カラレーベン不動産投資法人 2022年2月期決算概要
タカラレーベン不動産投資法人
2022年2月期(第8期)決算説明 動画配信説明書
動画 https://www.net-presentations.com/3492/20220413/wsqdi/
資料
https://takara-reit.co.jp/file/ir_library_term-193679d21e108430e40458da6fbccbbabcc7f278.pdf
説明者 タカラレーベン不動産投資法人 執行役員、
タカラPAG不動産投資顧問株式会社 代表取締役社長 宰田 哲男
説明
資料に沿って説明致します。
3頁に、タカラレーベン不動産投資法人の概要と特徴を記載しております。
特徴としては、
・総合不動産ディベロッパーの開発力と、ファンド運用会社のソーシング力を活用して
着実な外部成長を行っていく。
・運用会社独自の情報ネットワークを活用して物件取得機会の増大していく。
・スポンサー各社(4社での構成)の強みを最大限に生かした総合型ポートフォリオを構築
していく。
用途に関しても、エリアに関しても分散を効かせた投資を指定降雨という考え方です。
・運用ノウハウとオペレーション力に強みということで、スポンサー各社のオペレーション
力を活用した収益性向上、或は、運用コスト適正化を行っていく
という内容です。
続いて4頁は、今回の決算のExecutive Summaryの頁です。 左側に期初の目標、計画を、右に実績を記載しております。
分配金に関しましては、期初の予想としまして3,000円でしたが、期中に修正を致しまして
3,100円、これに対して実績としては3,120円の一口当たり分配金を実現させました。
外部成長に関しましては、当期の実績として、5物件(オフィス)譲渡、1物件(住宅)
取得を行っており、先々期から行っている物件の入れ替えを継続して第8期も行いました。
又、第8期の期初には公募増資資金により12物件の取得を行っておりまして、期中に
計13物件を取得しました。その内訳は、スポンサー物件が8件、運用会社独自ネット
ワークを活用したものが5件という内容です。
続いて内部成長ですが、新規取得物件も含め、積極的リーシング活動を推進しまして、当期
末(第8期末)の全体稼働率は、上場以来最高の99%という数字を達成致しております。
又、オペレーター変更をしました名古屋のホテルですが、昨年の5月から営業を開始して
おりますが、12月に初の歩合賃料が発生しております。まだコロナの状況が続いては
おりますが、回復に伴って、賃料は適切なものが発生してくることを予定しております。
又、コスト削減の継続は引き続き行っております。
ESGをご覧頂きますと、詳細は後程出てきますが、2021年GRESBリアルエステイト評価
において3年連続でGreen Star評価を獲得致しました。更に、個別の物件に関しても認証
を進めております。又、今期にTCFD提言への賛同表明、ESGについては、英文化等も
含めて情報開示の充実を進めております。
財務に関しましては、期初にエクイティ調達約121億円、この時にデットの調達139億円
程の調達を行って増資をしたということと、EPRA Nareit グローバル・インデックスへの
組入れがこの第8期に実現したというところでございます。
続きまして次の頁からは2022年2月期、第8期の概要を説明致します。
6頁、決算ハイライトです。
左側には、期中に修正予想を出した数字に対して実績がどうなったか、右側には第7期の
実績と第8期の実績がどのように変化したかを記載しております。修正予想に対して実績
の変化は、予想の時には新大阪の売却のみを想定していた、前提条件としていた実績では
それに加えて博労町、心斎橋の物件の売却により物件譲渡益が増加しまして、それから、
物件譲渡損ですが、これは長野の売却損のみを見込んでおりましたが、山形も売却したこと
により売却損が増えております。その差し引きというところに、既存物件の多少のプラスと
いうところがあり、経常利益では165百万円の、予想値に対する減というところです。
165百万円の減ではありますが、今回、元々の想定の前提は、内部留保をしようという
ことで123百万円の内部留保を想定しておりましたが、内部留保をせずに、法人税も減少
