森トラストリート投資法人 2023年8月期決算概要

森トラストリート投資法人
2023年8月期(第43期)決算動画説明書
○動画  https://www.net-presentations.com/8961/20231019/gifv8vje2/
○説明資料
https://www.mt-reit.jp/file/term-3afd433c62e84af642932793a3752a5fdb2916d8.pdf
○説明者 森トラストリート投資法 執行役員 兼
     森トラスト・アセットマネジメント株式会社 代表取締役社長 内藤 宏史
○説明 
2023年10月20日に発表しました2023年8月期(第43期)の決算の概要、並びに、今後の見通しについて説明致します。それでは、資料に基づき説明致します。尚、これ以降の説明では、2023年3月1日に合併しました森トラストホテルリート投資法人のことをホテルリートと、又、2023年8月期のことを当期と呼んでまいります。
3頁左上をご覧下さい。当期の実績分配金は、投資口一口当たり1,700円となり、半年前の予想を116円上回りました。

これについては後ほど詳しく説明致します。左下のアセットをご覧下さい。物件数は、ホテルリートと合併したことに伴い、5つのホテルアセットが運用資産に加わり、22 物件となりました。又、物件数には影響しませんが、保有物件の追加取得・譲渡等も合わせて行っています。これらに伴い、資産規模は1,461億円増えて、4,701億円になりました。2つ下のボックス、含み益については、新橋駅前MTRビル、これ以降「新橋」と言います、の売却や一部物件の期末算定価格の見直しに伴い、22億円マイナスの416億円となりました。投資比率は、オフィス56%、ホテル30%、その他が14%という構成となっています。続いて 右上のDebtのうち、有利子負債については、合併に伴いホテルリートの有利子負債を引き継いだこと、および、期初の物件取得のための追加借入により、720億円増加して2,245億円となりました。長期発行体格付は、引き続き AAとなっています。その下のエクイティにつきましては、発行済み投資口数は356万口で、前期から224万口増加しています。これは、合併に伴う投資口分割により132万口、ホテルリートの投資主への割り当て交付により92万口が、夫々増加したことによるものです。一口当たりNAV(Net Asset Value)75,240円となっています。

続いて当期のハイライトについて説明致します。4頁をご覧下さい。先ず、左上の1の当初予想を大幅に上回る分配金の実現をご覧下さい。当期は、ホテルリートとの合併第1期でもあり、昨年11月に合併に関する説明資料の中で、合併後第1期予想分配金を示し、それに基づき合併について説明致しました。3つの棒グラフのうち、一番左が昨年11月に合併説明資料の中でお示しした当初予想、真ん中が本年4月公表の修正予想、一番右が最終的な分配金実績を示しています。濃い赤は、物件の売却益や合併関連費用といった一時的な要因を除いた、所謂、実力 ベースでの分配金額を示しています。結果として、一口当たり分配金水準は1,700円、一時的要因を除いた分配金は1,607円となりました。これは当初予想である1,519円を181円上回る結果となりました。又、一時的要因を除いた分配金では、当初予想の1,310円を297円、率にして22.7%上回る結果となりました。

次に2として収益性向上のための取り組みを推進してまいりました。①に示しております通り、アンカーテナント退去後、稼働回復途上にあった東京汐留ビルディング、新横浜TECHテックビルの2物件については、この10月末時点で、汐留99%、新横浜100%の稼働率となる予定であり、埋め戻しが終わりました。又、②の新橋と仙台MTビルの入替取引の2回目、③の神谷町トラストタワーの追加取得については、予定通り取引が行われ、収益性向上に貢献しています。

続いて3のホテルの業績について説明します。変動賃料である4ホテルについては、インバウンドの拡大を取り込み、順調に回復しています。コロナ禍前の2019年同期実績との比較では、半年前の予想では78%の賃料回復を見込んでいましたが、実績値では89%まで回復しています。前期までは、全国旅行支援やリベンジ消費等一過性の要因による回復が目立ちましたが、当期については、インバウンドや国内レジャー客が安定的に業績を底上げしつつあります。

次に4の減価償却費の削減について説明します。減価償却の計算にあたっては、これまで多くの保有物件で法定耐用年数を用いていました。一方で、ホテルリートの保有物件や最近取得した物件では、経済的な価値を持ちうる期間である経済的耐用年数を用いていました。今回、合併後の償却方法について、期間がより長い経済的耐用年数に統一したことで、償却費負担は大幅に軽くなり、今後の利益水準について継続的な底上げを図ることができました。次に5のテナント退去の対応に記載の通り、神奈川県相模原市の商業施設である、旧コーナン相模原西橋本店を1棟借りしていたテナントが、定借期間満了に伴い9月に退去しました。本物件はリニアの駅ができる橋本駅圏に所在する、ポテンシャルの高い物件であり、退去後の運用方針については、リテナント、又は、譲渡の両面で、既に検討を進めています。尚、本件については、前期の決算発表の時点で、2024年2月期の業績予想には保守的に織り込んでおり、今回新たな修正は生じておりません。6には内部留保残高の推移について記載しています。将来の分配金の安定化のため、売却益等から内部留保を積み立てており、8月期についても、新橋の売却益のうち4.7億円を内部留保しています。現時点での積立残高は24億円、一口当たり697円となっています。決算ハイライトのうち、変動賃料4ホテルについてもう少し詳しく説明致します。

