グローバル・ワン不動産投資法人 2023年3月期決算概要

グローバル・ワン不動産投資法人
2023年3月期(第39期)決算動画説明書
○動画  https://www.video-streaming.net/ir/8958/39_2023_3/
○資料  https://ssl4.eir-parts.net/doc/8958/ir_material_for_fiscal_ym/135998/00.pdf
○説明者 グローバル・アライアンス・リアルティ株式会社 代表取締役社長 山内 和紀
○説明 
資料に沿って第39期決算の概要と運用の状況について説明致します。

資料の4頁をご覧下さい。説明としては、先ず、Ⅰのはじめにで、投資主価値の向上に向けた当期の実績と今後の取組み、最後に当面の取組みについてお話し致します。そして、詳細の説明として、Ⅱの決算ならびにⅢの運用状況について説明致します。
資料の6頁をご覧下さい。投資主価値の向上に向けた、当期実績と今後の取組みについて説明致します。先ず、分配金についてです。当期の分配金は、大手町ファーストスクエアの25%持分売却と圧縮積立金の取崩し等により、前期比+434円の大幅増配となる2,860円と予想通りの着地となりました。

今期と来期の分配金予想については、7頁の右上、一口当たり分配金推移のグラフをご覧下さい。今40期は大手町の2回目の売却(30%持分の譲渡)と旧東松ビルのグローバル・ワン名古屋伏見の取得があるため、前期比+178円の3,038円を見込んでいます。翌41期は大手町の3回目の売却(30%持分の譲渡)を予定しており、2,959円を予想しています。在宅勤務を踏まえたオフィス縮小の動きは一巡し、コロナ禍からの経済の正常化が進み、人材確保や事業拡大のため、好立地で質の高いオフィスを求める企業が増えています。こうした中、足元の空室率上昇は一服、賃料は底固く推移しており、好立地の質の高いオフィスは、底打ちの兆しが見られます。一方、外資系企業がオフィス拡張を見直す動きや、新規ビル大量供給の本格化、電気料金の動向も不透明な状況が続いています。従って、今後も一時的に分配金が減少する局面においては、必要に応じて内部留保を活用し、2,400円以上での安定化を目指してまいります。

6頁の戻って頂き、内部成長について説明致します。当期末のポートフォリオ稼働率は、豊洲等のテナントの退去があった影響で、前期比0.4ポイントマイナスとなりましたが、リーシングの進展により、予想比0.4ポイントプラスの96.3%となりました。又、空室区画の埋め戻しに伴う入替増額と賃料増額により、テナント契約ベースの月額賃料は、前期比240万円の増加となりました。右の欄、今後の取組みとしては、今期末に稼働率が83.9%まで回復予定の豊洲を、一刻も早く正常稼働に戻すことに注力します。又、賃料改定に関しては、ポートフォリオとしては、現行賃料がマーケット賃料を上回る状況にありますので、テナントとのより丁寧な対応を継続し、トータルでの賃料増額の実現を目指してまいります。

続いて外部成長の実績ですが、収益性の低さが課題であった大手町スクエアの1回目の売却を行うとともに、ザ・ピーク札幌とグルーバル・ワン名古屋伏見を取得し、ポートフォリオの収益性を改善する資産入替を実施しました。当期より、収益安定のための継続的な資産規模拡大を図るために、物件取得目線の大幅な見直しを実施しておりますが、今後とも当社の持つ多様なソーシングルートを最大限に活用し、引き続きグローバル・ワンの持続的な成長に注力してまいります。

次に財務・IRです。財務に関しては、昨年11月にグルーバル・ワンにとって5回目の公募増資を実施しました。12月20日の日銀の長期金利に関する方針転換や、今年の3月以降金融市場が不安定に推移してきたことを踏まえますと、結果的に適切なタイミングでPOを実施することができたと考えております。又、ローンについては、期日分散を意識しながら、グリーンローンを活用して有利な条件でリファイナンスを行うとともに、スポンサーである三菱UFJ銀行のサポートの元、ブリッジローンを含む総額194億円の物件取得ファイナンスを実施しました。IRにおいては、国内外の機関投資家や個人投資家とのMeetingを積極的に実施し、グローバル・ワンへの更なる理解と投資家層の裾野拡大に努めました。今後の財務に関する取組みについては、コスト面を考慮しながら、デットの期日分散を図るとともに、環境に応じて柔軟にLTVをコントロールしてまいります。次にESGについてです。資産運用会社である当社の取組みになりますが、当期は投資主の皆様との利害の一致による長期的な投資主価値向上と、当社従業員の福利厚生の増進を図ることを目的とし、グローバル・ワンの投資口を対象とする持投資口制度を導入しました。又、ダイバーシティ推進を担当する執行役員を新たに選定するとともに、DEI、即ち多様性、公平性、包摂性を考慮した取り組みを推進していくことが、企業の収益性や従業員の生産性の向上、離職率の低下など、企業の持続的成長に繋がるとの考えのもと、DEI推進ポリシーを制定しました。今後は、グローバル・ワンのSBTi認証の取得に向けた検討を進めるとともに、気候変動リスクの定量評価に向けた調査・検討に取り組み、TCFD提言に沿った一層の情報開示に努めてまいります。

