星野リゾート・リート投資法人 2023年4月期決算概要

星野リゾート・リート投資法人
2023年4月期(第20期)決算動画説明書
○動画  
https://www.irwebmeeting.com/hoshinoresorts-reit/vod/20230615/i3y9ran8/202304_20th_01_ja/index.html
○資料  https://ssl4.eir-parts.net/doc/3287/ir_material_for_fiscal_ym/137310/00.pdf
○説明者 星野リゾート・リート投資法人 執行役員 兼
     株式会社星野リゾート・アセットマネジメント 代表取締役社長 秋本 憲二
○説明 
本題に入り前に。投資家の皆様に説明したいことがありますので、冒頭にお話しさせて頂きます。世界の観光産業においては、2022年からの急速な需要回復により、深刻な労働力不足が生じ、それが1年経った今でも継続しています。少し遅れて日本の観光産業においても、2023年に急に需要が回復しても、陣容を確保することは難しく、労働力不足が発生しています。そんな中、星野リゾートにおいては、労働力不足の構造は異なっているものの、やはり労働力不足が発生してきています。冒頭、この星野リゾートの労働力不足と、労働環境への投資についてお話をさせて頂きます。

星野リゾートでは、昨年は830人の新入社員を迎えました。そして、今年4月にも新入社員が324名入ってきました。星野リゾートでは年間何回か入社する時期がありますので、今年1年間では600名ぐらいの新入社員を迎える予定になっています。星野リゾート運営物件の社員数は、2019年が2,866人、2023年が4,022人と増やしてきています。ただ運営施設数が2019年12月時点で39施設だったのに対して、2023年4月においては、67施設と急激に増えています。人員が施設量に追いついていない状況と言えますので、これからも益々新しい社員を迎えていく努力を、しっかりとしていく必要があると考えています。こうしていく中で、昨年の秋以降、現場の社員から代表の星野宛によく出る質問があります。それは、なぜ星野リゾートは人員不足の施設がある時に、新規施設の運営を増やすのかというものです。

当然の疑問なのですが、これは市場戦略上の背景によるものです。バブル経済の崩壊、リーマンショック、東日本大震災、そして今回のコロナ危機、経済危機の時に、投資家は実力がある企業にホテルの運営を任せようとする傾向があります。平時では出てこない案件が、平時では得られないような条件で、星野リゾートに依頼が来るのです。これを断ると、それが競争相手に話が行きます。良い条件の、良い案件を一時的に無理して取るのと、競合他社に渡すのと、5年後の競争力どちらにあるでしょう。現状の市場環境、そして人員不足を含む経営環境は、星野リゾートにも競合会社にも同じ条件です。従って、今は星野リゾートにとって頑張るべき時だと、代表の星野は考えています。

同時に星野リゾートは、未来の観光産業の理想の姿を追い続けます。それは、ステークホルダーツーリズムを実践する実力のある組織であり、観光を一流の産業に導く、リーダーシップを発揮する企業です。観光産業の人員不足は、日本だけでなくコロナ禍後の世界的なトレンドです。これを打破し、新環境に適応することは、競争力を確立するチャンスなのです。星野リゾートは果敢にそのチャンスを取りに行きます。スケールメリットを生かし、生産力を高め、労働環境を改善し、CSを高め、市場競争をリードする戦略を発想し、実行していきます。そして、今年から来年にかけて労働環境への投資をいくつか予定しています。

労働環境の点で、観光産業、そして星野リゾートの一番の問題というのは、他の産業に比べて星野の社員に対する条件が、まだまだ追いついていなかっということがあるのだと思います。代表の星野も、長く経営していて、ずっと長いテーマとしてきたのですが、そろそろ本気で解決しよう、しなければならない時期に来ていると思っております。観光産業に来たから休みが少ないとか、観光産業に入ると給料が少ないとかいうことから、脱却しないと、この産業は一流の産業として認められませんし、観光に従事することはステイタスの高い仕事だと思ってもらえないわけです。なので、割増賃金の比率を変えるとか、休みの数を日本全国の一流企業の数字と並べていこう、そして初任給も他の一流企業と並べても劣らないレベルに引き上げていくことも予定しています。すごく大事なことですが、観光産業が日本の一流産業になるためには、そして観光立国として、本当に地方の経済に貢献していくためには、社員の環境も他の産業に比べて劣っているという状態を、失くしていかなければなりません。