するということで、差し引き当期純利益は1億400万円の減、分配金の総額としては、
内部留保も加味しまして11百万円の増となりました。一口当たりの分配金については
3,100円の修正予想値に対して3,120円を出しました。先期である第7期と第8期の対比
ですが、先ほど来説明しておりますように、物件の譲渡益、或は譲渡損、それから物件を
売却することによる期中の収益の減ということがあり、経常利益は第7期に対して第8期
は185百万円の増、当期純利益については、第7期には税金を払って内部留保を行い
ましたが、第8期にはそのようなことがなく、法人税の減もあり、237百万円増、分配金に
関しては、内部留保減というところも含めて334百万円の増となりました。投資口数も
増やしており、第7期末の発行済み投資口総数462,500口に対して、増資をしたことも
あり第8期末の発行済み投資口数は575,000口となり、一口当たりの分配金は、第7期の
3,100円の実績に対して第8期は3,120円としております。
続きまして7頁に移りますが、Balance Sheetについてです。
こちらは、増資をしてEquity資金が増え、或は、デットの調達により借入金が増えたこと
に対して有形固定資産、物件の取得が増えたこと、これが主だった内容全てと言えます。
続きまして8頁に移ります。第8期における外部成長についてです。
期中の物件取得を左に記載しておりますが、公募増資時の物件取得と、その後の物件取得で
取得価格として公募増資時におきましては260億円強、その後19億円の取得を行って
おり、合計で13物件、280億円ほどの物件の取得を行っております。右側は売却です。
売却に関しては、都合5物件、78億円ほどの売却をしております。78億円の売却に対して
入替えということでは追加取得した19億円ですので、60億円弱の売却が先行している
状況です。この分、期中の収益が落ちているというところが足元の状況ですので、追加の
取得を行っていきたいという考え方でして、当期(第9期)に入ってから既に1件取得
しておりまして、その流れを継続していきたいと考えております。
それから9頁ですが、こうした物件の取得、売却を第7期、第8期と継続して行っており
ますが、それについてこの9頁に書いております。
第6期、第7期においての売却、それと当期における売却と、都合10物件を売却しており
ますが、黄色で色分けしている物件は、足元も含めまして今後の稼働の状況、テナントが
抜けた時に戻すことが出来るのか、或は、築年が経っておりコストも掛かるとかの収益の
マイナスの成長などを勘案して譲渡したという物件です。桃色で色分けしている物件、
5件有りますが、これらは、足元では稼働が多少落ちてはいるが、将来的には稼働の回復が
見込める物件が多く、物件の売買市場においては売手市場が継続されており、それなりの
価格で売却が出来るということもあり、一部は黄色い部分で売却損を出しながらも、桃色の
部分で譲渡益をだしながら、物件のポートフォリオ全体の内容の改善を図っているところ
です。
それから10頁ですが、ポートフォリオの分散状況です。左側にエリアの分散状況を記載
しておりますが、東京経済圏に半分以上が集中しております。それ以外のエリアに北は札幌
から南は福岡まで分散して投資をしております。四大経済圏、東京、名古屋、大阪、福岡の
エリアを中心にということで考えておりますが、それ以外のエリアにも、収益性の安定して
いる良質な案件があれば投資をしていくということであります。右側にポートフォリオの
区分比率ということでパイチャートを記載しておりますが、申し上げました四大経済圏を
コアエリアと認識しておりますが、これが8割以上というところです。用途に関しては
オフィスが一番多く43%程度、住宅に関しては1/4ほどで、残りの全体の1/3のところに
それ以外のホテル、商業施設、或は、その他の用途が分布している、という内容になって
います。
11頁は稼働率・資産規模の推移についてです。上段に稼働率の推移を記載しておりますが、
冒頭のExecutive Summaryでも申し上げましたように、第8期末では99.0%という
稼働率を実現しております。第6期においてはホテルが、1物件ですが、オペレーター
チェンジというところで稼働0(ゼロ)ということになったことを受けて、黄色のラインが
