三菱地所物流リート投資法人 2022年8月期決算概要

三菱地所物流リート投資法人
2022年8月期(第12期)決算動画説明書&質疑応答
動画    https://www.video-streaming.net/ir/3481/12th_j/
資料   
https://mel-reit.co.jp/file/ir_library_term-1480614772aab59faf8f2bf784df052c7272c299.pdf
説明者   三菱地所物流リート投資法人 執行役員 兼
三菱地所投資顧問株式会社 物流リート部長 高梨 憲
説明
三菱地所物流リート投資法人の2022年8月期(第12期)の決算説明を始めます。
2頁目、今期の運用ハイライトから説明致します。運用ハイライトは4点あります。1点目
のハイブリッド型外部成長では、10月のグローバルオファリングを通じて、スポンサー
開発3物件と、MJIAソーシング5物件の計8物件454億円を取得し、資産規模2,616億
円へと拡大する予定です。一口当たり巡航分配金は6.0%のプラスです。前回の公募増資も
合わせ年間13.3%のプラスと、力強い成長となる予定です。
2点目の内部成長では、こちらもスポンサーのリーシング力による着実な賃料増額改定に
加え、自家消費型太陽光発電によるコスト削減など、MJIAの取組みによりハイブリッドな
内部成長を実現しています。3点目は財務戦略です。今年8月には資産規模の成長や、
ポートフォリオの分散が評価され、JCR様の格付けがAA(安定的)に向上しています。
加えて、今回の公募増資においても、低いLTVを活用した柔軟な資金調達により、投資主
価値の向上に資する、外部成長が達成できたものと考えています。4点目のESGでは、
今年もGTRESBリアルエステイト評価において、3年連続最高位の5—Starsを獲得する
ことができました。又、公募増資に合わせた借入れでは、サステナビリティ・リンク・
ローンやグリーンローンにて資金調達を行い、ファイナンス面でもESGを推進しています。
次に「三本の柱」による運用方針の進捗状況について説明致します。本投資法人は、中長期
的な投資主の価値向上を目指し、今期も3本の柱の運用方針に基づき、公募増資による
物件取得や、ESGへの対応など諸施策を実行してまいりました。Alignmentでは、設定
したESGの目標の達成に向けた取組みを進め、グローバルオファリングによる流動性の
向上を図りました。Disciplineでは、低水準のLTVを活用しながら、PDPやCREと
いった相対的に高い利回りのMJIAソーシング物件によるポートフォリオ利回りや
インプライドキャップレートを意識した外部成長を実現しました。我々独自のHybridに
おいては、スポンサーと本資産運用会社、双方によるパイプラインの積み上げが、着実に
進んでおり、Hybridでの外部成長に取組んでいます。又、スポンサーのリーシング力や、
本資産運用会社の運用力を生かしたHybridでの内部成長にも、継続して取り組んでまいり
ます。
次に今回の公募増資について説明致しますので、5頁にお進み下さい。今回の公募増資では、
本投資法人2回目となるグルーバルオファリングにより、スポンサー開発3物件と、MJIA
ソーシングの5物件を取得します。特にMJIAソーシング物件の一部は、PDPによる
初めての取得であり、MJIAアレンジによる相対的に高い取得利回りを実現した、投資主
価値向上に資する物件取得と考えています。取得ポートフォリオは、平均築年数2.7年、
全物件100%稼働と、安定したCash-Flowが期待できます。
6頁では、公募増資の効果について説明致します。前回と合わせた公募増資を通じて、資産
規模は912億円成長致します。又、一口当たり巡航分配金も、年間で13.3%のプラス、NAV
も10.4%のプラスと、力強い成長を実現しています。LTVについても有効に活用し、35.4%
での着地を想定していますが、依然LTVを活用した物件の取得余力も残しています。
次に決算と業績予想について説明致しますので、8頁にお進み下さい。この第12期の決算
は、期初にロジポート川崎ベイとロジクロス厚木Ⅱを取得したことより、第11期と比較
して、営業収益が1,247百万円のプラス、当期純利益が439百万円のプラスと、大幅な
増収・増益となりました。一口当たり分配金は179円プラスの7,353円と、8期連続の
増配で着地しております。要因を右側に記載しておりますが、営業収益は、第12期に取得
したロジポート川崎ベイおよびロジクロス厚木Ⅱの取得による賃料収入の増加等により、
1,164百万円のプラス、既存物件の内部成長で83百万円のプラスとなりました。費用面
では、第12期取得資産にかかる運営費用で318百万円、既存物件に関しては、第10期
取得資産の固都税費用化等により158百万円の費用増となります。営業外損益では、投資
口交付費や新規借入れによる支払利息の増加などにより、250百万円の減少となりました。
結果、前期および予算を上回る成長を実現しています。
続いて9頁では、足元の第13期と翌第14期の業績予想について説明致します。
第13期についても、冒頭で説明した今回の公募増資による物件取得を通じて、第12期と
比較して営業収益、当期純利益とも大幅なプラスとなる予定であり、一口当たり分配金は、
275円プラスの7,628円での着地を予定しています。その要因としては、第13期取得資産
の取得による賃料収入の増加等により781百万円のプラス、既存物件の内部成長で41百万
円のプラスとなる予定です。費用面では、第13期取得資産にかかる費用で169百万円、
既存物件のリーシング費用、水光熱費の増加等により、29百万円の増加を想定しています。
営業外損益でも、支払利息や投資口交付費の増加により、77百万円の減少となる予定です。
尚、第14期は、第13期取得資産の賃料収入の通期寄与、固都税費用化、投資口交付費の
剥落等により、分配金は7,832円を見込んでいます。LTVは公募増資による新規借入れに
より、予算上第13期末は37.7%、第14期末は37.3%となる予定でしたが、第6回公募
