ザイマックス・リート投資法人 2024年8月期決算概要

ザイマックス・リート投資法人
2024年8月期(第13期)決算動画説明書
○動画   https://www.net-presentations.com/3488/20241022/4u90ewuw/
○説明資料
https://xymaxreit.co.jp/file/ir_library_term-af79fcae01bff7d76fbd7b08f962b91854b48a0a.pdf
○説明者 株式会社ザイマックス不動産投資顧問 代表取締役社長 深江 秀樹
○説明
ザイマックス・リート投資法人第13期の決算説明をさせて頂きます。
3頁をご覧ください。本投資法人のポートフォリオ データです。第13期末時点のデータに、2024年9月に実施した資産入替の内容を反映しています。物件数は18 物件、資産規模は取得価格ベースで438億円、鑑定評価ベースで561億円、取得価格ベースでのNOI利回りは5.8%、価償却後利回りは5.0%です。

4頁をご覧ください。全体のサマリーです。今期は、当期純利益が830百万円と、予想比、前期比ともに上回り、DPUは3,328円での着地となりました。又、14期に当たる2024年9月に資産入替を実施し、収益性向上を達成したザイマックス三田ビルを売却の上、スポンサーグループが保有・運営する「からくさホテル札幌」の準共有持分を取得しています。保有物件の運営状況ですが、オフィス物件の稼働率は、第13期末で契約稼働率99.4%、経済 稼働率98.5%と高い稼働率を維持しております。商業施設は、100%稼働で安定的に運営しております。ヴィータ聖蹟桜ヶ丘においては、メインテナントの退去を第15期末に当たる2025年8月末に予定しており、第16期以降の収益性向上を目指して具体的な検討に着手しています。仙台のホテルでは、GOP の向上により、賃料収入が前期比107%まで増加しております。

5頁をご覧ください。 2024年9月に実施した資産入替の概要について説明致します。観光需要の拡大に伴う収益成長性の観点から、ホテルアセット、特にスポンサーグループが保有運営する「からくさホテル」を組み入れるタイミングを検討しておりました。同時に、ザイマックス三田ビルについては、テナント入替時のリニューアルを通じて、収益性の向上を一定完了したことから、投資主還元のための売却候補物件と考えておりました。「からくさホテル札幌」の取得にあたっては、資金調達について全額を借り入れとすることや、公募増資、スポンサー宛ての第三者割当増資など、複数のシナリオを検討しておりましたが、この度、スポンサーグループの顧客ネットワークの活用により、ザイマックス三田ビルについて、投資主の皆様へ含み益を還元できる水準で売却することが可能となったことから、ザイマックス三田ビルの売却資金を取得原資とし、当初想定よりも早いタイミングで取得を実現しております。「からくさホテル札幌」は、客室売上連動型の賃料体系で取得しており、今後の更なるインバウンド旅行客の増加により、収益成長が期待可能な物件です。本資産入替の実行により、第14期の分配金向上を実現するほか、巡航機におけるポートフォリオNOIも、約10百万円程度の増加を見込んでいます。

6頁をご覧ください。今回取得しました「からくさホテル札幌」の物件概要です。「からくさホテル札幌」は、札幌市中心部の狸小路商店街に面した、観光客向けの宿泊特化型ホテルです。札幌市における宿泊需要は足元で堅調に推移しており、本ホテルも2023年度において平均客室稼働率94%、年度の平均ADRは17,150円と、エリアトップクラスの実績となっております。又、2023年度のインバウンド比率は73.8%と、同年度の札幌市内延ベ宿泊者数のインバウンド比率23%を、大きく上回っています。インバウンド旅行客の取り込みは、日本人旅行客だけでは低稼働になりがちな、日曜日、月曜日などの宿泊需要の伸長が期待できること、リードタイムが長いことから、稼働が安定し、単価を下げずに客室販売が行いやすくなる等のメリットがあり、ADRの向上に寄与するものと考えられます。