星野リゾートは、この先頭を切っていきたいという風に考えています。そして足元、星野リゾートでは、新規開業が多かったことによる労働力不足に加えて、全く予想していなかった理由によって、新たな労働力不足が発生してきています。2022年末から旅行産業全体が、急速に採用活動を再開したことにより、星野リゾートからの転職者が予想以上の増加し、2023年初から労働不足が発生し始めています。これらの問題に対しては、短期的対策を既に打ち始めており、夏の書入れ時の稼働制限等は、出来るだけしないで済むような手配ができつつありますし、来年の4月には労働力不足を根本的に解消できる目途も立ってきました。足元の労働力不足とその対応策については、後ほど代表の星野の動画にて説明をさせて頂きます。

それでは、さっそく本題に入っていきます。
4頁の目次ですが、先ず初めに決算概要について、それから運用ハイライトについて、そして今後の運用戦略について、最後にESGの取組みについて説明致します。
決算概要について、6頁をご覧下さい。20期決算のサマリーです。左の損益計算書にありますように分配金は8,385円と予想とほぼ乖離なく着地致しました。これは前期よりも270百万円ほど変動賃料が増えたことによります。純利益が予想より200百万円増加した理由は、行政が行う補助金事業からの収入が190百万円あったもの、その補助金収入は今後安定的な分配金マネジメントに活用するため、圧縮積立金として繰り入れております。一口当たりNAVについても、55万円まで回復しています。

それでは、7頁をご覧下さい。一口当たり分配金と賃料の予想です。20期実績は、先ほど申し上げた通りです。21期予想については、前回とほぼ乖離のない8,400円で見込んでおります。過去の実績を参照する変動賃料設計の為、前回予想時には賃料の大部分が固まっていました。星野リゾート物件は、コロナ前以上の賃料に成長していますが、グランドハイアット福岡の割増固定賃料の終了による賃料減を初め、星野リゾート以外の物件の回復が遅れた期であります。続いて22期、こちらは今回新たに予想を発表した期です。分配金8,600円を見込んでおります。21期比で+200円、+2.4%、今まで星野リゾート投資法人の分配金の回復を牽引してきた星野リゾート物件で、2023年初頭から一時的な労働不足が発生し、分配金の回復も鈍化します。星野リゾート賃料合計は、対前期で120百万円のマイナスとなってきます。その労働力不足の詳細と今後の見通しについては、次の頁のスライドで詳しく説明致します。一方、星野リゾート以外の運営物件は、グランドハイアット福岡の変動賃料の発生、the Bの変動賃料の増加など、対前期賃料プラス130百万円になり、回復期になってきたことが言えると思います。


続いて8頁をご覧下さい。国内旅行産業の労働力不足と、星野リゾートの取組みです。代表の星野からメッセージが届いておりますので、ご覧下さい。

こんにちは、星野リゾートの星野佳路です。

今日は、労働力不足の正体というタイトルで、全世界が経験している観光産業の労働力不足、それと日本、星野リゾートの経緯について話したいと思います。今、私が社内で話しているのは、コロナ危機というのは2つのフェーズに分かれていて、1つが需要のロス、もう1つが、今私達が経験している労働力不足、この2つだったという話をして、解決に向けて話します。国内の観光業気合、観光産業全体のこのような動きの背景をお伝えしたいのですが、多くの海外の国は、外国人労働者に頼っていて、急に戻って来てくれないことが原因になっています。ところが日本の場合には、国内の労働力に完全に依存していて、本来補充する労働力は、新卒採用と中途採用の2つが中心です。

ところがコロナ禍においては、多くの会社が新卒採用を止めて、中途採用も止めて、この3年間を過ごしてきましたので、本来補充すべき人が入ってきていないことが、労働力不足の背景にあります。2022年の秋に実質インバウンドが戻り始めた、10月だったと思いますが、そこから急に需要が戻って来て、23年には22年比で観光需要自体が戻っていますが、本来補充すべき人達プラス2023年に補充すべき人たちを上乗せして補充していかないと、本来の労働力が得られないという状況であり、日本のように失業率が非常に低い国は、それを一気に補うことは難しく、恐らく私の見立てでは、1年これが続く可能性があると考えています。

