星野リゾート・リート投資法人 2023年10月期決算概要

星野リゾート・リート投資法人 
2023年10月期(第21期)決算動画説明書
○動画   
https://www.irwebmeeting.com/hoshinoresorts-reit/vod/20231218/a6cmhxk9/202310_21st_01_ja/index.html
○説明資料 
https://ssl4.eir-parts.net/doc/3287/ir_material_for_fiscal_ym/147069/00.pdf
○説明者 星野リゾート・リート投資法人 執行役員 兼
株式会社星野リゾート・アセットマネジメント 
代表取締役社長    秋本 憲二
株式会社星野リゾート・アセットマネジメント 
   取締役投資運用本部長 高橋 悦郎
   取締役経営企画本部長 蕪木 貴裕
株式会社星野リゾート 代表取締役社長 星野 佳路                   
○説明 
<星野リゾート・アセットマネジメント 代表取締役社長 秋本 憲二>
資料に沿って説明を始めます。目次をご覧ください。私から説明した後、投資運用本部長の高橋、それから経営企画本部長の蕪木とバトンタッチして説明致します。最後に私からコメントをさせて頂きます。宜しくお願い致します。

6頁をご覧ください。21期決算サマリーです。左の損益計算書をご覧ください。分配金は 8,557円と、前回予想から157円のプラスで着地をしました。The b浅草、コンフォートホテル高松で変動賃料が上振れたことで営業収益が増加しました。当期純利益が前期比でマイナスになっておりますが、これは前期において、行政が行う補助金事業からの収入が、190百万円あったことによるものです。尚、この補助金収入については、今後の安定的な分配金 マネジメントに活用するため、圧縮積立金として組み入れています。6月に2物件、The b浅草、ホテルビスタ松山を借入で取得していることもあり、一口当たりNAVは57万円と過去最高値を更新致しました。

続いて7頁、8頁、星野リゾートの労働力不足の対応と今後の運営力アップですが、こちらについては、星野リゾートの代表の星野からメッセージが届いておりますので、ご覧頂きたいと思います。
<星野リゾート 代表取締役 星野佳路>
前回、私は労働力不足の正体について話をしました。それが、私たちに大きな機会を与えてくれることになったと思っています。そのことを、何をやったのか、そしてこれから何をしようとしているのかについて、簡単に説明しようと思っています。ここは、前回のレビューですが、コロナの危機は2つに分かれていた、フェーズ1が需要ロスであり、フェーズ2が労働力不足になっています。これは、業界全体、世界の観光産業全体、そしてその中にいる私達も、少なからずこの課題は抱えているという話をしました。業界全体で言うと、コロナ禍においてが採用しなかったのに、急に他の産業に行った人達を、もともと観光産業に来るべきだったとして戻すわけにはいかないので、ここの解決には、少し時間がかかる、場合によっては2025年ぐらいまでかかり、徐々に良くなっていくのではないかと思っており、私達の状況も徐々に良くなってはいきますが、一番大変な時期は、2023年の夏だったわけです。

夏に需要が急に戻ってきて、この夏は労働力の状況が一番厳しい時であり、この夏を何とか乗り越えるために、Short Term、短期的な対策を私達は実行しました。因みに、このプロジェクトを、私はSC23と名付けて、Summer Crisis 23という風に読んでします。そして、説明したと思いますが、この3つの対策(①短期スタッフの雇用強化、②時間外労働割増率アップ、③運営方法の短期的修正)を実行し、それなりに成果を出し、この夏を乗り越えることが出来たと思っています。2024年の準備に入っておりますが、一番大事なのは新卒採用と思っており、新卒採用で一気にこの問題を軽減することが大事だと考えており、2024年の新卒採用が、非常にCompetitiveで、非常に大変な売り手市場になると思っていましたので、ここに相当のResourceをかけ、プロセスを変え、かなり努力してきた結果、目標人数に対して既に内定受諾をしてくれている人の数が、830名、過去最高の数字になってきています。

