ユナイテッド・アーバン投資法人 2022年5月期決算概要

ユナイテッド・アーバン投資法人
2022年5月期(第37期)決算動画信説明書および質疑応答
動画  https://www.net-presentations.com/8960/20220719/uvftcwd/
資料 
https://www.united-reit.co.jp/file/ir_library_term-d57e75eba3dbd7766a1cf9e64601bffcf0a55502.pdf
質疑応答 
https://www.united-reit.co.jp/file/ir_library_term-850394a0e97580cb42c5f80c1f77dd66b56098bb.pdf
説明者  ジャパン・リート・アドバイザーズ株式会社 代表取締役社長CEO 臥雲 敬昌
説明
資料に沿いまして第37期決算、第38期、第39期の業績予想の説明をさせて頂きます。
資料3頁決算トピックスをご覧下さい。第37期、2022年5月期決算は、営業収益241.8
億円、対前期比プラス13.7億円、対6ヶ月前予想、所謂、期初予想比+11.7億円。うち、
賃貸事業収益が、期初予想から2億円改善したことに加え、不動産売却益+9.7億円が増収
に大きく寄与しました。賃貸事業利益は119.6億円、対期初予想比+0.3億円、営業利益
105.5億円、当期純利益は96.2億円で確定し、一口当たり分配金は、3,112円と致し
ました。前期までに説明して来た新型コロナウイルス影響下の分配方針、下限分配金3,100
円に対し+12円超過することが出来ました。営業利益、当期純利益が、対前期比で大幅に
改善した主たる要因は、前期に計上した府中ビルの減損損失の剥落+11.4億円と六番町K
ビルの売却益+9.7億円となります。当期においても引続きポートフォリオ収益力の回復と
安定に向けた取組みを全ての分野で推進致しました。外部成長では、資産入替えを通じた
ポートフォリオの質的改善を図りながら、売却益を実現しています。又、当資産運用会社、
並びに、スポンサー丸紅グループが長年培った情報ネットワークを活用して、東京都心の
優良オフィスビルを取得しました。内部成長では、機動的な区画形成・建物工事による稼働
率の維持・向上を図るとともに、プロアクティブなリーシングによる収益力の改善・強化に
努めました。財務運営では、強固で安定的な財務体質の構築を基本とし、コスト抑制と調達
期間の長期化をバランスさせた柔軟な資金調達を行いました。ESGでは、専従部署として
サステナビリティ戦略室を設置、これまでの積極的な取組みや、非財務情報の開示が実を
結び、MSCIジャパンンESGセレクト・リーダーズ指数へ組入れられました。
資料4頁、着実な「実態利益」の成長及び売却益・内部留保活用による安定分配をご覧
下さい。グラフ内の濃いブルーの④利益分配金、即ち、内部留保や売却益等の一過性要因を
控除した一口当たり実態利益は、第37期実績2,786円となり、第36期比+59円、期初
予想比+19円となりました。第38期予想では2,805円、第37期実績比+19円、第39期
予想2,945円、第38期予想比+140円と着実な実態利益の成長を見込んでいます。来年
下半期の2023年11月期、第40期以降には、実態利益が3,100円を上回る水準を目指し、
資料11、12頁に纏めた各分野における今後の取組みを、推進してまいります。一方、
最終的な一口当たり分配金については、第37期に、17頁に記載の六番町Kビルの売却益
等が、一口当たり換算で326円寄与したため、期初予想で想定していた内部留保取り崩し
314円を賄う形とし、実態利益と合わせて3,112円と期初予想比+12円の増配となり
ました。第38期は、17頁に記載の、あすと長町デンタルクリニックの売却益等151円と
内部留保取り崩し144円により、一口当たり分配金3,100円の予想。第39期は、安定分配
の観点から、内部留保取り崩し155円により一口当たり分配金3,100円の予想としており
ます。今後も、引続き、着実な実態利益の成長、安定分配に注力し、投資主価値の持続的
成長を目指してまいります。
続いて決算概要、資料7頁、一口当たり分配金(主な差異要因)にお進み下さい。先ほど
説明しました一口当たり分配金の第36期と第37期の実績差異を要因ごとに分類して、
影響差額、増減額を一口当たり換算で表記しています。大きな改善要因は、左から5列目、
売却損益増減第36期クオーツタワー、第37期六番町Kビルの増減+315円、右から
2列目減損損失増減で、第36期府中ビル、第37期UURコート札幌篠路壱番館の増減
+343円によるものです。又、右から5列目既存物件利益増減は、上段内訳の通り賃料・