かなり低下をしておりますが、オペレーターチェンジをして稼働が100%に戻ったことも
含めて稼働は順調に推移しております。下段に資産規模の推移を記載しておりますが、物件
の取得、売却を継続して行っている中で第8期末では1,000億円を超えた、1,087億円の
資産規模となっております。
続きまして、12頁からは夫々のセクター、夫々の用途に関しての運用内容について示して
おります。12頁はオフィスの頁ですが、稼働率に関しては、第8期において95%後半から
期末の2月の段階では98%を超えたという状況です。賃料については、どちらかというと
物件売却によって、賃料の安い、地方のテナントの入れ替え時のリスクがそれなりにあると認識をしていた部分を売却しましたので、賃料単価が上がっているというところです。
13頁は住宅の頁です。住宅に関しては、ポートフォリオとしては、非常に安定した96%
程度の稼働率、賃料単価に関してもそれなりの安定した水準をキープしているという
ところです。テナントの入れ替え時の、新規契約時における増額の傾向は継続しております。
又、先期の決算の時には、コロナの影響があって、都心部のシングル向け住宅が不振だが、
ポートフォリオ全体としては安定しているとの説明を致しましたが、都心のシングル向け
住宅の稼働は戻ってきているというのが足元の状況です。
14頁は商業施設です。商業施設については、物件の入れ替えを含めてポートフォリオの
内容が変わりまして、生活密着型商業施設が8割以上を占めており、生活密着型では
ない物件が3物件ありますが、その中でもビッグモーターの底地が2件ありますが、
これは長期の安定的な収益を賃貸借契約に基づいて支払って頂くことになっており、非常
に安定したCash-Flowが見込める案件です。その意味では商業施設の中の全体で3%程度
を占めますが、プリオ大名の部分が生活密着型ではなく、或いは、長期安定型の契約では
ないものがありますものの、長期的にCash-Flowが安定したセクターといえると思います。
次に、15頁はホテルについてです。保有4物件のうち、オペレーションチェンジをした
名古屋以外の3物件に関して施設稼働率、OccupancyとRevPARの推移を記載しており
ます。2020年9月~2021年2月に対して、2021年9月~2022年2月がどうなったのか
記載しておりますが、稼働率は総じて改善しておりますし、RevPARに関しても昨年12月、
1月とコロナの影響が非常に大きかったことに対して、当期はそれほどでもない。但し、
2021年12月、名古屋でも賃料が発生したように全体的に非常に良かったのですが、1月、
2月は新たなオミクロン株の影響を受け、2020年対比では改善しておりますが、楽観視
出来るような状況ではないのですが、今後は改善していくと想定しております。
又、下段にはオペレーターチェンジをしました名古屋のホテルに関して記載しております。
2021年12月に初めて歩合賃料が発生しました。この1月、2月はオミクロン株の影響が
あり、パフォ-マンスが落ちましたが3月には歩合賃料が発生しております。
16頁は一口当たり分配金の推移です。一口当たり分配金は、第8期においては3,120円で
決着致しました。ポートフォリオの実力ベースである巡航ベースを濃いブルーで記載して
おりまして、第8期においては2,692円、約2,700円というところです。コロナ前の時点では3,100円を突破して と言うところまで来ておりましたが、それがコロナの影響も
あり、物件の売却、リスクのある物件は売却していこうということで、取得よりも売却が
先行したということも含めて、濃いブルーの部分は若干落ちている水準が継続していると
いうところですが、物件売却益の活用等により分配金、最終的な分配金に関しては安定的な
数字を維持しております。
17頁は一口当たりのNAVの推移です。一口当たりのNAVは11万円程度でそれほど増減
がない形で推移しております。
18頁は財務の頁です。左上の方にLTVを含めた財務指標の推移を記載しております。
LTVに関しては、総資産LTVは46%程度をキープしていましたが、1ポイントほど増資の
時点で増えております。増資時に目論見の株価水準より若干下回ったところで資金を調達
したこともあり、総資産LTVは増えていますが、巡航の許容範囲の水準と考えています。
