ヘルスケア&メディカル投資法人2023年1月期決算概要

ヘルスケア&メディカル投資法人
2023年1月期(第16期)決算動画説明書
○動画   https://www.video-streaming.net/ir/3455/2023_03_16/
○資料   
https://hcm3455.co.jp/file/term-19fafad54cc729bb8df3837abe7996032e4e30d7.pdf
○説明者 ヘルスケアアセットマネジメント株式会社 代表取締役社長 吉岡 靖二
○説明 
HCMの2023年1月期(第16期)の決算概要、並びに、第17期、第18期の業績予想に加えて、今後の外部成長や、ESGの取り組み状況について説明致します。

資料の2頁をご覧下さい。第16期のサマリーです。先ず、HCMとして、初めて資産の入替を実施致しました。首都圏の有料老人ホーム2施設を取得する一方で、上場来保有していた愛知県の有料老人ホーム1施設を、が愛撫に譲渡致しました。期末時点の資産規模は48物件、792億円、パイプラインも積み上がってきており、中期目標として掲げる1,000億円は、射程圏内です。又、鑑定評価額の上昇に伴い、含み益は94億円に、含み益率は12%に拡大しました。業績においては、資産の入替による賃料収入の増加、又、譲渡益の計上により、当期利益ベースで上場来最高益を達成しました。一口当たり分配金は3,557円と、前期比170円、5.6%増加し、昨年9月に公表した予想分配金よりも+73円の着地となりました。又、一口当たりNAVは131,933円と、4,000円近く上昇しました。新型コロナ感染症による業績への影響は、引続き限定的です。当期において、コロナを理由として賃料の減免や、支払猶予はなく、ポートフォリオの稼働率も100%を回復致しました。財務面では、既存の借入金97.5億円につき、全額ソーシャルローンにてファイナンスを実施しました。従来の方針に則り、全て長期での借換え、期限の分散を図るとともに、金利は固定化しました。期末時点の有利子負債は、総額391.5億円、LTVは48.2%です。その他のトピックスとしては、グルーバルな不動産投資指数の一つである、EPRA Nareit Global Real Estate Indexに新たに採用されました。投資家層の拡大が期待される中、当期末時点の、外国人の投資口保有割合は15.9%と、先期末時より、7ポイント以上上昇しました。又、2022年度より、GRESBに参加、初年度は、リアルエステイト評価が1-Star、開示評価は、最上位のAレベルを取得しました。

それでは、決算の中身をもう少し詳しく見てまいります。5頁をご覧下さい。A列が前期の実績、B列が昨年9月に公表した第16期の修正予想、C列が第16期の実績です。先ずトップラインですが、前期に取得した物件からの収入が通期で寄与したほか、当期に新たに2物件取得したことにより、賃料収入が57百万円増加しました。加えて、資産の入れ替えに伴い譲渡益204百万円を計上、その結果営業収益は2,632百万円と261百万円の増収、予想からも11百万円上振れました。費用面では、新規取得物件に関わる減価償却費のほか、資産規模の拡大、資産の入替に伴い、資産運用報酬が43百万円増加、又、先期に借り入れた資金に関わる支払利息が通期で発生するなど、営業外費用も9百万円増えました。一方で、修繕費や広告・宣伝費等が計画より下振れしました。これらの結果、当期純利益は、過去最高となる1,278百万円を達成、一口当たり分配金は3,557円と、前期比+190円、予想比でも+73円の増配を実現しました。尚、当期は出資の払い戻しに当たる利益超過分配は実施せず、将来の支出等に備えて、手元資金として留保させて頂きます。
6頁です。B列が昨年9月に公表した第17期の前回業績予想、C列が今回公表する予想値です。先ず、営業収益ですが、資産の入替に伴う譲渡益が剥落する一方で、第16期に取得した2物件の賃料収入が通期で寄与、前期比減収ながら、前回予想より+17百万円の2,438百万円を計画しています。営業費用は1,173百万円を予想。第15期、第16期に取得した12物件の固都税が、当期より費用計上される一方で、投資主総会の関連費用6百万円が剥落、又、前期に増加した資産運用報酬や資産保管、一般事務委託手数料が、契約条件の見直しにより減少致します。これらの結果、営業利益は前期比減益ながら、前回予想より12百万円増えて、1,264百万円を見込んでおります。営業外費用に関しては、有利子負債の増加、および長期金利の上昇により支払利息が増加、前回予想からも14百万円上振れする予定です。これらの結果、当期純利益は1,062百万円と216百万円の減益を予想、一口当たり分配金は3,265円で、従来予想から5円の減少を計画しております。D列は、第18期の予想です。営業収益は、新たな物件の取得や譲渡がないという前提ですが、第17期と変わらず2,438百万円を計画、費用面で減価償却費等が増える結果、一口当たり分配金は3,235円を見込んでいます。

