いちごオフィスリート投資法人 2022年4月期決算概要

いちごオフィスリート投資法人
2022年4月期(第33期)決算説明動画配信説明書および質疑応答
動画  
https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/ichigo-o-s3/IchigoOffice_Earningscall_202204_JPN.mp4
資料 
https://www.ichigo-office.co.jp/ir/news/p_news_file/file/IchigoOffice_20220614_Corporate_Presentation_JPN.pdf
説明者  いちご投資顧問株式会社 代表取締役執行役員 岩井 裕志
                 執行役員 オフィスリート本部長 長嶺 法男 
説明
決算説明を始めます。先ず8頁をご覧下さい。決算のハイライトです。
外部成長ですが、今回ブリッジファンドの出資という形で、スポンサーサポートを活用して
物件取得の優先権を取得しました。これによって期中の配当の他に、将来の成長としての
物件取得の優先交渉権を取得したことになります。更に資産譲渡、こちらは2月にいちご
赤坂五丁目ビルを譲渡しました。譲渡価格は17.2億円です。こちらは簿価が7.2億円で、
簿価に対して2.3倍、鑑定評価額の1.9倍での売却となり、含み益を大きく上回る売却と
なりました。本譲渡によって得られた資金は、成長投資に活用することとしております。
内部成長ですが、期末稼働率を伸ばすことが出来ず94.7%となりました。NOIについては期初予想比66百万円増となり、プラス1.2%と予想よりも伸ばすことが出来ました。更に、
ESGですが、2022年4月において、区分所有および共有物件等を除く全74物件で、電力
の再生可能エネルギー由来電力への切替えが完了しております。更に、環境認証については、
新たに、4物件で追加取得をしております。一口当たり分配金が2,508円となり、前期比
14.8%、期初予想比から21.0%、更に、いちご赤坂五丁目ビル売却の際に出しました修正
予想比から0.3%のプラスとなりました。尚、物件売却の元本は、成長投資に活用させて
頂き、売却益については、全額投資主に還元しております。NAVについては、95,053円ということで、前期比からプラス2.3%となりました。こちらは、各鑑定会社様で各エリアの
CAP-Rateの見直しがあり、Rateの低下があり評価額が上がっているという状況です。
続いて9頁をご覧下さい。決算の内訳です。営業収益が8,675百万円で、期初予想比では
プラス10億円となりました。主な差異要因は右のコメントにありますが、不動産売却益の
増加が940百万円、不動産賃貸事業収益もプラス66百万円となっております。大きく増加
したところは、原状回復費収入、水道光熱費収入というところです。営業収益については、
4,436百万円となり、期初予想比プラス66百万円となっております。不動産賃貸事業費用
については、ほぼ想定通りですが、プラス4百万円となりました。一番大きいのが水道光熱
費の71百万円です。ただ、期初に予想していた仲介手数料ですが、こちらは使用され
なかったということで、事業費用はプラス4百万円で収まっております。営業費用で一番
大きいのが販管費ですが、こちらは物件売却に伴うコストということで、その結果、当期
純利益は3,690百万円となり期初予想比でプラス66百万円、DPUについては2,508円と
なりました。
続きまして10頁の財務指標の推移です。主にデットの推移について説明致します。総資産
LTVは48.8%と前期に比べて若干の減となっております。平均借入金利は0.79%と、期を
追うごとにしっかりと低減が図れております。平均借入期間は6.9年で、前期と変わらない
数字となっております。金利固定化比率は91.3%で、前期と同じ水準を維持できている状況
です。
11頁をご覧下さい。テナント入退去の推移ですが、こちらのグラフは直近9期、4年半の
実績と2022年10月期の見込みです。入居面積、退去面積ともに、直近9期の平均を点線
で示しておりますが、退去の方が若干多いという状況です。2022年4月期については、
入居、退去とも平均以上の結果でした。入居については平均とほぼ変わらない状況でしたが、
退去については、マーケットの空室率が上昇しており、テナントは移動しやすい状況にあり、
平均を上回る退去をなっております。ただ、移転理由を見ますと、新規契約については、
拡張とか立地改善、新規開店など積極的な移転理由が7割以上、退去理由については、
コスト削減、統合などの理由が7割弱、ただ、退去理由の一部、2割弱のお客様については
拡張、立地などのポジティブな理由が多かったようで、こうした積極的な理由捉えることで、
今後の稼働率の上昇に繋げていけるのではないかと思っています。
次の12頁はいちごオフィスの稼働率、平均賃料単価の推移です。マーケットの稼働率は
下がって来ておりますが、いちごオフィスの稼働率も低下傾向にある状況です。参考として
フリーレントの記載もありますが、私共は比較的短い期間のフリーレントでリスタート
出来ていたのですが、足元の物件では、他社の物件のフリーレントに比べて、やや拡大して
いるという状況です。一方で賃料単価については上昇しております。テナント入替えに
よって賃料ギャプを埋めることが出来、賃料単価については上昇に繋げることが出来て
いるという状況です。
続きまして、13頁をご覧下さい。既存テナントの賃料改定の状況です。増額改定は11件、
平均増額率は5.9%でした。今回、減額は、地方のテナント様の解約引留めのために、1件
の減額要請に対応しております。2022年10月期については増額もありますが、渋谷の
テナント様の、解約回避のために減額要請に応じたもので、この1件が確定しております。
次に、14頁は新規成約における賃料増額についてです。今回、新規契約による増額入替は
50%以上でした。平均増額率が21.5%ということで、テナント入替えにより大幅な増額改定が達成出来ております。今回、減額も12件ありますが、これは、前テナントが少し高い
水準にあった渋谷などで減額による入居となりましたが、平均するとプラスになっており
ます。
続きまして15頁、資産譲渡です。いちご赤坂五丁目ビルの譲渡を行いました。譲渡益は
9.4億円で、全額投資主に分配をさせて頂きました。こちらは、冒頭のハイライトでも申し
上げましたように、簿価に対して2.3倍、鑑定価格に対して1.9倍、利回りで言うと2%
程度であり、売却の計画はなかったのですが、長期で保有するよりも、売却をして利益を
確定させ、その資金を新たな投資に活用する方が良いと判断し、譲渡を決定しました。
続きまして16頁、ブリッジファンドです。今回、スポンサーサポートを活用し、外部成長
機会の創出を行ったということになります。ブリッジファンドへの出資を行い、4物件、
