いちごホテルリート投資法人 2022年7月期決算概要

いちごホテルリート投資法人
2022年7月期(第14期)決算動画説明書&質疑応答
動画  https://www.youtube.com/watch?v=zPcPnGAj47M
資料 
https://www.ichigo-hotel.co.jp/ir/news/p_news_file/file/IchigoHotel_20220914_Corporate_Presentation_JPN.pdf
説明者 いちご投資顧問株式会社 代表取締役社長執行役員 岩井 裕志
                執行役員ホテルリート本部長 岩坂 英仁
説明
2022年7月期のいちごホテルリートの決算について説明致します。
説明資料の8頁をご覧下さい。決算のハイライトを記載しておりますが、簡単に説明致し
ます。2022年7月期において1件の物件取得を行いました。コンフォートホテル長野で、
価格が670百万円。こちらのホテルのついては、賃料が固定賃料であることの安定性に
加えて、これまでのいちごホテルのCriteriaの主眼であるビジネス・レジャー双方の需要
が獲得で年きるということで物件の取得に至っております。当期純利益は361百万円でした。
修正予想比50百万円、16.2%の上振れとなりました。いちごホテルについては、当初予想
として2022年3月に公表しておりますが、7月に上方修正がほぼ確実であったため、上方
修正をしております。その修正予想値から更に16.2%という数字を獲得することが出来て
おります。RevPARですが、こちらは、保有している変動賃料15ホテルのRevPARになり
ますが、4,348円と修正予想比9.3%となりました。このRevPARの内訳については、右の
説明のところに記載がありますが、稼働率が84.7%、ADRが5,132円です。不動産の収益
であるNOIは、1,052百万円と修正予想から63百万円増、+6.4%でした。上振れの要因
としては、変動賃料が7月時点で想定していたよりも増額となりました。NOIについては
の当初予想(2022年3月)と比べると+21.3%となり、大幅に上振れをしております。
一口当たりのFFOが2,853円、一口当たり分配金は1,418円と修正予想から+16.2%です。
当初予想と比べますと+69.2%となりましたが、当初予想よりもホテルの状況が飛躍的に
良くなったと考えております。NAVについては、一口当たり130,082円と前期比+1%
です。鑑定評価ですが、CAP-Rateが据え置きということで、一部のホテルで収益の上方
見直しがあったために、価格が上昇していると聞いております。
9頁の決算概要ですが、営業収益は1,248百万円、予想比から+51百万円となりました。
その要因は、変動賃料をしっかりと増加できたというところです。これによって、分配金の
1,418円を確保出来ております。
保有しているホテルの運営状況を説明します。10頁です。表の上が変動賃料導入ホテル、
15ホテルあります。下が保有しているホテル全体の、21ホテルありますが、その数値です。
ホテルのパフォーマンス資料、前年同期と比べると全てが改善、上振れしております。右側
に参考として2019年、即ち、コロナ感染拡大前の数字を記載しておりますが、こちらに
比べると、変動賃料導入ホテルについては大体6割位の水準、61%まで回復出来ており、
ポートフォリオ全体でいうと、60%位の水準まで回復出来ているということが確認できるかと思います。
続きまして保有しているホテルのエリア別RevPARですが、全てのエリアで前年同期を
上回っている状況です。注目して頂きたい点がADRです。今までは、ADRのマイナスが
多く見られておりましたが、2022年7月については、大阪以外のエリアでプラスに転じて
いるというところが、足元強くなってきているという印象を持っております。その理由と
して、記載しておりませんが、各エリアの稼働率、北海道が89.1%、東京が93.9%、東海・
中部エリアが72.3%、京都が60%、大阪が71%、神戸が63.2%、中国・四国が75%、九州
が98.5%、客室稼働率もしっかりと上がっており、これから、ADRも上昇に転じることが
期待できる水準になってきていると思われます。一部、大阪だけがADRは若干のマイナス
ですが、稼働が7割を超えて来ているので、これからしっかりとRevenue Managementを
行い、ADRを上昇させるべく努力をしていきたいと思っています。
続きまして賃料変動ホテルの期別のパフォーマンス指標の推移です。9頁をご覧下さい。
稼働率が、コロナ前の2020年1月期の水準に達している状況です。2022年7月期も3月
