ヒューリックリート投資法人 2022年2月期決算概要

ヒューリックリート投資法人
2022年2月期(第16期)決算説明 動画配信説明書
動画 https://www.net-presentations.com/3295/20220415/wewdhui/
資料 
https://www.hulic-reit.co.jp/file/ir_library_term-f74ce3750c9e8bf82f4e1cb1b76e56553f2f0106.pdf
質疑応答
https://www.hulic-reit.co.jp/file/news-fbc4ce38831ff1d2f50ef9b671fd9ef53b7eca46.pdf
説明者 ヒューリックリート投資法人 執行役員、
    ヒューリックリートマネジメント株式会社 代表取締役社長 一寸木 和朗
説明
決算説明資料に基づいて順次説明を致します。
先ず、4頁をお開き下さい。こちらにエグゼクティブサマリーを纏めております。
先ず、外部成長面での実績ですが、昨年10月公募増資の際に取得した4物件、譲渡1物件
に加え、この3月に借入れで老人ホーム1物件を取得し、資産規模は15期末比290億円
増加し3,790億円となりました。今後の戦略としては、右側記載の通り、マーケット環境を
⾒極めながら、厳選投資により、投資主価値向上に資する資産規模拡大フェーズへの回帰を
展望していきたいと考えています。但し、いまだコロナ禍が続き、先行き不透明感な経済
環境のなか、当面のところは収益安定性を重視した運営を継続していき、銀⾏店舗や有料
⽼⼈ホームを中⼼とした取得を中心に、入替えも検討してまいります。次に内部成長の実績
ですが、第16期末の稼働率については、各用途とも業績予想の前提通りで、全体稼働率は
98.5%となりました。オフィスの賃料については、継続改定は増減率プラスで、
引き続き賃料改定おいて減額事例は発生しておりません。又、テナント入替え時の賃料
増減率は、第15期はネットマイナスでしたが、第16期はネットプラスとなりました。
今後の見通しは、マーケットの供給率が上昇するも、不足感が見られるなかポジティブな
テナントの動きも活発化する一方、依然退去や減少等の動きも相応に続いております。
そうした中、テナント層が厚く供給が限定的な小規模ビルにおいて、保有物件のエリアや
立地の優位性を訴求し、テナントニーズに即した柔軟なリーシング活動を推進していく
所存です。財務面の実績は、3月の取得も含めLTVで44.7%、50%までの取得余力は
420億円となりました。又、ポジティブインパクトローンやグリーンローンなど、ESG
ファイナンスでの調達の多様化にも応じ、実施をしております。今後は、当面、LTV45%で
の運営を目指しながら、中長期的には40~50%程度の運営を検討してまいります。ESGの実績につきましては、引続き外部評価において高評価を確保し、MSCIの格付け評価に
おいては、この3月にAに格上げとなりました。又、昨年TCFD提言に賛同表明を行い、
今回、決算発表に合わせ定性開示を実施したところです。今後もTCFD提言に即した
シナリオ分析結果を踏まえ、温室効果ガス排出削減やグリーンビル認証取得等に注力して
いきます。
5頁です。続きまして、今回実行した運用ガイドラインの変更について説明致します。
変更のポイントは、上段の説明にありますように、従来、東京コマーシャル・プロパティ、
略称TCPのオフィスの基準に該当しないとして、次世代アセット・プラス、略称、NGA
プラスのその他に分類をしておりました一部の銀行店舗を、TPCのオフィスに集約、整理
することを主眼としています。ポートフォリオの構成や特徴を分り易くするものです。
具体的には写真の八王子と神戸の銀行店舗ビルが対象となりますが、比較表の変更後に
記載の通り、変更前の「東京都及び東京都近郊の政令都市」を東京圏と整理したうえで、
「東京圏に準ずる経済圏を有する地域」もオフィスの対象としました。又、変更前は「原則
最寄り駅から徒歩5分以内」としていましたが、「又は」として、「地域において競争⼒や
優位性のあるエリア」も対象として追加しました。今後、TCPのオフィス区分において、同様の物件取得も可能となりますが、あくまで限定的な位置付けであることを明確化
すべく、「東京圏の投資⽐率を、オフィスの90%以上」としております。又、NGAプラス
のその他のカテゴリーは維持し、投資対象としているオフィス、商業施設、有料老人ホーム、
ネットワークセンター及びホテル以外の資産にも投資可能としております。現時点で