125億円に対しての優先交渉権を取得しました。物件については、福岡で3物件、東京都
千代田区で1物件です。
続いて17頁を参照願います。いちごオフィスにおける環境への取組みです。①は、低酸素
社会の実現に向けた取組みです。こちらも、冒頭のハイライトでも申し上げましたが、区分
所有物件および共有物件等を除く74物件において、電力需給契約の再生可能エネルギーへ
の切替えが完了致しました。これによってCO2排出量は年間21,345トン減少、削減率は
96.5%になります。
続いて18頁、環境への取組み②として、環境への取組みに対する評価です。CASBEE
認証の取得については、いちご神宮前ビル、いちご東五反田ビルが新たに取得しまして、
現在11物件が本認証を取得しております。更に、東京都の中小低酸素モデルビルという
ことで、いちご大森ビル、いちご大塚ビルで取得し、5物件が本認証を取得しております。
今回、新たに取得したことにより、環境取得物件は全部で19物件、賃貸可能面積の約1/3
になっております。今後も環境認証の取得を進めていきたいと思っており、この割合を
増やしていきたいと考えております。更に、大阪市による「ごみ減量優良建築物」の表彰を
いちご堺筋本町ビルにて受賞しております。
続いて20頁をご覧下さい。今後の成長戦略向けての説明です。アフターコロナにおける
いちごオフィスの成長戦略について説明します。今、オフィス環境は空室率の上昇、コロナ
の状況等により不確実性が高まっているという状況において、いちごオフィスとしては、
何をすべきかを、ここに述べさせて頂いております。先ず、内部成長ですが、22年4月末
時点で96.5%の稼働率、これを、早期に97%以上に引き上げることを目標にしたいと思い
ます。その方法としては、今までやってきたリーシングが順調であったこともあり、柔軟な
リーシング戦略というのが後手に回ってしまった感がありますので、今後は積極的に柔軟
なリーシング戦略を実施していきたいと思っています。又、いちごが得意とする心築を
通じたバリューアップを行い、賃料単価の上昇、リーシングの活動効果に繋げて行きたいと
思っています。外部成長については、アップサイド余力のある中規模オフィスの取得という
ところです。いちご東池袋三丁目ビルを38億円で取得予定です。更に、一部出資している
ブリッジファンド物件125億円の取得についても検討をしていきたいと思います。ただ、
こちらはファナンスに伴う取得になると思いますので、増資については慎重に検討のうえ、
取得を考えていきたいと思います。いちごオフィスは商業施設の譲渡について売却方針を
出しております。こちらは4物件66億円ですが、これらを売却して、アップサイド余力の
ある中規模オフィスを取得する材料としていきたいと思います。更に、ESGについては、
GRESBリアルエステイト評価の向上を目指していきたいと思っています。現在、4年連続
の3-Star、5年連続のGreen Starという評価ですが、4-Starを取れるようにしていきたい
ということと、GRESBリアルエステイト評価を得ることができる物件を増やしていきたい
と思っています。財務については、金利上昇への対応というところです。安定性の高い財務
基盤、今までもそのような体制を取ってきておりますが、引続きそのような体制を維持して
いきたいと思っています。又、現在の投資口価格は軟調な状況ですが、投資口価格や市場
動向を踏まえた臨機応変な財務戦略を検討していきたく思っています。発行体格付ですが、
こちらは、今、A(ポジティブ)ですが、これを、A+(安定的)になるように目指していき
ます。
続きまして21頁、外部成長について、外部成長としては、本日説明しましたいちご東池袋
三丁目ビルの取得を予定しております。いちごオフィスでは、既に池袋地区には4物件
保有しております。簿価ベースで95億円ですので、6%弱のシェアで保有しているという
ところです。いちごオフィスが保有する池袋近辺の物件というのは、賃料単価の上昇が
しっかりとれるということと、幅広い需要があるというところで、新たに物件の追加取得を
行いました。更に、池袋については、街全体で開発案件も数多くあり、街全体の成長の
ポテンシャルが非常に高いということもあり、更なる物件取得を行うということも考えて
おります。
続いて内部成長です。22頁をご覧下さい。今回記載しておりますのがいちご九段二丁目
ビルです。ここには、元々1棟貸しのテナントが入っていたのですが、今回退去が決まり
まして、エントランスや共用部等の全面リニューアルを実施しました。これによって、想定
ではありますが、投資効率ROI43.9%が得られております。全テナントの賃料が、比較的
マーケット賃料と同等レベルでしたが、リニューアルすることで更に高い賃料での入居を
期待出来るものです。2022年4月期に、1棟貸し物件で、いちご九段二丁目ビル以外にも
いちご博多イーストビル、いちご渋谷道玄坂ビル、ウィン第2五反田ビル、いちご箱崎ビル
にリニューアル工事を実施しております。ダウンタイムを利用して、物件の価値を上げる
ことを、しっかりと行っております。
23頁は、スポンサー保有物件のパイプラインです。こちらは外部成長の機会を取らえて、
資産入替え等で有効に活用していきたいと思います。
24頁をご覧下さい。向こう1年間の業績予想です。先ず、2022年10月期の予想です。
営業収益は7,732百万円、前期比でマイナス942百万円となりました。主な要因としては、
不動産等売却益の剥落です。不動産賃貸収益についてはマイナスの3百万円と、若干の
マイナスではありますが、前期とほぼ同様と言えるかと思います。物件取得によるプラスが
ありますが、先ほど申し上げましたいちご九段二丁目ビルのテナント退去による賃料共益
費収入の減少、原状回復工事費収入等の減少などがあり、3百万円の減となります。営業
利益は3,737百万円で、前期比698百万円減となります。こちらは不動産賃貸事業費用が
増加しておりまして、物件取得による増加、水道光熱費の増加、リーシングに力を入れると
いうことで仲介手数料の増加を見込んでおります。営業費用については、前期と比べますと
売却がなく、売却に伴う費用が剥落しております。結果、当期純利器は2,956百万円、
前期比734百万円のマイナスとなります。任意積立金の取崩しがありまして、105百万円
を取崩すこととしております。結果、一口当たり分配金は2,023円となります。
続いて25頁は2023年4月期の業績予想です。2023年4月期に関しては、空室も徐々に
解消していくという想定にしております。営業収益は7,793百万円、前期予想に比しプラス
60百万円です。不動産賃貸事業収益の増加は、リーシングが進むに連れて収益が上がる
ということとしております。これにより、当期純利益が3,037百万円、前期予想比プラス
80百万円となります。一口当たり分配金は2,076円という設定をさせて頂いております。
以上、簡単ではありますが、決算と業績予想について説明させて頂きました。

