日本プライムリアルティ投資法人 2022年12月決算概要
日本プライムリアルティ投資法人
2022年12月期(第42期)決算動画説明書
○動画 https://www.net-presentations.com/8955/20230217/nhtrgirg/
○資料 https://www.jpr-reit.co.jp/ir/library/230221-4b6e46b78e.pdf
○説明者 日本プライムリアルティ投資法人 執行役員 兼
株式会社東京リアルティ・インベストメント・マネジメント
代表取締役社長 城崎 好浩
○説明
2022年12月期決算説明を行います。
先ず初めに5頁をご覧下さい。2022年12月の業績と、2023年6月期、2023年12月期の業績予想について説明致します。2022年12月期の実績は、営業収益18,739百万円、営業利益9,273百万円、当期純利益は8,469百万円となり、一口当たり分配金は、期初予想通りの7,750円となりました。2023年6月期は、営業収益18,101百万円、営業利益は8,760百万円、当期純利益7,990百万円、一口当たり分配金は前回予想通り7,600円の見通しとしております。2023年12月期については、物件譲渡益が剥落しますが、一口当たり分配金は、内部留保を活用することにより、前期と同額の7,600円の見通しです。
6頁にお進み下さい。ここでは、2022年12月期の実績と今後2期の見通しについて、一口当たり分配金の変動要因を用いて説明致します。先ず、全般的な見通しですが、一部の物件でリーシングが遅延しているものの、稼働率の回復により賃料収入は安定的に推移していく見込みです。エネルギー価格の高騰に伴う水道光熱費収支の悪化については、テナントへの請求方式の見直しを行い、対応をしております。結果として、実力ベースの分配金である調整EPUについては、2023年6月期をボトムに回復する見込みです。2022年12月期については、水光熱費の悪化や、譲渡した物件の収益の剥落等が影響したものの、フリーレントの解消等による賃料収入の増加や、解約違約金等の計上により、調整EPUは前期比+41円の7,441円、DPUは物件譲渡益の計上により7,750円となりました。尚、物件譲渡益の一部は内部留保し、将来の分配金の安定化を図っております。2023年6月期については、エネルギー価格上昇の影響が継続することに加え、前期に計上した解約違約金等の剥落や固定資産税の増加により、調整EPUは7,170円となりますが、DPUは物件譲渡益の計上により7,600円となる見込みです。尚、前期同様、物件譲渡益の一部は内部留保する想定です。2023年12月期については、リーシングの進捗により賃料・公益費が増加するとともに、電気料金の請求方式の見直しにより、水道光熱費収支の改善を見込んでいます。その結果、調整EPUは前期比+80円の7,250円、DPUは内部留保の活用により、下限分配金の7,600円を確保する見通しとしております。
8頁にお進み下さい。JPRの成長戦略について説明致します。下段にJPRのベースとなる強みを3点記載しています。左から、東京の好立地オフィスを中心とした分散の効いた強固なポートフォリオ、スポンサーと連携した高度な運営能力、そしてサステナビリティへの積極的な取り組みです。こうした強みを生かし、継続的な外部成長、効果的な資産入替え、譲渡益や内部留保の活用による安定的な分配を通じて、投資主価値向上を目指してまいります。
9頁にお進み下さい。分配金戦略について説明致します。JPRでは、調整EPUの当面の目標を7,600円にしておりますが、エネルギー価格の上昇等の影響もあり、当初概ね2年と見込んでいた達成時期については、若干遅れる見込みとなっています。稼働率の回復や外部成長により、早期の達成を目指してまいりますが、目標達成までの間、潤沢な内部留保を活用し、7,600円を下限とした安定的な分配金水準を確保してまいります。
10頁にお進み下さい。この頁は、マーケットの環境認識について説明致します。オフィスマーケットは、ここ数年続く新型コロナウイルスやウクライナ侵攻等により、先行きの不透明感はあったものの、需要が一定程度回復したことにより、空室率は概ね横這い傾向で推移しています。今年は、大規模オフィスの供給集中による影響が懸念されるものの、本格的な経済再開による需要回復が一層進むことが期待されることから、全体として大きく悪化することはないと考えています。不動産売買マーケットは投資家の需要が引き続き旺盛であり、過熱感の有る状況が続いています。JPRとしては、スポンサーパイプラインを活用した東京オフィス中心の取得方針は変わりありませんが、地方都市の好立地物件や、これまで検討を見合わせてきた、ホテルを含む都市型商業施設の取得についても、個別物件の状況を見極めたうえで、検討してまいります。