Oneリート投資法人 2022年2月期決算概要

Oneリート投資法人
2022年2月期(第17期)決算説明 動画配信説明書
動画 https://www.youtube.com/watch?v=tABJKp5h0fw
資料 https://one-reit.com/file/term-4bc1dec42561da5f91837f47cc101fe6618537ce.pdf
説明者 Oneリート投資法人 執行役員、
みずほリートマネージメント株式会社 代表取締役 鍋山 洋章
説明
決算説明資料に沿って説明致します。
資料の3頁をご覧下さい。決算概要、業績予想サマリーです。左下の図にあります通り、
2022年2月期は、想定以上の水道光熱費の上昇があったものの、期初の9月に3年振り
となるPOを通じた6物件の取得を行った効果や計画費用の見積もり差異などにより、
一口当たり分配金は、直前予想値7,190円に対してプラス136円となる7,326円となり
ました。22年8月期、23年2月期の業績予想については、営業収益は44億円台を見込む
ものの固都税効果の剥落や、当初予想を上回るテナント退去の影響、エネルギー費用の高騰
を背景とし、対17期では増収ながらも減益となる見込みです。右側のグラフをご覧下さい。
22年8月期は賃貸収益ベースの分配金は6,800円の水準となる見込みです。前期決算発表
時点においては7,120円水準と予想しておりましたが、燃料調整費の高騰による水光熱費
収支の悪化、コロナ影響の長期化に伴うオフィス需要の停滞や選定の長期化による
テナント募集関連費用の期ずれの発生、修繕費の増加など特殊要因による再影響による
ものです。賃貸収益ベースの一口当たり分配金水準の予想値が約320円の減少となって
おりますが、後程詳しく説明します通り、その主な原因が一過性、又は、単発の要因で
あろうことに鑑み、分配金水準の安定化の観点から、投資法人の内部留保を活用する考え
としています。又、今回、23年2月期の分配金予想水準を一口当たり6,600円と見込み
ました。引き続きテナントの退去が過去実績に比し、やや高めの水準にとどまる見通しで
あることや、光熱費の増加影響が継続した場合など、一定のダウンサイドリスクを織り
込んでおりますが、今後1年間で一定程度のテナントの入れ替えが進み、その後には
テナントの粘着性効果も出てくると思いますので、23年2月期あたりがほぼコロナ影響と
してはボトムラインとなるように運営に努めていく所存です。
続いて運用ハイライトにまいります。4頁をご覧下さい。先ず左側、内部成長についてです。
期末稼働率は前期末比で低下も、ポートフォリオ全体としては96.8%と高水準にあります。
テナント入替えに伴うコスト負担の影響を極力避けるべく、賃料の増額よりも稼働の維持
に重点を置いた運営を行っておりますので、賃料の増額実績は大きくはありません。又、
11%弱ほどの賃料ギャップを認識しています。左下に月次ベースでの賃貸面積別テナント
入退去動向を纏めております。左の赤い棒グラフが退去件数、右側の青い棒グラフが入居
件数です。当期においては、100坪未満の賃貸床には需要が底堅かったことは、お分かり
頂けるかと思います。22年8月期も、2月期実績並みにテナント退去は発生する見込み
ですが、100坪を超える床需要についても具体的な案件も増え、一定の契約が獲得できて
いるという明るい兆しも見て取れます。右上外部成長について、当期は第3回POを通じ
新たに6物件を取得し、ポートフォリオの安定性と成長性の向上に努めました。財務面に
ついては本年1月にOneリートで初となるグリーンボンドを30億円、10年債で発行する
など財務指標の改善効果にも繋がりました。又、右下にハイライトしておりますが、本年
3月にグルーバルインデックスへの組み入れが実現しました。投資家層の拡大や一層の
流動性向上効果が期待されます。ESGへの取り組みについては、運用会社の親法人である
MONEによりTCDF提言への賛同、及び、PRI、責任投資原則への署名を行い、MONE
グループとして、今後、情報開示を含めその取り組みを加速していく方針です。
では5頁にお進み下さい。新型コロナウイルスの影響について説明致します。
真ん中の列に足元の状況を記載しております。22年2月期は変異株の感染拡大に伴う出社
制限やテレワークの推奨継続もあり、社会生活の通常化には至っていないなど不透明な
