オリックス不動産投資法人 2024年8月期決算概要
オリックス不動産投資法人
2024年8月期(第45期)決算動画説明書
○動画 https://www.net-presentations.com/8954/20241018/nshgls/
○説明資料 https://ssl4.eir-parts.net/doc/8954/ir_material_for_fiscal_ym/164591/00.pdf
○説明者 オリックス・アセットマネジメント株式会社 代表取締役社長 恩田 郁也
○説明
オリックス不動産投資法人(OJR)の第45期決算説明会に参加頂き有難うございます。オリックス・アセットマネジメント株式会社の恩田です。今年の9月に社長に就任致しました。皆様とは多くの方と初めてかと存じますので、簡単に自己紹介をさせて頂きます。私は2003年にオリックスに入社し、支店営業の後財務部、その後アメリカ駐在を踏まえて、2018年から直近までは、オリックスの財務部長としてグループ全体の資本政策や資金調達業務に従事してまいりました。オリックス入社前は銀行に勤務しており、支店営業を、3店舗を経験させて頂いております。OJRスポンサーのオリックスグループは、1964年にリースを創業して設立され、ローン、不動産ファイナンス、生命保険といった金融事業を中心に業績を拡大し、又、1971年には、香港で海外第1号となる海外法人を設立し、早期に海外展開を果たしました。
その中でも不動産事業につきましては、オフィスやマンション、ホテル、旅館の開発運営に加え、近年では、再生可能エネルギー事業や空港のコンセッション事業など、幅広く不動産関連事業を展開しております。こうした事業拡大を資金面から携わる中、逆風もいくつかありました。リーマンショックがその1つでしたが、オリックスグループにとって事業を再編する転機ともなっております。従来のローンやリースを中心としたアセットビジネスに加え、事業投資やアセットマネジメント事業を強化し、事業ポートフォリオを分散した上で安定した資産と事業利益を形成することができています。OJRの運用においても、成長性と安定性のバランスを取りながら、投資主の皆様の投資主価値の向上に努めてまいる所存です。投資主の皆様とは密にコミュニケーションを取らせて頂き、忌憚のないご意見を賜れれば幸いでございます。
ご挨拶はこのぐらいにさせて頂きまして、本題に入らせて頂きます。OJRは、2002年6月に国内初の総合型リートとして 上場致しました。J-REIT市場において総合型リートは増加致しましたが、OJRはそのパイオニアとして、おかげさまで、この度45期の決算を迎えることができました。これも偏に投資主の皆様のご支援の賜物と、心より感謝申し上げます。
それでは、OJRの今回の決算期の成果、又、そのベースとなる方針と戦略について取り纏め致しましたので説明させて頂きます。
先ずは、2頁をご覧ください。OJRは、上場以来ポートフォリオの収益性と安定性の向上、又、財務面も同様に安定性の向上を図り、投資主価値の成長に向けて取り組んでまいりました。投資主の成長は、我々が投資主の皆様から託された、最重要事項であると認識しております。具体的には、長期的な目線で一口当たりの純資産(Net Asset Value)、および分配金(Distribution per Unit)、こちらの安定的な成長を追求してまいります。その上で本日は、ポイントを3点に絞って説明させて下さい。
詳細は次頁以降で改めて説明致しますが、先ずは、概略について説明致します。先ず、分配金についてですが、2024年8月期の分配金は、一口当たり3,820円とさせて頂きました。こちらは、前回の決算時に発表しておりました予想分配金3,720円から、100円増の着地となっております。そして将来の予想分配金につきましては、次回2025年2月期は3,880円、その次の2025年8月期を3,950円と致しました。今般、将来の分配金に対するガイダンスと致しまして、成長率をお示しすることと致しました。具体的には、今回の決算における一口当たり分配金3,820円を起点に、今後 年率3%の成長を目指してまいる所存です。