質疑応答
Q;今後の稼働率についての質問です。
  2022年4月期末が94.7%でしたが、一方で、今後の業績予想上の前提稼働率としては
  96.6%までもっていくとのことでしたので、約2%上昇させるということになりますが、
上昇の目途が立っている、或いは手応えがあるという理解で良いのか、若しくは、
これからの努力目標となるのでしょうか。
A:稼働率の見通しですが、前回の決算時に、マーケット上非常に悩ましいと思っており
ました渋谷、五反田、恵比寿、それと、商業で残念ながら解約となってしまいました
フチュール和泉、これらがリーシング上、非常に大事な物件と捉えて、リーシングを
進めてまいりました。その結果、4月期を超えて5月ですが、渋谷については賃料の
見直しという施策を取ったこともありますが、一部の遠方の神山町ビルを除いて、
ほぼ満室の見通しが立っております。五反田についても、やや離れた西五反田ビルは
引続きリーシング中ですが、駅に近い五反田エリアについては、きちんと稼働率が
上がってきております。それから、もう一つ前回悩ましく思っておりました恵比寿の
1階、2階、これらはリーシングがコロナ禍で厳しかった物件ですが、4月にエステ系
の個人サウナの会社に契約を頂きました。残念ながら1階は、若干賃料の低下があり
ましたが、悩ましかったオフィス物件、それから埋め戻しに非常に時間が掛かると
考えておりましたフチュール、こちらもこの6月に、残りの半分強の契約の目途が
立ち、無事に満室化の状況となっております。半面、通常の解約になると、残念ながら
他の物件で、集約等々の企業事情による解約もあり、想定程度の解約が出てしまい、
これらを中心にリーシング活動に注力しているところです。特に100坪前後の大型
区画については、内覧などの営業情報とか、単価のマーケット感とか、その辺は我々が
悩むほどの成果は出て来ておりません。又、100坪強の区画については、競合物件も
多く、リーシングも進められていないという状況です。ただ、一番懸念していた部分に
ついては、しっかりと埋め戻している状況ですので、あとは地道に進めて行きたいと
思っております。以上の状況でもあり、10月業績予想においては96%を超えるという
ところをコミットさせて頂いたという次第です。

