想です。42期は、大手町の譲渡に伴う売却益の計上がありますが、4回目に売却する持分は10%相当に減るため、営業収益6,443百万円、当期純利益2,678百万円と減収減益を見込んでいます。分配金は目標としている最低ラインの2,400円を確保するものとし、大手町の売却益のうち223百万円を内部留保することを計画しています。右の表をご覧下さい。資産入替では一連の入替取引により、754百円の減益を見込んでいます。これは大手町の売却持分が小さくなることにより、売却益が730百円減少することを主因としています。既存8物件の賃貸事業損益は、横浜、埼玉等のテナント退去による減収を上回る、フリーレント解消、テナント入居、修繕費の減少による増益効果がありますが、資産入替での減益額が大きいため、トータルで、営業利益は、前期比626百万円の減益を見込むというものです。
続きまして3の運用状況について説明致します。内部成長についてです。16頁の稼働の状況をご覧下さい。当期は豊洲の稼働率が79.1%から83.9%まで上昇し、仙石山を除く他の物件の稼働は、高位安定を維持したため、ポートフォリオ全体の稼働率は、前期比プラス0.3ポイントの96.6%に上昇しました。又、仙石山については、9月末時点の稼働率は83.8%ですが、翌10月に1件の入居があり、90.3%に上昇しています。
次に当期に発生しました空室の埋め戻し状況と豊洲、横浜の稼働率の見通しについて説明致します。17頁の左側のグラフをご覧下さい。表記は、錦糸町や横浜をはじめとする7物件で退去がありますが、錦糸町、豊洲、横浜、埼玉、札幌等でリーシングが進展し、トータルでは、僅か65m2 の退去超となりました。続いて豊洲と横浜の稼働率ですが、豊洲は館内増床により、稼働率は86.3%に上昇し、残すところ 3区画、1.5フロアとなりました。当期は社内決済が下りていたものの、最終的にテナント都合により、移転自体が取りやめになってしまった確度の高い案件も出てきており、少しずつ手応えを感じています。現在パナソニックが入居している事務所の一部303平米、90坪強が来年3月末に、ショールーム2,306m2、700坪弱が7月末に夫々転出されるため、2024年8月末の稼働率は、80.2%に低下する見込みです。同社は、上位テナントの1社であるため、2024年3月末の定期借家契約の期限に合わせて再契約に向けて交渉を行ってきましたが、あらゆる可能性を想定し、水面下でリーシング活動をしてきたこともあり、現時点で50件以上の問い合わせを受けています。中には有力な商談もあり、現在詳細を詰めている状況ですが、マルチテナント化対応も視野に入れ、通常のリーシングに加えて、ターゲティング営業を行う仲介会社を起用するなど、豊洲と同様リーシング注力物件として鋭意対応中です。
19頁をご覧下さい。半年前に、移転目的がコスト削減を主眼としたものではなく、好況期のように、グレードアップや業容拡大が目立つようになってきているとお伝えしましたが、現在も同様の状況が続いており、大規模区画の成約事例が更に増加していることが確認頂けます。
20頁では、テナント入替と賃料改定による月額賃料変動について説明致します。当期もオフィス賃料の判定が見込みにくい状況が続いている中、テナント入替や賃料改定の交渉は苦戦していますが、ネットで2.7%の入替増額、5.3%の賃料改定増額を実現し、契約ベースの月額賃料は前期比220万円の増加となりました。
21頁と22頁で賃料改定の状況について説明致します。40期の実績は、改定対象50件のうち、増額11件、据え置き36件、減額3件で平均増減率は5.3%のプラスとなりました。41期は、改定対象27件に対し、10月末時点で、増額7件、据え置き9件、交渉中11件の状況で、平均増減率は+6.3%を予想し、3期連続で賃料増額を達成する見通しです。