想定している投資対象はありませんが、長期的な安定収益の確保や、投資口最大化に資する資産として、NGAプラスの既存保有資産も含めて20%程度の枠内でということになります。
7頁です。決算ハイライトを説明します。分配金につきましては、棒グラフの通り第16期
実績は、予想と同額の3,600円、第17期予想も、前回予想と同額の3,700円、第18期
予想は3,480円としています。第16期実績、第17期予想は、資料右側に記載の新宿
三丁目ビルの2期に分割譲渡したことによる譲渡益が、各期の分配水準を押し上げて
いますが、第18期予想では、譲渡益要因が剥落することとなり、又、第16期と17期の
前回予想の上振れ分につきましては内部留保を追加で積み増し、第17期の内部留保分を
多く73百万円に増加した後、第18期のオフィステナントの追加解約に伴う一時的な減収
に対し、128百万円を取り崩し、分配金に充当する予定です。この結果、第18期の内部
留保は444百万円、一口当たり309円となる想定です。
8頁です。分配金の増減要因について説明致します。第16期実績は、下段の期中稼働率も
想定通りに推移し、予想と同額の3,600円としました。業績予想においては、会議室収益や
賃料の一時減額等のコロナ影響や、その他コストの保守的な想定を織り込んだことから、
分配金ベースで106円上振れましたが、従来同様上振れ分は内部留保の追加増額に充当し、
第16期末で内部留保額は、一口当たり314円となりました。
9頁です。今後の業績予想ですが、第17期も前回予想と同額の3,700円、第16期対比
ではプラス100円としています。期中の稼働率は、第16期実績と同水準を見込んでおり、
第16期実績との分配金増減要因は、昨年10月の物件入替えと3月の取得物件の収益寄与
でプラス56円の他、空室埋め戻し等によるプラス80円とダウンタイム等によるマイナス
52円を合計した入退去要因でプラス29円となっています。これらを踏まえ、前回想定して
いた内部留保額を追加で増額することにより、第17期末時点では、一口当たり398円と
なります。一方、18期は、物件譲渡益が剥落することにより、物件入替え要因でマイナス
313円、空室埋め戻しプラス91円に対し、追加のダウンタイム等でマイナス141円の
マイナス要因を見込んでいます。この追加のダウンタイム要因のうち、直近解約の申し入れ
を受けた複数物件については、第18期から退去が顕在化することになりますが、解約申出
から日も浅く入居や賃発までに時間を要する可能性もあるため、稼働率の想定において
入居を見込まず、期中平均で95.7%まで稼働低下する想定としています。従って当該直近
解約分申出分は、一時的な収入減少として、内部留保を一口当たり89円取り崩し、充当することとしています。この取り崩し想定額は、今回の第16期、第17期の内部留保の追加
増額分にほぼ見合うことから、結果として、第18期末時点の内部留保額は309円となり、
前回予想第17期の304円を、若干上回る水準を維持することとなり、早期埋め戻しを
図り、取り崩しを回避することを目指してまいります。
11頁です。運用実績について説明致します。コロナ発生以降、安定性に軸足を向けた資産
入替えを継続してきており、昨年10月の公募増資と物件入替え、又、3月の借入れによる
物件取得によりまして、足元の資産規模はご覧のように62物件、3,790億円となりました。
12頁です。ポートフォリオの構成としては、冒頭説明しましたガイドラインの変更を反映
しTPC78.2%、NGAプラス21.8%ということで、TPCのオフィス・商業施設は、中央
グラフの通り、立地は東京6区に77.3%、駅徒歩1分以内に66.1%と、引続きオレンジ色
のJ-REIT全体を大きく上回る都心・駅近の構成となっています。立地競争力により選ばれ
る物件として、今後も安定性を発揮するものと考えています。尚、資料中央下段ですが、
今回設けたオフィスの東京圏投資比率は97.3%となっています。
13頁です。外部成長の実績として、3月に取得した有料老人ホームのグランダ学芸大学に
ついて説明します。こちらは、銀行社宅を立て替えました老人ホームで、東急東横線学芸
大学駅から徒歩6分の、利便性の高いエリアに位置しています。入居一時金を月額換算
しました想定月額利用料は60万円と、所謂、高価格帯ゾーンに該当し、目黒区周辺の富裕
層のニーズを背景に、安定した稼働率を維持しており、オペレーターのベネッセスタイル
ケアで、300を超える高齢者施設の大手運用会社です。