増資による借入れが想定よりも多くなる見込みのため、現状は第14期末で38.2%と予想し
ています。
11頁は取得戦略についてです。本投資法人はスポンサー開発の築浅、最新鋭の物件と、MJIA
による工夫を凝らした取得戦略を活用した、好条件での物件取得によるHybrid型外部成長
を特徴としています。左側のスポンサー開発案件では、三菱地所の総合デベロッパーとして
の用地情報収集力や、開発力を生かした単独開発を主軸としておりますが、今回の公募増資
を通じて取得した、ロジスタ・ロジクロス茨城彩都A棟・B棟のような他社との共同開発
も行い、開発機会の拡大を図っています。右側のMJIAソーシング案件では、MJIAが、
パートナー企業のニーズを補い合う形で開発をアレンジするPDP案件や、三菱地所
グループの信用力や情報収集力を生かした、CRE案件など資産運用会社として蓄積した
ノウハウやネットワークを生かし、好条件での案件発掘を行っています。簿価の逓減効果に
よるブリッジ機能により、取得タイミング、価格調整を行い、投資主価値の向上に繋がる
外部成長目指します。
12頁はパイプラインの一覧です。上段の青のハイライトで示しておりますのは三菱地所
開発案件、下段の緑色のハイライトが本社運用会社ソーシング物件となり、パイプラインに
ついても、Hybridでの構築を図っております。10月にスポンサー開発の三郷と大阪住之江
案件が追加され、第13期取得資産を除くと、12物件70万M2の規模となります。竣工
済み物件は7物件、24万M2の規模があり、十分な成長余力を残しています。加えて、
今後も三菱地所は、物流施設の開発に注力していく予定であり、MJIAソーシング物件を
合わせ、引き続きHybridでのパイプラインの拡充を図ります。
13頁では、内部成長について説明致します。先ず上段の賃料改定状況の推移では、2022年
8月期も順調に賃料増額が実現でき、5.3%のプラスで着地しています。足元の2023年2月
期でも、更改対象となる契約全てで賃料増額、増額幅は5.0%のプラスを達成しました。
翌2023年8月期についても、現在の交渉状況から考えると、5%程度の増額を目指せると
考えており、今後も増額トレンドを継続できる見込みです。今後も堅調な物流マーケットと
スポンサーによるリーシングサポートにより、継続した賃料増額を目指してまいります。
本資産運用会社の取組みによる内部成長としては、MJIAの運用資産全体を火災保険の付保
対象とすることで、保険料の削減や、自家消費型太陽光発電の導入による、水光熱費の削減
などHybridで着実に積み上げています。
続いて14頁では、インフレの影響について説明致します。14頁左側は、インフレによる
賃貸収益への影響です。一般的に物流施設は、長期の契約に基づく安定的な賃貸収入が
大きな特徴ですが、現状の物流施設の旺盛な需要を背景に、賃貸相場は上昇傾向にあるため、
契約期間5年未満が多くを占めるマルチテナント型施設では。契約更改時にマーケットと
のレントギャップを捉えた賃料増額を図ることで、マーケットへの追随が可能です。又、
BTSや底地を含めたシングルテナント物件は、長期の契約が多くを占めておりますので、
引き続き安定運用に努めるとともに、契約期間中の賃料改定協議を可能とする条項導入等
により、インフレ対応を目指します。右側では、水光熱費上昇の影響について説明致します。
先ず、水光熱費は、シングルテナントの場合は、全額をテナント様が直接負担されますので、
オーナー負担はありません。マルチテナント型の場合でも、オーナーは共用部のみの負担で
あり、本投資法人の負担する割合は、延床面積ベースで4.6%と限定的です。足元の水光熱損益は、悪化傾向にあるものの、NOIに占める割合としては、0.4%と非常に小さく、
本投資法人の損益の影響は限定的です。今後、テナント様への請求単価、請求方法の見直し
などを通じ、損益の改善を目指してまいります。
15頁では財務戦略について説明致します。本投資法人は、引き続き三菱地所グループの
高い信用力を生かし、安定した財務運営を行っています。負債の残存年数は5.4年、平均
負債コスト0.49%と、良好な経済条件で長期固定化を図っており、金利上昇の影響を受け
難い財務を構築しています。又、今回の公募増資に伴う借入れにより、りそな銀行様、第四
北越銀行様から新規で資金調達を行い、調達先は全25行とレンダーフォーメーションの
一層の拡大、分散を図りました。
続いてESGについて説明しますので、17頁をご覧下さい。左側記載の通り、本資産運用
会社では、2022年GTRESBリアルエステイト評価においても、3年連続で、最高位の
5—Starsを獲得しています。これも、偏に私共のESGへの継続的な取り組みを高く評価
頂いたものと考えています。10月の公募増資においては、目論見書をペーパーレス化し、
環境負荷の低減を図るとともに、図や写真をカラー化することにより、投資家の皆様の見
易さ向上に努めています。
次も11頁はESFファイナンスです。今回の公募増資による借入れについても、グリーン
ファイナンス・フレームワークに基づくグリーンローンや、環境目標の達成状況によって、
金利のインセンティブが得られるサステナビリティ・リンク・ローンなど、ファイナンス面
でもグリーン化を進めています。
最後に中長期の成長戦略について説明しますので、20頁をご覧下さい。資産規模は、公募
増資と効果的なLTVの活用により、継続的に、着実に成長を遂げてまいりました。今後も、
市場環境を注視しながら、更なる資産規模の拡大により、3,000億円の達成を目指して
まいります。資産規模の成長とともに、私共の運用方針や、各種の取組みが評価されている
こともあり、時価総額は、2022年月25日時点で2,076億円と、大きく成長してきました。
今後も、更なる流動性の向上により、Indexへの組入れを目指します。分配金も8期連続
増配、年間平均8.2%のプラスと、力強い成長を実現しており、今後も継続した外部成長を
中心にNAVも引き続き成長させることで、投資主価値の向上を目指してまいります。
説明は以上となります。ご清聴ありがとうございました。

