阪急阪神リート投資法人 2023年11月期決算概要

阪急阪神リート投資法人
2023年11月期(第37期)決算動画説明書
○動画  https://www.net-presentations.com/8977/20240124/bxjhfes8w6e3/
○説明資料
https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS80165/955b7ea5/8118/45b5/b8a7/1aeadad685f3/140120240123518254.pdf
○説明者 阪急阪神リート投資法人 執行役員 兼
     阪急阪神リート投信株式会社 代表取締役社長 白木 義章
○説明 
今回のトップページは、大阪市福島区に立地する複合施設である「ラグザ大阪」です。日本国内の人流の回復やアジアを中心としたインバウンドのお客様の増加により、「ラグザ大阪」に入居しているホテル阪神大阪も、コロナ禍前の状況に戻りつつあります。一方、コロナ禍により働き方や暮らし方といった価値観、消費動向に「不可逆的な変化」も生じています。本投資法人は、このような変化への対応を推し進め、スポンサーグループの長期ビジョンも背景に、ポストコロナ期を見据えた成長を続けてまいります。
それでは説明に入ります。

4頁をご覧ください。外部成長面では、2024年3月、第38期に「ホームセンターコーナン堺高須店の敷地」を取得する旨を公表いたしました。本物件は、コロナ禍でも安定的に推移した地域密着型商業施設の敷地で、借入余力を活用して取得することで、分配金水準の向上を図ります。内部成長面では、都市型商業施設やホテルの売上向上に伴い、変動賃料が増加しました。又、商業施設のリニューアルにおいてはその効果が発現しています。第37期末の平均NOI利回りは、前期と同じく4.6%、平均償却後利回りも前期と同じく3.5%となりました。サステナビリティ面では、重要課題に対するKPI、即ち、評価指標を新たに設定し、その達成を通じてESG課題への対応を深化させていきます。

財務面では、2024年11月のリファイナンスにおいて、シンジケートローンの組成や固定化スワップの実施により、調達先の拡充と金利変動へのリスクヘッジを図りました。このような取り組みにより、借入コストの抑制と安定的な財務運営を実現しました。LTVは40.2%と健全な水準を維持しています。第37期の一口当たり分配金は、各種成長戦略の実現により上振れて着地し、予想比で4.3%の増加となりました。一時的な要因を除いた第、38期以降の巡航ベースの一口当たり分配金も、着実に伸長すると予想しています。

5頁をご覧ください。第37期の決算について説明いたします。第37期実績は、営業収益が5,899百万円、営業利益が2,456百万円、当期純利益が2,124百万円となりました。2023年7月19日に公表した予想分配金からの主な増減要因としては、先ず収入面では、人流の本格的な回復やインバウンド需要により、都市型商業施設やホテルの変動賃料が上振れしました。費用面では、修繕費の減少や水道光熱費収支の改善に加え、一時的な要因であるものの、リーシング費用などが未発生となった結果、予想金額から126円増額し3,056円となりました。

6頁をご覧ください。こちらには第38期と第39期の業績予想の概要を記載しています。第38期の分配金については3,030円、第39期の分配金については3,040円と予想しております。上の表はアセットタイプ毎の業績予想の前提を示しており、消費回復やインバウンド需要の拡大により、都市型商業施設においては、テナント売上が上昇基調、ホテルについては稼働率、ADRとも高水準を維持すると想定しています。地域密着型商業施設においては、2024年3月に取得する「ホームセンターコーナン堺高須店の敷地」が収益に寄与するほか、「デュー阪急山田」のリニューアルによる増収も想定しており、引き続き安定的に分配金を下支えしてくれるものと考えます。オフィスについては、オフィス回帰の状況に合わせたリーシング活動の継続強化を想定しています。

7頁をご覧ください。こちらには、予想期である第38期、第39期の分配金の前期からの変動要因を記載しています。第38期の収入面では、「ホームセンターコーナン堺高須店の敷地」取得による効果に加え、都市型商業施設やホテルにおける変動賃料の増加や、オフィスにおける「阪急電鉄本社ビル」の賃料増額改定の効果が発現します。一方、費用面では、修繕費の大幅な増加を見込んでいますが、これは競争力の維持や予防保全の観点から計画的に取り組んでいるものです。尚、「デュー阪急山田」のリニューアルに伴うダウンタイム影響については、内部留保の一部を充当することで、巡航ベース分配金である3,030円を維持する計画としています。第39期の収入面では、リニューアル効果や物件取得の効果を見込む一方、オフィスにおいては「汐留イーストサイドビル」におけるテナント退去影響を一定程度見込むため、第39期の分配金は、第38期より10円多い3,040円を予想しています。