2点目は、成長を支える運用面について説明させて頂きます。先ず、新規投資について、今期は10物件、合計で664億円を取得した一方で、5物件325億円を売却致しました。今後賃貸NOIの積み上げに向けて、保有する物件のバリューアップを図ってまいります。取得後の運用物件については、PM 会社任せにせず、現場密着型のハンズオン型の運用を行っております。結果、今期は、ポートフォリオ全体でNOIは前期比で3億円の増額を致しました。今後も内部成長と外部成長を組み合わせ、分配金の原資となるトップライン、即ち、賃料をしっかりと成長させて参ります
最後に3点目です。OJRに対するスポンサーのコミットメントの強化について、説明させて頂きます。オリックスグループの不動産事業の統括会社である、オリックス不動産がOJRの投資口1%を上限に、OJRの投資口の買い付けを実施する通知を受領致しました。加えて、今般、OJRの運用を委託しております私共、オリックス・アセットマネジメント株式会社の役職員の持ち投資口会を設立致します。いずれも投資家の皆様におかれましては、オリックスグループのOJRの業績向上に対するコミットメントの強化とご理解頂ければ幸いでございます。
それではここから申し上げました3点について、少し詳細に説明をさせて頂きます。
3頁目をご覧ください。今回DPUの成長目標として、年率3%という定量目標を設定致しました。前回の決算では、コロナ禍に落ち込んだ巡航分配金水準3,500円、こちらを経て今後は、3,700円からの安定成長を目指すというメッセージをお伝えさせてい頂いております。その後改めて投資主様にとって適切な成長と、還元のバランスについて検討させて頂きました。結果、安定成長という方針は維持しつつも、今回から投資家の皆様に、より具体的にOJRの成長のスピード感を長期目線でお伝えするため、定量目標を作成・設定させて頂くことと致しました。
具体的には、今期の着地3,820円を起点として、毎期年率3%以上の成長率を目指してまいります。例えば、1年後の2025年8月の分配金は、3,820円の3%成長である3,946円、2年後は更に3%成長の4,052円という水準になります。因みに、2025年2月期3,880円、2025年8月期3,950円とご説明しておりますが、こちらの成長率は夫々年換算致しますと、年率で3.1% 、3.4%となります。実際は、売却益の計上などにより、多少の凸凹はあるかと思いますが、3%成長をフロアとして捉えまして、分配金を適切にマネージしてまいります。そしてDPU成長達成のための手段については、既存物件の賃料増額を最優先とし、格付けを維持した上での物件取得、そして含み益や内部留保の活用、又、必要な場合にはスポンサーに投資口追加取得を検討頂くことや、又、自己投資口の取得も検討してまいります。
4頁をご覧ください。それでは分配金を支える運用面の戦略について説明致します。先ず、環境認識からですが、現在のOJRの投資口価格では、増収を通じた外部成長は現実的ではないと考えております。OJRでは、今後のバリューアップ余地の乏しい資産売却を活用し、安定的な収益を見込める資産の取得をしてまいりました。OJRは、上場後20年超経ておりますので、ポートフォリオの収益性を維持するためには、継続的な物件売却が必要となります。一方、日本の不動産取引市場におきましては、キャップレートは低位安定しており、依然として高価格での取引が続いておりますので、優良物件をアウトライトで取得する機会は限定的な状況でありますが、物件を厳選し、交換取引も使いながらポートフォリオの改善に努めてまいりました。加えて、OJRでは外部成長を推進するにあたり、アクイジションチームの体制整備を実施し、機動的な厳選投資を行っております。
5頁をご覧ください。ここで改めて、OJRの現在のポートフォリオの概況について説明させて頂きます。一般的に、総合型リートのパフォーマンスは、用途毎に見ると多少のデコボコは出てきます。言い換えますと、その凸凹が相互補完の形になっており、どこかが悪くてもどこかがカバーできるというように、分散したポートフォリオとなっていることをご理解頂ければ幸いです。全体感ですが、今期は全用途において、トップラインであります賃貸 事業収入が増加したことを、先ず、申し上げたいと思います。次回の2025年2月期は、今年の猛暑の影響により、期ずれで賃料を受け取るホテルが一時的に落ち込む見通しですが、2025年8月期は、前年と同程度まで回復することを予想しております。その他の用途につきましては、継続的な賃料アップを見込んでおります。