星野リゾートの事情はちょっと違っていまして、マイクロツーリズムやその他の対策で、ある程度コロナ禍においても、ある程度需要を得ることができて、プラス私達は新しい施策の会議を開いていたので計画通りに十分な採用をしっかりとやってきました。2021年の入社式、2022年の入社式、2023年にもこれだけの人に入社してもらっています。寧ろ、他の会社が採用を控えていたので、とても優秀なやる気のあるStaffを採用できた、有利な年だったと私は感じていました。

ところが、私が全く予想をしていなかったことが起こっておりまして、それは、2022年10月からの観光産業の戻りに合わせて、急に新卒採用に振り切る訳には、他の会社いけないので、中途採用に対するプレッシャーがすごく掛かってきている、簡単に言うと星野リゾートの社員への転職圧力がすごく掛かっていることとなっています。会社を退職する際にアンケートに答えてもらうようにしておりまして、97%の方がちゃんと答えてくれましたが、分析していくと、普段見ない退職理由が4つほど出てきておりまして、あっ、そうだったんだということが分かってきました。

1つは航空会社への転職。もう1つが旅行会社への転職。もう1つが都市のホテルへの転職。最後が海外留学、ワーキングホリデーのために退職。普段見ないこうした理由が急激に数を増やしています。学生の皆さんのことを改めて考えてみるのですが、コロナ禍で就社して来てくれた皆さんは、大変な学生生活を送った人達で、学校にいけない、授業もオンライン、本来の大学生としての学生活動ができない、プラスそうした中で就職期を迎えてしまい、本来行きたかった産業や会社が枠を閉じていたわけです。そういう皆さんにとって、一旦星野リゾートに入り、学ぶものを学び、そして本当のコロナ禍が終わった時に、自分のキャリア、目標を改めて見直して、それを追いかけるというのは、私個人として彼らと話していて、共感もしてしまうし、寧ろサポートもしてしまうという気持ちになる訳です。

ということで、私達は私達で当然ながらこの問題をしっかりと解決していく必要がある訳ですが、今採用を再び強化しています。私達のリクルーティング力で中途採用も増やしていますし、2024年の新卒採用も順調に進んでいます。なので、星野リゾートの場合には、おそらくこの労働力不足は一時的な問題で、半年、1年の間に完全解決するという見込みが立ってきています。ただ、半年、1年続くのであれば、その間のパフォーマンスをしっかりと維持するために、3つの対策を、今実行に移しています。特にこの2023年の夏が大事と思っておりますが、1つは短期スタッフの雇用です。星野リゾートは正社員比率が高く、そのメリットは多いのですが、そこをある程度犠牲にして新規採用の短期スタッフの雇用を力強く行っています。

もう1つは、足りないのは人員ではなくて、労働時間なのです。ですので、スキルのあるスタッフで、時間外労働をしっかりと、許容範囲内でやりたいという人が沢山おりますので、その価値にインセンティブを与えるために、時間外労働の割増率を上げました。これはすごく効果的だと思っています。もう1つが、運営方法を、2023年に若干見直して、効率を更に高める一時的な運営に変えようと思っており、これはお客に対する対応を変える可能性もあるので、すごく慎重に対応して、現地のスタッフのアイデアを把握しながら、やるべきことを実行に移し、この3ヶ月、4ヵ月、普段と違う対応をしようと考えています。

この見通しは、一時的であり、この半年、1年でしっかりと解決していきたいと思っていますが、そこに辿り着くまでの期間も、色んな対応をしているのですが、私が気付いている点は、久しぶりにDeepな議論を現場スタッフとしていると、彼らのMulti-Task Teamの力強さを改めて感じています。星野リゾートの場合には、フロントとかレストランとかハウスキーピングとかの部署の垣根が無く、全員が同じスキルを持っていますので縦割りになっていない時の発想の豊かさが出て来ます。ここの業務を若干こうすると、ここにシフトが回る、又、同じスキルを持っているので回しやすいので、色んな発想が出て来ます。そのような話を聞いていると、もしかすると短期対策だけではなくて、中長期的にこのMulti-Task Teamで残せる改革もあると思っておりまして、それはこのLabor-Shortageが解決した後の星野リゾートのパフォーマンスを更に上げていくうえで、沢山のアイデアがありますし、この機会を更なる変革に使っていきたいと思っています。
以上です、有難うございました。

