サンケイリアルエステート投資法人 2023年8月期
サンケイリアルエステート投資法人
2023年8月期(第9期)決算動画説明書
○動画 https://www.net-presentations.com/2972/20231017/m378fkoa/
○説明資料
https://www.s-reit.co.jp/file/ir_library_term-fcb9b6abc3fbe109b08033ecb439994fdfbd70c2.pdf
○説明者 サンケイリアルエステート投資法人 執行役員 兼
株式会社サンケイビル・アセットマネジメント 代表取締役社長 太田 裕一
○説明
2023年8月期決算の概要についてご説明させて頂きます。
3頁をご覧下さい。最初に決算運用ハイライトのアウトラインについて説明致します。第9期(2023年8月期)は予想比減収・増益、DPU一口当たり分配金は、予想比+41円と増加しました。第9期は、DPU安定化施策として、ポートフォリオ・リバランス第1弾を実施致しました。具体には、本年3月にスポンサーサポートにより、築浅2物件を取得しました。1つは、本投資法人初の物流施設であるSANKEILOGI摂津を取得しました。もう1つは、S-GATE赤坂の準共有持分20%を追加取得し、本投資法人は、本物件を100%保有することになりました。又、本年8月にブリーゼタワーの準共有持分の一部を、スポンサーへ譲渡し、売却益によるDPU安定化施策を実施しました。その他、本年6月に、本投資法人のホームページをリニューアルしました。既にご高覧頂いている方もいらっしゃると思いますが、まだの方はご高覧頂けると幸甚です。続きまして、今後の成長戦略につきまして説明致します。予てよりお知らせしていましたリバイバルプランを、今期第10期中、即ち2024年2月末日までに実行します。バイバルプランは、主要3本柱で構成しており、1つ目は大規模なポートフォリオ・リバランスの実施、2つ目は運用ガイドラインの一部変更、即ち、総合型リートへの転換、3つ目はスポンサーである株式会社サンケイビルによる、本投資法人投資口の追加取得を実施します。詳細は、本年10月16日付に公表しました3本のプレスリリース、即ち、リバイバルプラン、並びに国内不動産信託受益店の譲渡、および取得にかかる優先交渉権付与に関するお知らせ、資産運用会社におけるに運用ガイドラインの一部変更、総合型リートへの転換に関するお知らせ、株式会社サンケイビルによる本投資法人 投資口の追加取得に関するお知らせと題するプレスリリース、並びに併せて公表したこれらに関する補足説明資料に記載しておりますので、別途ご高覧頂けると幸甚です。
それでは、決算運用ハイライトの説明に入らせて頂きます。
5頁をご覧下さい。先ず、決算ハイライトですが、第9期営業収益は、2,751百万円、予想 比、前期比とも減収となりましたが、営業費用の減少が寄与し、第9期営業利益は、1,334百万円、予想比1.4%増、前期比7.3%増の増益となりました。この結果、第9期DPUは、予想比+41円、前期比+113円の2,418円となりました。
6頁は 第9期 DPU のサマリーとして、要因分解したグラフを示しております。第9期 DPUの前期比増加は、グラフ内で示している通り、主要テナントの解約を主な要因に、賃料収入は前期比で減少しましたが、当該テナントの明け渡し遅延による、使用損害金の収受が一定程度カバーしました。又、前期第8期に計上した違約金等のその他収入は、第9期に解消したことから前期比で減少しましたが、賃貸事業損益の増加がこれを補いました。 しかしながらこれだけではDPUの低下を免れませんので、DPU安定化施策を実施し、不動産等売却益の計上により、DPUを整えた次第です。
7頁をご覧下さい。第9期実績と前期決算時に発表しました予想との比較につきまして、報告致します。営業収益は、予想比98百万円減の2,751百万円となりましたが、賃貸事業収益は、予想通りの2,586百万円で着地しました。一方 営業費用は、前期比117百万円減の1,416百万円となり、営業利益は予想比18百万円増の1,334百万円となりました。又、営業外費用を予想通りに抑えることができたことから、当期純利益は、予想比19百万円増の119百万円となりました。主な差異要因は、表の右側に示しておりますが、営業収益の減少は、不動産等売却益の予想比減少によるものですが、これは保守的に計上した物件譲渡額を、予想より少額に抑えることができた結果によるものであり、利益率の低下はありません。尚、賃貸事業費用の予想比減少は、外注委託費におけるリーシングフィーの未発生、保守的に計上した水道光熱費が、実際はそこまで至らなかったこと、修繕費における工事の繰り延べ、工事費の削減努力が主な要因となります。