結果、冒頭申し上げましたが、分配金につきましては、3%以上の成長率を目指しております。物件用途毎について簡単に説明させて頂きます。先ず、オフィスですが、2024年8月期は、賃料ギャップのある地方を中心に、既存賃料の増額および新規取得物件の内部成長、所謂、リーシングの強化、又、特定の物件で解約違約金が発生したこともあり。NOIは前期比+173百万円増額致しました。今後も引き続き物件の稼働率を維持しつつ、賃料増額を推進してまいります。次に商業施設ですが、2024年8月期は、JouLe SHIBUTYA、こちらの空室2区画のテナント付けが完了致しました。
又、テナントの業績回復により、コロナ前を上回る賃料水準で賃料を増額できた事例が多数あり、NOIは前期比+34百万円増額しております。今後も残りの空室区間を埋めつつ、コロナ渦で減額していた賃料の増額を進めてまいります。住宅でございます。入替時の賃料増額割合および賃料増減率は5期連続で上昇しております。2024年2月期から2024年8月期に取得した新築物件につきましても、リーシングが計画を上回るペースで進捗したことから、NOIが前期比+102百万円増額しております。今後も、新規取得物件のリーシング進捗に伴う、全体の稼働率の上昇および賃料増額に注力してまいります。物流施設ですが、初めて物流施設を取得致しました2006年以降、100%稼働を維持しております。物流施設は契約期間が長いものが多いですが、賃料改定のタイミングで大幅な賃料増額に成功してきております。
今後も、賃料改定のタイミングでの賃料増額を図ります。最後にホテルになります。2024年8月期は、大阪にありますホテルユニバーサルポート、こちらの賃料が過去最高となったことにより、NOIが前期比+57百万円と増額致しました。2025年2月期は猛暑の影響により、ホテルの賃料収入が一時的に落ち込む見通しですが、次期2025年8月期につきましては、2024年8月期と同程度まで回復する見通しでございます。このように用途毎に多少の色はございますが、安定感のある物流や住宅、又、復調しておりますオフィスや商業施設、好調のホテルが組み合わさり 分散の効いた安定的な収益ミックスとなっていることをご理解頂ければ幸いです。
6頁をご覧ください。分配金のガイダンスについて説明致します。今回お示しした分配金が、どのような要因により変動するのか、所謂、感応度について整理させて頂きました。先ず、ここまで財務について特に触れてきませんでしたので、下段に掲載の財務を例に説明致します。外部環境に目を向けますと、先般の日銀の17年ぶりの利上げにより、漸く日本も金利のある世界に戻りつつあります。インフレ基調の中金利上昇は自然な流れであり、計画策定においても、マーケット相場での金利上昇は織り込んでおります。その上で、更に追加的に30basis金利が上昇した場合、配当は25円程度減少致します。
勿論、反対も正でございます。金利が予算費-30basisで推移した場合は、25円程度増額となります。本頁では、予算費マイナスで推移した場合の観点で、記載しております。財務以外にも外部成長、内部成長、資本政策をご覧頂いても、最大で25円程度となります。投資主の皆様におかれましては、アップサイド、ダウンサイド、見方は様々かと思いますが、個別で見ると変動要因は限定であるとご理解頂ければ幸いであります。
7頁をご覧ください。OJRの投資口価格向上施策について説明致します。申し上げました通り、今般、オリックス不動産によるOJRの投資口取得、又、資産運用会社であるオリックス・アセットマネジメントの役職員の持ち投資口会を設立致します。いずれにつきましても、投資主の皆様と我々運用会社、更にスポンサーの利害関係を一致させて頂き、これまで以上に、OJRの投資主価値向上に向けたコミットメントの強化と、ご理解頂ければ幸いでございます。
8頁をご覧ください。最後になりますが、国際的な地政学リスクやアメリカ大統領選挙に伴う政治リスクなど、不透明な社会情勢ではありますが、長らく続いたデフレ期を経て、我が国においてもインフレ基調への転換が進みつつあります。こうした環境下、総合型リートのパイオニアとして、次のステージに向けた成長戦略を描き、着実に実行していくことこそ我々に与えられた使命であると認識しております。
今後もOJRの持続的成長に向け 尽力してまいりますので 変わらぬご支援を何卒よろしくお願い申し上げます。
以上、簡単ではございますが 2024年8月期(第45期)決算報告、並びに、運営方針の説明とさせて頂きます。ご清聴、有難うございました。