8頁をご覧下さい。右側に投資主価値の最大化に向けた取組みを示しています。グローバル・ワンは、これまでその時々の市場環境に応じて賃料増額改定や、入替増額による内部成長のほか、自己投資口取得やESGを初めとした様々な施策に取組んで来ました。当面は、今回のPOにご理解を頂いた投資主の皆様のご期待に応えるためにも、中長期目標として掲げた資産規模2,500臆円をできる限り早期に達成するために、新規物件取得や資産入替を通じた外部成長に注力してまいります。
続きましてⅡの決算です。

10頁をご覧下さい。当期決算の予想との対比です。当期39期の分配金は、予想通り2,860円となりました。右の表に増減益分析の要因を記載しています。営業利益は76百万円、DPU換算で74円のマイナスとなりましたが、これは電気料金上昇による水光熱費収支の悪化を主因として、賃貸事業損益が98百万円下振れしたことが大きく影響しているためです。想定よりも水光熱費が悪化したため、予想分配金2,960円を確保すべく、当初予定していた一口当たり66円相当の圧縮積立金への積立てを行わずに、1円相当を取崩すこととしました。

続きまして11頁をご覧下さい。こちらは前期38期実績との比較です。当期の営業収益は、大手町25%持分の譲渡に伴う売却益の計上により、6,664百万円と前期比972百万円の増収、当期純利益は2,943百万円と631百万円の増益となりました。右側の表をご覧下さい。営業利益が前期比で662百万円増加したことの要因分析です。テナント退去、水光熱費収支の悪化、リーシング進展による外部委託費の増加、修繕費の増加などによる既存10物件の賃貸事業損益の下振れと、資産運用報酬や、その他一般管理費の増加による減益要因を、資産入替に伴う札幌取得の外部成長効果と、大手町の売却益など増益要因が大きく上回ったことによるものです。

12頁は40期(2023年9月期)の業績予想です。40期の営業収益は、大手町30%持分の譲渡に伴う売却益の計上を予定しており、当期比+588百万円の7,252百万円、当期純利益は前期比+386百万円の3,310百万円と、増収・増益を計画しています。分配金については当初計画よりも。圧縮積立金に積み立てる金額を少なくし、半年前の分配金予想と同額の3,038円を維持する計画です。右の表をご覧下さい。40期の営業利益は399百万円の増益を見込んでいます。既存10物件の賃貸事業損益は、平河町や埼玉等で空室埋め戻しが進展しますが、横浜、錦糸町、豊洲、仙石山等のテナント退去と外部委託費、公租公課の増加により、70百万円の下振れを見込んでいます。一方、札幌・名古屋の取得による外部成長効果と大手町の売却益といった、資産入替による504百万円の増益が見込まれるため、営業利益は大幅な増益となる見込みです。

13頁は41期(2024年3月期)の業績予想です。41期は40期と同様、大手町の30%持分の譲渡に伴う売却益の計上があり、営業収益は7,216百万円、当期純利益は3,360百万円を見込んでいます。分配金は、大手町の譲渡益について、当期純利益の10%に相当する金額を内部留保するため、第40期比△79円の2,959円を計画しています。右の表をご覧下さい。41期の営業利益は、55百万円の増益を見込んでいます。資産入替では、名古屋の賃貸事業損益の通期寄与等により、42百万円の増益を予想。更に、既存10物件の賃貸事業損益は、平河町、錦糸町等のテナント退去に対して、フリーレント解消や横浜等の空室埋め戻し、外部委託費、修繕費の減少による増益効果で、110百万円の増益を見込み。これらが大手町売却に伴う持分減少による賃貸事業損益のマイナスや、資産運用報酬の増加による減益要因を大きく上回るという内容です。

