サンケイリアルエステート投資法人2023年2月期決算概要

サンケイリアルエステート投資法人
2023年2月期(第8期)決算動画説明書
○動画  https://net-presentations.com/2972/20230418/giu3ti2/
○資料  
https://www.s-reit.co.jp/file/ir_library_term-2bd7a0068c3f8bbd0f1c8e33e085d3116b738b58.pdf
○説明者 サンケイリアルエステート投資法人 執行役員 兼
     株式会社サンケイビル・アセットマネジメント 代表取締役社長 太田 裕一
○説明 
サンケイリアルエステート投資法人の、第8期(2023年2月期)決算の概要について説明致します。
3頁をご覧下さい。最初に、決算・運用ハイライトのアウトラインについて説明致します。第8期(2023年2月期)は、予想比増収・増益となりました。第8期は、品川シーサイドTSタワーにおいて、Value-up工事に着手し、本日まで各フロア順次完了しておりますが、本6月に、全てのフロアが完了の予定です。又、今期第9期に入り、DPU一口当たり分配金安定化施策の第一弾として、本円3月にポートフォリオ・リバランスを実施し、新規2物件を取得しました。1つは、本投資法人が保有するS-GATE赤坂の準共有持分20%を追加取得し、これに伴い本投資法人は本物件を100%保有することになります。もう1つは、スポンサーにて開発した物流施設SANKEILOGI摂津を取得し、本投資法人初の物流施設取得となります。更に同じく本年3月に、TCFD提言に賛同を表明しております。続きまして、今後の成長戦略について説明致します。ご承知の通り本投資法人は、減税、ポートフォリオにおいて発生した顕在リスクの解消に向け、鋭意注力しているところであり、投資主の皆様にはご心配をおかけし、誠に申し訳なく思っています。本投資法人としては、かかる顕在リスクが解消されるまでDPU、即ち、一口当たり分配金の、安定化施策を継続してまいります。そして、顕在リスクの解消を目的に、リバイバル・プラン実施へ向け、スポンサーとの協働を含む検討を本格化し、本年10月に予定する第9期の決算発表までに、リバイバル・プランの全容を公表する予定です。投資主の皆様におかれては、今しばらくお待ちいただくと幸甚です。

それでは、決算・運用ハイライトの説明に入ります。
5頁をご覧下さい。先ず、決算ハイライトですが、第8期営業収益は2,891百万円、前期比△4.5%の減収となったものの、予想比+0.9%の増収となりました。又、第8期営業利益は1,243百万円、前期比△23.7%の減益をなったものの、予想比+2.3%の増益となりました。この結果、第8期DPUは、予想比+66円の2,305円となりました。

6頁は第8期のサマリーとして、要因分解したグラフを示しております。第8期DPUの前期比減少はグラフ内で示している通り、品川シーサイドTSタワーの前期一時的要因、即ち解約テナントからの解約一時金収受の解消が主な要因となっています。グラフ内に示す原状回復工事精算金は、品川シーサイドTSタワーにおいて、昨年3月に即時解約された、7フリアに相当するテナント負担の原状回復工事費を、解約テナントとの間で金銭精算したことにより、解約テナントから2,5億円強、一口当たり544円ほどを収受したことにより、表しております。又、グラフ内に示している原状回復工事費は、解約テナントから収受した原状回復工事精算金を基に、所有者サイドで実施した原状回復工事費を、一口当たりで表しておりますが、原状回復工事費は2,4億円弱、一口当たり513円ほどで済んだことから、差し引き一口当たり31円ほど分配金増加に寄与しました。

7頁をご覧下さい。第8期実績と前期決算時に発表した予想との比較+24百万円の2,891百万円、営業費用は予想比△4百万円の1,648百万円、営業利益は予想比+28百万円の1,243百万円となりました。又、営業外費用は予想通りに抑えることができたことから、当期純利益は予想比+30百万円の1,076百万円となりました。主な差異要因は、表の右側に示しておりますが、営業収益の増加は、水道光熱費収入の増加とS-GATE日本橋本町にて期中解約のあったテナントから、約定に基づく違約金の収受をしたことが主な要因です。一方、営業費用の減少は、水道光熱費が予想比増加したものの、修繕費がこれを上回る形で予想比減少したことが主な要因です。
続きまして8頁をご覧下さい。第8期実績と前期実績との比較について報告致します。こちらも主な差異要因は、表の右側に示しておりますが、第8期の営業収益は、前期比△136百万円となりましたが、これは、品川シーサイドTSタワーやブリーゼタワー等における賃料収入の減少や、6頁で触れまし品川シーサイドTSタワーの前期一時的要因、即ち解約テナントからの解約一時金収受の解消が主な要因です。又、賃貸事業費用は、前期比+262百万円ほどとなりましたが、これは修繕費の増加が主な要因であり、6頁で説明しましたように原状回復工事が大半を占めております。