事業環境が継続しましたが、一方、賃貸オフィスの空室率はここ半年においては横這いで
推移しているなど、従前対比で上昇率は鈍化している状況も確認されています。
Oneリートのオフィス床については埋め戻しを行ってきている一方で、解約面積も下げ
止まらず、テナント同意の停滞や競合物件の増加に伴い、100坪未満の価格・需要は堅調
ながらも、募集面積帯によりダウンタイムやフリーレントは長期化の兆しが見られました。
商業系テナントは、オフィスに付随する物販や飲食店舗が中心となりますが、特に飲食系
テナントでは、蔓延防止等重点措置期間の延長など、厳しい営業環境が継続した状況にあり
ました。今後も尚、テレワーク等の新しい働き方の浸透により企業のオフィス戦略は具体化
しつつあり、移転などの動きは徐々に顕在化すると想定しています。賃貸オフィス市況の
回復は、社会生活の通常化に合わせて緩やかなものになると考えており、従いミドルサイズ
オフィスについては、ニーズの底堅さなどを実感しつつも当面は一定水準のテナント退去、
入替えが継続的に起こりうるとの認識の下で、今後も稼働重視の運営に努める方針です。
外部成長環境についてですが、投資資金は引き続き不動産取引に流入しており、取得競争
環境も継続しています。目利きを活かした厳選投資を行っていく方針です。
続いて6頁をご覧下さい。左側の棒グラフですが、入退去面積の推移を月次でグラフ化
しております。上側の青い棒グラフが入居面積、下側の水色が退去面積です。22年2月期
の退去面積は前期比実績に比し8割弱となる1,766坪に減少しましたが、入居については
1,126坪の実績です。ミドルサイズオフィスについてはニーズの底堅さを実感し、早期成約
も実現できているものの、一部大型募集区画等において退去床の埋め戻しには、やや時間を
要している状況が確認できます。22年8月期の退去予定面積は、6ヶ月前にテナントから
退去通知を受理した区画が対象となり、再び2,000坪を超える高い退去水準が見込まれていますが、一方で、新規リーシングにも進捗が見られています。尚、リーシング計画策定に
おいては、従前比でダウンタイムやフリーレント期間の長期化を見込むとともに、23年
2月期におけるテナント解約率も、現状水準が継続することを前提に試算し、業績予想にも
反映しております。右上の表をご覧下さい。賃料減免要請と対応状況を纏めています。賃料
の減免要請件数の総数は、前期から減少してきておりますが、コロナ影響の長期化に伴い、一時的な減額対応件数は数件発生している状況が継続しています。右下の表は、コロナ影響
を踏まえた減額対応予算と対応実績です。22年2月期実績は、減額件数の増加に比し、
実際の減額実績としては、設定予算の半分ほどの金額に収まりました。22年8月期には今期対応実績並みに予算を倍増するなど予算上の措置も継続しております。
では9頁にお進み下さい。22年2月期の決算概要です。詳細については10頁の分配金
グラフにて説明致しますが、1点にも補足させて頂きますので頁の一番下をご覧下さい。
22年2月期末の一口当たりのNAVは前期比プラス6,000円の283,000円となりました。
これは昨年9月に行ったPOにおいて投資口一口当たりの純資産を大幅に上回る発行価格
で投資口の発行を行うことが出来、その結果一口当たり純資産が増加したことによるもの
です。
では10頁をご覧下さい。先ず、21年8月実績と、22年2月期実績での一口当たり分配金
の増減要因です。21年8月期は3月に物件入替を行ったことに伴い、主に商業施設の水道
光熱費収入等が減少したほか、投資主総会関連費用の計上、資産入替えに伴う追加資金
借入れによる金融費用の増加に対し、9億円弱の不動産売却益等の一時的なプラス要因も
あり、一口当たり分配金は7,546円でした。22年2月期は不動産売却益の影響が剥落する
一方、POを伴う物件取得を通じ賃貸事業収入が増加、一方で、賃貸事業費用比率を低下
させる等のマネージメントにより7,326円の分配金となりました。次に、昨年9月に公表
した22年2月期の予想分配金と今回公表した実績との増減要因です。賃料収入の増加や
一部物件での原状回復金収入の計上、大型区画等のリーシング費用の翌期へのスライド、
一般管理費・営業外費用の差異等の収益増加要素がありました。一方で燃料調整費単価が
想定を上回って上昇し、費用面では主に水光熱費収支の負担が増加しました。