5頁をご覧下さい。ホテル毎に指標は異なりますが、業績の推移をグラフで示しており、薄いピンクの部分が当期の賃料に反映されている期間です。いずれもコロナ前の2019年実績に当たる、0%の水準を挟んで推移する状況が続いています。頁下段左側のコートヤード東京および右側のコートヤード新大阪の2物件については、ADR、稼働率、RevPAR等のデータも示ししていますが、ADRは2019年実績を大きく上回り、一方で、稼働率は抑制的に運営されていることが分かります。ホテルについては、この資料の36頁以降にホテルマーケット全体の状況、個別ホテルの業績の詳細および分析について記載しておりますのでご覧下さい。

続きまして当期決算の詳細について説明致します。7頁をご覧下さい。5ヶ月決算の前期との比較が難しいため、予想値との比較に絞って説明します。表中、赤枠で囲んだC列がと当期の実績、その左側のB列が4月に公表した予想値です。一番右に両者の差異を示しております。表の一番上をご覧下さい。ホテル賃料の上振れ等により、営業収益は、予想比+202百万円の11,812百万円となりました。営業費用では、保守的に想定していた修繕費や水道光熱費などの下振れおよび耐用年数の長期化に伴う減価償却費の減少により、予想比▲673百万円の4,623百万円となり、営業利益は予想費+876百万円の7,188百万円となりました。ここから利息等の営業外費用を控除し、476百万円を内部留保として積み立てることにより、一口当たり分配金は1,700円となりました。又、物件の譲渡益および合併関連費用との一時的要因を除いた分配金は1,607円となり、半年前に公表した予想値1,367円を240円上回る結果となりました。尚、当期純利益が7,157百万円と経常利益から622百万円増加していますが、これは、これまで圧縮積立金と繰延税金負債の2つに分けて計上していた内部留保を、圧縮積立金に一本化するため、積立済みの繰延税金負債631百万円を、一旦、当期純利益に全額計上し直した上で、圧縮積立金に振り替える会計的な処理を行うことが主な要因です。

8頁では、一口当たり分配金の予想値と実績の比較を、滝チャートで説明します。左から2つ目のグラフが、前期の決算発表時に示しました予想値です。濃い赤の部分、一時的要因を除いた1,367 円からスタートし、耐用年数の見直しにより+152円、ホテル賃料の上振れにより+45円、オフィス賃料の上振れで+9円、および、その他費用見込の下振れにより+34円の変動要素を加えた1,607円で着地しました。これに、物件の売却益のうち93円を加えた1,700円が、当期に分配金となります。

続いて10頁をご覧下さい。2024年2月期および2024年8月期の業績予想について説明致します。この頁には、業績予想の前提となる各種イベントを纏めて記載しています。先ず、物件の稼働状況については、東京汐留ビルディング、新横浜TECHビルについても稼働回復を織り込み一方で、コーナンを含め、退去済み、退去予定の区画については、空室が継続するものと保守的に見込んでいます。変動賃料の4つのホテルの賃料については、2019年実績比で2024年2月期は90%の回復を、2024年8月期は92%の回復をそれぞれ見込んでいます。当期が89%の回復でしたので、比較的ゆっくりとした回復シナリオを想定しています。又、物件については、本年 8月と来年2月の新橋と仙台MTビルの第2回目および第3回目の入替取引により、2024年2月期および2024年8月に、段階的な収益性改善効果を見込んでいます。又、2024年2月期については、新橋の譲渡益1,370百万円を見込んでいます。

11頁をご覧下さい。ここでは2024年2月期および2024年8月期の業績予想について、纏めて示しています。頁左上をご覧下さい。先ず、2024年2月期については、一口当たり分配金は1,757円と、当期実績を57円上回る予想としています。尚、新橋の売却益という一時的要因を除いた分配金は1,577円となり、当期実績1,607円を30円下回るものの、半年前に示しました予想1,371円からは206円上振れをしています。下の表中B列に、今回予想の詳細を示しております。収益面では、新橋の第3回目の売却益約1,372百万円を計上するとともに、オフィス、ホテルの賃料上昇等により、当期実績を140百万円上回る119億円を営業収益として見込んでいます。費用面では、物件取得に伴う費用増等を見込み一方で、当期の特殊要因である合併関連費用587百万円が剥落することで、トータルでは318百万円のマイナスを見込んでいます。営業利益は、当期実施比459百万円増の7,648百万円、ここから利息等の営業外費用を控除し、681百万円を内部留保した結果、一口当たり分配金を1,757円と予想しています。続いて頁右上をご覧下さい。その次の期である2024年8月期の予想を示していますが、未確定の要素が多いため、現在の想定がそのまま推移する前提での予想となります。2024年2月期まで、3期連続で発生していた新橋の売却益が剥落することから、一口当たり分配金は1,602円と、2024年2月期予想値から155円のマイナスを予想しています。一方で、一時的要因を除いたベースでの比較では、2024年2月予想から25円のプラスとなります。尚、この予想については、ホテルの業績の回復スピードや、物件の移動によっては変動する可能性がありますことにご留意願います。