Q:20頁の成長戦略について伺いたい。先ほど柔軟なリーシング活動をやっていきたいと
いうお話しでしたが、要は、賃下げ、フリーレントを付与することで稼働率を何とか
上げていきたいとの理解で良いのか、若しくは、他の方法でのリーシング戦略を考えて
おられるのでしょうか。
A:リーシング戦略は、エリアと物件の特性に合わせて施策を講じております。渋谷等で、
一時的に3万円強の賃料を頂けていたところは、残念ながらマーケットが20%ほど
下がったということもあり、このようなところは早めに賃料を見直し、フリーレントも
ある程度、それなりに付与していくことになるかと思います。一方、マーケットが極端
に落ち込んでいないエリアについては、先程冒頭で説明しました平均賃料ですが、
これらは、われわれのポートフォリオは下がっていない状況です。
これらの物件については、レイアウトオフィスであるとか、テナント様からニーズと
して頂いているような施策を、個別に講じていきながら丁寧にリーシングをしていき
たいと思っておりまして、物件に合わせたリーシングを、各アセットマネジャーと
計画し、実践しているところです。

Q:優先交渉権を付与された4物件、125億円に関してですが、4物件を購入するので
あれば増資をという話があった一方で、商業施設の売却も検討という話もありました。
増資ということではなくて、資本事情の状況によっては、物件入替えという方針に
切替える検討の余地はあるのか、そうではなく、あくまでもこの4物件については、
資産規模拡大に向けてのネタということなのか。
A:入替え戦略ですが、購入できる4物件をブリッジファンドで購入のチャンスを頂いて
  おります。私共は、これまで入替え戦略というところでコツコツとやってきたところは
ありますが、先ず、第一の我々の願いとしては、企業の資産の拡大を図りたく思って
おります。又、それ以外の、オフィス単体での購入も続けてまいりますので、引合いの
ある商業物件の売却、若しくは、今回赤坂を売却したように、しっかりと売却益が出る
物件については、オフィスも若干含めたうえで、追加的に入替えを考えていきたいと
思っております。

Q;いちご赤坂五丁目ビルの売却についてです、売却価格は鑑定評価額の1.9倍という
ことでかなり高いと思うのですが、これには何か特別な背景があるのかどうか。
A:赤坂五丁目ビルは、大変好条件で売却することが出来ました。開示は、非開示という
ことですので、詳細は申し上げることは出来ませんが、あの辺りは大型の再開発が
進められており、いちご赤坂五丁目ビルが大通りに面しているということで、再開発に
乗じた譲渡のご紹介を頂けたということでございます。