次に22頁、賃料改定の今後の見通しについてです。全物件のマーケット賃料が横這いとなり、ネガティブレントギャップの大きい名古屋の取得を主因として、ポジティブレントギャップは、前回の+4.0%から+1.5%に縮小しました。名古屋をはじめ、横浜、御堂筋、札幌はネガティブレントギャップの状況にありますので、オーバーレントの先には、稼働率を意識した賃料金額での柔軟な対応をとりながら、トータルでの賃料増額を目指すメリハリのある交渉を行ってまいります。
23頁では、先ほど説明しました通り、全ての物件のマーケット賃料が横這いとなっていることが、こちらでご確認頂けます。
内部成長の最後に、水光熱収支の状況について説明致します。24頁をご覧下さい。前回は、全ての物件の電気料金について燃料費等調整単価の変動部分をテナントに負担して頂く変動性に移行したことを説明しました。上段にある2つのグラフは、前回決算における電気料金に関する実績と2期分の予想で、下段の方は半年計画した後の今回決算の実績と2期分の予想です。変動性への移行に加えて、電気料金の上昇が一服したことから電気料金の収支が予想よりも改善し、分配金のマイナス影響が少なくなってきていることがお分かり頂けると思います。
25頁以降は外部成長についてです。
26頁と27頁をご覧下さい。先ず、9月29日に公表し、11月30日に引き渡し予定の淀屋橋と上野の交換の概要について記載しています。今回の交換取引で優先交渉権を取得した物件については、足元の資金調達環境や現状の利回り水準等を踏まえ、ブリッジスキームを活用し、29頁記載のように、収益性の向上を目的としたバリューアップ工事を実施していく予定です。今後、物件の収益性が改善し、資金調達環境が整ったタイミングで物件を取得することを企図しています。次に、11月16日に公表した楽天クリムゾンハウス青山と新ダイビル、土佐堀ダイビルの交換についてです。
30頁以降ご覧下さい。この交換は、淀屋橋と上野の交換取引に続く新たなポートフォリオ 戦略に沿った取り組みの第2弾として、テナント集中度の高い楽天クリムゾンハウス青山の持分の一部を譲渡し、新ダイビルと土佐堀ダイビルの持ち分の一部を取得します。本交換取引によって、テナント分散は進展するとともに、取得する物件はいずれも賃料のアップサイド余地があるため、今後の賃料増額も期待できます。又、淀屋橋と上野の交換取引と同様、法人税法第50条の規定を適用して圧縮記帳を行う予定ですので、南青山の償却後利回り以上の収益性を確保することが可能となります。
続いて財務について説明致します。34頁をご覧下さい。当期は、名古屋の取得資金としてパーマネントローン20億円を調達する一方で、敷金リリースの資金を活用して既存の借入金10億円返済したため、ブリッジローンを除いた簿価ベースLTVは、前期比マイナス0.2 ポイントの45.2%となりました。
35頁をご覧下さい。当期に実施したリファイナンスの内容と、返済期日の分散状況について示しています。当期に返済期日を迎えた60億円、期間5年の固定金利借入のリファイナンスは、返済期日の分散を意識しながら、期間3年のローンやフロートFIXローン等を組み合わせ、DPU換算で5円程度のコスト削減を実現しました。今期は105億円、期間7年の利率0.78%相当の固定金利借入のリファイナンスがありますが、足元の金利が上昇しているため、財務コストの削減は難しい状況が続いています。従って、今後もレンダーの特性を踏まえたトランチング、借入れ年限の構成を検討し、返済期日の分散と最適な条件での調達を通じて、コストの抑制に努めてまいります。
最後にESGへの取り組みについてです。37頁に当期の取り組みをトピックスに纏めており、38頁以降で詳細を記載しています。トピックスに上げた取り組み以外にも、当期の新たな取り組みを、Newという吹き出しをつけてご紹介しているほか、KPIの数値更新やマテリアリティの追加も行っていますので後ほどご確認下さい。
私からの説明は以上とさせて頂きます。今後とも、グローバル・ワン不動産投資法人に対しまして、ご理解、ご支援のほど、宜しくお願い申し上げます。
ご清聴有難うございました。