では11頁にお進み下さい。22年8月期と23年2月期の業績予想です。
営業収益ベースでは、いずれも44億円台を想定しています。こちらも12頁の分配金の
グラフで説明致します。12頁をご覧下さい。先ず、22年2月期実績と22年8月期予想の
一口当たり分配金の増減要因です。物件取得に伴う固都税の費用化影響に加え、電気料金等
の高止まり継続を想定、又、前期よりスライドとなったリーシング費用負担を22年8月期
の賃貸コストとして見ております。又、資本的支出の認定の厳格化により修繕費支出が増加
する見込みです。このような事情から、分配金水準は、当初業績予想水準の7,120円比
マイナス320円の6,800円水準となる見込みですが、現時点では燃料費の上昇や修繕費の増加等は、恒常的なものとは見ておらず、一時的なマーケット変動などの影響も大きいと
捉えておりますので、分配金の安定化のために内部留保を活用し、7,120円の分配金を実現
していく考えです。次に22年8月期予想と23年2月期予想での増減要因です。
23年2月期はコロナ影響の長期化を前提に、リーシングにおけるダウンタイムや、フリー
レント影響等を個別案件ごとに見直しを行ったこと、これに加えて、23年2月期も現在と
同水準程度のテナント退去が発生し得るとのシナリオ構成の下で試算を行い、一口当たり
予想分配金は、6,600円と見込んでおります。テナント退去率を相応に見込むことで、
テナント入替えが進むことを想定しており、その結果、徐々にテナント粘着性には向上が
見込まれますので、ほぼ、この分配金水準がボトムに近いものと考えています。又、早期
リースアップを最重視しますが、マーケットによってはテナント入替えに伴う賃料
ギャップの解消を狙っていくなど、一口当たり分配金の回復に努めてまいります。
では、13頁にお進み下さい。この頁では22年8月期の分配金予想値について、もう少し
細かく説明します。昨年9月に公表しました予想値との増減要因を示しております。賃料・
共益費収入に関しては、概ね、前回予想通りの数字となっています。一方で、前期より
スライドとなったリーシング費用負担を、22年8月期の賃貸コストとして見ております。
加えて燃料調整費単価の上昇の影響による水光熱費の悪化が発生しております。テナント
専有部についての水光熱費収支は、コスト転嫁等で一定の改善効果を見込む一方で、共用部
やセントラル空調等共益費内で水光熱費を徴収している部分については、実質共込み賃料
の値上げに繋がりますので価格転嫁は簡単ではなく、一口当たり分配金を100円強引き
下げる試算となります。又、資本的支出の認定の厳格化により、修繕費支出が一口当たり
100円弱増える予定ですが、この分は資本的支出による建物資産計上額が減少することに
繋がりますので、中長期的には減価償却の減少と相殺されていくことになります。
このような燃料調整費単価の上昇や修繕費の増加等は、一過性、又は、単発の要因である
と考えておりますので、そのような場合に備えて留保しておりました内部留保を充当する
ことにより、分配金への影響を回避する考えとしています。
では15頁にお進み下さい。ポートフォリオの状況についてです。
こちらは2021年9月に行いましたPO後のポートフォリオの物件一覧です。薄い黄色で
マークしました6物件を合計157億円弱にて取得しましたので、22年2月末での資産規模
は、取得価格ベースで1,199億円、ポートフォリオベースでの含み益は約170億円となり
ました。
16頁をご覧下さい。左上のグラフをご覧下さい。21年9月に実施したPOを伴う資産取得
により資産規模は拡大しましたが、ポートフォリオ利回りは若干低下をしております。右上
のグラフでもご覧頂けます通り、21年8月期には資産の入替えに伴い、含み益の一部を
実現させましたが、当期では新たな6物件の取得や期末鑑定評価額の上昇により、ポート
フォリオの含み益は増加しました。一方で、今後のCash-Flow等の成長余力に期待して、
相対的に利回り水準が低い東京経済圏物件の取得を中心に行いましたので、ポート
フォリオ全体で見た場合、分母が拡大した分含み益率自体は若干低下をしています。
左下図の通り、地域別投資比率も、東京経済圏比率は目安とする70%に近づきました。
地方物件を組み合わせつつ、リスク体制やCash-Flow創出力の両立、ポートフォリオの
安定性を図りたいと考えております。
