グローバル・ワン不動産投資法人 2024年3月期決算概要

グローバル・ワン不動産投資法人
2024年3月期(第41期)決算動画説明書
○動画   https://www.video-streaming.net/ir/8958/41_2024_3/
○説明資料 https://ssl4.eir-parts.net/doc/8958/ir_material_for_fiscal_ym/156138/00.pdf
○説明者 グローバル・アライアンス・リアルティ株式会社 
代表取締役社長 山内 和紀
○説明 
説明資料に沿ってグローバル・ワン不動産投資法人の2024年3月期(第41期)の決算概要と運用状況について説明させて頂きます。

資料の4頁の目次をご覧ください。説明としましては、先ず、Ⅰの「初めに」で、投資主価値向上に向けた当期の実績と今後の取り組みになどを説明し、最後に分配金2,400円に向けた取り組みについて話をさせて頂きます。その後、Ⅱの「決算」並びにⅢの「運用状況の詳細」を説明させて頂きます。

6頁をご覧ください。先ず、分配金についてです。当期の分配金は、予想通り2,959円となり、大手町ファーストスクエアの3回目、持分30%の売却益が大きく貢献しました。今期と来期の分配金予想につきましては、2頁の右上、一口当たり分配金の推移のグラフをご覧ください。今42期は、大手町の4回目10%持分の譲渡がありますが、売却する持分が減少し売却益の一部を内部留保するため、当期比-559円の2,400円を予想しています。翌43期は、大手町の5回に亘る売却の最後となる5%持分の譲渡があり、今期予想と同額の2,400円を計画しています。

2025年9月期(第44期)以降は大手町の売却益がなくなりますので、43期の濃いブルーの部分の2,222円を、内部成長を中心とした取り組みによって、2,400円の水準に引き上げていく必要がありますが、具体的な取り組みの内容については、後ほど 9頁で説明致します。6頁に戻って頂き、内部成長について説明します。当期末のポートフォリオ稼働率は、仙石山や豊洲等で稼働率が上昇し、前期比0.6 ポイントプラスの97.2%となりました。

右の欄「今後の取り組み」ですが、4月に公表した品川シーサイドウエストタワーのメジャーテナントである、三菱総研DCS退去への対応策を策定し、早期に実行することによって、できる限り前倒しで埋め戻しができるように努めます。又、8月末にパナソニックが退去する、横浜プラザビルのショールーム区画約700坪については、これまで取り組んできた250件程度のリーシング活動の結果を踏まえ、埋め戻しのメインシナリオを、集客型テナントへの一括貸しから分割貸しに舵を切り、稼働率を優先したリーシング戦略に転換します。

又、前期に兆候のあった既存ビルの空室率頭打ちの動きは、足元では賃料上昇への動きに転じており、より良い賃貸条件の獲得に努め、トータルでの賃料増額実現を目指します。続いて外部成長です。当期は2つの交換取引、即ち、グローバル・ワン上野と淀屋橋フレックスタワーの資産入替と、楽天クリムゾンハウス青山と新ダイビル、土佐堀ダイビルの資産入替を実施し、これによりポートフォリオの収益性は向上し、テナント分散は進展しました。引き続き多様なソーシングルートを最大限に活用し、中長期目標である資産規模2,500億円に向けて、グローバル・ワンの持続的な成長に注力してまいります。

次に財務IRです。財務に関しては、余剰資金を活用し、リファイナンスのタイミングで5億円の借入金を返済したほか、長期金利に対して相対的に低位で推移している短期金利の動向を踏まえ、前期に導入したフロートFIXローンでのリファイナンスを実施しました。今後も財務コスト上昇の抑制に努めるとともに、現在の投資口価格の低迷が続くようであれば、資本効率向上による投資主還元を目的に、自己投資口取得の検討を実施します。最後にESGについてです。当期は、新たな温室効果ガス排出用削減目標について、SBTi認定を取得しました。又、当社の従業員が健康的で快適に働ける、ウェルビーイングのオフィス環境を提供することを目的として、4月に本所を移転しました。この取り組みは、資産運用会社の人材の採用確保や、従業員エンゲージメントの向上に資するものと考えています。今後のESGの取り組みについては、TCFDの定量分析に向けた取り組みを更に前進させて、ネットゼロを実現するための移行計画策定のために、CRREMリスク分析を実施するとともに、TCFD提言に沿った一層の情報開示に努めてまいります。