14頁です。これまでの外部成長における資産入替の実績と効果について説明致します。
下段に記載の通り、収益の低下懸念のある商業施設やオフィスの6物件を譲渡する一方、
上段記載の収益の安定性が期待される銀行店舗や優良老人ホームなど13物件を取得し、
入替えを行っております。その結果、右上記載の通り、商業施設への投資比率は実質8.3%
に低下する一方、銀行店舗は12.6%、優良老人ホームは10.6%を占めることになり、安定性
の向上に寄与しています。これらの入替えを通じ、13期からの入替えで、約33億円の譲渡
益を計上し、分配金還元や内部留保の確保等中長期的な投資主利益の成長に取り組んで
きております。
15頁です。内部成長の実績につきましては、今回から物件用途別に順次記載する様式と
しております。先ず、ポートフォリオの65.5%を占めるオフィスです。左上のグラフは
入退去の実績と予想の推移ですが、ブルーの面積が入居面積、グレイが退去面積、折れ線は
オフィスの総賃貸可能面積に対する割合です。第16期の入居面積は、僅かに予想を上回り
ましたが、下段の稼働率推移の通り、オフィスの期中平均稼働率は予想と同率の96.7%、
全体稼働率は98.5%となりました。又、第17期の入退去は足元のリーシング事情を踏まえ、
若干旧予想の面積から引き下げ、下段の稼働率は第16期から横這いの96.7%、同様に全体
稼働率も98.5%としています。第18期は、業績予想でも説明しました通り、直近追加の
解約申出を受け、入居や賃発まで時間を要する可能性があるため、稼働率は想定上入居を
見込んではおりません。その結果、稼働率は期中平均で95.7%、全体で98.1%まで低下する
想定としておりますが、早期埋め戻しを目指してまいります。又、テナント入替え時の賃料
増減については、右上の通り、第15期はネット、マイナス1.8%でしたが、第16期は
ネット、プラスの2.9%に改善をしています。右下、入・退去テナントの業種構成を纏めて
います。特段の傾向は見られませんが、退去テナントのうち6割を情報通信、製造業が
占めております。昨年来の入・退去動向は、入居は退去を上回って推移してきましたが、
直近で退去通知が重なったため、業績予想上、稼働率の想定を下方修正しています。
オフィス賃貸動向は、エリア、物件、テナント特性に応じ異なるため、今後も賃貸ニーズや
テナント動向を良く見極めていく必要があると思われます。基本的な認識は、新規供給が
限定的で、幅広い候補テナントを有する中規模以下のビルは、都心・駅近の立地優位性が
競争力を発揮し、選ばれるオフィスとして一定の時間の経過とともに埋め戻しは十分可能
と考えております。
16頁、賃料改定の状況です。左上のグラフの通り、保有物件のマーケット賃料は、コロナ
以降、空室率の上昇とともに下落し、第15期に前期比79%の物件でマーケット賃料は下落
しましたが、第16期の下落は39%に半減し、概ね、下げ止まり現象が見受けられます。
こうしたマーケット賃料の変動の中で、賃料ギャップについては、従来、マーケットレンジ
の中央値を基準に算出しておりましたが、レンジの幅も変相していますので、今回より
レンジの上限、下限を基準とすることとしました。マーケットレンジよりも低い賃料の
テナントがオフィス面積の17.1%の割合ですが、その賃料ギャップの平均は、マイナス5.9%
となっています。第15期については、同じベースでマイナス6.2%ですので、若干縮小した
ことになりますが、この部分については引続き増額改定を目指してまいります。賃料改定
実績は右上の通り、増額改定した面積は僅かですが、減額改定は発生していません。
17頁で埋め戻し事例について説明を致します。ヒューリック神田橋ビルでは、複数区画の
解約が発生しましたが、館内テナントの増床ニーズを捉え、一部増額入替えを実現しながら、
第17期には100%稼働回復を致します。大手町駅から徒歩3分の立地の優位性が発揮され、
ビル全体の賃料単価も0.5%上昇致しました。右上の東上野一丁目ビルは、1、2回の地方
銀行店舗を含む複数区画で解約が発生したものの、最寄り駅から1分の立地の優位性も
あり、100%稼働への埋め戻しが完了しました。左下の神戸ビルは、昨年取得時の稼働率は
88.7%でしたが、取得後リーシングを強化し、97.4%まで上昇しています。いずれも利便性
の高い駅近、好立地の中規模以下のビルであり、こうしたオフィスは比較的早期に埋め戻し
が実現しています。
18頁でオフィスポートフォリオの分散状況について説明します。先ず、契約賃料ベース
では、オフィス用途の割合はポートフォリオの57.4%を占めておりますが、立地エリアは、
