日本プロロジスリート投資法人 2023年5月期決算概要

日本プロロジスリート投資法人
2023年5月期(第21期)決算動画説明書&質疑応答
○動画  https://www.video-streaming.net/ir/3283/21_j/
○資料
https://www.prologis-reit.co.jp/file/ir_library_term-1e451b05b99329636c26e62bc417b085ccc8d486.pdf
○説明者 日本プロロジスリート投資法人 執行役員 兼
プロロジス・リート・マネジメント株式会社 代表取締役社長 山口 哲
○説明 
2023年5月期(第21期)の決算説明を始めます。最初に2度の公募増資とそれに伴う外部成長、そして本年6月に取得致しました新たなフラッグシップ物件についてご説明致します。

3頁をご覧下さい。本投資法人は、マーケット環境の好機を捉え、昨年12月本年6月と6ヶ月の間に2期連続の公募増資を行い、外部成長を実現し、投資の価値の向上を加速させました。2度のグローバルオファリングで約510億円の新たな区域資金を調達し、スポンサーパイプラインからご覧の、非常にクオリティの高い4物件を合計約950億円、平均NOI利回り4.0%という適正な価格で取得致しました。

4頁をご覧下さい。2度のアクリーティブな増資を通じて資産規模は11.5%拡大し、9,000億円を突破致しました。一時効果調整後の一口当たりの分配金は、約3%成長することとなり、引き続き投資主価値を大きく向上させることができました。一方で、金融市場の世界的な環境変化が起こり得ることも念頭に置き、これまで通りL TVを殆ど変化させない設計とし、財務の健全性を維持しながら高い外部成長を実現致しました。サポート頂きました投資家の皆様方に厚く御礼申し上げます。

5頁をご覧下さい。次に直近の公募増資により、先月取得しましたプロロジスパーク草加の概要です。プロロジスパーク草加は、東京都心に近接する最新鋭、且つ、大規模な物流施設であり、且つ、免震構造を持つ希少性の高い施設で、写真でもお分かりのように、人口密度の高い住宅エリアに周囲を囲まれており、雇用面でも大きなメリットのある最良立地、最高品質のフラッグシップ物件です。昨年3月竣工、稼働率は100%であり、ポートフォリオクオリティの一層の向上と、更なるポートフォリオ運営の安定化に資する物件と言えます。又、3テナント全ての賃貸借契約は7年超の長期契約であり、且つ、契約期間中にCPI変動率等を勘案したあと、アップサイドオンリーでの賃料改定協議が可能な契約としており、長期間安定したキャッシュフローを確保しながら、アップサイドを追求できる物件といえます。

6頁をご覧下さい。プロロジスパーク草加は、外環道エリアに所在します。外環道エリアは東京都心に近接しており、 そのため物流施設として開発可能な土地が少なく 是非とも本 投資法人のポートフォリオに組み入れたいと予てより切望していたプライムエリアです。 又、外環道エリアの需要は長期にわたり強く、左下のグラフにある通りその空室率は、首都圏の中でも相対的に低い水準にあります。又、右側のグラフの通り、過去10年間の首都圏の新規供給物件の中で、外環道エリアは僅か27 物件の6.5%、更に免震構造、且つ、10万 m2以上の大型物流施設となれば、プロロジスパーク草加1件のみとなります。希少性の高い、外環道エリアに所在する物件の中でも、更に数少ない、競争力の高い、魅力的な大型先進的物流施設と言え、今後の高い成長性が期待できます。

7頁をご覧下さい。本物件は 東京外環自動車道草加インターチェンジと、常磐自動車道三郷インターチェンジから至近で、前面道路は東埼玉道路として整備が進んでおり、至近に新たなインターチェンジが更に設置される予定です。又、最寄り駅の越谷レイクタウン駅より徒歩圏と、通勤利便性が高く、テナント誘致の面での競争力も高い物件です。ご利用頂く仕様カスタマーはスズケン様、ヤオコー様です。スズケン様はプロロジス・グループの設計、開発力、そして施設運営管理力を高く評価頂き、プロロジスパーク神戸2、古河1と利用頂いているリピート・カスタマーです。そしてヤオコー様は、今回がプロロジス・グループとして初めての契約となったカスタマーで、同社の中期経営計画に沿ったインフラ整備の一環で、本物件に物流センターを新設されました。