右上の発行体格付けですが、シングルAマイナスの安定的とポジティブを2社の格付け
会社から取得しております。下段には借入先の分散、これは借入先の増加ですが、分散を
図っている状況が続いております。
続いて19頁、財務の頁の2枚目です。上段に金利固定化比率、LTVの水準を記載しており
ます。LTVに関しては46%程度だったものが若干上がってはおりますが、許容水準。
固定化比率に関しては、かなり高い水準で固定化されております。返済期限の分散状況、
Maturity ladderを下段に記載しております。エクイティ調達に伴うデットの調達、或は、
借り入れの再調達というところでも返済期限の長期化、分散化を図っております。
続きまして20頁に移ります。Equity Side、投資主様の構成ですが、上位の投資主様10社、
左側には所有者別投資口数を記載しております。個人の比率が徐々に減ってきているのが
実情です。長期に安定して投資して頂ける方々を増やしていきたいという考え方です。
まだ全体の時価総額も小さいということで、中央の、大型の投資家には投資対象となって
いない部分もありますが、そうした投資家を増やしていきたいというものです。
21頁には、今申し上げた投資家構成を変えていく一つの手段ということでもありますが、
今回は、FTSE EPRA Nareit グローバル・インデックスへの組入れを実現しております。
これは、一定の流動性とか、英文も含めた一定の開示条件なども条件となっており、
そうしたものを実現しながらIndexへの組み入れを今回達成することが出来ております。
こういうことを基に投資家層の拡大を目指していきたいと思っています。
続きまして22頁からはESGに関して3頁に亘って用意しております。
22頁は、ESGに関するサステナビリティの基本方針、或は、マテリアリティに対する
具体的な取り組みを記載しております。又、右側にGRESBリアルエステイト評価に
関する説明、それからメインスポンサーであるタカラレーベングループの取り組み事例、
特にエネルギー事業に関して、或いは、マンション事業が主力の会社ですが、Zero-Energy-
Houseへの取り組みも行っております。
23頁ですが、ESGに関する外部認証、DBJ Green Building認証、或いは、BELSの評価、
こうしたものを継続して増やしていることをご覧頂けると思います。下段には環境への
取り組み、これはコストに直結するところですが、省エネLED化の工事も進めております。
又、右下、ESGのS、社会への取り組みですが、こちらも非常に重要なセクターと思って
おり、テナントへのアンケートの実施、或いは、グリーンリースの導入等テナントとの
コミュニケーションを図っていく、或いは、運用会社の従業員とのコミュニケーションも
図り、満足度も上げていきたいと企図しております。
次の24頁ですが、ESGのG、ガバナンスへの取り組みということで、第8期中の11月に
投資主総会を行いまして、運用報酬の体系を変更しております。投資主との共通化を図ろう
ということで、パフォーマンスに連動する部分の比率を増やすという形で、今回報酬体系を
変更しておりますが、これもガバナンスへの取り組みの一つであると思っています。それと、
TCFD提言への賛同の表明を行っております。又、ESG情報開示の充実ということで英文
も含めて情報開示は充実をさせて行こうというものです。
次の頁からは、2022年8月期(第9期)、2023年2月期(第10期)の運用戦略について
の頁です。
26頁は、第9期と第10期の業績予想についてです。左側は第8期の実績に対して第9期
の予想、右側には第9期の予想に対しての第10期の予想について、主な要因も含めて説明
しております。第8期の実績に対して第9期の予想においては、第8期で物件の売却に
よる譲渡益、或いは、物件譲渡損がありましたが、これらが減ずるということになります。
これに対して当期純利益は、入り繰りがありますが116百万円の減となりますが、分配金
総額としては109百万円の減ということで、2,930円の予想値としております。
又、右側の第10期の予想 既存の物件に関してはNTビル、或いは、博多冷泉町ビルでの
稼働率の低下を保守的に見ているということ、或いは、第9期に対して不動産譲渡益の
