イオンリート投資法人 2023年7月期決算概要
イオンリート投資法人
2023年7月期(第21期)決算動画説明書
○動画 https://www.net-presentations.com/3292/20230915/mxaok230/
○説明資料
https://www.aeon-jreit.co.jp/file/ir_library_term-7540eecb9b863b677af3e24efbeebb6ddcfa3ac1.pdf
○説明者 イオンリート投資法人 執行役員 兼
イオン・リートマネジメント株式会社 代表取締役社長 関 延明
○説明
先日公表しました説明資料に沿って説明致します。
5頁をご覧下さい。今期、2023年7月期の一口当たり分配金は、2物件を取得した効果により、前期から67円増加の3,350円で着地をしました。今後の予想分配金は、22期が3,350円、23期が3,335円を見込んでおります。新規取得物件の固都税の費用計上が始まる第23期の予想、3,335円が現在のイオンリートの巡航分配金となります。エンドテナントの稼働率は、今期末時点で約98%、売上高は前年対比で108%を超えて好調に推移しています。又、今期の主なトピックスとしては、記載の通りですので、これらの点については、次のページ以降で詳細を説明させて頂きます。
6頁をご覧下さい。第21期の決算概要となります。一口当たり分配金は、3,350円と予想通りに着地しました。前期対比で、新規取得資産の組み入れ効果により、67円の増配となりました。予想数値および前期実績との差異については、詳細を頁右横に記載をしておりますが、この予想数値との差異を一口当たりの分配金で説明したものが、次の7頁の資料となります。
7頁をご覧下さい。21期は、営業収益面では、為替の影響や保険金受け取りなどがあり、23円上振れしました。営業費用面では計画外の空調機工事などがあり、30円分下振れしましたが、ファンドコストを20円分削減した結果、経常利益および当期純利益ベースで、15円予想を上回ることができました。配当準備積立金の取り崩しは、当初予定の46円から、この15円の上振れ分を控除した31円となり、一口当たり分配金は、当初予想通りの3,350円となりました。点線の枠で囲っている部分ですが、2月に取得したイオンモール和歌山の定期借地権償却費用が確定し、経常利益が8円分上振れしています。このことを反映して、第22期以降の配当準備積立金取り崩し予定額は、38円となります。
8頁をご覧下さい。第22期、23期の業績予想となります。22期の一口当たり分配金は3,350円を見込んでおり、前回予想から変更はありませんが、配当準備積立金の取り崩し予定額は、従前の予想より16百万円少ない80百万円となります。23期の一口当たり分配金は3,335円を見込んでいます。前期と比較し15円減少していますが、こちらは、新規取得物件の固都税費用の計上が始まることによるもので、この3,335円が巡航分配金となります。
9頁をご覧下さい。昨年9月に公表した中期目標の進捗について説明します。最重要目標としている巡航分配金は、公表時点で3,270円でしたが、第23期末予想で3,335円と、3,600円に向けて着実に成長しています。3つの重要目標のうち、資産規模は、4,470億円から4,683億円まで増加しました。財務面では6月に、JCRの長期発行体格付けがAAフラット安定的に格上げされ、目標を達成しました。引き続き格付けの維持向上に努めてまいります。サステナビリティは、GRESBリアルエステート評価において、最高評価である5-Starsを継続しています。MSCI ESG格付けは、現状BBですが、目標でありますシングルAの達成に向けて、積極的な取り組みを進めます。第三者認証取得率は、4-Stars相当以上および3-Stars相当以上、ともに目標で掲げた取得率を達成しました。このように、財務やサステナビリティの外部評価の多くで、掲げた目標を達成しましたが、これらは、日頃からの夫々の取り組みの結果だと考えております。そのため、現状に満足せず高い水準を目指していくことが重要だと考えています。
次のスライドから、具体的なトピックスを紹介します。10頁をご覧下さい。イオングループの総合力を生かした外部成長の考え方について説明します。イオンリートは、グループが運営する中長期にわたって競争力のある物件を厳選して取得し、資産規模の拡大と分配金の成長を実現してきました。この物件取得が成長のドライバーとなりますが、その蓋然性を高めるためにも、パイプラインの確保とサポート契約先の拡充が重要だと考えています。 第21期は、パイプラインの中から2物件を213億円で取得する一方で、新たにパイプラインを200億円分拡充しましたので、23年7月末時点でのパイプライン総額は、2,600億円となっています。又、質の高い物件の情報を、常に得られる仕組みを構築するために、サポート契約先の拡充も行っております。第21期は、ユナイテッドスーパーマーケットホールディングス社と新たなパイプラインサポート契約を締結しました。これにより、パイプラインサポート契約数は13社に増加しました。
11頁をご覧下さい。具体的な取り組み事例を記載していますが、下段にありますUSMH社とのサポート契約についてお話します。USMH社は、首都圏でスーパーマーケットを展開するマルエツ、カスミ、マックスバリュ関東3社の事業会社を傘下に置く持株会社で、連結売上高は約6,900億円、グループ運営店舗数は529 店舗となります。物件を所有し、運営を行っているのは事業会社3社ですが、情報は持ち株会社に集約されますので、そこで流動化ニーズを確認します。イオンリートとしては、これまでとは異なる特性を持つ物件の裾野の拡大が期待できますが、すぐに、中・小型物件を増やすという考えではありません。しかしながら、コロナ禍において、商圏が広いほど売り上げが厳しい傾向にあったため、特性の異なる物件の検討ができる状況を作っておき、多様化に備えることは重要であると考えています。