金融環境については、欧米を中心とした金融引締めや日銀によるールドカーブ・コントロールの見直しの影響により、長期金利は上昇していますが、JPRにおいては、従前より返済期限の長期化、分散化に努めており、短期的な影響は軽微であると考えています。JPRのポートフォリオの特徴について説明致します。JPR では、東京の好立地オフィスを中心に、分散の効いた強固なポートフォリオを構築しています。2023年と2025年は、東京都心部を中心にSクラスビルの供給が集中していますが、JPRのポートフォリオはSクラスの比率が6.1%と、賃料価格帯は需要ボリュームの厚い坪1万円後半から2万円台が74.5%と、新規供給の直接的な影響を受けにくい構造となっています。又、エリアの分散が効いていることに加え、7割超が最寄駅から3分以内に位置するなど、立地改善ニーズを取り込めるポートフォリオになっています。
続いて12頁にお進み下さい。個別物件の投資比率は、ポートフォリオ全体に占める割合が10%を超えるものはなく、殆どが3%以内であり、又、ここ数年のテナントの入替えが進んだことにより、占有率1%以上のオフィステナントは1社のみに減少しています。特定のビルおよび大口テナントへの集中リスクが小さいことが、安定的な稼働を維持できる要因の一つになっています。
13頁にお進み下さい。ここでは稼働状況次ついて説明致します。先ず、稼働の状況です。契約稼働については、2022年12月期は年末に売却した五反田ファーストビルのテナント等の影響で97%となりましたが、2023年6月期は97.3%に改善する見通しです。賃料稼働率については、2022年6月期をボトムに、緩やかに回復基調にあります。入退去の状況については右下のグラフの通り、大口の解約も収まり、退去面積は減少傾向です。引き続き重14頁にお進み下さい。賃料の状況について説明致します。左上のグラフの通り、ここ数期、賃料の減額の幅はほぼ変わりませんが、増額での改定、入替えが少なくなって来たことから、増減額をネットした金額は、僅かにマイナスになっています。但し、賃料改定は、1,124件のうち減額は僅か3件と、大半が変動なしで更新出来ております。レントギャップは+1.4%となっており、テナントの賃料改定に当たっては、個別の状況を慎重に判断し、対応していきたいと考えております。
15頁にお進み下さい。重点対応物件のリーシング状況について説明致します。上段はリーシングを強化している物件です。オリナスタワーは、昨年3月の大口テナントの退去後、稼働率は77.9%まで低下しました。ダウンタイムなく7割を埋め戻すことにより、一旦92.5%まで回復しましたが、新たな解約予告を含めると、今年3月の稼働率は85.2%となる見込みです。周辺では競合となる物件が募集条件を引き下げており、本物件も稼働を優先した戦略に切り替えております。年明け以降は引合いも増加していますので、早期リースアップに向けて最優先で取り組んでまいります。新宿スクエアタワーは、一部の区画で入居が進んだものの、一進一退の 状況が進んでおり、全体としては僅かな改善に止まっております。本物件は、駅距離が多少あるものの、ビルグレイドとコスト面の優位性を訴求し、早期の埋め戻しを図ってまいります。JPR原宿ビルは、複数の解約が重なり、今年4月にかけて計5フロアの空室が生じますが、うち2フロアは既に埋め戻しが完了しております。このビルは、明治通り沿いに立地する競争力の高い物件であり、昨年末にかけて共用部分の大規模なリニューアル工事も行っています。活況を呈している渋谷・原宿の旺盛な需要を取り込み、リーシングを進めてまいります。下段が、リーシングが進捗した物件です。JPR大宮ビルは、昨年4月に5フロア、1,200坪の大口テナントが退去しました。フロア単位で2フロア埋め戻しましたのち、当該エリアのテナントニーズを捉えて、分割可のリーシングに切り替え、新たに5テナントを誘致したことにより、稼働は契約ベースで96.5%まで回復しました。尚、残り1区画についても申し込みを頂いております。
16頁をご覧下さい。水道光熱費の状況について説明致します。エネルギー価格の高騰に伴い、JPRも電気料金を中心とした収支の悪化の影響を大きく受けています。左下のグラフでは、電気料金の費用構成とその推移を示しています。費用の変動幅は燃料調整費の影響が最も大きくなっていますが、右側の円グラフに記載の通り、昨年の秋以降全体の4割を占めていた固定単価請求の殆どを、固定単価・変動単価併用へ変更したことにより、燃料調整費の急激な上昇には対しては対応済みです。
17頁にお進み下さい。商業施設について説明致します。JPRの商業施設は、いずれも繁華性の高い場所に立地し、テナントとの契約は固定賃料での長期契約が中心です。稼働率も99.7%と高い水準を維持しており、ポートフォリオの安定性を補完する重要なアセットと位置付けております。又、右上のグラフの通り、新型コロナの影響を受けた商業施設の売上も、足元では順調に回復しております。