では、17頁にお進み下さい。ポートフォリオの稼働率についてです。左のグラフをご覧
下さい。22年2月期の稼働状況は、前期対比の退去面積は8割弱の面積に留まりましたが、
9月末までの緊急事態宣言や、22年1月中旬から約2ヵ月に亘った蔓延防止等重点措置の
影響から、新たなオフィス移転には慎重姿勢になるなど契約の意思決定までに時間を
要するケースも見られ、期末稼働率は97.6%となりました。前回予想ベースを上回る形で
着地しており、契約面積ベースも稼働率は22年8月期をボトムに緩やかに回復することを
見込んでいます。22年8月期は、再び2,000坪を超える退去面積が予定されておりますが、
一部確定している案件を含め、期中でその3/4の面積を埋め戻す計画としています。尚、
リーシング期間の長期化傾向などは、業績予想に織り込んでいます。右上のグラフをご覧
下さい。22年2月期の入居契約は、全て100坪未満の区画となっていますが、平均ダウン
タイム、平均フリーレント期間は前期対比で減少するなど、Oneリートのミドルサイズ
オフィスは立地やグレード化に比し、割安な賃料水準感は評価されているものと考えて
います。右下のグラフをご覧下さい。コロナ禍による業績の不透明感や賃貸市場の空室率
の上昇等を踏まえ、稼働重視のポートフォリオ運営を継続しており、賃料の増額改定や
テナント入替えに伴う賃料増額実績は、引き続き大きなものとはなっておりません。
18頁をご覧下さい。賃料改定動向です。左上のグラフをご覧下さい。22年2月期の賃料
改定は、コロナ禍における稼働率重視の運営を継続した影響もあり、増額件数、増賃幅は
減少しております。一方、22年8月期は、テレワークの影響は少ないと考えられる地方
物件等にて契約済み分で既に倍増を見込んでおります。尚、右上図ある通り、22年2月期
において、賃料減額での賃料改定は発生しておりません。しかしながら下の二表に見られ
ます通り、賃料増額改定を目指すのはやや厳しい市場環境下と認識しております。
では19頁をご覧下さい。テナント入替えの動向についてです。先ず、左上のグラフをご覧
下さい。半年に一度、大手のリーシング会社に各物件のマーケット賃料を査定してもらって
います。22年2月期の、査定賃料水準は、周辺競合物件における成約条件の下落から
数物件にて低下も見られ、賃料改定実現の影響もあり賃料ギャップは縮小し10.8%になり
ました。右上図をご覧下さい。こちらでは、テナント入替え時の賃料単価増加率を示して
います。22年2月期にはテナント入替えに伴い賃料が増加した件数割合は60%であり、
賃料単価の増加率も22.6%になっております。テナント入替えが発生した場合においても、
賃料ギャップを活用し、収入増加にも取り組んでいることがお分かり頂けるかと思います。
左下のグラフをご覧下さい。Oneリートでは、年換算の退去率は概ね5%程度で推移して
いましたが、21年8月期以降のテナント退去率は、過去平均を大きく上回っており、収束
が見通しにくい環境にあります。22年8月期は当初、退去率の想定を6.5%にて業績予想を
組み立てていましたが、今回22年8月期は8.3%、23年2月期は6.8%の退去率に想定を
引き上げて業績予想を組み直しています。
では20頁に参ります。ポートフォリオの運用状況について、特にリーシング面から急転的
な対応を行っている物件につき状況を説明します。下段の表にあります通り、100坪未満の
賃貸需要は相対的に堅調です。東京パークサイドビルは、基準階290坪強のビルですが、
約110坪の区画と約180坪の分割貸しが可能です。昨年8月末にプレスリリースの通り、
上位テナントより2フロア、590坪弱の解約通知を受領した他、3月1日時点では、最大で
約700坪の空室を抱える可能性がありましたが、220坪弱は後継テナントが決定済みで
あり、この埋め戻しを勘案した稼働率は87.7%です。3月頭より空室となりましたので早速
対象貸室の内覧会を開催し、その後、個別に検討を進めております。立川錦町ビルは複数の
テナントによる拠点統廃合の影響から22年2月末稼働率は85%まで下落しましたが、
50坪前後の区画が中心で、継続して引き合いがあります。専有部のLED化工事等を行い、
リーシング予定です。ONEST本郷スクエアは、2月末稼働率86.5%でしたが、共用部の
リニューアル等も完成し、5月より満室稼働が決定済みです。倉持ビルディング第一は、