7頁です。新型コロナの感染が拡大した第11期以降においても、一口当たり分配金は、安定的に推移しています。当期においては、資産の入替に伴う譲渡益を活用し、利益超過分配を行わずに増加、又、一口当たりNAVは、この3年間で約10%上昇しました、
8頁です。鑑定評価額の上昇に伴い、含み益は着実に拡大しています。第16期末の含み益は94億円で、含み益率は12%に上ります。
続いて9頁、財務状況です。2023年1月末に期限が到来した、総額97.5億円の借入金につき、ソーシャルローンにてリファイナンスを実施しました。概要は、こちらに記載の通りです。借入期間の長期化、金利の固定化、および返済期限の分散という従来の基本方針に即して借換えを行い、財務の安定性を確保致しました。先期借入金の返済期限は4.8年、茲許の長期金利の上昇を受けて、調達コストは上昇しましたが、借入スプレッドに変化はありませんでした。下の図は、今顔のリファイナンス実施後の、返済期限の分散状況を示したものです。投資法人債を含めた有利子負債全体の残存年数は3.3年、2023年3月に期限が到来する短期借入20億円は、同条件にて継続する予定です。それ以降に期限が来て、借入れをするものについては、今のところ長期、固定、期限の分散と言ったこれまでの基本方針を、原則踏襲する予定ですが、今後の金利環境次第では、分配金への影響を考慮しつつ、一部短期化や変動化について、柔軟に検討してまいります。


10頁をご覧下さい。第16期末時点の有利子負債残高は、391.5億円で、前期末から5億円増加、総資産LTVは48.2%、仮に50%まで引き上げた場合の調達余力は約30億円に上ります。尚、時価ベースのLTVは43.2%で、0.5ポイント低下しました。借入先は、ヘルスケア分野のファイナンスに経験のあるSBI新生銀行が加わり全部で15社、引続きスポンサーのSMBCを中心とした強固なバンクフォーメーションの元、安定した財務基盤を構築してまいります。長期発行体格付けは、昨年の9月に、AからA+に格上げとなりました。今後の債権市場の状況次第では、ソーシャルボンドの発行も検討してまいります。

11頁は第10期末(2020年1月末)以降のHMCの投資口価格の推移を示しております。この3年間、新型コロナの感染拡大やウクライナ情勢の悪化、世界的な物価上昇によりマーケット環境は大きく変化しました。そのような中で、HCMの投資口価格は東証リート指数、ならびに東証リート住宅指数を概ねアウトパフォームして推移しています。コロナ前の水準を回復し、昨年10月には終値ベースで、上場来高値を更新しました。景気に左右されない底堅い業績と長期固定賃料に基づく安定的なCash-Flowといった特徴に加えて、グローバルな不動産インデックスへの採用などが評価されたのではないかと、考えております。次に運用状況です。
13頁をご覧下さい。HCMのポートフォリオは48件、728臆円に拡大。鑑定評価額の合計は882億円で、新たに取得した2物件を除く継続保有46物件のうち26物件で、CAP-Rateの見直し等により、評価額が上昇致しました。投資エリアの三大都市圏比率は82.9%と高い水準を維持、平均鑑定NOI利回りは5.4%で、こちらも上場時からあまり変わっていません。