8頁をご覧ください。投資主価値の向上に向けて、当面注力する取り組みを纏めています。内部成長に関しては、真水ベースの巡航分配金2,400円実現の蓋然性を高めるべく、大口 テナントの退去が予定されている品川、横浜について各種対応策を策定のうえ、早期埋め戻しに努めます。又、投資口価格が低迷している局面においては、EPUの向上と投資口の需給改善を目的に、自己投資口の取得を検討、実施し、投資主還元を行います。外部成長については、当社独自のソーシングルートを使って全方位外交を展開し、ブリッジスキームなど様々な方法を検討し、更なる物件取得機会の拡大に努めます。又、パイプラインの案件化や資産入替を継続し、ポートフォリオやテナントの分散を一層進展させ、安定した収益寄与の構築に努めます。財務に関しては、足元の金利動向を踏まえ、複数年限でのリファイナンスを実施し、平均調達期間の短縮を進めるとともに、グリーンファイナンスなどあらゆる手段を検討し、安定的な資金調達、期日分散、コスト抑制の実現に努めます。

9頁をご覧下さい。分配金2,400円に向けた取り組みについて説明します。43期の予想において、大手町の売却益を除いた一口当たり当期純利益EPUは2,222円となりますが、大手町の売却益が剥落する44期以降、巡航分配金目標の下限である2,400円までの不足分 178円相当を、どのような取り組みによって穴埋めしていくかについて、こちらの頁に記載しています。先ず、空室の埋め戻しで+170円程度を見込みます。こちらは43期末に96.3%まで低下する稼働率を、98%まで向上させることを前提としており、43期に付与したフリーレント解消分を含んだ数字です。これにネガティブレントギャップの解消による賃料増額で+40円程度を見込み、内部成長で計210円程度のアップサイド余地があると考えています。この内部成長に加えて、水光熱費収支の改善や、自己投資口の取得・消却によるEPUの向上によって、更なるアップサイド余地が見込まれますが、仮にEPUが2,400円に満たない場合は、内部留保を活用して2,400円の分配金を確保します。尚、品川の三菱総研DCS退却後の、具体的な埋め戻しの検討実施はこれからとなりますが、2025年9月末に退去した場合、45期以降のEPUに与える影響は-200円程度になります。

続きまして Ⅱの「決算」です。11頁をご覧ください。当期決算の予想との対比です。当期41期の分配金は予想通りの2,959円となりました。右の表に増減益分析の要因を記載しています。営業利益は32百万円、DPU換算で31円予想比上振れましたが、これは、水光熱費収支の改善と外部委託費の下振れを主因として、賃貸事業損益が61百万円のプラスになったことが大きく影響しています。この営業利益の上振れにより、圧縮積立金を37百万円積み増して、予想分配金と同額の2,959円で着地しました。

続いて12頁をご覧ください。こちらは前期40期の実績との比較です。当期は大手町の3回目の譲渡に伴う売却益の計上がありましたが、営業収益は7,161百万円と前期比78百万円の減収、当期純利益は営業費用が減少したことにより3,360百万円と、6百万円の増益となりました。右側の表をご覧ください。大手町の持分減少による減収等を主因として、資産入替では74百万円の減益となりましたが、既存8物件の賃貸事業損益では、フリーレント解消やテナント入居等により、124百万円の増益となりました。一方、資産運用報酬の増加やその他一般管理費の増加による減益要因があったため、トータルでは営業利益は前期比並みとなりました。