8頁をご覧下さい。本施設はESGの観点でも十分に配慮された物流施設となっています。人感センサー付きLED照明を導入し、約3MWの発電能力を持つ太陽光発電設備を設置予定であり、更に、今後、日中の使用電力量の平準化を可能とする、蓄電池を設置する計画です。又、先ほど申し上げました免震構造の採用のほか、非常用発電設備および大型オイルタンクを導入するなど、災害時等の事業継続性にも配慮された施設です。
9頁をご覧下さい。今回のプロロジスパーク草加の取得を機に、本投資法人が上場来取得してきました一連のフラッグシップ物件を、今一度お目にかけたいと思います。こちらに本投資法人が有する最良立地、最高品質の自慢のフラッグシップ物件達を、首都圏、近畿圏に分けてお示し致しました。プロロジスパーク草加は、プロロジスパーク市川1などに匹敵する、久しぶりの首都圏における大型フラッグシップ物件の取得となりました。直近第21期、第22期と、引き続き、スポンサーのプロロジスが開発した最良立地、最高品質のフラッグシップ物件を取得し、ポートフォリオの安定性、成長性の両面を持つ、ポートフォリオ構築、進化させ続けています。

10頁をご覧下さい。本投資法人のフラッグシップ物件における経済価値のアップサイドについてお示し致しました。ご覧の通り魅力的なロケーションや、高いクオリティに裏付けされた競争力を反映し、全てのフラッグシップ物件で、鑑定NOI利回りは取得時から大きく低下しており、鑑定評価額も大きく上昇し、本投資法人の投資口一口当たりNAVの上昇に著しく貢献しています。本投資法人が保有する数多くのフラッグシップ物件が、投資主価値向上の大きなドライバーとなっていることがお分り頂けるものと考えています。
次に21期の決算 ハイライトについて内容を説明致します。

12頁をご覧下さい。ハイライトを5点挙げさせて頂きました。1点目、本投資法人は。安定的なポートフォリオ運営を継続し、好調な業績を確実に維持していること。2点目は、力強いリーシング活動により、賃料上昇率は大きく向上し、強力に内部成長を継続できていること。3点目に、外部成長のドライバーとなる高品質のパイプライン物件は、引き続き豊富であること。続いて、業界トップクラスの強固な財務基盤を維持し続けていること。最後に、プロロジスを上げて推進するESGで、新たな KPI を設定し、目標達成に向けて順調に進捗させているという点です。それでは項目ごとに説明致します。

13頁をご覧下さい。当21期の業績および第22期以降の業績予想です。当期は、特定の物件でダウンタイムが若干長期化したため、平均稼働率が予想を0.4 ポイントほど下回ることになりましたが、持続的な賃料増額改定の効果や、適切なコストコントロールを行ったことより、NOIで見ると予想-0.1%の21,753百万円で着地させることができました。一方、該当物件におけるダウンタイムは、概ね解消できていることから、第22期の稼働率は、98%台に戻る想定をしており、新規取得したプロロジスパーク草加による増収効果、着実な賃料増額改定の成果となり、NOIは第22期においては、+6.6%と力強く上昇することを見込んでいます。第23期においては、新規取得資産の固定資産税費用化の影響はありますが、引き続き賃料収入の上昇が継続する見通しとなっています。グローバルで進行する物価上昇の影響がありながらも、本投資法人のポートフォリオ運営は、引き続き堅実かつ安定的に推移する見込みで、大きな懸念点はございません。電気料金の請求方法等については、カスタマーの皆様との協議が進捗しており、タイムラグはあるものの、NOIは今後増加していくものと考えています。

14頁をご覧下さい。次に一口当たり分配金です。当21期は稼働率の低下がありながらも適切なコストコントロールにより、予想を0.2%上回る4,940円の着地となりました。第22期から第23期にかけては、新規取得資産の増収効果等により、力強く上昇することを見込んでいます。結果として、一口当たり分配金は、第22期が5,044円、第23期が5,060円となる見込みで、公募増資の際に申し上げた通り、順調に上昇する見込みです。