80.7%が都心の6区に所在し、それ以外の大半は銀行店舗ビルとなっています。平均賃料の
構成を見ると、大規模ビルに相当する賃料3万円以上の物件は9.4%、その他中規模ビルに
相当する1万円台、2万円台が90.6%となっています。テナントの業種構成は、比較的分散
されていますが、製造業15.1%、金融・保険業17.2%が上位となり、情報通信業は10.4%に
留まっております。又、契約面積の規模分散は、区画件数ベースで100坪未満が40.6%、
100坪以上200坪未満が32.9%と200坪未満のテナントが73.5%と大部分を占めています。
従って、現在のマーケット環境において、相対的に安定性が期待されるオフィス・ポート
フォリオの構成だと考えております。
19頁は商業施設です。商業施設は、コロナ禍における資産入替によりまして、先ほども
申し上げました通り、投資比率は12.4%まで低下をし、スポンサーへの固定のマスター
リース分を除きますと28.3%となっております。稼働率については、コロナ以降の退去で
低下した時期もありましたが、当該物件は譲渡をし、又リスクが創生される物件も譲渡して
おります。リーシング面でも、右側に記載のHULIC & New Shibuyaも飲食テナントの
退去後に、サービス系のテナントなどに入れ替えるなどして、極力、賃料を維持しながら
稼働を回復させてきた結果、3月末の商業施設全体の稼働率は、99.9%まで回復致しました。
テナント構成は、スポンサーへの固定のマスターリースが26.1%、物販、サービス等に分散
され、成約の固定賃料が99.7%、契約期間3年以上が55.3%で安定的な契約形態となって
おります。
20頁で、続きまして次世代アセット・プラス。こちらは賃料ベースで22.3%を占めますが、
クレジットの高いオペレーターへの長期安定的な運用を行うもので、東証上場企業、及び、
その連結子会社が92.3%を占めております。契約期間は、20年以上が71.7%、固定賃料が、コロナ前の想定で99.2%と高い安定性が期待できます。下段に賃収の推移を棒グラフで
記載しておりますが、有力オペレーターへの賃貸として100%稼働しており、オレンジ色の
折れ線で示している住宅主体型リートの稼働率が上下に変動するのに比べて賃収を減らす
ことなく、物件取得の毎、賃收を増加させてきております。
21頁です。次世代アセット・プラスの中で、有料老人ホームは、コロナ禍の中で安定重視の方針の中で投資比率を10.6%まで引上げて来ました。左側の三角形は想定月額利用料の
水準による施設の分布状況ですが、今回取得したグランダ学芸大学は50万円以上の上位
2.5%ゾーンに該当します。本投資法人で保有する施設は、全て想定月額35万円以上の
ゾーンに該当し、高齢者向け施設全体の7.7%の希少性を有しています。これらの施設が
需要の厚い東京23区に87.2%所在し、20年以上の契約股間で、固定賃料により安定運用
されています。
22頁です。ネットワークセンターのオペレーターはソフトバンクであり、運営状況に特段
の変更はなく、長期安定運用されております。又、ホテルは東京都心部の3物件ですが、
オペレーターは相鉄グループとはとバスで、いずれも信用力が高く、コロナ禍以降も減額等
は発生していません。賃料構成は、固定賃料を主体とし、コロナ前に一部変動賃料分の
上乗せがありましたが、コロナ前の想定で96.4%が固定賃料となっており、固定賃料が着実
に支払われております。
23頁、財務の状況です。資料の右上、ポートフォリオの平均残存期間は4.2年、金利水準
も0.6%です。長期負債比率は98.9%、固定金利比率も97.9%と、安定した運営を継続して
います。既存借入れの借換えに対して、2月にポジティブ・インパクト・ファイナンスと
して合計40億円。グリーンローンとしてJCRから最上位評価を取得し、合計15億円の
調達を実施しています。
24頁です。鑑定評価については、Cap-Rateはオフィスの22物件、商業施設の2物件、
有料老人ホームの全10件で低下をし、そのほかは一部特殊要因を除き横這いとなり、
含み益は635億円に拡大し、含み益率は16.9%となっています。引続き売買マーケットで
の高値圏の取引動向を反映しており、当面こうした状況は継続すると見込まれますが、金融
政策変更を初めとする、環境の変化には十分留意をします。
26頁です。ESGの取り組みについては、先ず外部評価においてGRESBにおいて2年連続
最高位の5スターを取得し、昨年末には引続きMSCIのESGセレクト・リーダーズ指数に