14頁をご覧下さい。私共は、細かな事業デュー・デリジェンス、および継続的なモニタリングを通じて、オペレーターならびに施設の状況を見極め、安定的なポートフォリオの構築に注力しています。事業デュー・デリジェンスに際しては、オペレーターの業歴、業容や財務内容を、事業モデルは元よりコンプライアンス面への配慮、人材の確保・育成方針、業務の効率化に向けた取組みなどについても、経営陣や施設長などの面談を通じで、しっかりと確認をしております。HCMが現在保有する物件のオペレーターは、全部で16社、シェア別では、シップヘルスケアグループのグリーンライフおよびグリーンライフ東日本が合わせて23.8%でトップ、それに業界大手のSOMPOケアやベネッセスタイルケアが続きます。HCMはオペレーターとの間で、原則賃料固定、長期の賃貸借契約を結んでいます。第16期末時点で、賃貸借契約は全て固定賃料、又、平均残存年数は12.5年です。契約期限が今から2年以内、2025年3月までに到来する物件は、グランダ鶴間・大和の1施設のみです。当該施設は安定稼働しており、現契約の規定に従い、引続き2年間の自動更新となる見込みです。尚、これまでもお伝えしている通り、新型コロナウイルス感染症によるHCMの業績への影響は、殆どございません。コロナを理由とした賃料の減免や支払猶予は一切なく、各オペレーターからは、契約で定められた賃料を、滞りなく受け取っております。又、茲許エネルギーコストが上昇しておりますが、HCMにおいては、水道光熱費は通常テナント負担となっていますので、直接的な影響はありません。

15頁をご覧下さい。HCMが保有する病院以外のヘルスケア施設の入居率は、平均90%前後で推移しています。コロナ禍で、恣意的に入居者の受け入れを制限したところもありましたが、現状、運営面で心配している施設はありません。又、HCMは、通常オペレーターに物件を一括でマスターリースしているため、実勢の賃貸面積を賃貸可能面積で割った稼働率は、各施設の入居率に影響されることなく、上場来概ね100%を維持しています。

次は外部成長の概要です。
18頁をご覧下さい。HCMのポートフォリオは、上場時の16物件、236億円から、3度の公募増資を経て、48物件、792億円まで規模が拡大、地域目標として掲げている1,000億円達成が視野に入ってきました。
次の19頁には、第16期に取得しました物件の概要を記載しています。先ず、ニチイホーム稲毛は、業界大手のニチイケアパレスが、前オペレーターのALSOK介護から事業を譲り受け、昨年3月に新規オープンした定員95名の住宅型有料老人ホームです。周囲は緑豊かな落ち着いた環境で、高級感のある仕様と、開放感のある明るい空間が特徴です。ニチイグループが持つトータル介護ネットワークと連携し、質の高いオペレーションを期待しています。本物件はスポンサーのNECキャピタルのウエアハウジング機能を活用し、1,508百万円、鑑定NOI利回り5.5%で取得致しました。はなことば追浜は、ソニーフィナンシャルグループの傘下で、神奈川県を中心に事業展開する、プラウドライフが運営する定員59名の、介護付き有料老人ホームです。花言葉シリーズは、地元で高いブランド力を有し、本物件はその中でも、横須賀地域の中核となるホームで、手厚いサービスとリーズナブルな料金設定が相俟って、入居稼働も高い数字を維持しています。本物件は、オペレーターの流動化ニーズを捉えて直接取得したもので、取得価格5億円、鑑定NOI利回りは5.0%です。

20頁をご覧下さい。19頁の、これら2物件を取得する一方で、上場来保有していたメディカル・リハリビホームボンセジュールを、シンガポールのヘルスケアリートに譲渡し、HCMとして初めて資産の入替を実施しました。ボンセジュール小牧は、ベネッセスタイルケアが運営する住宅型老人ホームです。運用面で特段の問題が生じている訳ではありませんでしたが、築年が古く、今後相応の修繕費や資本的支出の発生が想定されることから、外部への売却を検討しておりました。本件入替えの効果として、築年数は半分以下の14.1年に若返り、賃貸借契約の残存年数は3倍以上に伸びました。又、204百万円の譲渡益が発生し、分配金の増加という形で、投資主に還元致しました。HCMとしては、今後資産の入替を積極的に行っていくということではなく、引続き、資産規模の拡大を優先して取り組んでいく方針です。但し、保有物件の状況によっては、今回のように中長期的なポートフォリオの質の向上、ならびに、収益力強化のため、必要に応じて入替えも検討してまいります。