公益費は+10円でしたが、その他賃貸事業費用-26円、水道光熱費収支-37円と、
リテナントに必要な費用や電気料金の上昇により全体で-52円となる一方、右から4列目
新型コロナウイルス影響改善は、ホテル賃料増を主因に+78円と改善しました。それ以外
の要因として、新規取得物件利益寄与+29円、売却物件利益増減+8円、販管費。営業外
損益他+18円が寄与、前期取崩した内部留保の剥落-726円により、前期対比+12円と
なりました。
収益・費用別の概要は、資料8頁の第37期決算概要を、後程ご覧下さい。
次に資料9頁、第38期、第39期一口当たり分配金予想(主な差異要因)で、業績予想に
おける要因ごとの影響差額、増減額を説明致します。頁左側の第37期実績と第38期の
予想対比では、左から減損損失の剥落+22円、新規取得物件利益寄与+64円、売却物件
利益増減-31円、売却益増減-171円、既存物件利益増減-136円、新型コロナウイルス
影響改善+140円、販管費・営業外損益他-45円、その結果3,100円に不足する部分は、
内部留保取り崩し144円を織り込んでおります。尚、既存物件利益増減は、中ほど下段
吹き出しの通り、賃料・共益費-58円、賃貸事業一時収入-31円、水道光熱費収支-84円
が主たる要因で減少する一方、新型コロナウイルスの影響は、国内宿泊事業の持ち直しに
よる、ホテル賃料の改善を想定しております。第38期予想と第39期予想の対比は、頁
右側となりますが、売却益剥落-141円に対し、物件利益増減は、賃料・共益費の改善
プラス予想を主因に+122円となり、内部留保取り崩しは155円と、第38期予想に対し
+11円となる想定としております。
収益・費用別の概要については、資料10頁の第38期、第39期業績予想を、のちほどご覧
下さい。
次に、資産運用戦略を外部成長から説明致します。
資料14頁、第37期新規取得物件、東京都心の優良オフィスビル飯田橋プラーノです。
本物件は右上段の周辺地図の通り、JR線および地下鉄を含む6路線の利用が可能な飯田橋
から徒歩2~3分と交通利便性に優れ、周辺は大手企業の本社や、複数の大学が集積する
千代田区飯田橋エリアに所在し、事務所棟、商業棟、住宅棟で構成される大型再開発
プロジェクト内に位置します。2022年3月に初回取得後、区分所有者で構成される管理
組合を通じて他区分所有者の相談を受け、管理組合規約に基づき、区分所有者に付与される
優先交渉権を活用して、5月に追加取得をしております。右下段配置図の赤枠内が取得した
区分所有部分となります。当資産運用会社の複合物件における管理ノウハウは、管理組合の
施設運営に貢献できると見込まれ、他の区分所有者の課題の解決に寄り添える物件と考えています。想定NOI利回り4.5%、稼働率100%の複合型オフィスビルです。
資料15頁は、第38期、本年6月に取得が完了した2物件です。上段、KIC狭山日高
ディストリビューションセンターは、圏央道狭山日高インターチェンジまで約1km、国道
16号までは約3.5km、狭山日高インターチェンジ経由で関越自動車道、東北自動車道等へ
のアクセスが容易です。3PL事業者を含むテナントにとって、汎用性が高い仕様を具備
しており、本年4月竣工、想定NOI利回り4.0%、稼働率100%の物流施設です。下段、
ガリバー八王子みなみ野店は、八王子みなみ野シティ内に所在、敷地面積約8,000M2、
建設が進む八王子南バイパス(建設中)沿いの角地に所在、中古車販売業を営むテナントの
旗艦店となっています。右下段地図の通り、橋本駅周辺では、将来リニア中央新幹線の駅
開業に向けて開発が進行中です。想定NOI利回り4.5%、稼働率100%の商業施設です。
このように第37期、第38期にかけて、首都圏エリアで様々な用途の物件を取得すること
が出来ました。
資料16頁は、既にご案内済みの、宮の森二条開発用地です。当初予定通り開発が進捗して
おり、本年4月に建物建築工事が着工しております。中ほどの図のような高齢者住宅完成
に向けて、引続きプロジェクト管理に注力してまいります。竣工後、巡航時のNOI利回り
は5.8%を想定しております。
資料17頁は、譲渡物件です。ポートフォリオの質的改善、及び、収益力向上に資する資産
入替えを実行しております。将来の設備投資負担、代替テナント誘致の蓋然性、不動産投資
マーケットの動向等を踏まえ譲渡を判断し、売却代金は次なる優良物件の取得代金に充当
しています。第37期は、1棟全体を賃貸していたテナントが退去した府中ビル建物部分を
16.5億円、六番町Kビルを33億円で売却し、第38期は好条件での購入意向を受けた
「あすと長町デンタルクリニック」を16.5億円で、将来的な退去が確定した市営借り上げ