8頁から11頁には今後の分配金向上施策について記載しています。
8頁をご覧ください。こちらには、ポストコロナ期における環境認識について記載しています。ポストコロナ期に入り、人流の回復やインバウンド需要の再拡大を背景に、都市型商業施設では変動賃料が復活するなど、コロナ禍前の水準に戻ってきています。一方で働き方や暮らし方といった価値観、消費動向に「不可逆的な変化」が生じています。テレワーク利用率は、ポストコロナ期でも20%程度あり、コロナ禍前の状況に戻るとは考えられません。そのためオフィスでは、ワークプレイスの多様化に伴うオフィスの分散、小型化が継続しています。

9頁をご覧ください。こちらでは梅田、関西エリアにフォーカスした環境変化と、その影響想定について記載しています。上段に記載のとおり、関西圏では大阪関西万博に代表されるようなイベントや、都市開発、交通インフラの整備などのプロジェクトが着々と進められています。これにポストコロナ期の人流の回復や、インバウンドの回復が相俟って、関西圏の経済はより活性化していくものと考えます。これらにより、ホテルや都市型商業施設では利用客の増加に伴い、売上もコロナ禍前水準まで早期に回復し、様々なイベントの影響が発現すれば更なる上積みが期待されると見ています。又、オフィスにおいても、新規供給はあるものの、築古ビルの滅失などもあり、空室率は極端に悪化しないと見ています。

10頁をご覧ください。こちらにはそのような環境変化を踏まえた本投資法人の今後の取り組みについて記載しています。先ず、足元の取り組みとして、外部成長面では第36期と第38期に借入余力を活用し、3物件を取得しました。内部成長面ではホテルや商業施設の売上伸長により変動賃料が発生し、各施設のリニューアルも順調に進展しています。これらの施策により、予想分配金水準は前回公表時の2,930円から3,030円と100円増加し、3,030円程度を巡航ベースと考えています。次に今後の取り組みですが、外部成長面では、基本方針は維持しながら、投資エリアの拡大や投資対象アセットの拡大も積極的に検討していきます。内部成長面では、商業施設においては、新たな消費動向を見据えた戦略的なリニューアルを継続します。オフィスにおいては、テナントニーズに対応したリーシング活動を推進します。これらの取り組みを通じて分配金3,100円水準の早期達成を目指します。

11頁をご覧ください。こちらにはより具体的な取り組みを記載しています。外部成長面では「不可逆的な変化」にも対応するアセットタイプとして、従来から重点を置いている地域密着型商業施設、優良立地の都市型商業施設に加えて、ワークプレイスの多様化を踏まえた、高品質の中小型オフィスやe-Commerceの発達を踏まえた物流施設を新たな対象として検討を進めています。内部成長面では、人流の回復やインバウンド需要を取り込み、売上が増加基調の都市型商業施設やホテルにおいては、ポストコロナ期における行動変容に合わせたリニューアルやサービスの提供を引き続き検討していきます。オフィスにおいては各物件の立地、特性に合わせたリーシング活動を推進していきます。これら外部成長、内部成長の取り組みによる分配金への影響はそれぞれ記載のとおりです。社会の行動変容など不可逆的な変化が生じるなか、これらの施策の積み上げにより、更なる成長路線への回帰を図ります。

12頁をご覧ください。こちらには取得を公表した「ホームセンターコーナン堺高須店」の敷地について記載しております。本物件の立地する堺市は、難波や梅田のベッドタウンとして人気のエリアで、本物件の至近には幹線道路もあることから、自動車でのアクセスも良好な地域密着型商業施設の敷地です。又、本物件は生活必需品を扱うテナントで構成されており、周辺のマーケットにおいて一定の競争力を有していると考えます。

16頁をご覧ください。こちらには、スポンサーグループが取組む3つの大型開発事業について記載しています。地図の中ほどの「梅田1丁目1番地計画」は2022年4月の「大阪梅田ツインタワーズ・サウス」のグランドオープンにより無事竣工いたしました。又、地図上の緑のエリアでは、「グラングリーン大阪」と名称が決定した「うめきた2期地区開発事業」のエリアが広がります。このエリア地下にはJR大阪駅うめきたホームが新設され、大阪梅田エリアと関西国際空港が直接結ばれました。

グラングリーン大阪ではタワーマンション「グラングリーン大阪THE NORTH RESIDENCE」が2024年2月から発売されますが、既に人気を博しています。2024年度下期には、南街区に「ホテル阪急グランレスパイア大阪」の開業が予定されており、2027年度の全体街開きに向け、着々と開発が進んでいます。また「芝田1丁目計画」では、阪急大阪梅田駅周辺のバリューアップが予定されています。これらの大型開発事業をはじめ、スポンサーグループは、「大阪梅田エリアに保有する資産のリノベーションを連続的に行うことで都市空間の魅力を向上させる」としており、本投資法人も、共生戦略のなかで一定の役割を果たしていけるのではないかと考えます。