質疑応答
Q;購入物件に底地が入っているが、底打ちを購入する意味、又、今後、パイプラインにも
底地案件が出てくるのか。
A:私共が底地を取得する際に検討するポイントとしては1点目が、長期に、安定的にCash-
Flowが確保できるということ。一般的に10年を超えるようなリース契約となって
いることが多く、長期、安定的にCash-Flowを確保することが重要となります。底地
の場合地代収入がありますが、これには減価償却が掛かりませんので、その利回りが
直接、償却後利回りになるということで、インプライドキャップレート、或いは、
ポートフォリオ全体の諸客後利回りの比較化において、ポジティブであれば、有効な
ものとなります。又、当該底地が借地契約終了後に物流適地であるかどうかもポイント
となります。契約終了後、その底地にどのような物流施設が建てられるのかという
ところまで検証したうえで、将来の再開発の種地としてみなしている点もあります。

Q:インフレ対応として、BTSのテナントに対して賃料改定の条項を入れていきたいとの
ことであったが、これに対するテナントの反応はどうだったのか。 
A:まだ、長期契約について、直接インフレ対応条項の交渉を、開始している訳ではあり
ませんが、中には10年を超えるような長期契約もありますので、テナント様との協議
によって、特に、今後の日本の経済が、中長期的にインフレが定着するような状況に
なれば、なおさら力を入れて協議をしていきたいと思っています。既存の契約の中にも、
既に、インフレ、経済状況に応じて交渉できるという条項が、既に入っているものも
ありますが、入っていないものもあり、経済状況に応じてテナント様と協議をしていき
たいということです。

Q;今回公募増資をして、物件を取得し、外部成長とのことでしたが、これによりDPSは巡航で6%伸びるという姿で増資されていますが、これの内部成長、外部成長、財務のコスト等の内訳について、着地の数字を伺いたい。質問の主旨としては、公募増資が
なかった場合、内部成長だけでどの程度の増配効果が見られるのか、お聞きしたいと
いうものです。
A:DPU成長率の内訳ですが、外部成長効果が2.7%、内部成長効果が0.5%、LTVが2.8%
  という内訳になります。内部成長の0.5%ですが、今年2月のP.O.の実施の際にも、
その時点の内部成長効果は0.5%との予想を申し上げており、年間ベースでは合わせて
考えて頂いて結構です。

Q:10月に、御社以外にも複数の会社の公募増資があったわけですが、マクロの環境として
  金利が上昇していることもあり、厳しい環境の中でも増資ではなかったかと思って
いるが、今後公募増資を検討していく中で、どのような要件が揃っていれば、公募増資
をしたうえで、外部成長を実行していくのかというところの目線について、又、今回の
増資を含めて目線の変化等があれば教えて頂きたい。
A:今回の公募増資のタイミングと今後のタイミングの要件についての質問と理解しますが、
  言われますように物流銘柄3つが、この10月上旬に公募増資を行いましたが、その
需給懸念を反映したものだと思いますが、我々が想定した以上に投資口価格が、若干
低かったということで、私共としては大変不本意に思っております。その後、価格は
回復してきており、P/NAVで1.2倍を超えるレベルまで回復しておりますが、次は
是非とも投資口価格が高いタイミングでやりたいと切に思っています。当然、投資口
価格の高いところを狙うということと、パイプラインの仕上がりというのもあり、
投資家様にとって取得する意義のある、利回りが取れる取得ポートフォリオを固めて、タイミングを見て次のPOを検討していきたいと考えております。

以上で疑応答を終了します。