12頁をご覧下さい。ここではイオンモール太田の増築棟の開発状況について説明します。イオンモール株式会社と昨年7月に開発協定書を締結しました。来年春の竣工、オープンに向けて順調に工事が進んでいます。オープン後は、専門店が約190店舗に拡大する予定で、より中長期にわたって安定した収益の確保と、資産価値の向上が期待できます。開発協定書では、増築と建設の請負契約上の地位および権利義務の譲り受けについて、イオンリートが優先交渉権を保有していますが、現時点で取得を決定してはおりません。又、大規模な開発であるため、増築棟開発に伴い費用が発生する場合は、配当準備積立金の取り崩しなどによる、分配金の平準化も必要になると考えます。いずれにせよ、決定したことがあれば、速やかに公表させて頂きます。
13頁をご覧下さい。今期2物件取得したことにより、手元資金の源泉となる減価償却費は、年間換算ベースで取得前の103億円から109億円に増加する見込みです。スライド下段の表は、50億円を用いて各施策を実行した場合のシミュレーションになります。この手元資金創出力がイオンリートの強みであり、環境に応じて投資主価値の向上につなげることが、より一層重要であると考えています。
14頁をご覧下さい。今期の内部成長事例を説明します。イオン茅ヶ崎中央ショッピングセンターですが、マスターレッシーと協働し、湘南地域最大級のキッズエリアを展開するなど、 地域特性に合わせたリニューアルを行っています。又、ここから徒歩10分圏内にイオングループが運営する「そよら湘南茅ヶ崎」があり、ここも今年リニューアルをし、2つのショッピングセンターのテナント構成を棲み分けることで、地域全体のニーズを捉え、夫々の競争力強化を実現しています。
15頁をご覧下さい。イオンモール盛岡では、隣接する場所に、3月にJRの新駅前潟駅が開業しました。これに備え、1年前から段階的にリニューアルを行っており、約2割の専門店が替わっております。このテナント入れ替えに伴い、イオンリートでは、防火シャッター設置の投資を行い、賃料増額につなげました。
16頁をご覧下さい。次に段階的に活性化工事を継続している、イオン上田ショッピングセンターについて説明します。2020年10月に取得した際に、取得後も継続して賃料増加を伴う活性化投資を行うことを、マスターレッシーと取り決めています。2021年には、外壁塗装工事を実施し、2022年からは大規模リニューアル工事を行っております。第22期中に完工する予定です。内容は記載の通りですが、約9億円投資し、その投資に対する賃料増加率は年間で6.5%となっています。今後もこのような物件競争力を向上させる投資を行い、賃料増額を目指します。
17頁をご覧下さい。財務について説明します。上場来、着実に資産規模を伸ばしていく中、財務諸表を適切にコントロールしてまいりました。LTVは、その時の環境に合わせ、適切な範囲で運営してまいりました。調達期間も長期になるよう努め、その中で調達コストを抑えてまいりました。又、調達先や調達手段の多様化も推進しました。これらの取り組みの結果、安定的なキャッシュフローや財務の健全性が評価され、6月にJCRの長期発行体格付けが、AAフラットに格上げされました。この格上げにより、調達コストの維持改善や、更なる資金調達の多様化を検討し、より安定した調達を目指します。
18頁をご覧下さい。続いてサステナビリティについて説明します。第21期は、7物件において第三者認証を新規取得、又は、再取得致しました。新たに取得した3物件は、全て4-Stars相当以上の評価でした。再取得4物件のうち2 物件は、前回評価よりワンランク上昇し、最高評価を取得しました。評価項目ポイントは物件ごとに異なっていますが、建物の省エネ性や防災性、利用者の利便性や快適性に配慮している点が、高い評価につながっています。結果、中期目標である認証取得率については、4-Stars相当以上が82.5%、3—Stars相当以上が86.8%となり、いずれも中期目標を達成しています。今後も取得率の維持、継続に向け、取り組みを続けてまいります。又、環境の取り組み推進として、空調機のインバーター盤設置工事を実施しました。これまでイオンモール札幌平岡、イオンモール苫小牧において投資を行い、賃料増加も実現しています。特に、イオンモール苫小牧においては、今年の1月から6月の空調機の電気使用量が、前年同期比で49%低減を実現することができました。
19頁をご覧下さい。第21期のポートフォリオ指標になります。含み益は前期から42億円増加の809億円、一口当たりNAVは、1,299円増加の151,071円となりました。引き続き 投資主価値の向上に努めてまいります。
今期のトピックスの説明は以上です。
最後に、巡航分配金目標の達成に向けたイオンリートの強みについて説明します。
20頁をご覧下さい。新型コロナウイルス感染症の影響が確認されてからの約3年間、エンドテナント売上は、その時の感染状況などにより上下はありましたが、一口当たり分配金は、一度も当初予想の分配金を下回ることなく、運用を続けてまいりました。この間、厳しい環境ではありましたが、開示した予想分配金を守るだけでなく、公募増資や手元資金による物件取得を行うことで、分配金を伸ばすなど安定性と成長性を両立させてまいりました。このことが、イオンリートの強みであると考えています。
21頁をご覧下さい。冒頭で、コロナ禍は落ち着き、ビジネス環境は戻ってきていると話をしましたが、決して戻ってきているのではなく、アフターコロナの新しい環境へ変化しているものと考えています。事業環境も同様であります。インフレやエネルギー価格の高騰、市場金利の上昇と、運営を行う上で懸念することがなくなることはありませんが、このような状況は安定性と成長性というイオンリートの強みが生きる局面でもあります。運営コストの増加局面では、資金調達手法を柔軟に見直すとともに、配当準備済立金や利益超過分配 を活用し、分配金の安定性を確保することができます。加えて豊富なパイプラインや手元資金を活用して成長していきたいと考えています。これらを踏まえて、中期目標であります 巡航分配金3,600円の達成を目指したいと思います。
以上、第21期の決算概要および22期、23期の業績予想について説明致しました。
有難うございました。