Q:稼働率に関しての質問ですが、2022年4月期については、6ヶ月前の説明の前提より
  下回っております。通常、走っている期の稼働状況は、ほぼ見えている状況だと思うの
ですが、下振れした理由について説明をお願いします。
  2023年にかけて業績予想で回復する見込みということで説明がありましたが、ここの
ところ稼働率が、予想を下回る傾向が続いております。今回予想で回復を見られている
蓋然性を、今の質問の説明に捕捉して説明できるところがあれば、説明をお願いします。
A:悩ましかったエリアの物件が埋まってきましたが、ダウンタイムの比較的少ない直近の
解約、そういったところのエリアの解約が、予想よりは若干増えてしまったという現状
です。ただ、そうした物件の大きさ等にもよりますが、15,000円~18,000円くらいの、所謂、我々が一番得意とするところが、最終的には空室として大半を占めているという
状況になっております。よって、蓋然性というところでは、先程の2,000㎡強の契約
が見えているところで、非常に良い滑り出しが出来ているのですが、引続き残りの
15,000円のエリア、我々の最も得意とするエリアですので、ここについては丁寧に
進めていきたいと思っています。アセットマネジャーにヒアリングしておりますが、
引合いと商談が進んでいない状況ということではなく、フルーレントの柔軟性等、極力
競争性を付けるということで進めております。
捕捉になりますが、11頁の入退去の推移を参照下さい。22年10月期の退去は、ほぼ
確定しておりますが、平均よりも落ち着いてきており、このタイミングでリーシングを
しっかりと行っており、手ごたえも感じている状況です。又、物件売却についてですが、
今回の物件は特別な理由で高かったという印象がありますが、いちごオフィスが保有
する中規模オフィスは注文が非常に多くて、鑑定額の2.9倍で購入したいという声も
多数ある状況で、これが実現するのであり、且つ、保有よりも売却の方が良いのであれ
ば、今後も検討をしても良いと思っております。代替案件ですが、ブリッジファンドも
ありますが、物件を売却してブリッジファンドを取得する、若しくは、池袋以外から
代替物件を取得する、スポンサーから取得するなど色んな選択肢が考えられます。

Q:環境認証が進んでいるようですが、今後、環境認証の取得について目標値はありますか。
A:私どもは、継続的に環境認証の取得を進めております。勿論、GRESBの評価への寄与
  とか、あとは、将来に向けたグリーン系のファイナンス、こういったことにも取組める
ように、決算期に、概ねCASBEEのレベルで2棟、東京都中小低炭素モデルビル、
これはつい最近スタートしたのですがこちらは2~3物件というペースで今後も進めて
いきたいと思っています。勿論、出来るチャンスがあれば広げていきたいと思っており
ますが、特にCASBEE、BELS、こういったところにはコストも掛かってきますので、
コストコントロールも踏まえながら、切れずに、しっかりと増やしていきたいと思って
おります。

Q:リーシングが戻ってきているとのことですが、テナントの動きが活発になってきて
いるのでしょうか。動いているテナントの業種、属性について何か共通性はありますか。
A:業種はバラバラですが、移転のしやすさで言うと情報通信、IT関係、やはりコロナ禍を
踏まえて、少しずつ元気になってきている業界に、動きが活発になってきていると
思われます。コロナ禍で動きが悪かった製造業の動きもしっかりと出てきており、
拡大、拡張の理由はあるかと思いますが、こうした比較的基盤がしっかりとした会社の
動きも出てきております。

Q:いちごオフィスが取得可能となる前に、優先交渉権の期限が到来した場合、そこで
  ファンドが終わってしまうのか、或いは、引続き交渉権を維持できるような方法は
取れるものなのか。
A:優先交渉権は、約3年間、2025年1月31日までです。継続できるかどうかは交渉に
よるとは思いますが、出来るだけ3年以内に、一括、或いは、バラバラでも取得して、
いちごオフィスの成長に繋げて行きたいと思います。

Q:JCRの発行体格付けのA+に向けて、いちごオフィスとしてやるべきことはどういった
ものがあるのか認識されているのか。
A:これまで6年近く資産入替えは行って来ましたが、次のステージに向けては、資産拡大
をしっかりと出来る、出来ているということが評価されるとの助言を、格付け会社より
頂いております。内部成長については一定の評価を頂いており、昨年、見通しのところ
も上がっておりますので、次は、資産がしっかりと増えて、ご評価を頂くということに
なるかと思います。
  