までは行動制限がありましたが、4月以降、力強い観光需要を実感しており、コロナ前以上
のADRを目指すステージにあるのではないかと考えております。
続きまして13頁は宿泊需要です。いちごホテルの稼働率と、各ホテルタイプの全国の
宿泊者数をコロナ前の2019年と比較して水準を表した表です。表でお分かりの様に、まだ
コロナ前の2019年の水準に達している状況ではありませんが、いちごホテルにおいては
まだコロナ前に達してはいないものの、足元、5月の水準は、かなり近い線まで近づいて
来ていることが確認できるかと思います。又、全体に見ても、順調に右肩上がりの傾向が
確認できるのでないかと思います。更に、ビジネスホテルの戻りが速いということも、確認
できます。ビジネスホテルは、観光需要の他に各都市で行われるイベントが再開されることで、宿泊需要が伸びて来ます。こうしたことからもビジネスホテルは更に強くなっていくと
思います。更に、日本の行動制限の緩和、入国条件の緩和が期待されますので、稼働率の
上昇は、確実に右肩上がりを継続すると思っております。
次の14頁は、いちごホテルの新型コロナウイルス感染拡大以降の、賃貸借契約の変更等に
ついて記載しております。いちごホテルは需要面とかを見て投資しておりますので、契約
満了とともに継続を希望される、或いは、新たに出店したいというテナント様が多いことが
確認できております。又、コロナ禍においても、契約の更新などが出来ている状況です。
2022年7月については、表の下から2番目の倉敷において、新たなテナント様、グループ
会社ですが、博多ホテルズ様と契約を締結して、グランドオープンしております。更に、
今走っている期の2022年12月になりますが、2022年7月に購入したコンフォートホテル
長野の定期賃貸借契約が満了になりますので、テナント様の変更を検討しております。実は、
水面下では、複数テナント様から出店希望がありますので、条件の交渉を始めようという
ところです。
続きまして物件の取得です。2件ありまして、1件目がコンフォートホテル長野です。15頁
をご覧下さい。こちらは手元資金の活用ということで、有事に備えていた手元資金使い、
物件取得を行いました。鑑定評価額が7億円、取得価格が6.7億円です。
続きまして、昨日プレスリリースしておりますホテルサンシャイン宇都宮です。16頁を
ご覧下さい。取得価格が22億円、鑑定評は24億円です。宇都宮市は、ご存じの通り
北関東最大の都市で、近隣には工業団地、研究所があり、ビジネス需要を取り込める立地
です。更に、本ホテルは宇都宮駅の東口に位置しており、東口の開発が進んでいるという
ことで、コンベンションホール含めた複合施設の開業とか、路面電車システムの開業が控え
ております。こちらは固定賃料のホテルで、ポートフォリオの安定性に寄与できるという
ことを考えて取得しております。
このように、直近で2件取得しておりますが、ホテルの宿泊需要への、コロナによる影響は
底を打ったと判断して、手元にある資金を活用して攻めの姿勢に転じているというところ
もありますが、物件取得については慎重に検討をしておりまして、宿泊需要等を確認して
取得しております。物件取得により収益の向上、地域文化を進展させることにより、安定性
の向上を果たしていきたいと考えております。
続いて投資主優待制度です。1件目は宿泊代金の割引です。いちごホテルの取引関係にある
オペレーター様を支援する目的で開設しております。今期は2社が興味を持って頂いて
おりまして、1社は株式会社ミナシア、ここはホテルウィングインターナショナルホテルを
運営しております。優待は一番割安な公式サイトから、12%を適用して頂けるとのことです。
そして。株式会社ホスピタリティオペレーションズ、スマイルホテル等を運営しており
ます。こちらも、公式サイトから10%の割引となっております。当地に出張・訪問の際は
是非活用頂ければと思います。
2件目が、いちごJリーグ株主・投資主優待制度です。こちらも継続して行っております
ので、是非ご活用頂ければと思っております。
では、今後の取組みとして、いちごホテルのサステナビリティ経営を説明致します。
20頁になりますが、サステナビリティ経営に向けた取組み①ですが、3点挙げております。
1点目は環境認証の取得です。ホテルエミット渋谷では、BELSの4つ星を取得しており、更に2021年度よりGRESBのリアルエステイト評価へ参加しております。現在は、GRESB
レーティングで2Starを取得し、Green Starの評価を獲得している状況です。又、これ
から2つのホテルで省エネ診断を実施する予定で動いております。2点目は、環境に配慮
した省エネルギー工事の実施ということで、全館の照明LED化および節水設備工事など