9頁をご覧下さい。次に運用ハイライトについて説明致します。先ず、外部成長に関する運用ハイライトです。本投資法人は、本年3月にポートフォリオ・リバランスを実施し、今後の成長戦略の一環で、スポンサーサポートにより、S-GATE赤坂およびSANKEILOGI摂津の2物件を、総額約66億円で取得しました。これにより、幾分オーバーウエイトにありました、オフィスビル投資比率をリバランスするとともに、ポートフォリオ・クオリティの向上とポートフォリオ収益の安定性に資する物件を取得しました。いずれも、スポンサーブランディング戦略に基づき開発された物件であり、本投資法人の外部成長において、S-GATEシリーズがオフィスビルを構築する主軸アセットであることは勿論のこと、SANKEILOGIシリーズも、既に組み入れているINTERGATE HOTELSシリーズ同様のサブアセットを構築する主軸アセットとなることを期待しております。

次に内部成長に関する運用ハイライトです。10頁をご覧下さい。品川シーサイドTSタワーの契約状況について触れさせて頂きますと、昨年3月末日解約の7フロアは、昨年12月に2フロアが入居済みです。又、本年3月解約の14フロアは、解約テナントによる原状回復工事が遅延し、10フロアにおいて明け渡し遅延が見込まれております。該当フロアの明渡しは5月末の予定と伺っており、解約テナントから使用損害金を収受する予定であり、第9期(2023年8月期)に計上しております。そして、原状回復工事に合わせ、マルチテナント対応を企図したValue-up工事を実施し、オフィスワーカーの快適性向上に資する共用部改修を進めております。本日まで各フロア順次完了しておりますが、本年6月に全てのフロアが完了する予定です。又、これに並行して、本円4月にCASBEE不動産評価認証において、最上位のSランク評価を獲得しました。

最後にESG関連の運用ハイライトです。11頁をご覧下さい。本年3月にTCFD、即ち、気候関連財務情報開示タスクフォース提言への賛同を表明し、TCFDコンソーシアムに加入しました。又、保有資産の一部において、第7期から導入を進めている電動マイクロモビリティのシェリングサービスであるLUUPを、第8期も追加導入しております。

今後の業績予想について説明致します。13頁および14頁を合わせてご覧下さい。13頁掲載のグラフは、第9期、第10期の業績予想を、DPUベースで要因分解したものです。先ず、第9期(2023年8月期)の予想DPUは、去年10月の予想と変わらず2,377円を見込みます。第9期は、品川シーサイドTSタワーの減収インパクトはあるものの、本年3月に実施したポートフォリオ・リバランスにより取得した新規2物件の増収効果、ポートフォリオ含み益を活用した、DPU安定化施策の実施を想定して組み立てており、現時点で決定した事項はありませんが、営業収益に不動産等売却益263百万円、一口当たり563円ほどを計上している点にご留意下さい。尚、付言しますと、今期計上する不動産等売却益は、3月に実施したポートフォリオ・リバランスによる増収効果もあることから、昨年10月公表時点で想定した不動産等売却益570百万円、一口当たり1,220円ほどより抑えております。又、現時点で不動産等売却益の裏付けとなる物件は特定しておらず、予算では、DPUを安定化させるための必要原資として予想DPUを算定しており、品川シーサイドTSタワーのリーシング状況を含む、ポートフォリオ全体の状況によっては、DPU安定化施策のボリュームが変動する可能性があります。次に第10期(2024年2月期)の予想DPUは、2050円と控えめに見込んでおりますが、第9期に引き続き、ポートフォリオ含み益を活用したDPU安定化施策の実施を想定しており、便宜的ではありますが、営業収益に不動産等売却益359百万円、一口当たり206円ほどを計上しております。尚、第10期の予想DPUは、冒頭で触れた今後の成長戦略、スポンサーとの協働を含めたリバイバル・プランを完全に織り込んでいない点にご留意下さい。リバイバル・プランはスポンサーとの間で、頻度ある検討を鋭意詰めており、本年10月に予定している今期第9期の決算発表までに、その全容を公表する予定ですので、今暫くお待ち頂くと幸甚です。