17頁と18頁には、関西圏および首都圏でのスポンサーグループの開発状況を記載していますので、後ほどご参照ください
23頁にお進みください。こちらには商業施設のトピックスを記載しています。「デュー阪急山田」においては、施設の立地や顧客層の特性を活かし、「日常使いの館」としての競争力向上のためのリニューアル工事が2024年4月に完了します。又、梅田のランドマークである「HEPファイブ」においては、2023年9月に飲食フロアの全面リニューアルが完了し、以後飲食売上は前年同月比約140パーセントで推移しています。「北野阪急ビル」では、複数のテナントでコロナ禍前の水準に売上が回復するなか、飲食フロア2階の空き区画に居酒屋チェーン店を誘致するなど、空室解消と賃料収入安定化へ向けリニューアルを検討しています。

24頁をご覧ください。こちらにはホテルのトピックスを記載しています。本投資法人が保有しているグループ直営ホテルである、「ホテル阪神大阪」と「新阪急ホテルアネックス」については、左下の図の通り、固定賃料と売上状況に応じた変動賃料とで構成されています。第35期には固定賃料のみの発生でしたが、第36期以降、国内外の観光やビジネス需要の回復により、稼働率、ADRが上昇し、変動賃料発生水準を上回りました。予想期である第38期、第39期においても緩やかな回復を見込んでいます。

25頁をご覧ください。こちらにはオフィスのトピックスを記載しています。「阪急電鉄本社ビル」では第38期以降64円の分配金増額効果が発現します。「上六Fビルディング」では、第36期にリーシングが進み100%稼働に戻しましたが、2024年3月末に1区画の解約が予定されており、第38期の稼働率は97.1%を想定しています。又、「芝浦ルネサイトタワー」においては、テナントニーズに応じた区画分割を含めたリーシングをおこなった結果、稼働率が7ポイント上昇し98.7%まで埋め戻しています。「汐留イーストサイドビル」については、周辺エリアの市況が弱含みであることからダウンタイムが長期化していますが、居ぬきでの入居など柔軟な対応による後継テナントの誘致など、徐々に結果も出つつあります。第38期の稼働率は88.9%を想定していますが、今後もテナントニーズに応じたリーシング活動により埋め戻しを目指します。

次に財務の状況をご説明します。28頁にお進みください。2023年11月のリファイナンス69億円については、シンジケートローンを組成し、地域金融機関を中心に新たに15行を招聘しました。各参加行と入念に対話することで調達先のすそ野の拡大と調達期間の長期化を実現しました。又、借入コストとのバランスを取りながら、変動金利の一部に固定化スワップを実施し、金利変動リスクをコントロールしました。その結果、第37期末の長期比率は100%、固定比率は89.9%となり、財務の長期安定性を維持しています。又、平均借入コストは、第36期から0.04ポイント上昇の0.75%、平均残存年数は第36期よりも0.2年長い5.2年となりました。

32頁にお進みください。こちらには鑑定評価額の推移を記載しています。第37期末の含み益は353億円となりました、キャップレートは前期から変わらず、鑑定評価額は約14億円増加しています。

保有物件ごとの鑑定評価額一覧は、33頁と34頁に記載しておりますので、後ほど参照ください。
36頁にお進みください。36頁から39頁には、サステナビリティへの取り組みを記載しています。本投資法人では、2018年11月にサステナビリティ方針を制定し、環境、社会、ガバナンスの各方面での取り組みを進めています。第35期には重要課題(マテリアリティ)を特定し、第37期は、新たにKPIを設定いたしました。これからは、各種KPIの達成を通じてESG課題に対応していき、投資主価値向上に努めて参ります。

37頁をご覧ください。37頁には保有物件における環境面への取組みを記載しています。2023年GRESBリアルエステイト評価では2-Starsとなり、5年連続でグリーンスター、開示面では最上位のAレベル評価を取得しています。グリーン認証の物件としては、環境認証物件の割合が60%となっています。修繕、更新投資の面での環境パフォーマンス向上の事例として、右下に各物件での取組みを記載していますので後ほどご参照ください。
38頁をご覧ください。こちらには社会面の取組みを記載しています。ポストコロナ期においても安心安全の確保とともに、地域コミュニティやテナントとのつながりを進めています。又、運用会社においては、引き続き健康経営や働き方改革を推進すると共に、役職員一人ひとりが多様な個性や能力を最大限に発揮できる職場環境づくりに努めてまいります。

39頁をご覧ください。こちらには運用会社のリスクモニタリングを含めたガバナンス面での取り組みを記載しています。左上に記載のとおり定期的なコンプライアンス研修を行い、この研修にはグループ会社の役職員も参加することで、グループ全体でのコンプライアンス意識を高めています。本投資法人では、これまでもサステナビリティへの取組みを進めていますが、今後も中期方針のひとつに掲げ、スポンサーグループとも連携しながら更なる取組みを進めてまいります。
41頁以降には決算の概要を記載しております。こちらは後ほどご覧ください。
私からのご説明は以上です。
ご視聴、有難うございました。