続いて12頁では、当期の一口当たり分配金実績から、2024年2月期の予想分配金までの変動要因を、滝チャートで示しております。尚、一番右のグラフは、半年前の決算発表時の予想数字であり、一時的要因を除いて206円、率にして15%ほど上振れた修正となっています。
続いて13頁では、2024年2月期の一口当たり予想分配金から、2024年8月期の予想分配金までの変動要因を、同じく滝チャートで示しています。一番右の2024年8月期の予想値では、現時点で 物件の売却等を予定していないため、薄いピンクで示した一時的要因による上乗せ部分が剥落していますが、実力ベースでは、2024年2月期を上回る予想であることが、お分かり頂けるかと思います。

15頁をご覧下さい。ここからは外部成長、内部成長戦略について説明致します。外部成長の説明の前に、合併後のポートフォリオの状況や、本投資法人の投資方針について、改めて説明致します。本投資法人は、合併を機にオフィス・ホテルを中核資産として、資産性、安定性の高い物件に投資することで、今後継続的に成長することを追求してまいります。資産規模の拡大についても目標の1つに据えており、当面は通過点として、5,000億円の大台を超えることを念頭に運用してまいります。

続いて外部成長戦略です。16頁をご覧下さい。上に、外部環境に対する当社の認識およびそれに対する今後の方針を纏めて示しています。全般的に優良物件の売却情報は限定的であり、価格も高止まりしている状況が継続しています。オフィスについては、一部の海外投資家の姿勢に変化が見られますが、ホテルを含め投資家の取得意欲は旺盛です。この環境における本投資法人の今後の方針は次の通りです。先ず、スポンサーサポートの活用や保有物件との入替等、様々な手法で資産規模の拡大を目指すこと。次に、成長が期待できるセクターであるホテルについて、積極的に取得を検討することとし、オペレーターチェンジ等で収益性向上が見込める物件については、それも踏まえて幅広く検討すること、そしてオフィスについては、利回りが期待でき、稼働が安定している地方物件および今後オフィス大量供給が予想される東京都心部においては、競争力が高く、優位性を保てる物件を中心に検討すること、以上3つを外部成長の方針と致します。次に、内部成長戦略について、オフィスとホテルに分けて説明致します。

17頁ご覧下さい。オフィスの外部環境については、コロナ禍からの正常化の過程で、各企業による立地改善や拡張移転のニーズが高まっており、オフィスの大量供給が続く東京都心部においても、空室率の水準は高いながらも上昇傾向は鈍化しています。これに対する方針ですが、今後の更なるオフィス大量供給の影響を見据えて、稼働率を重視したリーシングを行う方針としてまいります。続いてホテルについて説明致します。外部環境については、引き続きインバウンドの回復等を背景に、ADRが上昇しており、RevPARも上昇傾向にあります。一方で、ビジネス需要や宴会、MICEといった団体需要の回復は遅れています。これに対する方針ですが、インターナショナルブランドの販売チャネルを通じて、高単価のインバウンド需要を取り込むこと、そして、法人、代理店へのセールスを強化し、法人団体需要を獲得すること、更には、ホテルグループのリソースを活用し、効率化を図ることで、コスト増に対応すること等を通じて、コロナ禍前水準の賃料への早期回復を目指す方針とします。

財務の状況について説明致します。20頁をご覧下さい。リファイナンスについては、合併の際に承継したホテルリートの有利子負債については、本投資法人の従前の融資条件と差異がありましたが、リファイナンスのタイミングで、本投資法人の融資条件に揃えられるよう各金融機関と逐次協議を行っています。又、足元および今後のベース金利の上昇に対しては、長期借入金の借入期間を短縮するなどの施策により、影響を抑えるよう努めてまいります。

最後にESGに関する取り組みについて、簡単に触れさせて頂きます。24頁をご覧下さい。 当期におきましても、ESGに関する取り組みを継続しております。7月に作成しましたサ
テナビリティレポートに、詳細な取り組み状況について記載しております。サステナビリティレポートは、本投資法人のウェブサイトのESGに関する取り組みからご覧頂けます。又、決算説明資料では、これ以降本投資法人の特徴や詳細なデータについて掲載しておりますので、どうぞご覧下さい。
説明は以上となります。最後になりますが、今後とも皆様のご期待に沿えるよう、最善を尽くして運用してまいる所存でございます。引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。