続きましてⅢの運用状況について説明致します。
16頁をご覧下さい。先ず、内部成長についてですが、ウクライナ情勢の悪化以降、分配金の運営に大きな影響を及ぼしてきた水光熱費収支の状況から説明致します。グローバル・ワンは、保有する物件の約半分は電気料金を固定単価で請求する体系を取ってきましたが、足元では燃料費等調整単価が大幅に上昇し、水光熱費収支が赤字になっていたため、燃料費等調整額をテナント側に転嫁するために、鋭意交渉を進めてきました。その結果、当期までに全ての物件の電気料金において、燃料費等調整単価変動部分をテナントが負担する、変動制への移行が完了しました。この取り組みを通じた一口当たりの分配金換算の収支改善効果は、2022年度実績で40円、2023年度予想では111円を見込んでいます。又、右下のグラフの電気料金収支の推移の通り、23年9月期、24年3月期の業績予想において、これまでの実績等を踏まえた橋色の電気料支払いは増加を見込んでいますが、それとともに、青色の電気料収入も増えていく計画となっており、電気料金が高騰している状況においても、専有部はコストコントロールができるようになっています。

次に17頁の稼働の状況です。当期末の稼働率は、リーシングの進展により、平河町の稼働率が96.6%まで回復しましたが、仙石山の一部解約や豊洲の2フロア相当の退去などの影響で、ポートフォリオ全体では、前期比0.4ポイントマイナスの96.3%となりました。尚、仙石山と豊洲以外の物件は、軒並み95%以上の稼働率となっており、高位低稼働で推移しています。

次に18頁をご覧下さい。当期に発生しました空室の埋め戻し状況と、懸案となっている豊洲のリーシング状況について説明致します。左のグラフをご覧下さい。当期は、豊洲や横浜のように比較的大きな面積の退去がありましたが、大手町、平河町、錦糸町、豊洲、横浜、埼玉、淀屋橋でリーシングが進展し、トータルでは518m2の退去超に止めることができました。豊洲のリーシングについては、稼働率は当期末に79.1%まで回復、その後内部増床と新規入居により83.9%まで上昇し、リーシング区画は残すところ1.75フロアとなる見込みです。右下のグラフにあります通り、豊洲周辺のオフィス募集面積は、マーケット徐々に消化が進んでいる状況にあります。こうした中、現在確認できている複数テナントの内部増床ニーズの取り込みと並行して、外部募集も継続し、早期埋め戻しに努めてまいります。尚、赤い点線で囲んだ23年3月時点の、豊洲周辺の募集面積シェアにおいて、中央区のAビル3棟と、江東区のBビルが全体の53%を占めており、豊洲のリーシング条件に相応の影響を及ぼしていることが分かります。そのため、当該物件のリーシング条件をとくし、必要に応じて柔軟にリーシング戦略の見直しを行い、適正な条件でテナントをしっかりと取り込んでいきたいと考えております。

次の19頁では、豊洲のリーシングに少しずつ動きが出て来ているように、足元の代表的な大規模商談において、移転目的がコスト削減を主眼としたものではなく、好況期のようにグレードアップや業容拡大が目立つようになってきていることを、移転事例とともに紹介しています。
20頁ではテナント入替と賃料改定による月額賃料変動について説明致します。当期もマーケット賃料の低下により、テナント入替や賃料改定の交渉は、厳しい状況が続いていますが、テナント入替では、月額ベースで7件160万円の減額があった一方で、8件240万円の増額があり、トータルでは70万円、2.0%の入替増額を図ることができました。賃料改定については、170万円の賃料増額を実現し、テナント入替と合わせると契約ベースの月額賃料は、前期比240万円の増加となりました。
21頁と22頁で賃料改定に状況について説明致します。

先ず39期の実績ですが、改定対象19件のうち、増額9件、据置き10件、減額0件で、平均増減率は5.5%のプラスとなりました。40期は改定対象49件に対し、4月末時点で増額6件、据置き19件、減額1件、交渉中23件の状況で、平均増減率は+4.7%を予想しており、2期連続で賃料増額を達成する見込みです。