ここはすごく、私達がやってきたことの成果が出るのではないかと思っていまして、その一つが、地方大学、地方出身者の採用に力を入れていることです。私達の施設の殆どが地方にあるので、そういった意味では、地方にネットワークがあり、地方の生活に慣れている人達の方が、定着率が高いということも、我々のデータが示しており、これは必ず成果を出すのではないかなと思っています。そして、今日すこし話したいことは、上述している3つの対策の3つ目の、運営方法の短期的修正という内容です。SC23のヒントを得るために、5月から6月にかけて4つの施設を訪問しました。

そこで、運営の中心メンバーですね、顧客と接触し、日々の運営を動かしている中心メンバーと色んなディスカッションをすることによって、多くのヒントを得ることができました。私達のホテル運営というのは、実は、その業務内容は、6つの大事な要素に影響します。長期的なサステナビリティ、長期的なパフォーマンスを考えると、6つを上手くバランスさせて、高いレベルで維持することがすごく重要ですが、業務内容を何か変えると、全てにこれが影響していきます。なので、バランス崩すことについてはいえば、短期的であればバランスを崩すことは構わない範囲のこともあるので、この2023年の夏は、短期的にバランスを崩してでも、この状況を乗り越えるためには何をすべきかを考えてきたわけです。

例えば、コロナ禍においては、需要がなくなった時には、マイクロツーリズムに特化しました。それは、短期的な集客力を高める、その代わり他の部分のバランスを崩す、例えば、業務量が増えてしまうとか、マイクロツーリズムのために色んな事をやることがブランド力、業務量の増加、それはモチベーションの低下に繋がるかもしれませんが、コロナ禍という緊急事態の中では、需要創出のためにはやるべきことだった訳です。フェーズ2に入り、労働力不足になってきた時には、やることは変えていかなくてはいけないですね。ここのCrisisであることを定義することによって、私達は、労働不足は業務量を減らすことが大事になってくるので、業務量を減らすための短期的な対策のために、業務内容の変化をつけました。それはもしかすると、顧客満足を下げるかもしれないし、スタッフのモチベーションを下げるかもしれませんし、長期的にはそのバランスは良くないのかもしれませんが、とにかくやってみて、その成果を見て、フィードバックをすることは大事なことです。

ところが、驚いたことに、普段やらないような一部のバランスを私たちは崩すと考えるので、絶対やらないようなことをやってみたのですが、それが意外な結果を生みました。各現場が違うことにトライしてくれましたが、それぞれ違う結果が出ておりまして、思った以上に他の要素に影響が無かったとか、思った以上に悪い影響があったので止めたとか、または全く予想をしない他の要素に対してプラスの影響があったとか色々出てきて、本当に発見の素晴らしい2023年の夏になりました。あまりにこれが面白かったので、私は他の施設を全て回って、同じような議論をすることにしました。この10月、11月と20施設を回ってきましたが、それもまだまだ私たちの施設の中では回っていない施設もあるので、これは2024年も続けていきたいと思っております。

界というブランド、私達の一番大きな施設については、大分メニューが分かってきた気がしています。なので、私達の業務内容の設定というのは、この6つのバランスを取るために、最適であり、完成していると私は思っていますけども、2023年の発見というのは、実はそうではなかったというのが分かってきました。逆に言うと、より高いレベルで6つの要素をバランスさせるための方法、メニューが、アイデアとしてどんどん出て来て、それがメニューとしてテーブルに乗っています。ここを2024年はやり切っていくということが、更に星野リゾートの施設の強さに、そしてサステナビリティに繋がってくると考えています。次回、又、次々回で、その成果を皆さんにお伝えすることを楽しみにしています。どうも有難うございます。