札幌市のインバウンド旅行客の動向についてですが、2023年の札幌市内の延べ宿泊者数は、2019年比で日本人は97.8%まで回復しているのに対し、外国人は71%となっており、東京都、大阪府等の大都市と比較して回復が遅れています。新千歳空港の国際航空便数は、2019年の60%程度の水準にとどまりますが、2024年には増便や就航再開等の動きも出ており、今後のインバウンド旅行客の増加により、更なるADRの伸長が期待できます。

7頁をご覧ください。スポンサーグループの運営する「からくさホテル」の特徴を説明します。「からくさホテル」は、日本のホテルマーケットにおいて増加が見込まれる国内外の観光需要と、それに対応するホテル客室ストックのギャップに着目したホテルで、多種多様な宿泊ニーズに対応可能な客室設計およびオペレーションが特徴です。
又、8頁に示しおります通り、人手不足や設備投資の課題により、客室販売のボトルネックとなっている、清掃・リネン事業をグループで内製化することにより、ホテル客室の高稼働、高品質を実現し、ホテル売上の極大化を目指しています。

次に決算概要と業績予想について説明致します。10頁をご覧ください。営業収益が予想比同水準の1,682百万円、営業利益が予想比32百万円増の935百万円、当期純利益が予想比34百万円増の830百万円となりました。一口当たり分配金は前期比28円増、期初予想比138円増の3,328円での着地となりました。前期との比較では、賃貸事業収入においては、オフィス物件、商業施設の空室埋め戻しやリテナントによる賃料収入増加のほか、ホテルの業績向上に伴いホテル変動賃料が増加しております。第12期の計画工事が少なかった影響で、第13期は修繕費が増加しております。2024年1月のリファイナンスに伴う融資関連コストの剥落の一方で、金利上昇により営業外費用は5百万円ほど増加しております。期初予想との比較では、ホテルの変動賃料が上振れたこと、修繕費を予算対比で抑制できたこと、今期発生しうるコストとして見込んでいた、リーシングコストが来期以降へ期ずれしたことなどにより、増益での着地となっております。

続きまして第14期、15期の業績予想について説明致します。11頁をご覧ください。先ずは、第14期の業績予想について説明致します。営業収益が前期比152百万円増の1,835百万円、営業利益が前期比96百万円増の1,031百万円、当期純利益が前期比83百万円増の913百万円、一口当たり分配金は、第13期比333円増加の3,661円での着地を予想しております。前期との比較で、13期末にテナント退去となったオフィス区画のリーシングにおけるダウンタイムやフリーレント期間により、オフィス賃料収入は減少する見込みです。

ホテルについては、仙台の変動賃料の増加を見込んでいます。三田の不動産売却益として、約154百万円が発生予定です。営業費用については、計画工事等の影響で修繕費の増加を見込む他、火災保険料、リーシングコスト等の影響により増加する見込みです。賃貸事業利益としては、三田、「からくさホテル札幌」の入替効果として、第14期において約12百万円を見込んでいます。その他営業費用において三田の譲渡報酬の発生と、営業外費用において2025年1月のリファイナンスに伴う支払い利息、および融資関連コストの増加を見込んでいます。

続きまして第15期の業績予想について説明致します。営業収益が前期比144百万円減の1,690百万円、営業利益が前期比129百万円減の902百万円、当期純利益が前期比129百万円減の784百万円、一口当たり分配金は、第14期比520円減の3,141円での着地を予想しております。第14期との比較では、オフィス区画のリテナント、賃料発生によるオフィス賃料収入の増加とホテル変動賃料の増加により、第15期の賃貸事業収入は増加を見込んでいます。営業費用に関し、修繕費の減少、「からくさホテル札幌」の公租公課の費用化、リーシングコストの増加等を見込んでいます。その他営業費用においては、投資主総会コストを見込んでいる一方で、三田の譲渡報酬が剥落することから前期比で減少、営業外費用では支払利息の増加と、2022年3月の公募増資時の投資口交付費に関する償却が、第14期末で終了する影響を見込んでいます。
続きまして本投資法人の運営状況および成長戦略について説明致します。