13頁は42期(2024年9月期)の業績予想です。今期は、大手町の売却する持ち分が10%に減少するため、営業収益6,481百万円、当期純利益2,708百万円と減収減益を見込んでいます。分配金は、目標としている最低ラインの2,400円を確保するものとし、大手町の売却益のうち253百万円を内部留保する計画です。右の表をご覧ください。資産入替では、一連の入替取引によって、713百万円の減益を見込んでいますが、その主たる要因は、大手町の売却割合が30%から10%に減少することにより、売却益が前期比-721百万円となるためです。既存8物件の賃貸事業損益は、フリーレント解消やテナント入居により、賃料等収入が81百万円上振れますが、外部委託費の増加、水光熱費収支の悪化、修繕費の増加などの減益要因があり、トータルでは14百万円の減益を見込みます。又、利益連動の運用報酬の減少やその他一般管理費の減少による増益要因がありますが、資産の入替における減益額が大きいため、営業利益は前期比635百万円の減益を見込むというものです。

14頁は43期(2025年3月期)の業績予想です。来期は、大手町の5回目の売却については売却持ち分が5%相当に減るため、営業収益6,161百万円、当期純利益2,454百万円と、減収・減益を予想しています。一方、最終回の売却益については、買替特例を活用した内部留保を行えないため全額分配金として還元し、42期の分配金と同額の2,400円とする計画です。右の表をご覧ください。資産入替においては、大手町の売却割合が10%から5%に減少することにより、売却益が前期比181百万円のマイナスとなることを主因として、240百万円の減益を見込みます。又、既存8物件の賃貸事業損益は、フリーレント解消、外部委託費の減少、水光熱費収支の改善、利益連動の運用報酬減少、その他一般管理費の減少 などの増益要因がありますが、横浜のパナソニック退去による影響のため、トータルでは13百万円のマイナス、営業利益では前期比230百万円の減益を見込みます。

続きましてⅢの「運用状況」についてご説明します。内部成長についてです。17頁の稼働の状況をご覧ください。当期は、千石山の稼働率が83.8%から90.3%に、豊洲は83.9%から86.3%に上昇し、稼働率100%の上野、土佐堀、新ダイビルを取得したため、ポートフォリオ全体の稼働率は、前期比0.6ポイントプラスの97.2%に上昇しました。

次に当期に発生した空室の埋め戻し状況とリーシング注力物件である豊洲、横浜の稼働率の見通しについて説明します。18頁の左側のグラフをご覧ください。当期は、平川町、錦糸町、横浜、御堂筋などで退去がありましたが、平川町、千石山、錦糸町、豊洲、横浜、埼玉でリーシングが進展し、トータルでは908m2の入居超となりました。続いて豊洲と横浜の稼働率の見通しですが、豊洲は9月に0.5 フロアの新居入居が予定されており、稼働率は91.0%に上昇し、残すところ3区画1フロアとなりました。横浜については、パナソニックが入居している事務所の一部303m2、ショールーム2,306m2 が返却されるため、2024年9月末の稼働率は81.3%に低下する見込みです。

19頁をご覧下さい。横浜に関するこれまでのリーシング活動と今後の取り組みについて説明します。約700坪のショールーム区画は、ニーズが合えば市場賃料以上を確保できる集客型テナント、B to C事業者への一括なしのターゲティング営業を行ってきた結果、250件弱の営業活動に対して80件程度の問い合わせがありました。しかしながら、面積が広すぎるといった理由から具体的な商談に発展したものは少なかったため、1階と2階の分割なしをメインシナリオとするリーシング方針に転換し、7月にはテナント候補向け内覧会を開催する予定です。集客型テナントにとっては、横浜駅至近で、駐車場を最大60台程度確保できる希少性のある物件であることから、1階にB to C事業者、2階にオフィステナントを誘致することをゴールイメージとして鋭意活動を行っています。