剥落などがあり、最終的な当期純利益は286百万円の経常利益減となりますが、内部留保
の154百万円を取り崩し、分配金総額としては132百万円の減に止めて、一口当たり
分配金は2,700円を出していくという予想です。第9期、第10期に関しては、どちらか
というと保守的な予想を立てておりますので、期中の物件取得、或いは、稼働している物件
のパフォーマンス向上と、こうしたことを投資法人、或いは、運用会社として努力
をし、予想値を上回る実績を出していきたいと考えていますが、予想値としてはこの数字を
出しているということでご認識頂ければと思います。
27頁は、第9期に入ったところまだ数ヶ月というところですが取得済み物件と売却した
物件を記載しています。左側に取得済みの物件、川崎の物件で住宅です。譲渡物件ですが、
全体として19億円の物件のうち、持ち分63%を今期に、37%については第8期に譲渡を
しております。これは、分配金の調整というよりは、内部留保に関しての調整ということで
持分を分けて、第8期、第9期に跨って売却をしたということになります。先ほどの売却
のところで50数億円の売却が先行していると申し上げましたが、50数億円のうち14億円
相当が第9期の期初に取得が出来ているということになります。
右下に、物件入替えの継続的検討と記載しております。取得に関してはスポンサーからは
勿論ですが、スポンサー以外からのネットワーク、運用会社の独自のネットワークを活用
して取得を継続して行っていこうということ、譲渡に関しては、先ほどの譲渡の頁にも
ありましたようにリスクのある物件、コストが増大するような物件とか、こうしたものを
中心に、売却に関しても継続して検討していきたいというものです。譲渡に関しては大きな
リスクのある物件と認識していたものは全て譲渡が終わりましたので、今後は大々的と
いうことは無いと思いますが、譲渡に関しては継続的に検討を進めながら実現したいと
思っています。
28頁以降は今後の成長戦略の頁となります。
29頁は外部成長戦略についての説明です。今回は、新規案件の入手状況、具体的に
どれだけの情報量が来ているかを記載しております。2020年、2021年、2022年(1月~
4月13日)の状況ではございますが、傾向として2020年以降継続して情報入手数は
増えて来ております。左下の方にアクイジション検討案件の概算価格合計を記載して
おりますが、これは次の頁に出てきますスポンサーパイプラインの物件、それ以外の運用
会社独自のルートによる物件であります。スポンサーパイプラインの物件は、次の頁に記載
の全てを概算で約420億円という内容のもの、タカラレーベンで作っておりますラグゼナ
シリーズ、或いは、L.Bizシリーズを中心に、それ以外のものもありますが、それらを網羅
しますと約420億円となります。運用会社独自のルートというものは、それ以外の、所謂、
LOIを発行しまして、カウンターのLOIを既に取得しているような案件の合計額です。
これらを合わせますと、都合700億円程が外部成長の候補として俎上に上がってきて
おります。
次の頁が今申し上げました420億円程の物件の内容でして、東京が中心ではありますが、全国各地に広がっており、全部で21物件になります。21件のうち住宅が14件、オフィス
が3件、ホテルが2件、商業施設・その他が2件という内容でして、金額にすると住宅が
200億円超、オフィスが100億円を若干超えてくる、それ以外の80億円、90億円が
ホテル・商業施設等に分類されます。又、エリアに関しては、15件が東京経済圏に所在
しており320億円程、残りの100億円弱が東京経済圏以外に6件、ということになります。
31頁が内部成長戦略についてです。ここでは力を入れたい物件、2物件を記載しています。
ポートフォリオのオフィスの中でも最も大きい大型のNTビルです。6フロアを賃借して
いたキーテナントが、2022年8月末に0.5フロアを残して、5.5フロアを解約することに
なりました。第9期まではその影響は出ないのですが、第10期においてはかなり減ずる
という前提で第10期の収益計画は出しておりますが、これをいち早くリースアップすべく
努力していきたいと思っています。又、右側の博多冷泉町ビル、これは新築のビルで、