13 頁をご覧ください。オフィス物件の稼働率について、上段のグラフをご覧ください。第13期末時点で、オフィスブ物件の稼働率は、契約稼働率で99.4%、経済稼働率で98.5%となりました。第13期末の契約稼働率における空室部分0.6%は、本投資法人が保有するオフィス物件のうち1区画となり、当該1区画を除いて満床という形で着地をしております。第14期中に解約予定の区画について一定のダウンタイムを想定し、第14期末は稼働率の低下を見込んでおります。第15期においては、今後解約予告が出る可能性も一定考慮し、期中平均の経済稼働率を97.1%で計画しております。以上のように、堅調に高稼働を維持していく見込みです。尚、下段グラフの通り、フリーレント期間については、昨今のマーケットにおいても大きく伸ばすことなく、第13期は3.5ヶ月で着地しております。

14頁をご覧ください。オフィス物件の新規入居と契約更新の状況について説明致します。第13期、第14期における契約更改では、照明器具LED化の提案等を絡めながらテナントにアプローチし、増額での契約更改に成功している区画がございます。又、リテナントにおいては、全テナントとの賃貸借契約において、割安な賃料となっていた区画をマーケット賃料で埋め戻したケースもあり、第13期では、新規契約の4区画において、退去済みテナントとの間の契約対比36.7%での賃料増額を実現しております。下段で今後の更新予定面積を記載しております。オフィス区画のポートフォリオ全体平均では、既存契約賃料単価と想定新規賃料単価はほぼ同額となっております。区画によっては、レントギャップが大きい区画もございますので、今後も契約更改時やリテナント時においては、マーケットを意識しながら各テナントと丁寧に交渉を進めてまいります。

15頁をご覧ください。ホテルビスタ仙台について説明致します。売上と費用の推移について、コロナ禍前から現在までと今後の予想について記載しております。昨今の物価、人件費、水道光熱等の高騰により費用が上昇してきておりますが、ADRアップなどオペレーターの努力もあり、売り上げを向上させることができており、GOPはコロナ前の水準を超え、第13期および第14期の期間において、コロナ前の水準の117%程度と予想しております。今後もGOP の向上策についてオペレーターと継続的にコミュニケーションをとり、GOPの維持・向上に向け、施策の進捗状況のモニタリングを実行していきたいと思います。
続いて商業施設の状況について説明致します。

16頁をご覧下さい。この頁では、ヴィータ聖蹟桜ヶ丘について説明させて頂きます。ヴィータ聖蹟桜ヶ丘のメインテナントである、イオンモールが運営する聖蹟桜ヶ丘オーパが、2025年8月末を以って退店することとなりました。これまでマルチテナント型商業施設については、スポンサーグループが持つ豊富な知見とノウハウを活用して内部成長を実現してきた実績がございますが、本物件におきましても、スポンサーグループの運営ノウハウを活用した施設リニューアルを計画し、収益性の向上を目指していきます。リニューアルの内容は現在鋭意調整中であることから、詳細についてはまだ申し上げられないのですが、地元に根付いている高い認知度を生かしつつ、今の時代にあった要素を盛り込んだ施設に生まれ変わる予定です。次回の決算報告ではもう少し具体的な内容をお伝えできると思います。

18頁をご覧ください。修繕費、資本的支出の状況について纏めております。修繕費は、各物件のエンジニアリングレポートに示された長期修繕費の合計値を目安に、毎期の修繕費用の妥当性を検証しております。修繕費は決算期によって変動がありますが、大きく修繕費が上昇する期はなく、上手くコントロールができております。又、CAPEXは、各決算期の減価償却費を目安に、毎期計画を策定しております。第14期に区分所有の物件において、管理組合で高額な工事を実施する予定があり金額が嵩んでおりますが、既に積み立てている修繕積立金からの支払いとなりますので、新たにキャッシュアウトするものではございません。投資法人が発注する工事の範囲では、一定のコントロールができております。