次に22頁、賃料改定の今後の見通しについてです。賃料増額改定によるレントギャップの一部解消に加え、当期も都内のマーケット賃料が下落したことから、ポートフォリオ全体では、現行賃料がマーケット賃料を4.0%上回る、ポジティブ・レントギャップの状況となっています。個別物件では、横浜、御堂筋、淀屋橋、札幌の4物件がネガティブ・レントギャップの状況にありますので、ポジティブ・レントギャップ先については、現状維持での着地を目指し、稼働率を意識した賃料減額など、柔軟な対応を取りながら、トータルでの賃料増額を目指す、メリハリのある賃料交渉を行ってまいります。

23頁は、各物件のマーケット賃料の推移です。当期のマーケット賃料は、平河町、仙石山、錦糸町、横浜、埼玉、大阪は横這いですが、それ以外の東京都内の物件は下落しています。東京都内は縮小移転や解約等が増加して、賃料水準の調整が進みましたが、立地改善やビルグレードの改善を目的とした、纏まった面積の商談が成約するケースが着実に増加しています。引き続き2023年の大量供給による局地的な需給バランスの変化に留意してまいります。横浜や埼玉は、いずれも需給が弱含みで推移していますが、拡張や分室等の需要による
成約のほか、退去が出ても面積が小さいため、東京23区と比較すると空室増加は限定的です。淀屋橋エリアについては、同エリアの新規ビル供給が当面予定されていないため、需給バランスは均衡しています。

24頁以降は、外部成長について記載しています。今回の資産入替に伴い、当面の目標としていた資産規模2,000臆円を達成し、グローバル・ワンが持続的に成長していくために、今後3年から5年に、資産規模を2,500億円に拡大するという中期目標を掲げました。足元では、先般実施した所得目線の大幅な見直しに基づく、積極的な物件ソーシング活動に加え、各種ブリッジスキーム活用の検討や、物件ソーシングを行う部署との連携を一層強化するために、リートの物件運用を行う部署に、物件取得の専任担当者を配置するなど体制の拡充も図り、中長期目標の早期実現に向けて取り組みを推進しています。

続いて財務について説明致します。
28頁をご覧下さい。グルーバル・ワンは、リファイナンスリスクを低減するために、返済期日を分散し、金利変動リスクをヘッジするために、長期固定金利を主軸とした資金調達を実施し、規律ある財務運営を行ってきました。その結果、39期末時点の簿価ベースLTVは、45.4%に低減し、平均調達期間は7.0年、平均調達利率は0.64%となっています。

29頁をご覧下さい。当期に実施したリファイナンスの内容と返済期日の分散状況について記載しています。当期に返済期日を迎えた47.5億円、期間5年の変動金利借入のリファイナンスは、固定金利借入の2億円を含む計21.5億円のグリーンローンと26億円の通常の変動金利借入でリファイナンスを実施し、グリーンローンの導入等を通じて約10百万円のコスト削減を実現しました。今期は60億円、期間5年の利率0.66%の固定金利借入のリファイナンスになりますが、足元の金利が上昇傾向にあるため、これまでのようにリファイナンスによる財務コストの削減は難しい状況にあります。従って、リファイナンス対象のローンに参加している、各レンダーの特性を踏まえた借入年限の構成を検討し、返済期日の分散と最適な条件での調達を通じて、コストの抑制に努めてまいります。
次の30頁をご覧下さい。内部留保についてです。当期は想定外の水光熱収支の悪化がありましたが、大手町の売却益と内部留保の取崩しによって、予想分配金2,860円を確保するbことができました。先ほどの説明の通り、専有部の電気料金は、全物件でテナントへの請求単価は変動制に移行し、EPUの下振れ影響は一定程度コントロール可能な状況になっています。そのため、今期と来期は大手町の売却益の一部について、内部留保を計画しており、これにより、一層安定した分配金マネジメントが実現します。今後、電力卸売価格の高騰を理由に、電力会社から契約の改悪や、大幅な電気料金の値上げを要請されて、一時的に分配金が減少する局面があるかもしれませんが、安定した分配金実現のために、売却益や内部留保は使い惜しみをせず、投資家の皆様に還元してまいります。

最後にESGへの取組みについてです。31頁をご覧下さい。当期のトピックスを纏めております。32頁以降に詳細を記載しています。トピックスに挙げた以外にも、当期の新たな取組みを、Newという吹き出しを付けて紹介しているほか、KPIの数値更新も行っていますので、後ほどご確認下さい。
私からの説明は以上とさせて頂きます。今後ともグローバル・ワン投資法人に対して、ご理解・ご支援の程、宜しくお願い申し上げます。ご清聴、有難うございました。