続いてメジャーテナントである三菱総研DCSより、退去に関する意向表明のあった品川について説明します。これまで再三にわたって同社の入居継続の意思確認を直接行ってきた当社への配慮もあり、1年以上も前に退去情報を入手することができましたが、これをチャンスと捉えて、リテナントに向けて、戦略的な取り組みを検討、実施していきたいと考えています。例えば、内装工事費が高騰する中、居抜き入居のニーズ掘り起こしや、近隣競合ビルとの差別化を図るための、テナント共用ラウンジの設置といったバリューアップ工事の検討など、様々なケースを想定した前広、且つ、幅広な活動を行ってまいります。尚、東品川エリアの募集床面積は、近隣数ビルから1棟貸しテナントが退去したことに伴い、2022年6月頃に2万坪弱まで増加しました。その後、当該ビルの稼働回復とともに、本物件の属する1万円半ばから2万円の賃料価格帯で減少傾向にあります。こうした回復の兆しが窺えるマーケットの状況を捕捉しながら、テナントニーズに沿った様々な対応を検討し、適正賃料での早期埋め戻しに努めてまいります。

21頁のテナント入替と賃料改定による月額賃料変動についてですが、当期はテナント入替で5.9%の入替減額、賃料改定では5.5%の賃料増額を実現し、契約ベースの月額賃料は、ネットでは前期比20万円の増加となりました。

22頁と23頁の賃料改定の状況について説明します。41期の実績は、改定対象27件のうち、増額8件、据え置き19件、減額0件で平均増減率は5.5%のプラスとなりました。42期は改定対象31件に対し、4月末時点で増額13件、据え置き14件、減額0件、交渉中4件の状況で、平均増減率は+4.0%を予想し、4期連続で賃料増額を達成する見込みです。
次に23頁、賃料改定の今後の見通しについてです。当期もポートフォリオ全体では、1.5%のポジティブレントギャップとなっていますが、上野、横浜、名古屋、大阪、札幌は現行賃料がマーケット賃料を下回るネガティブレントギャップの状況にありますので、オーバーレントの先には、稼働率を意識した賃料減額など柔軟な対応をとりながら、トータルでの賃料増額を目指してまいります。

24頁をご覧ください。局所的な受給の緩みから、平川町、品川、御堂筋でマーケット賃料は下落しましたが、その他物件は横這いとなっていました。
以降は財務について説明します。27頁をご覧ください。敷金リリースの追加実施、修繕積立金の廃止、余剰資金を活用した借入金の返済など、効率的なキャッシュマネジメントに取り組んできた結果、当期末の簿価ベースLTVは45%まで低下し、簿価ベースLTV50%までの調達余力は200億円強となっています。又、長期固定金利比率が、足元で2期連続低下していますが、これは調達期間の前半は変動金利で、後半は固定金利に切り替わるフロントFIXローンを前期と当期に導入したことによる影響です。当初3年の変動金利期間終了後は、既に金利水準を確定させている固定金利に切り替わり、金利変動リスクを極力抑える仕組みとしていることから、規律ある財務運営を引き続き維持しており、又、今後も堅持していく方針です。

28頁をご覧ください。当期に実施したリファイナンスの内容と、返済期日の分散状況について示しています。当期に返済期日を迎えた105億円、期間7年の固定金利借入のリファイナンスは、余剰資金で5億円の返済を行う一方で、返済期日の分散を意識しながら、フロートFIXローンやグリーンローンを5年と7年の複数年限で調達し、DPU換算で3円程度のコスト削減を実現しました。今期はローン55億円と投資法人債30億円のリファイナンスがありますので、引き続き手段を尽くして期日分散と財務コスト上昇の抑制に取り組んでまいります。

29頁は内部留保の状況です。内部留保は、今42期決算で見込まれる圧縮積立金を加えると13億円、分配金換算で1,310円程度に積み上がる計画です。この圧縮積立金を活用して、横浜、品川で発生する空室ゾーンを全額補填した場合、いつまで補填が可能かという試算を行っています。このシミュレーションによると、2027年9月分までは補填が可能なことから、空室の埋め戻しが不調な場合でも、当面は安定した分配金マネジメントが可能な状況にあります。
最後にESGへの取り組みについてです。30頁に当期のトピックス、31頁以降はトピックスにあげた取り組み以外にも、Newという吹き出しをつけて紹介しているほか、マテリアリティの更新も行っていますので後ほどご確認ください。

私からの説明は、以上とさせて頂きます。
今後ともグローバル・ワン不動産投資法人に対しまして、ご理解、ご支援のほど宜しくお願い申し上げます。ご清聴有難うございました。