それでは9頁をご覧下さい。一口当たり分配金の推移を図で表しております。ご覧の通り、一時的な労働不足が発生し、足踏み期間が少し長引いていますが、星野リゾートへの宿泊需要は依然として非常に旺盛であり、中長期の運営力という点においては、全く問題ないどころか、コロナでの施設展開により、今後更に成長していくと考えております。更に、星野リゾートは足元の問題に対しても、先ほどの動画にありましたように、非常にSpeedyに対策が実行に移せていますので、従前申し上げました2025年から2026年にStabilizedのDPUを迎えるという想定は、現時点で変える必要はないと考えております。又、あとで紹介しますように、相対の割安の物件取得による外部成長や、抜本的なリブランド、営利ある上昇を狙う魅力投資など積極的に行って、アセットマネジメントの力でDPUを押し上げるActionが可能なのも、星野グループに所属する運用会社としての我々の強みであり、引き続き行ってまいります。星野リゾートもリートも足元の対策をしつつも、今後も中長期目線で競争力の強化を目指してまいります。

続きまして10頁ですが、これは毎回記載しております賃料の形態を示したものです。説明は割愛させて頂きます。
それでは次に運用ハイライトに移ります。

12頁をご覧下さい。コロナ禍においても、我々は積極的な取組みを実行してまいりました。直近の物件取得については、今月6月に、頁下に示していますように、the B浅草とホテルビスタ松山の物件を取得しました。詳しくは次頁以降で説明致します。コロナ禍における活動の纏めですが、右下にありますように、6期連続の物件取得となりました。取得価格の合計は445億円、売却価格は77億円、取引価格総額は522臆円でした。エクイティファイナンスについても211億円を調達出来ました。

それでは13頁をご覧下さい。新規取得物件、先ず1件目、the B浅草についてです。日本を代表する観光地浅草に位置し、アフターコロナにおける観光回復のアップサイドを期待できる良質の築浅物件、これを償却後利回り4.8%、対鑑定評価額比78.6%の、非常に割安な価格で取得することができました。立地は、浅草のメインストリート国際通り沿いで、駅近の好立地です。東側には1,400年近い歴史を有する浅草寺や雷門、西側には食の専門店が集まるかっぱ橋道具街といった東京都内有数の観光スポットが点在しています。季節を問わず賑わっているそのようなエリアです。テナントについてはthe B Hotelsチェーンを展開し、豊富なホテル運営のノウハウを持つイシン・ホテルズ・グループを選定しております。2023年7月に開業予定です。本物件は、2018年10月から2020年4月まで、同オペレーターが、the B浅草として運営してきた経緯があります。今回は、過去の運営実績を生かしたリオープンとなる案件です。運営実績については、コロナ禍前は8~9割程度の高稼働を維持できておりました。アフターコロナにおいては、日本人旅行者、外国人旅行者を問わず高い需要の獲得が期待できます。その他概要は、左下の表の通りです。

では、14頁をご覧下さい。左上、浅草エリアの高いインバウンド需要について示しております。コロナ禍前に東京都を訪問した外国人旅行者の2人に1人が浅草を訪れております。アフターコロナにおいても、高い観光需要が見込まれます。運営実績については、先ほど少し触れましたが、2019年1月から12月の運営実績を頁の下に示しております。安定的に高い需要を獲得できている状況でした。

続いて15頁をご覧下さい。新規取得物件、2件目のホテルビスタ松山です。四国最大の都市、愛媛県松山市の代表的な繁華街である大街道エリアに立地しています。今後の観光需要アップサイドを期待できる良質の築浅物件を、対不動産鑑定評価額の90.7%で取得できました。松山市の主要観光スポットである松山城や坂の上の雲ミュージアム、大街道商店街等が全て徒歩圏内にあります。日本最古の温泉と言われる道後温泉にもほど近い、抜群の立地です。又、ビジネス面での利便性も高いことから、観光、ビジネスの両面において安定的な宿泊需要が見込まれます。2022年以降、アフターコロナに向かう中で、ADR、客室稼働率とも徐々に回復傾向にあります。下のグラフで示す通りです。今後、更なる宿泊需要の獲得が期待できます。その他概要は、左中段の表の通りです。