尚、14頁には、第9期、第10期の予想業績の内訳を示しておりますので、別途ご覧下さい。
保有資産の運用実績と運用戦略について説明致します。
17頁をご覧下さい。先ず、外部成長実績です。運用ハイライトでも触れましたが、本年3月ポートフォリオ・リバランスを実施し、築浅、満室稼働の2物件を取得し、幾分オーバーウエイトにあるオフィス比率をリバランスすることで、ポートフォリオ分散の効用を図りました。頁右側の表は、2物件取得に伴うポートフォリオの変化を表しておりますが、平均築年数の低下、ポートフォリオ稼働率の上昇、オフィスビル比率の低下を図っております。

18頁では取得した2物件の概要を記載しております。SANKEILOGI摂津は、スポンサーブランディング戦略に基づき開発された物流施設であり、関西初物件になります。物流施設として、立地環境に優れており、建物スペックも他に劣らぬ競争両区を確保しております。又、S-GATE赤坂は、今次追加取得により、本投資法人が100%保有することになりましたが、その取得価格は、鑑定評価額が上昇する中、2021年9月に追加取得した金額と同額で取得しております。

19頁をご覧下さい。掲載のポートフォリオ・マトリクスは、第3期(2020年8月期)より掲載しておりますが、縦軸にCap-Rate、横軸をエリアにしたバブルチャートで、バブルの大きさは、取得価格の大きさを示しております。本投資法人は、従来同様、ポートフォリオ・マトリクスを俯瞰し、エリアと利回りのバランスを意識した分散投資を、外部成長戦略の基本指針として実線、継続してまいります。尚、本年3月に実施したポートフォリオ・リバランスにより取得した新規2物件は、グラフ内赤色で示しております。本投資法人は、分散投資を推進するにあたり、スポンサー開発案件を中心とするコア投資と、スポンサーの強力なソーシング力を最大活用した分散投資をもって、ポートフォリオの収益性と安定性の両立を目指していきます。

20頁をご覧下さい。スポンサーパイプラインをイメージして貰うために、スポンサーが手掛けている開発物件をいくつか掲載しており、頁右上に掲載するS-LINKS渋谷は、賃貸住宅を主要な用途とする大規模複合施設です。
21頁をご覧下さい。続きまして、内部成長実績について説明致します。頁左上は、稼働率の推移を示しており、本投資法人のポートフォリオは、コロナ禍においても高稼働率を維持しておりましたが、品川シーサイドTSタワーの影響もあり、本年2月末時点の稼働率は、93.4%と低下しております。又、頁右上は、賃料ギャップ推移を示しておりますが、長引くコロナ禍は、オフィス市況に影響を及ぼし、空室率の高止まりが継続する中、マーケット賃料の低下が進み、足元の状況はプラスに転じており、頁下段に示す本投資法人が保有するオフィスビル平均賃料単価も、現下のオフィス市況の影響を幾分受けております。

続きまして22頁をご覧下さい。頁上段に掲載のグラフは、オフィスビルテナントの賃貸面積ベースの、賃料改定実績の推移を示しており、頁下段は、件数ベースでの賃料改定実績の内訳を示しております。第8期に締結した賃料改定対象は、6物件24テナント、賃貸面積は、本投資法人の持ち分考慮後で約2,600坪でした。尚、第8期も現下のオフィス市況に鑑み、テナント退去リスクを増幅させる交渉を控えた結果、維持または減額で着地させておりますが、増額改定できたテナントもあります。

続きまして23頁をご覧下さい。第8期の内部成長実績について、事例をいくつか掲載しています。先ず、リースアップ事例としてブリーゼタワーは、昨年解約となった空室区画で、リースアップが順調に進んでおり、第8期に新規3テナントを成約し、その後も小分割ニーズのテナントを誘致することが進み、第9期末には96.9%の稼働率を見込みます。又、S-GATE日本橋本町では、定借テナントにおいて、期中解約が発生しましたが、館内テナントとの緊密なRelationが功を奏し、館内増床ニーズをキャッチアップした結果、ダウンタイムなくして満室稼働を維持出来ました。尚、期中解約テナントからは、解約違約金を収受しております。次に賃料改定事例として、先ほど触れた増額改定実績1件は、東京サンケイビルであり、現下のオフィス市況ゆえ、交渉に苦労しましたが、従前比6.1%増の成果を獲得出来ました。尚、昨今の電力料金等、水光熱費の上昇について、現状を報告しますと、資源エネルギーの高騰に加え、昨秋の急速なドル高の影響もあり、想定を上回る上昇となっておりますが、電気料金は、テナントへの請求単価に反映することを基本に、個別空調方式のビルでは、上昇分をほぼ吸収し、水光熱費収支は、予想の範囲内に収まっております。又、セントラル空調方式のビルでは、ガス代の高騰、地域冷暖房一部採用ビルでは、ランニングコストが想定を大幅に上回り、水光熱費が予算比大幅増となりましたが、第9期(2023年8月期)以降の予想は、現状の傾向を考慮して作成しております。