続いて8頁をご覧下さい。第9期実績と前期実績との比較について報告致します。こちらも主な差異要因は、表の右側に示しておりますが、第9期の営業収益は、前期比140百万円ほど減少しました。第9期は、築浅2物件の取得による増収、不動産等売却益による増収もありましたが、ご周知の通り、品川シーサイドTSタワーの減収インパクトが影響しました。一方、営業費用は、前期比231百万円ほど減少しましたが、これは、賃貸事業費用における修繕費の減少が主な要因であり、前期第8期に計上した品川シーサイドTSタワーの原状回復工事費が、第9期に解消されたことによるものです。その結果、営業利益は前期比90百万円ほど増加しました。
9頁をご覧下さい。運用ハイライトについて説明致します。外部成長に関する運用ハイライトです。第9期はスポンサーとの間で、ポートフォリオ・リバランス第1弾を実施しました。先ず、本年3月に、スポンサーサポートによりSANKEILOGI摂津およびS-GATE赤坂の築浅物件を、総額約66億円で取得し、ポートフォリオクオリティを下げずに、オフィスビル投資割合にお緩和を図りました。又、本年8月に、ブリーゼタワーの準共有持分の一部をスポンサーに譲渡したことで、DPUの安定化を図り、オフィスビル投資割合の緩和を進めました。因みに、譲渡益のDPUインパクトは、一口当たり+352円となります。ポートフォリオ・リバランス第1弾を実施した結果、オフィスビルの投資割合は、取得価格ベースで86.6%から82.3%へ引き下げることができました。そして、後段で説明致しますが、今期第10期中、即ち、2024年2月末日までにポートフォリオ・リバランス第2弾を実施する予定です。
10頁をご覧下さい。ホームページは、ESG関連に関する運用ハイライトです。本年 6月に本投資法人のホームページをリニューアルし、投資家の皆様、特に個人投資家の皆様への、分かりやすい情報提供と情報開示の充実を図りました。
それでは今後の業績予想についてお話し致します。11頁および12頁を合わせてご覧下さい。
11頁掲載のグラフは、第10期および第11期の業績予想をDPUベースで要因分解したものです。先ず、第10期(2024年2月期)の予想DPUは、本年4月の予想と変わらず2,050円を見込み、第11期(2024年8月期)は2,113円を見込みます。第10期の予想DPUは、リバイバルプランの構成要素である、大規模なポートフォリオ・リバランスの実施を、一定の想定の元に算出しており、第11期の予想DPUは、現行ポートフォリオの顕在リスクを軽減・解消したニューポートフォリオを前提にしております。大規模なポートフォリオ・リバランスのついては、後段で説明致します。
尚、12頁は、第10期、第11期の業績予想の内訳を示しておりますので別途ご高覧下さい。
それでは、今後の成長戦略、即ち、今時公表しましリバイバルプランについて、そのアウトラインをお話致します。14頁をご覧下さい。本頁は、リバイバルプランの目的や計画骨子を記載しておりますが、リバイバルプランは本投資法人の内部環境や、外部環境を踏まえて策定しており、本投資法人は、スポンサーとの共同により、計画骨子記載の主要3本柱の実行を持って、持続的成長が可能なリートへの復活を目指します。次頁以降、計画骨子の夫々について説明致します。
15頁をご覧下さい。本投資法人は、大規模なポートフォリオ・リバランスを、今期第10期中に実施します。リバランスにおける譲渡候補は、ブリーゼタワーおよび品川シーサイドTSタワーを企図しており、持分の全部をスポンサーへ譲渡します。一方、取得候補は、スポンサーブランディング戦略に基づくホテル3物件、即ち、ホテルインターゲート京都四条新町、ホテルインターゲート金沢、グリッズプレミアムホテル大阪なんばを、スポンサーから取得することを企図としており、譲渡方法および取得方法について本投資法人は、スポンサーとの間で優先交渉権を付与、または取得しております。取引価格等の取引条件は未定でありますが、確定後速やかに公表させて頂き、業績予想の修正があれば合わせて公表致します。又、本日現在、調整中でありますが、掲載物件以外の物件の取得交渉を進めております。こちらも詳細が整い次第、別途公表させて頂きます。詳細は、本年10月16日付け公表のリバイバルプラン、並びに、国内不動産信託受益権の譲渡および取得にかかる優先交渉権付与に関するお知らせをご高覧頂けると幸甚です。尚、取得候補のホテル3物件は、本頁に簡単な物件概要を掲載しておりますので、合わせてご高覧頂けると幸甚です。
それでは17頁をご覧下さい。リバイバルプランの2つ目として、運用ガイドラインの一部変更について説明致します。