続いて16頁をご覧下さい。リブランド案件についての説明です。グランドプリンスホテル大阪ベイのリブランドオープンについてです。先ず背景についてですが、2023年6月末に現在のMC契約の期限を迎えるにあたって、それを継続するかどうかを考えてきました。テナントである星野リゾートと、我々星野リゾート・アセットマネジメントは、コロナ禍の経験を踏まえ、どのホテルオペレーターに運営を任せるのが最良かを、議論してまいりました。ハイアットリージェンシー大阪は、大阪のホテルマーケットの供給過剰問題もあり、コロナ前から好調とは言えない状況でした。2019年にはMC契約を更新しましたが、その際は、ハイアットと星野リゾートの本部同士で、GOPの改善に向けて取り組んでいくことを合意したうえで、ハイアットとの契約を延長するのが妥当という判断を致しました。しかし、その後コロナ禍となり、これまで通りの運営をすることすら難しくなってきた中、コロナ禍を経て改めてハイアット、星野リゾート、星野リゾート・アセットマネジメントが、今後の運営について協議を致しました。今後の改装・投資計画やビジネスプラン等について誠実に話し合った結果、ハイアットではない別のオペレーターを選択することが、本投資法人にとって良い選択であるという判断を致しました。尚、昨年12月のリゾナーレ大阪の開業は、この件とは無関係であります。そしてプリンスホテルを選定した狙いですが、宿泊部門において、レジャー、ビジネス両部門においてアップサイドを享受できるということ、それから、最も期待すべきは、プリンスの豊富なMICE運営経験に基づく宴会場セールスおよびオペレーションです。最近でも、G7等の会場になって、注目を集めております。万博やIRも開催が予定される大阪ベイエリアにおいて、プリンスの高い運営力が発揮されることを、大いに期待しています。プリンスからはプリンスホテルブランドとして待望の大阪出店であり、西武グループを挙げてでも成功させるという、強い意思表明を受けております。リゾナーレ大阪とのコラボレーションホテルという点についても、しっかりご理解頂いており、密な連携により相乗効果も期待できるというふうに考えております。星野リゾートと同じく軽井沢を起源とし、長年隣り合わせで事業をしてきたこともあり、我々はプリンスホテルのことを誰よりも理解しており、彼らの実力を高く評価しています。今回、パートナーシップを組めたのは、歴史的に見ても大きな出来事であります。

続いて17頁をご覧下さい。リブランド案件、2件目です。OMO7高知 by星野リゾートのリブランドオープンについてです。本年4月にホテル日航高知旭ロイヤルを地域と一体になって街を楽しみつくすホテル「OMO7高知 by星野リゾート」にリブランド致しました。そして、2023年秋から休館して、星野リゾートが改装費用を原則負担のうえで、よさこい祭りなど、高知の活気あふれる文化から着想したデザインへの改装を行い、2024年春にリニューアルオープンする予定です。繰り返しになりますが、ポイントとしては、星野リゾートが投資の柔軟性を優先して、リニューアルに関わるCAPEX等は、星野リゾート負担で合意をしております。そして星野リゾート所有となる当該リニューアル関連資産を、賃料変更の協議と合わせて、本投資法人が帳簿価格で買い取る権利を有することも合意をしております。
18頁をご覧下さい。運営実績のサマリーです。左側が星野リゾート運営物件、右側が星野リゾート以外の運営物件です。左上の図をご覧下さい。星野リゾート運営物件は、各ブランドのADRがコロナ禍前より上昇するなどして、直近1年のRevPARは、コロナ禍前を22%上回る実績でした。一方、星野リゾート以外の運営物件ですが、右上の図をご覧下さい。依然としてコロナ禍前の実績には及ばないものの、対昨年をRevPAR比で見ますと、+58.9%と、力強い回復を見せています。コロナ禍前比で見ましても、-17.5%のところまで回復をしてきました。ブランド別に関しては、頁下半分を参照頂ければと思います。