11月末時点では400坪超の空室を抱えた時期もありましたが、現状の募集対象区画は、
残り1フロア、137坪を残すのみとなりました。現在調整中の契約が締結されると、稼働率
も88%台となります。新川一丁目ビルは、昨秋の物件取得時点からは稼働率は徐々に上昇
してきており、残り88坪となっています。共用部リニューアル工事も終えておりますので、
早期にリースアップを図りたいと思います。
続きまして21頁をご覧下さい。テナント分散状況についてです。上位10テナント比率は
11%でしたが、赤点線で囲んだ契約の解除が3月頭で発生していますので、更に比率が低下
することになります。テナント数は554件、平均賃貸面積は約91坪と、中堅中小企業を
中心の、分散度の高いポートフォリオを構築しています。
22頁をご覧下さい。Oneリートの強みの一つとして、築古の物件でもしっかり維持・管理
をし、競争力を維持・向上させていくという点があります。左の棒グラフをご覧下さい。
資本的支出は、原則として各期の減価償却の範囲内で計画し、実施にあたっては工事仕様の
精査、金額査定等により、最適なコスト管理を追求しています。又、右の表にあります通り、
賃料収入の向上やテナント満足度向上に繋がるバリューアップ工事も実施しており、募集
区画の早期埋め戻しに成果を見るなど効果を上げています。このようなバリューアップ
工事やリニューアル工事を施しつつ、一定の品質確保のもと、Oneリートのオフィス
ブランドである「ONEST」化戦略を展開し、順次物件名称の変更を行っております。
リッチビルスペックに対し、値ごろ感のある賃料設定のビルに対する需要は底堅い、と
考えており、賃料単価が1万円半ば前後、面積単位が100坪前後の中規模オフィスビル
として、競争力を高めるべくメンテナンスしていく方針です。
23頁にお進み下さい。外部成長に関する取り組み方針を記載しています。本年3月に
FTSE EPRA Nareit Global Real Estate Index Seriesへの組入れが実現しましたので、
今後、投資家層の拡大と投資口の流動性向上が期待されます。Oneリートの基本戦略の
もとで、資産規模の拡大と資産の入替えによるポートフォリオの安定性向上を狙い、外部
成長に取り組んでまいりますが、足元の賃貸マーケットの動向から賃貸収益の安定性に
より着目した検討を慎重に行っています。
では24頁にお進み下さい。外部成長戦略についてですが、昨年9月のPOに伴い、1物件
から5物件を組み入れ済みで、当該外部成長の実現により右側評にてご覧頂けます通り、
各種指標も改善し、ポートフォリオの安定性が増しています。このような外部成長の効果を
共有すべく、現状保有する優先交渉権物件の神楽坂物件に加え、複数の物件につき交渉継続
中の状況です。
では25頁にお進み下さい。財務状況についてです。
22年2月期末のLTVは47.2%で、LTV50%までの借入れ余力は約74億円となっています。
有利子負債については、スポンサーであるみずほ信託銀行、みずほ銀行をアレンジャーと
する協調融資団を設営して分散を図っており、今後の外部成長に向けても十分に安定感の
あるレンダーフォーメーションを構築済みです。又、下段にあります通り、本年1月には
Oneリート初となるグリーンボンドを発行しました。本グリーンボンドは30億円の
10年債であり、シングルA格の投資法人債としては2021年度では最大の発行額となりましたが、ESG投資に関心の高い投資家層に訴求力も高く、円滑な販売消化となりました。
固定金利調達比率の向上や平均調達年数、有利子負債の平均残存年数の長期化等の財務上
の効果をもたらすなど意義深い取り組みとなりました。
続いて26頁をご覧下さい。左上のグラフは平均金利と平均残存年数の推移です。平均金利の低下を実現しつつ平均残存年数も伸ばしております。右上にLTVの推移を、右のグラフ
では返済期限の分布状況を示しております。今後も有利子負債の長期化や返済期限の分散
などに留意し、安定的な財務運営を目指す所存です。
28頁にお進み下さい。ESGに対する取り組みについてです。サステナビリティへの配慮に
関する方針を本投資法人のWeb上に開示するとともに、M-Oneグループにおいて重要課題
マテリアリティを特定しKPIを設定済みです。又、右側にあります通りMONEグループとしてサステナビリティ推進体制を構築しました。GRESBリアルエステート評価に