Q:柔軟なリーシングを進めて行くとのことですが、先程の質問と重なるかと思いますが、
賃料を引下げていく方向となり、全体的にDPUを引下げていくことになるのでは
ないかと思われます。その一方で、それを阻止せんがために、外部成長で補うという
理解で宜しいでしょうか。
A:リーシングのところを、ある程度内部成長がダウンするところを外部成長で取り直す
  とのお話でしたが、少しこちらの説明不足があるかもしれません。今時点、懸念して
いた渋谷、恵比寿、五反田といったエリアは、残念ながら賃料は下がってきていると
いう状況ですが、今回の決算期の発表でも、半分以上はしっかりと増額でリテナントが
出来ております。その中で、特出するエリアの物件として22頁にも紹介しております
いちご九段二丁目ビル、これは1棟丸々空室になる物件でして、丁度リニューアルが
終わり、募集を始めたところです。こちらの物件は残念ながら1棟でお借り頂いたと
いうことで、なかなか賃料アップが図れずに推移してきましたが、リニューアルする
ことで満室化することにより、年間NOI利回りで14百万円の増加を見込んでおり
ます。こういった物件、先程も申し上げました15,000円前後の物件につきましては、
しっかりと単価を上げて、内部成長に努めるというところは、しっかりと継続していき
たいと考えています。これにプラスアルファで外部成長にて資産規模をしっかり
増やしていくことを、合わせて行ってまいりたいと考えています。
  
Q:現在、不動産は種々動きがあり、売却の方はやりやすい環境と言えるかと思います。
商業施設4物件の売却も視野に入れているとのことでしたが、その目途はどの程度の
ものか、売却の目標がありましたら教えて頂ければと思います。
A:先ほども申し上げましたように、戦略的に売却活動、取得も含めてですが、を行いたい
と思っておりまして、当然オフィス特化型リートとして、商業施設を先行して売ります
というのは、以前もお話をしているところではあります。そういう中で、商業物件を
売り急ぐということではなく、しっかりと入替え、代替オフィス等を含めて計画的に
売却をしていきたいと考えてはおります。一方で、内部成長余地というところも踏まえ、
マーケット環境が良い中で商業物件を売却するということは、非常に重要な部分で
あるということは当然認識しておりますので、色々な選択肢を踏まえながら、検討して
  いきたいと考えております。
 
Q:資産規模の拡大を目指しておられますが、DPUや一口当たりNAVを棄損させるような
増資はしないと理解で宜しいでしょうか。
A:勿論そこはしっかりと注力して考えてまいりたいと思います。

Q:2022年10月期と2023年4月期の修繕費が、過去水準に比べて低い数字となって
いますが、巡航ベースはどの程度の数字と考えればよろしいでしょうか。
A:これまでも、中長期に物件状況に応じてCAPEX計画を立てて来ておりますが、物件の
タイミングとか、戦略上の前向きな工事等も含めまして、今期につきましては47頁に
あるグラフのような計画となっております。当然ながら建築費の高騰などもあります
ので、やや保守的に計画をしているというところはあります

Q:資料の48頁のレントギャップについてですが、賃料の高い都心6区については、逆の
  レントギャップの状態になっていますが、今後の賃料減額リスクについては、どの
ようにみておられますか。
A:今期の平均賃料の増減率の資料から説明させて頂きますと、減額の実績となっている
のは、ほぼ、渋谷、神田、一部地方です。その他のエリアについては、ほぼ横這いと
いうところです。ニュース、報道で、空室率が改善、行止まっていると言われており
ますが、世界の情勢、物価の上昇、金利など種々の外部要因があり、若干の不透明感
を持っているところも、正直言ってあります。だた、先程取得で説明した池袋、大塚の
エリアは、この4月もしっかりと平均賃料は上がっているとの結果が出ております。増加率としては、1%から、高くて4%というところですが、これから開発等で注目
されているエリアは、賃料は増えていくという結果も出ておりますので、不透明感は
若干はありますが、これ以上極端に下っていくことは、今のところはまだ証拠として
ないのではないかと考えております。

質疑応答はこれで終了させて頂きます。
以上を持ちまして、いちごオフィスリート投資法人の、2022年4月期の決算説明会を終了
とさせて頂きます。本日はお忙しいなか、ご参加を頂き誠に有難うございました。