続いて19頁をご覧下さい。この頁は星野リゾートの運営物件ですが、2020年1月からのRevPARの推移を図で表しております。星野リゾートは、2020年夏以降、早期にV字回復を遂げることができました。そして、2021年の秋以降、そして2022年と、運営実績をコロナ禍前以上に成長させることができました。2023年に入ると、労働力不足による稼働制限の影響が見られてきますが、宿泊需要は依然として旺盛であり、今年の夏の稼働制限解除に向けて、グループ一丸となって、取り組んでいるところです。

続いて20頁をご覧下さい。星野リゾート以外の運営物件のRevPARの推移です。紫色の折れ線グラフ、ロードサイド22物件は、コロナ禍を通して、一貫して底堅い運営実績をあげてきました。足元では、コロナ禍前と同程度までに回復をしております。コロナ禍で、特に苦戦をしていた都市部のシティホテル等においても、2022年秋以降は急速な回復を見せています。

21頁をご覧下さい。不動産鑑定評価額等サマリーです。ご覧の通り、不動産鑑定評価額等は全体的に上昇しております。詳しい説明については、割愛させて頂きます。
続いて22頁をご覧下さい。財務ハイライトです。強固な財務基盤と多様な調達手段の構築についてです。直近の主な取組みとして4件あります。1点目が格上げ。2点目がコミットメントラインの増額。3点目が日銀気候変動対応の導入によるローンスプレッドの引下げ。4点目がサステナビリティローンの実行です。左上のグラフをご覧下さい。直近の借入の状況です。グラフが示している通り、引き続きローンの長期化を図るとともに、ESG関連ローンの調達を継続的に実施しています。一方、平均調達年限は、コミットメントライン増額と併せて、返済期限の分散を実施したため短期化しています。その結果、平均調達コストは下がりました。固定化に関わるスワップ金利が上昇傾向にある一方で、リスクプレミアムの低減を図り、結果として平均調達コストの大幅な上昇を回避しています。次に右上のグラフをご覧下さい。LTVの推移です。本年6月に2物件をフルデットで講習したために、現時点のLTVは39.0%となります。LTV40%までの取得余力は、36億円となっております。最後に下の図表をご覧下さい。返済期限の分散状況についてです。この図表は、6月1日の2物件の調達後の状態を示しておりますが、ホテルビスタ松山の短期ローンを除けば、概ね、コミットメントライン60億円の範囲内で分散しております。この返済期限の分散化は、リファイナンスリスクを最小限にするうえで重要な戦略であり、ローンの長期化ができているがゆえに実現できるものです。