住宅UURコート札幌篠路壱番館を6億円で売却しました。
資料18頁に取得・売却による資産入替えの効果を纏めています。第37期以降第38期
これまでの間、取得3物件119億円、売却4物件63億円の資産入替えにより、売却益
14億円を実現、築年数は22年から7年に若返り、資産規模は56.2億円増加しました。
そのうえで、譲渡物件で想定された将来の設備投資額31.9億円を節減、年間NOIは、譲渡
物件の過去1年の実績3.1億円に対し、取得物件の取得後1年の想定額5.2億円と評価
しています。引続き多様な手法を駆使し、多種多様な地域、用途の物件を取得しながら、
ポートフォリオの質的改善に資する資産入替えを、行う方針です。
次に内部成長です。資料21頁はホテルの運用状況です。左上段RevPARのラインチャート
では、第32期期中平均を100として、相対値で第37期までの実績、第38期、第39期
予想を示しました。第37期は、第36期から改善しましたが、主要都市でまん延防止等
重点措置が本年3月21日まで発出されると、50に届かない水準となりました。第38期、
第39期では、各自治体が取り組む観光支援施策、外国人観光客受け入れ再開等が、旅行
需要を喚起することが期待され、60を超える水準を予想の前提としています。その前提を踏まえ、各ホテルオペレーターと協議のうえ策定した業績予想に基づく賃料予想が、左下段
バーチャートです。
尚、次の22頁は、当投資法人が運営する全ホテルの賃料体系・収益計上基準を纏めて
います。物件名の右に◎で示す通り、変動賃料型ホテルの太宗で、変動賃料はホテル営業
当月実績に応じて、翌月に収益として計上されるため、営業状況が、概ね同時期に賃料に
反映されるスキームとなっております。
資料23頁は、商業施設の運用状況です。左上段ラインチャート稼働率は、第37期98.7%
と、前期対比0.7ポイント改善し、第38期98.8%、第39期97.5%と予想しています。
左下段バーチャート入退去状況、第39期が示す通り、退去見込みを反映して、約6,000M2
営業床面積が増加する予想としています。しかしながらテナントの動きは確認されており、
安定稼働を継続していく所存です。
資料24頁は、オフィスの運用状況です。この後説明するハンズオン・マネジメントに記載
の、プロアクティブなリーシングによる埋戻し計画の前倒しにより、第37期の稼働率は
96.7%と、期初予想に対して1.4ポイントの改善しております。館内増床、拠点集約等、
テナントニーズを的確に捉え、稼働重視を念頭に、リテナント営業に注力致します。
賃料改定状況ならびに賃料ギャップは頁右側をご確認ください。
資料25頁から27頁にはハンズオン・マネジマント、現場第一主義に基づく物件育成等
投資法人理念の基、プロパティマネジメント会社やスポンサーグループ会社と一体になり、
創意工夫による取り組みを実施しました。
資料25頁モラージュ柏では、DXを活用した駐車場の運用改善により、来館者の安全性、利便性の向上を図るとともに、借地駐車場の解約、警備コストの見直しにより、年間59
百万円の費用を削減、NOIは第36期対比15%上昇する見込みです。
資料26頁、ザ・プレイスオブトウキョウは、現テナントの契約更改時に、他社テナント
候補と契約条件の比較による交渉の結果、現テナントと賃料および敷金増額、並びに、
大規模リニューアルによる施設活性化に合意し、年間賃料は従前比+14.3%を実現しました。
物流施設では、グリーンリース契約を念頭に、LED照明切り替えによる電気使用量削減を
行うと同時に、物件の賃料増額、契約期間長期化を実現しました。
その他にも資料27頁、T&G浜松町ビルのセットアップ・オフィス導入、丸増麹町ビルの
共用部リニューアル工事、浜松町262ビルの用途変更によるリテナント等テナントニーズ
に応じながら、資産価値の維持・向上に繋げています。
続いて財務運営です。資料33頁にお進み下さい。左上段記載の通り、第37期の資金調達
では、169億円の返済に対して231.7億円を調達しました。借入償還期間を8.3年と伸ばし
つつ、低位な金利水準を維持しています。
資料34頁左上段、総資産LTVは、第37期末43.4%と、40%台半ばに対し、余力を有する
水準を維持しています。
又、資料36頁下段の通り、第37期末時点の内部留保残高は、約100億円を有している
状況です。
最後に資料39頁から46頁に亘り、ESG関連としてサステナビリティ推進体制の刷新、
MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数への組み入れなど、主要な取組み内容を
纏めておりますので、是非とも内容をご確認下さい。
説明は以上です。ご清聴、誠に有難うございました。