本投資法人はこの度、オフィス中心型リートから総合リートへ転換します。主な変更内容は記載の通りですが、市況順化に適応し、アップサイドポテンシャルとダウンサイドプロテクションを具備したポートフォリオを実現すべく、総合型リートへ転換します。具体的には、本投資法人の規約を変更しない範囲で、用途分散と地域分散に関する投資方針を見直しました。
18頁をご覧下さい。先ず、用途分散について、新たな収益機会を的確に捉えることを目的として、従来メインアセットであったオフィスビルへの投資割合の下限を50%まで引き下げ、副次的位置付けにあったサブアセットを、中核的アセット群として最大50%程度まで投資可能とするよう投資方針を変更し、中核的アセット群には、ホテル、物流施設、住居系施設を設定しました。住居系施設には、住宅、学生レジデンス、ヘルスケア施設など、居住等の機能を有する用途としています。又、用途分散の変更に即した地域分散を図る観点から、地域分散における投資対象地域の範囲を拡大しました。詳細は、本年10月16日付公表の資産運用会社における運用ガイドラインの一部変更、総合型リートへの転換に関するお知らせをご高覧頂けると幸甚です。本頁には、運用ガイドラインの一部変更に際し、スポンサーパイプラインをイメージして頂くために、スポンサーのブランディング戦略に基づく都市開発事業として、いくつかの物件を掲載しております。
20頁をご覧下さい。本頁には、近年のスポンサーの主な開発実績および計画を掲載しております。合わせてご覧頂けると幸甚です。本頁は、今期する大規模なポートフォリオ・リバランス実施後の用途分散状況をイメージして頂くために表したものです。左側のパイチャートは、前期第9期に実施したリバランス第1弾後の状況であり、現在の姿です。中央のパイチャートは、今期第10期中に予定する大規模なポートフォリオ・リバランスのうち、譲渡候補2物件を譲渡した後の状況であり、オフィスビルの投資割合は、8割強から7割強に緩和します。そして、右側のパイチャートは、取得候補3物件と、現在調整中の物件を取得した後の姿をイメージしたものであります。
最後にリバイバルプランの構成要素3つ目、スポンサーによる本投資法人の追加取得について報告致します。22頁をご覧下さい。本年10月16日付け本投資法人のスポンサーである株式会社サンケイビルより、本投資法人投資口の追加取得の通知を受けましたので、この場でご報告致します。スポンサーからの通知内容は掲載の通りですが、投資口の取得総数の上限は46,652口、発行済み投資口数の約10%に相当し、現保有口数と合わせますと最大64,131口、発行済み投資口数の約13.7%に至ることになります。 取得期間は、本年10月16日以降2024年2月末日までの間において、スポンサーが決定する日から最長220営業日を予定しているとのことです。尚、取得期間中に投資口価格が、当初設定した上限価格を超えた場合、取得口数が上限に達せず、又は、取得が全く行われない場合があることや、取得口数が上限とする投資口数に至った場合等においては、期間中に終了する場合がある旨、受けておりますご留意ください。又、取得期間において、当該日および期間(買付最終日)は、後日スポンサー所定の決済により決定するとのことです。スポンサーの取得意向は、本投資法人が実行するリバイバルプランに対し、スポンサーとして強固なコミットメントを表明したものであり、スポンサーの本投資法人に対するサポート姿勢を、改めて明確するものと言えます。そして、スポンサーによる一層のセイムボート出資を通じて、本投資法人の投資主の皆様とスポンサーの利益が一致することで、リバイバルプランの着実な実行のみならず、本投資法人の持続的成長に繋がる、スポンサーサポートが期待されると考えております。詳細は、本年10月16日付け公表の、株式会社サンケイビルによる本投資法人の投資口の追加取得に関するお知らせをご高覧頂けると幸甚です。
25頁をご覧下さい。お話し致します。本年8月末時点の稼働率は85.6%、稼働率の推移を示しております。ご周知の通り、品川シーサイドTSタワーリバランスによって改善する見込みです。
それでは、内部成長の実績と戦略についてお話致します。
25頁をご覧下さい。頁左上は、稼働率の推移を示しております。ご周知のとおり、品川シーサイドTSタワーの影響もあり、本年8月末時点の稼働率は、85.6%と低下しております。又、頁右上は、賃料ギャップの推移を示しておりますが、オフィス市況は依然軟調であり、空室率の高止まりが継続する中、マーケット賃料の低下が進み、賃料ギャップは縮小しております。頁下段に示すポートフォリオのオフィスビル平均賃料単価も、現下のオフィスビル市況の影響を幾分受けております。又、実績NOI利回りは、品川シーサイドTSタワーの減収インパクトにより、第8期、第9期と低下しておりますが、今期第10期中に予定する大規模なポートフォリオ・リバランスによって、改善する見込みです。