<星野リゾート・アセットマネジメント 代表取締役社長 秋本 憲二>
ご視聴頂き有難うございました。それでは続いて9頁に移ります。一口当たり分配金と賃料の予想です。分配金の実績および予想をご覧ください。21期実績は、決算サマリーで説明しました通り、大半の物件は、前回予想時点で変動賃料が確定しているため、予想と乖離なく着地致しました。一部、The b 浅草、コンフォートホテル高松で、変動賃料が前回予想より上振れました。星野リゾート物件は、コロナ前以上の賃料に成長していますが、グランドハイアット福岡の割増固定賃料の終了による賃料減をはじめ、星野リゾート以外の物件の回復が遅れた期です。続く22期の分配金予想です。前回+100円の8,700円と見込んでいます。

1年前の業績を参照する変動賃料設計のため、前回予想時には賃料の大部分が固まっていましたが、見込みを含んでいた売上連動物件で、実績が見込みを上回りました。又、前月の実績に連動する賃料設計であるThe b浅草について、足元の実績を踏まえて業績見込みを上方修正しました。星野リゾート運営物件においては、2023年1月以降に、先ほど説明しました一時的な労働力不足が発生する一方で、星野リゾート以外の運営物件の変動賃料が回復し始めた期です。そして今回、新たに予想を発表させて頂きました23期です。前期比で横這いとなる予想です。星野リゾート運営物件は、第22期に引き続き、2023年1月以降の一時的な労働力不足の影響を受け、賃料が前期比でマイナスになる見通しです。しかし、先ほど説明しました短期的施策等の実施により、減少幅を縮小すべく今努めております。

一方で、星野リゾート以外の運営物件の業績が引き続き回復して、ANAクラウンプラザホテル広島で変動賃料が出始める等、賃料が対前期でプラスになる見通しです。保有物件合計では横這いとなる見通しです。下の図、一口当たり分配金およびLTVの推移をご覧ください。足元では星野リゾート物件における一時的な労働力不足の影響により、足踏み期間が少し長引いています。しかし、星野リゾートへの宿泊需要は、依然として非常に旺盛であります。又、今回の短期的施策によって知見を得ることもできました。今後、更なる運営力の強化を図っていることから、より一層競争力が増していくと考えています。又、一方で、先ほどから説明しています通り、外部物件の業績が着実に回復を見せています。従前申し上げていた2025年、26年に、StabilizedのDPUを迎えるという想定は、現時点では変える必要はないと考えております。今後も物件取得による外部成長の機会を図るとともに、この後のスライドで説明するような、施設の魅力を高める戦略的CAPEX、或いは、抜本的なリブランド等の内部成長に繋がる取り組みを積極的に行って、我々の強みを生かした競争力の強化を目指していきたいと考えております。

続きまして10頁です。賃料とホテル売上利益との対応です。2019年、これは前の年との比較のRevPAR推移をグラフで表しております。青の星野リゾート運営物件は、一時的な労働力不足が発生したものの、短期的施策を実施したことで、RevPARを維持しています。一方で、下の図に示した賃料の前提においては、この労働力不足の期間を、賃料算出期間に含む22期、23期予想が下落基調となる見通しです。賃料への関与度が高い利益連動物件における労働力不足の影響が大きかったことや、折れ線グラフがコロナ前との比較のために、2019年1月以前の取得物件で構成されており、労働力不足の影響が大きかった界別府などの物件が含まれていないことから、RevPARと賃料の推移に差異が生じている状況です。一方で、紫の星野リゾート以外の運営物件については、足元でコロナ前と同程度の水準まで着実な回復を見せています。賃料の前提においても、22期、23期にかけて、賃料が増加する見通しであり、回復フェーズに入ってきています。星野リゾート運営物件で生じた一時的なマイナスを、星野リゾート以外の運営物件の回復が補う格好となり、保有物件全体では賃料推移が横這いとなる見通しです。