続いて23頁をご覧下さい。先ず、左上レンダーフォーメーションです。リファイナンスリスクをミニマイズさせるうえで重要ですが、メガバンク3行と日本政策投資銀行で全体の82.4%を占めております。盤石なバンクフォーメーションを形成しているということができると考えております。右側は、外部格付けについてです。R&IからA格を新規に取得するとともに、JCRはAフラットからA+となりました。見通しを含めて2段階向上しております。左下の図は、調達条件の推移を示しております。ポートフォリオの平均残存年数は、コロナの影響でローン期間が短期化したことで、3.2年まで一時的に下がりましたが、その後ローンの長期化を図ることによって、3.6年まで現状上昇してきております。一方、平均金利は、足元でローンスプレッドの引下げを実現させているものの、調達年限の長期化、および金利固定化コストの影響により、上昇傾向にあります。右下の図表です。有利子負債総額と固定金利比率の推移を示しておりますが、資産規模の増加に沿って有利子負債は増加しており、足元では、843億円となっております。尚、本投資法人は引き続き1年超のローンは、全て固定化しているため、マーケットの金利上昇に伴う急激なコスト増の懸念は、ミニマイズしております。
続いて24頁をご覧下さい。ESGハイライトです。2050年の脱炭素社会、ネットゼロを目指して、本投資法人は不動産のネットゼロのみならず、観光産業としてできる社会的ネットゼロへ向けることが、持続可能な観光不動産企業のエコシステムであると考え、活動を開始致します。具体的には、本年ネットゼロへのコミットメントを、気候変動デリジェンスポリシーに明示したことを皮切りに、不動産のネットゼロに関しては、物件のエネルギー分析を実施し、化石燃料から高効率設備の導入によるクリーンエネルギーへの変換を実施しながら、科学的かつ効率的にGHG削減を図る準備をしております。例えば、温泉旅館における給湯系統の省エネ工事によるグリーン化や、グリーンエネルギーへの転換を図ってまいります。勿論、これらの調査で、対象物件から外れる可能性のものについては、入替等も検討していく所存です。次に、観光産業ができるネットゼロの活動は、リゾート地における生態系の保護と自然環境保全に関わる活動やデザインの配慮を、今後一層強化し、社会にも良い影響を与えることにあります。運営面においても、既に各オペレーターが実施している3R、それから、客室のペットボトルのミネラルウオーターの廃止などは当然のこととして、宿泊客の移動手段や、自然環境やネットゼロと観光の関係について、教育や啓蒙を実施することを強化致します。これらの活動は、災害対応を含めた気候変動対策のみならず、地域の活性化や、経済にも有効に働くことは間違いありません。右側に記載しています西表島ホテルの2泊以上の宿泊に舵を切ったことは、正に、環境と地域の両方の保全、活性化を両立させる手段です。西表島ホテルの取組みについて、もう少し詳しく説明したいと思います。連泊というのは非常に重要です。日本は世界に比べて泊数が少ないです。日本人が日本国内を旅行する時は、どうしても1泊2食の旅行であったり、多くても2泊3日の位の旅行で、世界の国から比べると泊数がまだまだ少ないです。しかし、日本人が海外に行く時には、3泊、4泊、5泊と平気でしていますので、日本人が連泊できないということでは決してありません。これは、私達観光地側の課題であって、国内でも、3泊、4泊、5泊しても楽しめるよねと、海外に行く時には既に連泊している訳ですから、同じマーケットに、日本の地方に行かれる時に、連泊して頂ける工夫を私達が作っていくことが大事だと考えています。西表島ホテルでは、この取り組みはコロナ前から始めていました。元々私達がすごく大事だと思っていまして、長く滞在して頂くためのコンテンツを色々と用意してきました、そして、この4月1日から、1泊の予約を取らない、2泊以上の顧客だけを西表島ホテルの宿泊して頂くという対策に踏み出して、今、一生懸命、今まで以上の集客が出来るように頑張っています。勿論、連泊すると大きな変化が起こります。連泊して頂くと中日ができるので、ホテル事業者だけではなくて、地域・地方の様々なところでお金が落ちるようになります。つまり、連泊の方が、地域全体のステークホルダーツーリズムのなかで、コミュニティに対して経済貢献ができるということも、すごく大きな連泊のポイントです。西表島ホテルでは、コロナ禍前から少しずつ、2泊、3泊、4泊の方々を優遇する策を取り、予約の比率を変えてきました。1泊の比率は2019年に51.3%、2020年42.6%、2021年34.1%、そして2022年が29.6%と推移してきています。まだまだ、30%位1泊の方が残っていますが、これを一気になくしてみようというのが、星野リゾートの取組みです。星野では、顧客満足度調査を毎日とっていますが、連泊者の方が顧客満足度も高いです。大事な連泊プロジェクトです。西表島から始まりましたが、重要なことは西表島だけではなくて、日本全国の観光地に展開できる話だと思っています。短期的には色んなハレーションがあるかもしれませんが、長期的には日本の観光を変える、そしてステークホルダーツーリズムの中で、地域・コミュニティ・環境と、そして顧客の満足、そこに影響する2019年型ではない新しい観光の形になると、私達は考えていますので、今後。これを全国で展開していきたいと思っております。
それでは今後の運用戦略について説明致します。

26頁をご覧下さい。この頁に記載しているのは、従前と変化はありません。右の5項目、これを目指してまいります。
続いて27頁をご覧下さい。資産規模の推移を図で表しております。現状、一番右上にあります通り、1,986億円の資産規模です。今後、3,000億円を目指して外部成長を続けていきたいと考えております。

続いて28頁です。ポートフォリオ構成です。現状星野リゾートの運営比率が42.1%です。短期的にこれを50%に持って行きたいと考えております。その先中期的には、更に星野のシェアを高めていきたいと思っております。