続きまして26頁をご覧下さい。頁上段掲載のグラフは、オフィスビルテナントの賃貸面積ベースでの賃料改定実績の推移を示しており、頁下段は、件数ベースでの賃料改定実績の内訳を示しております。第9期に締結した賃料改定対象は、10物件30テナント、賃貸面積は、本投資法人の持分考慮後で約10,885坪でした。第9期も現下のオフィス市況に鑑み、テナントの縮小、退去リスクの低減を優先しましたが、増額改定できたテナントが増えてきております。
続きまして27頁をご覧下さい。第9期の内部成長実績につきまして、事例をいくつか掲載しております。先ず、賃料改定事例としまして東京サンケイビルは、縮小・退去リスクのあるテナントには柔軟に対応し、稼働率の維持を優先しております。又、S-GATE赤坂は、主要テナントとのリレーションが奏功し、オフィス市況が軟調の中、条件据置きで定借再契約出来たことから、低下基調にある足元の賃料相場に引きずられない成果を獲得できました。再契約後の契約期間は、対象テナントの意向を受け非開示扱いですが、長期の契約期間です。頁下段にはリースアップの状況事例として、ブリーゼタワーおよび品川シーサイドTSタワーの状況を示しております。ブリーゼタワーのリースアップは早々進んでおりますが、 品川シーサイドTSタワーは、9月末時点、契約締結済み面積ベースで4割強の状況です。
続きまして28頁をご覧下さい。頁左上には、第10期(2024年2月期)および第11期(2024年8月期)の契約更改・更新のボリュームを表しつつ、本年8月末時点の進捗状況を示しております。頁左下は、ご参考までに譲渡候補であるブリーゼタワーおよび品川シーサイドTSタワーを除いたボリュームを表しております。ポートフォリオの想定稼働率は、頁右上掲載の水準を想定しており、業績予想のベースにもなっておりますが、譲渡候補2物件の譲渡を前提としております。第10期以降は、大規模なポートフォリオ・リバランスの実施により、ポートフォリオ稼働率は、第9期の85.6%から大きく改善する見込みですが、テナント退去リスクの低減を当面の基本指針に、賃料ギャップのあるテナントには、賃料増額交渉に臨むことは勿論のこと、ポートフォリオ内は元より、同一ビル内における各テナントとの契約期間の分散化、大口テナントにおける解約予告期間の前倒し、普通借から定借への契約形態の転換やテナント分散化など、本投資法人が掲げる戦略的リーシングの実践を務めてまいります。尚、第10期は東陽パークビルおよび大森パークビルのリーシング活動に注力してまいります。
次に財務戦略です。31頁をご覧下さい。
頁左側上段の財務ハイライトは、本年9月29日時点のものになりますが、第9期(2023年8月期)は、新規2物件の取得によりLTVは一時的に上昇しましたが、今期第10期中に予定する大規模なポートフォリオ・リバランスと合わせ、中期的な視点では、本投資法人が考える巡航水準に整えていきます。又、金利の動向等に応じて、一部変動金利での借り入れを実施致しましたが、安定的な財務基盤を維持・向上する方針に変更はありません。今後も金利の動向等を注視しながら、資金使途や今後の投資法人の状況に応じた借り入れを実施してまいり、返済期限を迎える借入金のリファイナンスは、マチュリティラダーの分散と長期化を旨に、掲載グラフのような取組みを継続し、今後も同様の方針で進めてまいります。
最後に、ESGへの取り組みとしまして、いくつか触れさせて頂きます。
35頁をご覧下さい。ESG関連の運用ハイライトでも触れましたが、本年3月に環境に配慮した物件として、SANKEILOGI摂津、S-GATE赤坂の準共有持分20%を取得しました。又、ESG関連の運用ハイライトでも説明しましたが、本年6月に本投資法人のホームページをリニューアルしました。2023年度のGRESBリアルエステイト評価は、GRESB評価で2-Stars、Green Starの評価を取得しました。尚、運用資産におけるテナント入替時のLED照明化は、記載の通り継続推進しております。本頁は、これまでの取り組みを抜粋・掲載しておりますので、別途ご高覧頂ければ幸甚です。
以上を持ちまして、サンケイリアルエステート投資法人の第9期決算説明を終了致します。この度公表したリバイバルプランの実行により、本投資法人は現行ポートフォリオの顕在リスクを軽減・解消し、ニューポートフォリオの構築を進展させることによって、DPUの安定化と持続的成長が可能なリートへの復活を目指します。
皆様におかれましては、今後の展開を見守って頂きつつ、ご指導、ご鞭撻を頂ければ幸甚でございます。何卒、宜しくお願い申し上げます。本日はご清聴頂き誠に有難うございました。