<株式会社星野リゾート・アセットマネジメント 取締役投資運用本部長 高橋 悦郎>
運用ハイライトについて投資運用本部長である高橋より説明致します。
13頁をご覧ください。コロナ禍以降の積極的な取り組みについて示しております。直近では本年6月に、下に示しておりますThe b 浅草とホテルビスタ松山の2 物件を取得致しました。ここまでの活動のまとめですが、右下にあります通り、6期連続の物件取得、取得価格の合計は445億円、売却価格は77億円、取引価格総額は522億円でした。エクイティファイナンスにつきましても、211億円を調達する形ができました。中・長期目標である資産規模3,000億円および星野リゾート運営比率50%超えを目指し、今後も更なる成長に向けた積極的な取り組みを継続してまいります。

続いて14頁をご覧ください。着実な内部成長の実現に向けた、リブランド実施の説明です。ロードサイド物件は、2014年の取得以降、安定的なパフォーマンスを示しておりますが、更なるアップサイドを享受するため、ソラーレグループが運営するチサンインから、グリーンズが運営するコンフォートインへの、リブランドの実施を予定しております。グリーンズは45カ国、7,400件以上のホテルチェーンの、グローバルブランドを有するチョイスブランドを日本国内で展開し、主力の都市型駅前ホテルに加えて、ロードサイド型ホテルにおいても、高い運営ノウハウを有しております。本物件群の安定的運営、継続的成長が期待できるものと考えております。又、グリーンズから提供を受けます返還不要の敷金を活用することで、リブランド投資が可能であること、および、リブランドに伴うダウンタイムを起因とする分配金下落リスクの回避が、期待できることも大きなメリットであると考えております。

15頁をご覧ください。今回のリブランドを契機に、ロードサイド型ホテル事業を、より推進してまいります。本投資法人、グリーンズおよび三菱UFJ銀行は、クリーンズが運営するロードサイド型ホテルの、事業拡大に関する提携の検討を、独占的に開始する基本合意書を締結致しました。3社のパートナーシップのもと、開発ファンドの組成を行い、2030年までに、コンフォートインに代表されるロードサイド型ホテルを20施設程度開発し、日本全国への事業拡大を目指してまいります。本投資法人の資産規模の拡大の機会獲得に資する取り組みでございます。

続いて16頁、内部成長に向けたCAPEX事例のご紹介です。ANAクラウンプラザ広島、グランドハイアット福岡の両物件において、ADRの上昇を実現するための魅力投資を実施しております。クラウンプラザ広島においては、7階に位置していたクラブラウンジを、ホテル最上階の22階に拡張移設し、広島や瀬戸内の島々を一望できる上質な空間に仕上げました。併せて、クラブフロアの客室改造も実施、ハイエンドなビジネストラベラーやレジャー客のニーズに合わせた、機能的、且つ、快適な空間を提供してまいります。グランドハイアット福岡では、新たなラウンジ体験を提供すべく、テラスエリアを備えた最高品質のクラブラウンジへとリニューアルを致しました。国際競争力を増していく福岡において、収益のアップサイドが期待できます。これらの物件に限らず、勿論、星野リゾート運営物件も併せて、今後も、収益のアップサイドを追求すべく、積極的な魅力投資を実践してまいります。続いて17頁をご覧ください。運営実績のサマリーです。左側が星野リゾートの運営物件、右側が星野リゾート以外の運営物件です。左上の図をご覧ください。星野リゾート運営物件は、各ブランドのADRがコロナ禍前より上昇するなどして、直近1年のRevPARは、コロナより23.4%上回る好調な運営実績でした。一方、星野リゾート以外の運営物件ですが、右上の図をご覧ください。依然としてコロナ禍前の運営実績には及ばないものの、対策昨RevPARで見ますと、プラスの36.6%と力強い回復を見せています。コロナ禍前比で見ましても、マイナスの7.4%のところまで回復をしてきました。ブランド別につきましては、下半分を参照頂ければと思います。