売主が、セールスアンドリースバックという形で2022年8月期までは100%稼働ですが、
第10期の想定としては58%の稼働としております。現状マスターリースの賃料単価は、
18,000円というところですが、今決まっているところでは20,000円の区画、18,000円の
区画というところですが、コロナの影響も含めて楽観視は出来ない状況が続いております。
この中で、賃料もそれほど下げずにリースアップも早期に図りたいということで、こちらも
努力をしていきたい案件という位置付けです。第10期の前提としては保守的な想定をして
おりますが、実在にはもう少し上目を狙いたいということです。そしてレントギャップの
解消ですが、コロナ禍のなかで、賃料増額改定がなかなか出来ない状況もありますが、
落ち着いてくる中で、少なくとも第9期から第10期においてはレントギャップがある物件
に関しては解消を図っていきたいと思っています。又、財務戦略ESGに関しては、
リファイナンスリスクの低減化、長期化、分散化によってリスクの低減化は継続して行って
行きます。それから、金利変動リスクへの対応も金利固定化によって図っていく、これも
継続して行うこととしております。- 資金調達手段の多様化ということで、グリーンボンド、
或いは、グリーンローンでの調達も検討に入っております。
続きまして32頁です。分配金の中期目標の進捗状況についてです。
上場来、中長期的な巡航分配金目標は3,500円においておりますが、これに対しては見直し
をしておらず、3,500円を目指していこうということです。足元のところでは、第10期の
予想分配金2,700円、その中の実力の分配金2,400円というところですが、この実力の
巡航分配金、濃いブルーのところ、これの本当の実力となりますが、物件の売却が先行して
資金が手元にまだ余っている状況が続いているということと、先ほどのNTビルとか博多
冷泉町ビルなど保守的な前提の中での2,428円ですが、実力ということでは第10期に実現
できるかどうかは別として、2,900円なり3,000円という実力は変わっていないという認識
をしております。それに対して3,500円の実現化を図っていくことになりますが、内部成長
も当然進めて行き、適切なタイミングで、適切な条件で増資をしながら物件を取得していく
ということで、3,500円の実現を図っていきたいと思っております。一朝一夕にということ
ではありませんが、中期的には子の目標を実現していきたいという考え方です。
次の頁からはAppendixの頁で、34頁、35頁の2頁に亘り個別物件の稼働率を記載して
おります。34頁で若干説明した方が良いと思われますのはオフィスセクターの一番上の
NTビル、92.2%ですが、第10期の収益前提としては56%程度の稼働としております。
住宅のセクターではR-01のアマーレ東海通、35頁にあるR-14のフィオレ・レジデンス
出島海岸通、この2件が90%を割り込んでおりますが、これを90%程度までは第9期、
第10期で伸ばしていきたいと思っています。ホテルセクター、商業セクターは全て100%
稼働で、第9期、第10期も100%稼働を想定しております。ポートフォリオ全体では、
冒頭で申し上げましたように2022年2月末では99%程度ですが、第9期、第10期の収益
予想では、第9期は98%台、第10期は96%台を前提としておりますが、実際にはもう
少し上目を狙っていきたいと思っております。
36頁、37頁は鑑定評価の概要の説明です。右から4番目の欄、期末鑑定評価額がどう変化
したのかという欄をご覧頂くと、NTビルで3億円減となっており、6フロアを使っている
テナントの5.5フロアを返すということになっておりますが、そこの部分に対して安定稼働
に要するのが、鑑定の前提としては3年間と見ているとのこと。又、鑑定は、実際の賃料
水準も若干減と見ているということがあり、こうした数字の動きになっております。
その他、L.Biz仙台、仙台日興ビル、住宅セクターではアマーレ東海通、ドーミー浮間舟渡、
こういう物件に関して期末鑑定評価額が減ずるということになっておりますが、これは、
エンジニアリングレポートの定期的な取り直しを順次行っておりますが、この4物件に
関しては、エンジニアリングレポートを取り直している中で、修繕に関するコストが従前