ついては、2021年も2020年に続きGRESBレーティング4スターの評価を獲得しており、
引き続きその維持・向上に取り組んでいきます。尚、本年4月にMONEにおいてTCFD
提言への賛同、責任投資原則への署名を実施しています。
29頁をご覧下さい。29頁から30頁に亘り、MONEグループ、及び、Oneリートにおける
マテリアリティの内容、具体的目標、KPIを載せております。マテリアリティの特定内容や
特定プロセスにつきましてはMONEグループのHPでも開示を行っております。
先ず29頁、環境項目についてです。気候変動への対応として、脱炭素社会の実現、強固な
事業基盤の構築に向けてOneリートとしては、温室効果ガス排出量の削減、水使用量の
削減、TCFDシナリオの分析、及び、開示等に基づくKPI目標を設定して取り組んで
まいります。
30頁をご覧下さい。ソーシャル項目ですが、テナントへの安心、快適、健康の提供に向け、
テナントとの双方向の対話に取り組むべくOneリートとしてテナント満足度調査の実施、統一的な調査一巡体制の確立、満足度向上に向けた実際の施策展開を行っていきます。
その他Oneリートの資産運用会社であるみずほリートマネージメントはMONEグループ
に属しておりますので、MONEグループが対象となっているKPI項目には、運用会社
役職員としてリートの投資家利益を考えて、施策実施を判断して取り組むことになります。
尚、これまでの取り組み事例につきましては、次頁以降に取り纏めました。
31頁をご覧下さい。環境面についての取り組みです。
保有物件について環境関連評価認証の取得を進めています。認証物件数、並びに、延床面積
ベースの取得率は着実に上昇しています。エネルギー使用量の削減については、これまでも
省エネ設備への更新や照明のLED化に取り組んできており、右下の表にて進捗が確認
できます通り、この半年間においても着実に進捗させております。
32頁をご覧下さい。環境パフォーマンスにかかるこれまでのパフォーマンスを載せて
おります。継続的にパフォーマンス計測を行っております。下部に記載の通り、経済産業省
資源エネルギー庁による事業者クラス分け制度で、本投資法人は4年連続でSクラス、
優良事業者として認定されており、経済産業省のWeb-Site上でも公表されています。
33頁にお進み下さい。ソーシャルへの取り組み事例として運用資産に関するテナントの
満足度や利便性向上に向けた取り組みと、資産運用会社における取り組みを紹介して
おります。
34頁にお進み下さい。投資主利益との一致を図るための運用体制の追求の一環として21年
9月のPO時にスポンサー出資率を9.4%から10%まで引き上げております。
36頁以降はAppendixとして資料類を付けておりますのでご参照頂ければ幸いです。
最後に、22年2月期第17期のポイントを総括してお話しします。
当期のポイントは以下の3点です。
1点目は、コロナの長期化、エネルギーコストの上昇によるポートフォリオや分配金への
影響についてです。テナントによるオフィス戦略見直しにより、解約率は過去実績比では
高い水準を想定しておりますが、本投資法人が重点投資とするミドルサイズオフィス、
とりわけ、100坪未満の床需要は底堅く、テナントの入替えが進んでいくことにより入居
粘着性向上も期待できます。22年8月期は分配金が減少する見通しながら、これらは
一過性要因として、当投資法人の内部留保を活用し補っていく予定です。23年2月期の
分配金については、かかる不透明な状況が長期化することを前提に計算しており、当該値が
ほぼボトム近辺の水準で、その後再び回復基調に迎えると考えています。
2点目は、新たな取り組みとして計画通りにグルーバルインデックス入りをしましたので、
一定の投資家層の拡大が図られ、投資口の流動性も向上が期待されます。今後の成長実現に
向けた資金調達面でも好影響をもたらすと考えています。
3点目は、MONEグループ全体としてESGへの取り組みを加速し、サステナビリティ対応
の強化や、情報開示等の充実を進めます。当期にはグリーンボンドの発行等にも成果が
ありました。今後も、投資主価値の向上に向けて鋭意取り組んでまいりますので、ご理解と
ご支援を頂きますようお願い申し上げます。
私からの説明は以上になります。ご清聴、有難うございました。