続いて18頁をご覧ください。先ず、この頁は星野リゾートの運営物件です。2020年1月からのRevPARの推移を図で表しております。星野リゾートは2020年夏以降、早期にV字回復を遂げることができました。そして2021年の秋以降2022年と、運営実績をコロナ禍前以上に成長させることができました。2023年は、労働力不足により、稼働を一部制限致しましたが、短期的施策により夏のハイシーズンの需要を獲得し、高い運営実績を維持しております。

続いて19頁をご覧ください。星野リゾート以外の運営物件のRevPARの推移です。紫の折れ線グラフのロードサイド22物件は、コロナ禍を通して一貫して底堅い運営実績を上げており、足元でも引き続き堅調な推移を見せています。コロナ禍で特に苦戦していた都市部の物件においても、2022年秋以降は急速な回復を見せ、足元ではコロナ禍前に迫る水準に回復しております。

それでは続いて20頁です。不動産鑑定評価額等サマリーです。ご覧の通り不動産鑑定評価額等は、好調な運営実績や足元の需要回復を反映して、CAP-Rateが低下するなど全体的に上昇しております。詳しい説明については割愛させて頂きます。

<株式会社星野リゾート・アセットマネジメント 取締役経営企画本部長 蕪木 貴裕>
ここからは、経営企画本部の蕪木より説明致します。21頁をご覧ください。財務ハイライトです。昨今、金融情勢が急速に変化していますが、そのような中でも機動性高く、その変化に対応しています。直近の取り組みの一つ目は、一般的に10年物の投資法人債の起債が難しい環境下において、A+格のグリーンボードの起債を実現しています。2つ目は、金利を固定化するためのスワップコストが上昇している中で、イールドカーブスワップ(YCS)という新たな手法を、J-REIT初で実施することでコストの低減を図っています。具体的には、例えば、6年のローンに対して、通常であれば6年間金利を固定化するスワップをかけるところを、2年間固定化するスワップを、2年ごとにロールしていくという手法を開発しました。6年と2年のスワップコスト差が、コストの低減の部分となります。3つ目は、サステナブルファイナスの取り組みを継続して行うことで、リスクプレミアムの低減を図っています。左上のグラフにある通り、サステナブルデッド、エクイティ、合わせまして707億円の残高まで増やしています。4つ目は、コロナ禍後、ホテルリートとして最長の9年のローンを実現しています。先ほど説明した10年の投資法人債と合わせて、返済期限の分散化をしっかり行い、リファイナンスリスクと金利変動リスクを低減しています。尚、LTVは38.8%となる見込みです。

次に22頁をご覧ください。右の表にある通り、前期にJCRの格付けがA +に向上しています。ホテルリート初のAA格を目指して、引き続き積極的に各種取り組みを進めてまいります。左下のグラフでは、直近のファイナンスの状況を示しています。10月のリファイナンスでは、先ほど説明したイールドカーブスワップの取り組みにより、コストの上昇を抑えることができております。

23頁をご覧ください。ESGのハイライトです。2050年のネットゼロ目標に向けて、着実にGHG排出量を削減するために、CDPの優れた方法論を活用し、気候変動による財務的影響などを開示する検討を始めています。これにより、開示の質と精度の向上が見込まれます。又、GRESB評価では、Green Building項目を強化することで、アジアのホテルセクターで過去最高の2位に選出されました。MSCIはBBBを継続し、BELS取得物件も順調に増やしています。一方、頁右側は、星野リゾートの環境に関する取り組みが進化している事例をお知らせしています。この取り組みは、宿泊客の旅の移動の満足度を上げつつ、サプライチェーン・スコープ3である、宿泊客の間接排出量を減らすというものです。お客様の移動を一部船に替えるとか、EVの充電器設置率を高めていくことで、移動にかかる排出量削減に取り組んでいます。まだ始めたばかりの試みですが、近未来の旅を提供することで、気候変動対応に結びつけられるよう努力してまいります。