エネルギー消費量削減に向け、計画調査を実施中です。既にホテル毎に取組んでいるものも
ありますが、こうしたものを更に調査をして省エネルギー化というものを追求していき
たいと思っております。
3点目が、エネルギー消費量および削減目標の開示ということで、 2023年1月までに
いちごホテルのHPにて、エネルギー消費量および削減目標の開示を目指していきたい
と考えております。
次の頁で、サステナビリティ経営に向けた取組み②を説明します。これはいちごのRE100
に加盟しているというところに並びますが、消費電力の再生可能エネルギーへの切り替え
ということです。2022年7月期時点で9ホテルにて再生可能エネルギーの受電を開始して
おり、残りの15ホテルにおいても順次切り替えを検討、相談中です。
それでは、向こう1年間(2023年1月期、2023年7月期)の業績予想について説明致し
ます。先ず、業績予想の前提ですが、ホテルマーケットの回復傾向は持続する見通しである
こと。但し、インバウンドの急激な増加は織り込んでおらず、2022年7月期までの順調な
右肩上がりを、想定としておいております。そして、変動賃料ホテル(15ホテル)の指標
の想定は下に記載の通りです。表が上下しておりますが、翌2023年1月期の予想について
は、稼働率が76.8%、ADRを5,505円、RevPARが4,226円の前年同期比+35.8%の水準
で想定しております。翌期の2023年7月期は、表は上になりますが、稼働率が77.9%、
ADRが6,409円、RevPARが4,990円で前年同期比+14.8%という水準としております。
前年同期から着実に上がるという措定にしておりますが、表の左にあるコロナ前の2019年
1月期、7月期に比べると、1月期は55%程度の水準、7月は7割程度の水準としています。
23頁をご覧下さい。2023年1月期の業績予想ですが、1口当たり分配金は1,106円、前年
同期比-7.8%と言う水準で予想を出しております。
NOIは前年同期を上回っておりますが、前年同期に特別利益、これはコロナ前にテナント
様の退去に伴う解約・違約金等が発生し、その特別利益を計上されていたのですが、今期は
それが剥落しますので、一口当たり分配金は前年同期を下回るというところです。
営業収益
前提ですが、ホテル数が変わっております。前年同期は23ホテルですが、2023年1月期
は25ホテルと2つのホテルが追加されており、営業収益が上がっております。更に、変動
賃料とRevPARですが、前提条件としてRevPARは前年同期比+35.8%としており、それ
により変動賃料も上昇し、NOIは上振れすることになります。998百万円、前年同期比
60百万円増、利率にして+6.3%という水準になります。ただ、マイナス要因としては、
確定してはいませんが、行政の1棟貸しの終了ということで、ヴァリエ広島の-84百万円
を見込んでおります。費用面ですが、営業費用、営業外費用とも上昇するという想定です。
更に、この期については特別利益の剥落がありますので、当期純利益は282百万円、前年
同期比で-60百万円としております。一口当たり分配金は1,106円、前年同期-239円と
なります。あと、表の下にある資本的支出CAPEXですが、513百万円、減価償却を上回り
ますが、このタイミングでしっかりと補修を行いたいと思っております。オペレーター変更
も検討しております長野での修繕・補修の支出、記載のホテル他の設備更新での支出を考え
ております。
続きまして2023年7月期ですが、24頁をご覧下さい。一口当たり分配金は1,380円で、
前年同期比-2.7%となります。NOIは前年同期を上回ります。費用は上がっていくことを
想定して、分配金は前年同期比減ということになります。こちらもホテル数は増加しており、
前年同期は24ホテルですが、今期は25ホテルとなります。又、RevPAR想定が+14.8%で
あり、需要も回復し営業収益も増収と想定しております。その結果、NOIは1,110百万円
となり、前年同期比58百万円、利率にして5.8%の増となります。マイナス要因としては、
行政の1棟貸しの終了を想定しております。又、取得した物件の通期寄与はプラス要因と
なります。営業費用、営業外費用は増加を想定しております。それらにより当期純利益が
351百万円と前年同期比-10百万円、一口当たり分配金が1,380円、前年同期比-38円と
想定しております。この期のCAPEXについては、しっかりとやりたいと思っています。
宿泊需要が戻ってくることが分かっていますので、ホテルのコンディションを上げていき
たいと思っております。
以上で決算報告、業績予想を終わらせて頂きます。