よりは増えるということが出ており、それが反映されているということです。これらは
収益面の現象ではないということで認識頂きたいと思います。
38頁にバランスシート、貸借対照表を、39頁に損益計算書とキャッシュフローの計算書
を記載しております。40頁からは個別物件の収支状況を記載しております。毎回、下段の
NOI利回りに関して若干説明しておりますが、今回40頁に関しては、NTビルは第7期
では4.06%でしたが、第8期では3.74%となっております。これは、第7期においては
原状回復収入等が多かったのですが、第8期には減じたこともありNOI利回りが若干
下がっております。40頁の一番右にあるサムティ新大阪センタービル、既に売却済みです
が、第7期において4.70%だったものが、第8期には、79日の数字ではありますが、3.27%
に減じております。こちらは長期的にはリースアップして収益は向上していくと見通しを立てていた物件ではありますが、テナントが入っていなくても非常に高い価格で売却が
出来るというマーケットの状況であり、売却したものです。
次の41頁、一番右側のL.Biz仙台、第7期が4.71%の収益性だったものが、第8期は6.11%
と、どちらかというと巡航+αのところに収益が戻ってきている内容です。
次の42頁の長野セントラルビル、山形駅前通ビルは、既に売却をした物件ですが、どちら
も49日間、177日間の運用の数字として、野セントラルビルは3.37%、山形駅前通ビルは
2.71%という低収益、これは第7期において、長野は6.77%、山形駅前は4.21%から更に
減少しております。これらは新大阪センタービルの場合と違って、回復するにはかなりの
長期間を要するであろうと見込んでいた案件でもあり、売却致しました。
43頁ですが、新規で買った案件は固都税効果もあり、巡航の数字より若干上振れをして
いる面はありますが、新規で買った案件も含めて予定通りの数字が実現出来ております。
44頁の物件も同様に、説明を要しない物件が並んでおりますが、一番右のラグゼナ本厚木
のNOI利回りは、第6期は4.02%、第7期が4.68%、第8期は5.74%ということで、商業
施設部分も含めて、稼働が若干低下していたところをきちんと回復をして、それからリース
アップのコスト等も通常の状況に戻って、それなりの収益性を上げているというのが第8期
の状況です。
次の45頁は、殆どが新規の案件でして、固都税効果もあり若干の上振れをしていることも
ありますが、所定の収益性を実現しております。
46頁も同様です。
47頁のホテルの中で、名古屋のホテル、ACCESS by LOISIR HOTEL Nagoyaは、今回
マイナスの0.4%でした。6ヶ月のうち12月のみ若干の収入がありましたが、コストは
6ヶ月間掛かっておりマイナスの収益性ではありましたが、第7期はアップフロントの
コストが掛かり、収入が0(Zero)という状況でありマイナスの3.58%となりましたが、
マイナス3.58%より改善しており、更に第9期、第10期はもっと改善していくだろうと
考えております。
48頁の商業施設に関しては安定的な数字が推移しております。
49頁に関しては、新規の案件も含めて所定の収益を実現しております。ただ、一番右の
ビッグモ-ター鴻巣店に関しては、注釈のところにも書いておりますように、2021年1月
までは店舗がオープン前という中で地代を減額しておりますので、所定の収益性までいっておりませんが、鑑定の割引率で言いますと4.3%という物件であり、第9期以降所定の
収益を実現するものと思っております。
50頁には各種指標、51頁には運用会社の概要、52頁に上場以降投資口価格推移を添付
しております。投資口価格に関しては、コロナの影響を受けてかなり下落致しましたが、
そこから、全体のリート指数の動きと同様に、というところもありますが、一部、指数に
比べて良い方に動いているようなところもあります。これを、更にセクターの中で指数以上
のパフォーマンスを上げていきたいということで、運用に努力をしていきたいと考えて
おります。
今後もタカラレーベン不動産投資法人の更なる投資主様への収益の還元、成長、そういった
ことを図っていきたいと考えておりますので、是非ご指導、ご支援のほどを宜しくお願い
したいと思います。ご清聴ありがとうございました。