次に、今後の運用戦略について説明致します。25頁をご覧ください。こちらは本投資法人の目指す姿です。この頁に記載しておりますのは、従前と変更ありません。右の5項目、これを目指していきます。

次に28頁の左の図をご覧ください。ホテル事業は、所有、運営、開発の3つの重要な機能によって成り立っています。私達の場合は、本投資法人が所有、星野リゾートが運営、そして、星野リゾートと日本政策総合銀行との共同ファンドが開発を担うことで、お互いの競争優位性を高める、特徴あるストラクチャーを構築できています。昨今のトピックスとしては、その共同ファンドで3号ファンドが立ち上がり、第1号案件として、リゾナーレ下関の開発案件が組み入れられました。この共同ファンドで、現在6つの開発案件が組み入れ中ですし、今後も継続的に開発を行っていく予定ですので、中・長期にわたって外部成長のメインのパイプラインとして期待しているところです。
29頁をご覧ください。いつもの通り、パイプラインの一覧を示しております。中期的に取得可能性のあるものを簡易的に試算しますと、合計で約1,630億円のパイプラインがあります。これらを適時取得してまいりたいと考えています。

30頁をご覧ください。星野リゾートの今後の開業予定を紹介しています。引き続き運営施設は拡大していく見込みです。昨今特徴的なのは、旅館開発だけでなく、温泉街全体の再生を担った界長門の事例のように、行政から出店と合わせて、地域の活性化まで依頼されているケースが増えてきているところです。地域一体となって取り組むことで、出店する地域のステークホルダーに貢献するとともに、競争力の高い施設開発に取り組んでまいります。

次からはESGの取り組みをご紹介させて頂きます。32頁をご覧ください。本投資法人は、 観光産業ならではのエコシステムを構築することで、不動産価値の最大化を目指しています。これは星野リゾートの環境経営と表裏一体で行われるものであり、両社共同しながら取り組んでいます。

33頁をご覧ください。この頁では、環境へのユニークな取り組みとして、自然を利用したエネルギーシステムを持つ星野屋軽井沢と竹富島、環境型ランドスケープのハルニレテラス、そして世界遺産地域にあり、エコな運営を追求する西表島ホテルの事例を紹介しています。

34頁をご覧ください。環境への取り組みについて、中間目標である2030年までの、GHG排出量削減に向けて一歩前進しました。具体的には、物件別の排出量の現状を検証し、その中から削減効果の見込める物件の順位化と、その具体的施策のスケジュール化ができたことです。これを、科学的に実証可能かを検討するのが、今後の取り組みになります。
最後に、社会への取り組みの紹介として35頁をご覧ください。左上にある通り、前年のテナント満足度調査をベースに、労働生産性とWell-Beingを向上するための不動産改修を行った結果、満足度が飛躍的に向上した事例を取り上げています。今後もこのような取り組みにより、ホテルで働くとの働きやすさの向上に寄与してまいりたいと考えています。

<星野リゾート・アセットマネジメント 代表取締役社長 秋本 憲二>
もう少し私に時間を頂きまして、最後にお話をさせて頂きたいと思います。星野リゾートが以前からお伝えしている、ステークホルダーツーリズムの概念についてです。コロナ禍前の日本の観光、確かに数字的には良かった面があると思いますけども、内容面では全てが良かったわけではなく、様々な課題を抱えていました。そしてこうした状況の中、世界中の有名観光地では、アフターコロナの観光は元に戻すだけではなくて、2019年にあった観光の課題を解決しながら戻していこうという動きが始まっています。これが、ステークホルダーツーリズムの概念です。オーバーツーリズムという問題が、すごく世界中で課題になっていますが、オーバーツーリズムの問題というのは、実はその日に混んでいて、その日に混乱して、その日が大変ということだけではなくて、長期的に観光地のブランド力を下げていくというところが深刻な課題です。オーバーツーリズムの本当の問題というのは、満足度が低下することによって、観光地のイメージやブランド力が下がって、長期的には集客が減少してしまうということです。