22頁です。2023年3月時点のパイプライン残高は約300億円。昨年9月からの半年間で、30億円積み上がりました。各物件は、主にスポンサーのB/S、又は、スポンサーが組成したファンド等が保有しています。ブリッジ期間は相手側の意向によっても異なりますが、通常1年から5年を想定しています。マーケット環境や物件の稼働状況等を踏まえ、HCMに組み入れていく方針です。右側上段のはぴね江坂は、スポンサーのネットワークを通じて、前所有者の不動産売却ニーズをタイムリーに捕捉したものです。下段のPDハウス東大阪は、デベロッパーの開発の出口を捉え、スポンサー以外のウエアハウジング機能を活用したものです。パーキンソン病に特化した住宅型有料老人ホームで、2022年7月に開設済みです。オペレーターの新規開発意欲は、大都市を中心に引き続き旺盛ですが、コロナ禍を経て、出店、立地の選別を進める動きも見られます。又、施設の大型化と建設費の高騰が進む中、最終的な物件のホルダーとして、資金力のあるリートやファンドなどの活用が、ますます重要になって来ています。私共としては、これまで築いてきたオペレーターや、デベロッパーとの幅広いネットワークを通じて、優良な投資機会の捕捉に努めてまいります。
次にESGの取組みです。

26頁をご覧下さい。本資産運用会社は、ESG委員会を設置し、全社を挙げてESGの取組みを推進する体制を構築しております。2022年度からは、GRESBに参加、初年度はリアルエステイト評価で1-Star、開示評価で最上位のAレベルを獲得しました。又、今般、TCFDへの賛同を表明し、国内の賛同企業の組織であるTCFDコンソーシアムにも加入致しました。そこで、Eへの具体的な取組みを紹介させて頂きます。先ず、保有物件の1つ、神戸学園都市ビルにおいて、共用部照明器具のLED化工事を実施し、電気使用量を約7割削減致しました。本件では、建物を一括賃借しているオペレーターとの間で、グリーンリースを導入し、電気使用量の削減とともに、賃料の引上げを実現し、HCMとオペレーターの双方が、経済的なメリットを享受しております。
次にレジリエンスの向上にも取り組んでいます。はなことば追浜において、周囲に広がる急傾斜地が、万が一崩壊した場合の影響について、事前調査を実施。長期的な安全の確保の観点から、写真の通り、擁壁補強の対策工事を、売主負担で実施したうえでポートフォリオに組み入れました。
28頁はSのSocial(社会)面です。具体的な事例としては、一部の老人ホームにおいて、HCM負担にて、ICTを活用したシステム投資を行い、現場の介護業務の効率化を支援しております。そして、毎年、投資効果をモニタリングし、その結果をインパクトレポートで公表しております。又、オペレーターに対しては、満足度調査を定期的に小実施しております。調査結果をPM会社と共有しながら、満足度の向上に努めています。Gのガバナンス面では、基本方針として、お客様本位の業務運営の実践と、自律的なコンプライアンス態勢の強化を挙げて、推進しています。特に利害関係者との取引については、その範囲を投信法の規定より幅広く定義し、独自に制定した利害関係者取引規定や、ウエアハウジングルールに則り、厳格な審査、手続きを経て、最終的な意思決定を行っています。その運用状況については、2年に一度、独立した第三者による検証を受ける体制を、構築しています。又、HCMの執行役員と、本資産運用会社の代表取締役を分離し、適切な牽制機能を確保しています。
本日の私からの説明は以上です。新型コロナウイルス感染症の流行は、足元落ち着いてきましたが、売買価格の高止まりや、長期金利の上昇などにより、リートをめぐる収益環境は大きく変化しつつあります。私共としては、引続き目利き力を生かした優良なヘルスケア施設への投資を通じて、トップライン収益の増強を図るとともに、必要に応じてコスト面の見直しも行いながら、安定的な分配金を目指してまいります。今後とも、ご指導、ご鞭撻を賜りたく、宜しくお願い申し上げます。本日は、ご視聴有難うございました。