24頁をご覧下さい。内部成長戦略について説明を致します。頁左上には第9期(2023年8月期)および第10期(2024年2月期)の契約更改・更新のボリューム表しており、本年3月末日時点の進捗状況を示しております。ポートフォリオの想定稼働率は、頁右上掲載の水準を想定しており、業績予想のベースのもなっております。第9期は、本投資法人の上場来、最も厳しい想定ですが、テナント退去リスクの低減を当面の基本指針に、賃料ギャップのあるテナントには、賃料増額交渉に臨むことは勿論のこと、ポートフォリオ内は元より、同一ビル内における各テナントとの契約期間の分散化、大口テナントにおける解約予告期間の前倒し、普通借から定借への契約形態の転換や、テナント分散化など、本投資法人が掲げる戦略的リーシングの実践を努めてまいります。又、目下、重点注目物件である品川シーサイドTSタワーのリーシング施策は、前期に掲げた4つの主要施策、即ち、ターゲット企業の拡充、リーシング活動の効率化とスピードアップ、リーシング営業の総力展開、マーケットに介在する賃貸仲介会社への継続アプローチに加え、Value-up工事の訴求を持って検討候補企業を逃さない取組みを進め、共有持分を有するスポンサー共々、一体となって取り組んでまいる所存です。

次に財務戦略です。27頁をご覧下さい。頁左側上段の財務ハイライトは、本年3月30日時点のものになりますが、新規2物件の取得により、長期負債比率および固定金利比率は、前期に比べ幾分低下しており、LTVは一時的に上昇していますが、今後予定しているリバイバル・プランと併せ、中期的な視点では、本投資法人が考える巡航水準に整えています。又、金利の動向等に応じて、一部変動金利での借り入れを実施しますが、安定的な財務基盤を維持・向上させる方針に変更はありません。
28頁をご覧下さい。今後も金利の動向等を注視しながら、資金使途や今後の投資法人の状況に応じた借入れを実施し、返済期限を迎える借入金のリファイナンスは、マチュリティラダーの分散と長期化を旨に、掲載グラフのような取組みを継続し、今後も同様の方針で進めてまいります。

最後にESGへの取組みとして、いくつか触れさせて頂きます。31頁をご覧下さい。ESG関連の運用ハイライトでも触れましたが、本年3月に、TCFD提言への賛同を表明しており、これに合わせ、運用会社である当社において、気候変動・レジリエンスポリシーを制定しました。又、品川シーサイドTSタワーにおいて、本年4月に、CASBEE不動産評価認証にて最上位のSランク評価を取得しました。電動マイクロモビリティのシェアリングサービス「LUUP」の導入は、累計4物件となっており、設置スペースの確保やサービスエリアの拡大にもよりますが、導入環境が整えば可能な限り導入してまいります。又、保有資産において、テナント入替時にLED照明化を随時推進しており、第8期はブリーゼタワーで実施、今期第9期は東陽パークビルで実施を予定しております。今後の取組みは、第8期から準備を進めておりますが、ESG関連情報の開示を含め、本投資法人のHPをリニューアルし、本年6月にお披露目できればと考えております。又、保有資産の環境認証取得を推進しつつ、EV充電設備の導入も検討してまいります。
32頁では、これまでの取組みを抜粋掲載しておりますが、ガバナンス関連において、遅まきながら本年3月に、運用尾会社である当社にて、フィデュシャリー・デューティ・ポリシー(お客様本位の業務運営に関する方針)を採択し、取組み状況を含め、運用会社のHPに掲載しておりますので、別途ご高覧頂ければ幸甚です。
以上を持ちましてサンケイリアルエステート投資法人の第8期の決算説明を終了させて頂きます。
今後の成長戦略で予告させて頂いた、スポンサーとの協働を含めたリバイバル・プランについては、公表までお時間を頂きますが、皆様におかれましては今後の展開を見舞って頂きつつ、引き続きのご指導、ご鞭撻を賜りましたら幸甚です。何卒宜しくお願い申し上げます。本日は、ご清聴頂き、誠に有難うございました。