ESGの観点では、第13期に実施した設備改修工事により、机上計算ではありますが、従前の設備での電気使用料から、年間約14万 kwh の削減が見込まれます。第14期においても、環境負荷低減が期待できる工事を予定しており、専有部については、LED化工事によるリテナント時の入居促進や、リテナント時既存テナントとの賃料改定時における賃料増額等内部成長に貢献する事例もございます。

財務の状況についてご説明いたします。19頁をご覧ください。第13期末の状況に、第14期に実行した、資産入替時に行った新規借り入れを加味した内容となっております。資産入替にあたり、含み益の還元と資産規模の拡大および追加借入を行っておりますが、総資産LTVについては、40.9%と前期と同等の水準を維持するようコントロールしております。又、鑑定LTVは、33%と相対的に低位であり、健全な財部基盤を有しています。第14期にはリファイナンスを予定しており、調達時の金利動向を踏まえ、方針を検討してまいります。20頁をご覧ください。

外部成長の実践と今後の成長戦略についてです。本投資法人の今後の成長戦略における重点取組事項として、資産規模の拡大を進めてまいります。資産規模拡大による効果として、ポートフォリオ分散の進展、コスト吸収力の向上、格付けの向上に加えて、時価総額の拡大による投資口の流動性の向上、投資家の裾野の拡大も見込まれ、中長期的な観点において投資主価値の向上に寄与するものと考えております。直近では、三田、「からくさホテル札幌」の資産入替による資産規模拡大の他、次頁で説明致しますパイプライン物件の積み増しができております。第14期においても様々な施策を検討の上、本投資法人が持つ強みを活用しながら、資産規模の拡大を実行に移してまいりたいと考えております。

21頁をご覧ください。本投資法人のパイプラインについていくつか紹介致します。スポンサーグループの、豊富な不動産マネジメント実績で培った知見と独自の不動産データの分析により、収益安定性や収益成長性の見込まれる物件を厳選の上、パイプラインを約250億円まで積み上げております。新たにパイプラインに加えた東京経済圏オフィスは、スポンサーグループが常駐管理をしている、不動産マネジメント事業における旗艦物件です。テナント粘着性や修繕更新工事の実施状況に代表される特性を把握した物件を、本投資法人のターゲットを上回る利回り確保することができました。

又、「からくさホテル札幌」の残り持分80%についても優先交渉権を取得しております。スポンサーグループが有するダイレクトリレーションを活用した独自のソーシングを継続し、外部成長の実現に向けパイプラインを拡充してまいります。

最後にESGにおける取り組みについて報告致します。23頁をご覧ください。GRESB評価の再取得により、リアルエステート評価3-Starsおよびグリーンスターを維持しております。又、岩本町、新宿御苑において、CASBEE不動産評価認証を再取得した結果、CAPEX工事の実施による省エネルギー性能の向上を背景に、AランクからSランクへとランクアップに成功しました。環境に配慮した物件運営に、今後も努めていきたいと思います。

24頁をご覧ください。環境パフォーマンスについてです。本投資法人が目標としている2030年度までの原単位ベースのエネルギー使用量、およびGHG排出量の削減については、既に再エネ電力等の導入により達成しています。エネルギー使用量の削減においては、オーナー資産のLED化工事および空調更新工事による設備の省エネルギー化が寄与しています。本投資法人では、これまでも設備更新の実施時にエネルギー使用量の削減幅や、エネルギー使用量の減少に伴う水光熱費用の削減額を判断材料として、更新内容の検討を進めてまいりましたが、引き続き環境パフォーマンスの向上も基準に含めて計画的に設備の更新を実施してまいります。
決算説明は以上になります。有難うございました。