質疑応答
Q:RevPARについてです。RevPARはコロナ前5~6割に戻っているとのことですが、
営業利益ベースで見た場合、巡航までのアップサイドというのは、どの程度あると見て
いるのか。
A:現状、2022年DPUについては、まだコロナ前までの回復には至っておりませんが、
今後インバウンド等の開放があり、2019年まで戻ってくるとするならば、分配金と
しては、2,000円台後半から3,000円まで入ってくるのではないかと考えています。
  
Q:終わった2022年7月期において、行政の1棟借り上げがなかった場合の分配金は、
どの程度になりますか。1棟借り上げの影響度についての質問です。
A:2022年7月期については、当初予算では1棟借り上げが始まっておりましたので、
  2月、3月の1ヶ月間を予算に盛り込んでおりました。結果的には通期で借り上げが
3棟行われましたので、今回の7月期への影響は大きかったと考えております。仮に、
この3件の1棟借り上げがなかったとすれば、650円前後になるのではないかと試算
しております。

Q:宿泊需要の回復は順調そうに見えますが、下との業績予想についてはかなり保守的に
  作られているのでしょうか。
A:先ほど説明した2023年1月期、7月期は、今まさにインバウンドの回復に向けて開放
するという話がありますが、いつ、どのタイミングで、どれくらい開放するのか、又、
個人旅行の話も出てきたりしており、この予算を作成している時にはなかなか見込め
ないという状況でした。ですので、コロナ禍が始まった期間から徐々に国内の需要が
回復してきている推移を見まして、そこから、先ずは国内需要の回復を主眼に予算を
組んでおります。

Q:コスト面ですが、稼働回復に伴う人件費とか、最近ですと電気料金の上昇などが著しく
  なっていますが、そうしたインパクトはどのように見ておられますか。
A:人件費については、この期間中に各ホテルオペレーター様もかなりのコスト軽減をして
  いるというところでした。人件費も徐々にかなり高くなっているという状況もあり
ますが、引続きのコストの削減においては、例えば、外注している清掃費を内生化する
とか、効率化するとかを進めて、コスト上昇に対応していきたいという話をしています。電気代については、今年に入ってから燃料調整費等も5~20%上がって来ているという
現状でして、各ホテルオペレーター等から、契約に電気代の上乗せをしてほしいと要求
されていると聞いております。我々のポートフォリオにおいて固定賃料の物件に
ついては、電気代の上昇による水光熱費の影響は反映されませんが、変量賃料物件に
ついては影響を受けると考えています。仮に、今後電気代が通期で10%ほど上昇した
場合は、分配金では約70円、6.3%位影響を受けるのではないかと考えておりますが、
通期でそのようになってしまった場合と、足元燃料調整費については、一旦下がると
いう話も来ているので、どこまで影響を受けるかはまだわからないと、聞いております。
  先ずは、影響した場合はどの程度かとの試算では、10%程度上昇した場合は、6.3%位、
  DPUで約70円位の影響を受けるのではないかと、試算をしています。

Q:ご説明の中で、宿泊需要の回復を見込んで、固定賃料ホテル取得が2件行われており
ますが、今の足元のホテルの売買マーケットについては、どのような状況でしょうか。
A:売買マーケットについては、物件の情報は多かったのですが、宿泊需要のマーケットが
  夏に向けての回復とともに、物件の売買の情報が、かなり少なくなってきたという印象
  を持っております。現状の所有者様がマーケットを見て、先々値が上がる可能性がある
のではないかとの考えもあると思いますので、物件の売却というのが、一旦、様子見の
段階に入っているのではないかと考えております。よって、引続き好調なマーケットで
あれば、先々価格が上昇するような形で、物件の売却情報が出てくるのではないかと
考えています。

質疑応答はこの辺りで終了させて頂きます。
以上を持ちまして、いちごホテルリート投資法人2022年7月期の決算説明会を終了と
させて頂きます。本日はお忙しい中ご参加頂き、誠に有難うございました。