【Twitterまとめ】ブラックストーンの超巨大不動産ファンドが資金返還を制限に

Bloombergの記事によると、世界最大のプライベートエクイティ会社ブラックストーンが運用する、総資産1250億円ドル、純資産総額690億ドル(約10兆円)の超巨大不動産ファンド(個人が投資可能な不動産ファンドでは当然世界一)が解約制限を発表したとのことです。ファンドの純資産に対し月次で2%、四半期で5%を超えると解約制限を発動できる仕組みです。

内外のメディア各社も一斉に報道しております。

解約制限の70%はアジアの投資家のようで、そのうち解約できた金額は4割の模様。こういうのは基本的にプロラタなので、解約制限は来月以降に持ち越されますが、もしも解約が増加すると月次の解約金額はさらに減るかもしれません。

世界最大のPE会社ブラックストーンでもこのニュースの影響は大きく株価は7%安に。

報道対象となったBlackstone real estate income trustはこちらで。トップページには輝かしい数字が並んでいます。3年間の平均リターンは+15.5%!!!

早速なのかたまたまなのか、Blackstoneは共有していたラスベガスのホテルをパートナーであるカジノリート最大手VICIに売却し、$1.3bnのキャッシュを捻出。不動産価格ベースだとU$4.3bn(6000億円弱!)。アメリカのダイナミクスは本当にすごい。

なんでピリピリしているかと言うと政権交代で大混乱したUKは不動産ファンドの解約制限が先行しており、不動産の価格も米国に先行して始まっているのです。

この解約ラッシュが一時的なものなのかどうかはまだ何とも言えません。しかし思い返されるのは2016年のBREXIT。この時、UKの不動産ファンドはパニック状態になり、次々と解約制限が発動。一時は解約の場合のディスカウント率が10%なんてルールが発動し、投資家は混乱局面で損してまで解約するか、耐え忍ぶかを迫られました。この時に落ち込んだUKの不動産マーケットが本格的に回復したのは2021年。オフィスと物流は5年間、賃料低下に喘ぐ破目になりました。

Blackrockですらコントロールできず解約チャージを設定しました(下記Twitterは解約チャージを低下させたときのもの)。

リーマンショック以降、米国のREITは健在なバランスシートを目指し、開発案件も抑制してました。そんなREITを尻目に規模を急拡大したのがアメリカの不動産ファンド。それなのに今年のパフォーマンスはREITが年初から25%下げて、不動産ファンドは+5%~+10%。歴史的にREITは不動産ファンドに先行するのでこれ自体は違和感ありませんが、超巨大になった不動産ファンドが本格的な調整局面をどう凌ぐのか。株も債券も下落してて不動産のエクスポージャーは増えすぎている話もあり目が離せません。

でもさすがにエクシアと一緒にするのは失礼かな…