集客を数だけで、昨年より何に多く来たか、何人の方々が泊まったか、何人の日帰りが来たか、それをプラスにしよう、プラスにしようということを毎年続けていると、どこかで顧客満足度が下がり始めるポイントがあり、それに気づかずに数を追いかけていると、実は大事なお客様から失っていく、まさにそうなってきた観光地が日本の中では沢山あるわけです。なので、日本の観光地を評価するときには、入り込み数、宿泊客数だけで評価するのではなくて、事業者だけではなくて、地域住民や環境や、そしていらっしゃる訪問者も観光産業というステークホルダーの中に入れて、夫々がフェアのリターンが取れるというような形を、仕組みを作っていく、それが本当の意味でのサステナビリティだということで評価すべきであって、それが、星野リゾートが目指す姿だと思っていますし、2019年の課題を解決しながら戻していくポイントだと考えています。

実は星野リゾートでは、コロナ禍前からステークホルダーツーリズムの概念を、何か生かせる機会はないだろうかと言おうことで、様々、色んな場所で、リゾートや温泉旅館を運営する時にトライしてきたのですけども、その1つの成果が、山口県の長門湯本温泉の再生の中で現れてきています。正に、日本の観光産業の中の、プロダクトライフサイクルを辿った温泉地なのです。どっかで満足度が落ちて、イメージが悪化して集客が落ち始めるポイントがあって、一旦落ち始めるとV字回復するということは難しいところなのですが、マスタープランを作ろう、全体として1つ、2つの温泉旅館でだけではなくて、地域全体が再生する案を作っていこうということで、星野リゾートでこのプロジェクトを指導しました。長門市、そして県、そして星野リゾート、そして地域の観光協会、温泉組合、皆さんに協力頂いて、将来こういう町にしていこう、というようなことからスタートしたプロジェクトでした。

すごく時間がかかりましたけども、最終的に一つの、同じマスタープランという図面を目指して、官民夫々が投資していきました。そして観光地マネジメントの組織体制、持続可能な競争力を意味する新KPI、入込数、お客さんの数だけで評価するのではなくて、違った評価軸を持って観光地をマネジメントしていく、それが本来の地域観光マネジメントということで、再生に取り組みました。この取り組み、今すごく注目して頂いておりまして、北海道の弟子屈町にもお声がけを頂きました。弟子屈では廃案になっている旅館が半分くらいありましたが、そこに、今マスタープランを描こうということをスタートさせました。ここもプロダクトライフサイクル通りというか、入込み客数が多くなって、そしてどんどん急激に上がってきた時は良かったのですが、どこかで満足度が減少し、ただそれに気づかず追い続けていることによって、どこかで下がり始める局面が現れるということを辿ってきました。ここは弟子屈町だけではなく、観光省も深く関わっている国立公園内の場所ですが、星野リゾートで民間、温泉旅館を経営していらっしゃる方々、そして環境省の方々も含めてマスタープランを描こうと、今始めているところです。

似たようなプロジェクトが山口県の下関で、今リゾナーレの開発が進んでいます。それから福井県でも、今プロジェクトが進んでいます。山口、福井というと、インバウンドの集客数では日本でも下の方なのですが、こういった県にどうやったら観光客の方々を維持できるのかなということに、取り組み始めているところです。星野リゾートは、こういう分野の運営手法の精度を、意図的に向上させることで、アフターコロナの日本観光の、新しいモデルの構築に貢献していきながら、施設数を拡大していきたいと考えています。そして本投資法人は、そうした施設を取得することにより、成長していきたいと考えております。
投資家の皆様におかれましては、こうした取り組みをご理解頂き、長期的にサポート頂けると幸いです。決算説明を終わります。本日は有難うございました。