18頁にお進み下さい。昨年12月以降の資産入替えについて説明致します。頁左側記載の通り、スポンサーである東京建物および安田不動産、夫々との間で資産の入替えを行いました。五反田ファーストビルは、オフィス部分の全てを賃借していた大型テナントが退去するなど、譲渡物件は、いずれも今後の安定収益確保に課題がある物件であり、新宿センタービル等の東京都心物件および主要地方都市の好立地物件との入替えにより、ポートフォリオのクオリティと収益力の向上を実現しております。又、JPRクレスト竹橋ビルの譲渡益については、分配金に充当するとともに、その一部を内部留保とすることによって、将来の分配金の安定性の確保にも寄与するものとなっております。
続いて、23頁までお進み下さい。この頁では最近の取得や資産入替えの実績を記載しております。JPRでは、スポンサーパイプラインを生かし、東京オフィスを中心に取得を勧めるとともに、ポートフォリオクオリティの改善を目的とした入替えを、継続的に行っております。譲渡については、原則として資産入替えを前提として、築年数や今後の収益性などの個別の事情を考慮したうえで、物件を選定しております。
24頁にお進み下さい。外部成長について説明致します。メインスポンサーの東京建物は、2020年から2024年までの中期経営計画において、投資家向け物件売却の拡大、ファンド事業の強化を掲げております。スポンサーサポートを背景に、ここ数年JPRの資産規模拡大ペースは拡大しており、実際、2020年以降取得は845億円、譲渡分を差し引いたネットの資産増加額は575億円と、それ以前と比べ大幅に増加しております。
25頁にお進み下さい。東京建物のパイプラインは、主に長期保有目的の固定資産から販売用不動産に振り替える物件と、売却を前提に開発、取得した物件の2種類となっています。JPRでは、固定資産から振り替えられた物件から大手町フィナンシャルシティノースタワーやグランフロント大阪などの旗艦物件を、又、売却を前提に開発した物件からはFUNDESシリーズなどを取得しております。JPRは今後も、スポンサーパイプライン活用し、積極的に物件の取得を行っていくとともに、ポートフォリオクオリティの向上と含み益の顕在化を図るべく資産入替えも並行して進めてまいります。
26頁にお進み下さい。財務戦略について説明いたします。2022年12月期は、トータル80億円を平均期間6,3年で調達致しました。LTVは40%と低位な水準を維持しており、上限を45%とした場合の取得余力は、約460億円となっております。昨年以降、国内金利は上昇し、今後の動向にも注目が集まっていますが、JPRにおいては、低利なLTV水準に加え、従前より返済期限の長期化、分散化に努めてきたことから、短期的には影響は軽微であると考えております。今後は税務の健全性を保ちつつ、デットコスト抑制の観点から中期年限の活用等にも取り組んでいく方針であります。
28頁までお進み下さい。最後にサステナビリティへの取組みについて説明致します。近年、サステナビリティへの取組みに対する要請は、益々強まっていますが、JPRおよびTRIMでは業界でも一早く取組みを開始し、ここ数年その動きをさらに積極化してきました。結果として、GRESBやMSCIなどの外部評価機関からは、高い評価を頂いており、当期においては、CDP気候変動プログラムの評価は、A-にランクアップ致しました、
29頁へお進み下さい。温室効果ガス排出量の削減については、2050年に排出量ネットZero、2030年の中間目標として、2019年対比46.2%削減の計画を策定し、昨年11月にSBTiへの申請を行いました。決して簡単に達成できる目標ではありませんが、様々な施策を組み合わせ、目標達成に向け取組みを進めてまいります。
32頁までお進み下さい。Governance面では、今年5月に行った組織変更と同時に、物件取得等の意思決定機関に、特別委員として外部の不動産鑑定士を招聘し、意思決定プロセスの厳格化、ガバナンス体制の強化を進めております。引き続き、信頼される投資法人として、更なる経営の健全性確保に取組んでまいります。
説明は以上です。マーケットではオフィスの大量供給が懸念されておりますが、JPRにおいては、幸い大口の解約が発生しておらず、電気料に関してもテナントの皆様のご理解を頂き、請求方式を見直しております。JPRでは引き続き様々な課題に、適切かつ柔軟に対応することにより、重点対応目標のリーシングを進めることによる内部成長と、マインスポンサーである東京建物のスポンサーパイプラインを活用した外部市長により、投資主の皆様の価値向上を図ってまいります。引き続きご支援を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。