続いて29頁をご覧下さい。本投資法人の外部成長の前提となる仕組みについて説明致します。左の図をご覧下さい。いつも申し上げておりますが、ホテル事業は所有、運営、開発の3つに分けられます。我々の場合は、本投資法人が所有の役割を担い、星野リゾートが運営を担当しています。そして星野リゾートと日本政策投資銀行との共同ファンドが開発を担って、星野リゾートブランドの優良物件を開発して、本投資法人に供給しています。右の図をご覧下さい。リゾートホテル、温泉旅館、そして都市型ホテル、これらは企画を始めてから完成し、収益を生み出すまでに長い時間を要します。この期間の各ステップにおけるリスクレベルも異なっています。土地取得時は、許認可の取得、予算内、工期内の建設、開業後の収益と、どれをとっても未知数であり、リスクが最も高いステージと言えます。 しかし、ステップを一つ一つクリアしていく度に、事業リスクは低減され、最終的には開業後に集客が軌道に乗り、収益を安定的に生み出す状況を確認できると、リスクが最も低くなります。本投資法人が許容できるリスクは、最終段階のリスクですので、そこまでのリスクを開発ファンドに担って頂いている訳です。このように、本投資法人が上場してから10年、途中コロナ禍の3年がありましたが、この3社の強力なパートナーシップの元、漸くお互いの相乗効果が本格的に見えてくる時期なりました。良質なアセットを旅行市場が求める場所に積極的に開発・展開していくことで、本投資法人の外部成長とポートフォリオの競争力強化を目指すと同時に、星野リゾートのスケールメリットを生かした集客力を強化することができます。このような、お互いを強め合う相乗効果を今後も進めていく予定です。

続いて30頁をご覧下さい。いつもの通り、パイプラインの一覧を示しております。少し変化がありましたけれども、中期的に取得可能性のあるものを簡易的に試算しますと、合計で約1,500億円となっております。これらを適宜、取得を進めてまいりたいと考えております。
続いて31頁です。星野リゾートの、コロナ禍の取組みを示しております。大きく纏めますと、下の方で示していますように、コロナ禍、マイクロツーリズムの需要の創出をしたこと、それから拠点数の拡大をしたこと、これが主な取組みです。拠点数の拡大については、右下にあります通り、28施設新規開業致しました。客室で言いますと、3,912室増室をしております。

それでは最後になりますが、ESGの取組みについて、説明致します。
33頁をご覧下さい。本投資法人は、観光産業ならではのエコシステムとして、不動産価値の最大化を具体的に構築しておりますが、これは正に、星野リゾートの環境経営と表裏一体のものとして存在しております。ご覧の通りです。
続いて34頁をご覧下さい。毎回掲載しているページですが、当期は生態系や歴史・伝統への配慮を加えたデザインを実現した施設の紹介を追求しております。具体的には、ハルニレテラスと京都のデザインが、いかに自然環境の保護であり、歴史と伝統の地域を守っているかということを事例としてあげてみました。ご覧下さい。
それでは35頁をご覧下さい。環境パフォーマンス、サステナビリティに関する外部認証、グリーンリース契約、ファイナンスについては記載の通りです。右下をご覧下さい。サステナビリティファイナンス、グリーンファイナンスの取組みについてです。ESGに関心の高い長期投資家を呼び込むことを目的に、J-REIT初となる投資家の出資総額に占めるサステナビリティ・グリーン割合を示すフレームワークを新設しました。本投資法人においては、約4割がサステナビリティ・グリーン投資となります。今後も、デット、エクイティ両面から、更に環境を認識した投資を推進してまいります。
続いて36頁をご覧下さい。社会についての取組みについては、テナント満足度調査を、本年で実施3回目になりますが、従業員寮の改装によって島での生活満足度が大幅に上がった事例を追記しております。労働生産性とWell-beingは相反するものではなく、仕事に対する快適性や幸福度のために、生産性を今後も高めていく所存です。その他の取組みは記載の通りです。
以上で決算説明は終了致します。駆け足になりましたが、ご視聴頂き有難うございました。引き続き本投資法人を長期的にサポート頂けると幸いです。