も継続採用されており、この両者を満たすJ-REITは本投資法人を含め7銘柄となって
います。この3月にはMSCIのESG格付けは、シングルAに格上げになりました。又、
昨年7月のTCFD提言への賛同表明後、シナリ分析や財務インパクトを把握し、今回、
決算発表に際し、情報開示を行っています。今年の2月には既存のグリーンファイナンス・
フレームワークの範囲を見直し、ソーシャルも含めたサステナビリティファイナンスのフレームワークを策定しました。
27頁です。TCFD提言に即した情報開示について概要を纏めております。
シナリオ分析に基づくリスク、機会の特定を行うとともに、それらが事業にどの程度影響を
与えるかの、財務インパクトを評価しています。網掛けした項目が、影響が特に大きいと
評価したものですが、炭素税の導入や顧客からの評判低下による競争力の低下のリスクに
対し、環境認証や低炭素ビルの導入により需要の増加に繋げる、又、再エネ、省エネの導入
によりコストを減少させるなど、機会の拡大を目指すというものです。従って、具体的な
戦略対応策としては、KPI対象であるGHG排出削減やグリーンビル認証取得を着実に
推進していくということになります。
28頁です。KPIの進捗状況は、エネルギー消費量、GHG排出量とも2030年までの削減目標近辺まで到達しつつあり、順調に進捗しております。
又、29頁の、GHG排出削減についての取り組みとして、LED化、太陽光設備の活用、
再生可能エネルギー由来電力の導入に加え、グリーンリース契約の導入など、様々な取り
組みを行なっております。
30頁です。グリーンビル認証取得のKPIについても、毎期、着実に向上し、2025年の
目標に対し、スポンサー開発物件を中心に、順調に認証取得が積み上がりまして、TCPに
ついては、目標を達成致しました。
以上を踏まえまして今後の戦略を34頁で説明致します。
先ず、分配金戦略ですが、コロナ禍以降、物件入替えをベースに安定性重視の運営を展開し、
譲渡益を分配金実績に上乗せして来ています。今後も、リスクの顕在化が予見される場合に
は譲渡も検討しますが、先ずは早期にリースアップによる稼働率向上により分配金水準を
底上げしつつ、投資主価値の向上に資する外部成長の機会があれば、厳選投資により分配金
成長を上乗せしていく方針です。オフィス稼働率は第18期予想で、期中平均95.7%まで
下げておりますので、1%の稼働率向上毎に、口当たり40円程の増配。又、外部成長面では、
足元44.7%のLTVに対し、1%程度の取得、約74億円の物件取得により、口当たり50円
の増配効果が試算されます。その一方で、一時的な、又は、想定と異なる収入の減少等には
今帯の対応と同様に、一口当たり309円の内部留保の活用を行うことも可能です。
35頁に、こうした戦略の前提となるマーケット環境につきまして纏めております。右上
グラフの通りビルの規模別空室率は、オレンジ色の200坪以上の大規模ビル空室率の上昇により、青色の基準階100~200坪の大型ビルの空室率を追う水準となり、約4%前後での
推移となっております。右下の賃料変化率については、オレンジ色の200坪以上の大規模
ビルが2021年以降もマイナス5.3%と下げ幅が拡大している一方、青色の100~200坪の
大型ビルは、下げ幅が限定的となっています。左側の、2003年以降の推移を見ましても、
Aクラスの空室率や賃料のVolatilityは高いことが見て取れます。大規模ビルの大企業には
定着期限の到来とともに、退去が減少するとか、利便性の低い周辺エリアから集約するなど
の動きもあり、今後の供給状況とも合わせて留意する必要があると思われます。コロナ禍も
2年以上が経過し、オフィスの必要性は再認識されており、経済の再開とともに、順次必要
な規模において、立地改善等を目指す入居の動きも活発化して来ていると見ております。
36頁、今後の戦略として、外部施機長は中長期的な投資主価値の最大化に向け、有力な
成長ドライバーになりうると考えておりますが、外部環境を十分に見極める必要があり、
中期的な姿として、資産規模5,000億円を見据えながら、そうした環境認識の見極めの下、
引続き厳選投資を徹底する方針です。コロナ禍のみならず、様々な内外不透明要因が続く
中では、当面は安定性に軸足をおいた運営を継続し、銀行店舗と老人ホームを主な取得対象
としますが、それ以外でも、投資主価値の成長に資すると判断される物件取得機会があれば、
運用ガイドラインを踏まえながら投資を検討していく所存です。
以上で私からの説明を終わります。