15頁をご覧下さい。次に安定的、且つ、力強い内部成長を実現しているポートフォリオの運営状況です。ポートフォリオの平均稼働率は、左上の折れ線グラフで示していますが、当期は97.5%で着地し、続く第22期、第23期は98.1%と予想しています。この水準は、本投資法人のポートフォリオ稼働率の、上場からのトラックレコードである97から98%台のレベルに合致しており、ポートフォリオ運営は継続して安定的なレベルにあります。そういった安定した中、賃貸借契約更改時における平均改定賃料変動率については、グラフ下の青地に白抜きの数字で記載していますが、当21期は、BTS物件におけるテナント入れ替え時に、契約期間のマーケット賃料上昇分を確実に捉え、賃料を大きく上昇させることができ、+5.4%と過去10年で最大の賃料上昇を達成しました。第21期、第22期での2023年、通年で見ても、2022年の3.7%を大きく上回る改定率が達成できるものと考えています。又、右側のグラフは、満了を迎えた契約の改定状況の内訳です。当21期においては、BTS 物件でのテナント入替もあり、再契約率は70%、又、85%のスペースで賃料増額が達成できており、賃料上昇のモメンタムが継続しています。更に、運用を開始した第22期においては、6月末時点で既70%以上が解決済みで、極めて順調なスタートを切っています。物流不動産賃貸市場は、大量供給の影響で空室率が上昇傾向にありますが、旺盛な需要を背景として、マーケット賃料は緩やかな上昇が続いており、今後もレントギャップの解消により、ポートフォリオの内部成長が継続する見通しです。

16頁をご覧下さい。カスタマーへソリューションを提供し、カスタマーとともに成長するプロロジス・グループならではの事例を、前期に引き続きまして2つ紹介させて頂きます。2件ともにマルチテナント型物流施設事例です。プロロジス横浜鶴見において、退去想定区画に対しリーシング活動を早期に開始、新規カスタマーの早期利用開始ニーズを2件獲得しました。既存カスタマーから転貸という形で、新規カスタマー2社に入居頂き、既存契約の終了時点で新規契約をスタートさせるということに成功し、ダウンタイム無し、且つ、賃料上昇率約10%と、大きな内部成長を実現できました。既存カスタマーにとっては、転貸による収益確保が課題、新規カスタマーにおいては、早期利用開始が可能なスペース確保に成功したことになります。もう1つの事例は、フラッグシップ物件の一つ、プロロジスパーク東京大田に置いて、冷凍冷蔵設備を保有していたカスタマー区画で退去予定を確認し、リーシング活動を開始、冷凍冷蔵設備を現状のまま利用したいと希望する新規カスタマーのニーズを獲得しました。 既存カスタマーにとっては造作設備の新規カスタマーへの引き継ぎによって、撤去工事費の削減等を達成、新規カスタマーにとっては、新拠点における設備投資コストの削減と、設備工事期間短縮による早期稼働が可能となりました。

又、この新規カスタマーは、スタートアップ物流企業で、新規投資コスト削減により、企業の成長にも大きく貢献できたとではないかと考えています。本投資法人としては、ダウンタイムもなく、賃料上昇率約20%と大きな内部成長が実現できました。このように、各カスタマーが必要とする事項を理解し、全取引関係者がwin-winとなるような取引ができるのは、各関係者の真のニーズを理解できる、プロロジスのインハウスのプロパティマネージャーならではのことで、誰にも真似できない、これがグループの特徴だと考えています。

17頁をご覧下さい。こちらは、本投資法人の高品質、且つ、豊富な物件取得パイプラインです。昨年12月と本年6月に、スポンサーから合計4物件を続けて取得しましたが、昨年12月にスポンサーが開発中のプロロジスパーク八千代1とプロロジスパーク古河4の優先交渉権を取得しました。結果、2期連続の外部成長直後でありながら、優先交渉権取得済み物件は現時点で2物件、加えてスポンサープロロジスが公表しているものだけで、開発中、若しくは、計画を具体化させている物件が3物件あり、パイプライン物件の合計は5物件、約1,200億円規模と、足元の外部成長には十分となる規模のクオリティの高いパイプラインを豊富に確保しています。これらのパイプライン物件の裏付けにより、本投資法人は、引き続き年間平均で500億円から600億円規模の外部成長を継続できる機会を確保しています。金融環境等も見極めつつ、適切なタイミングと規模で、本投資法人の継続的な外部成長に繋げていきたいと考えております。

18頁をご覧下さい。次は、引き続き業界トップクラスを維持している財務基盤についてです。本ン投資法人の強固な財務基盤の評価の証として、JCR格付けは、Jリート全銘柄中で最高であるAA+、R & A 格付けではAAフラットとなっています。又、本投資法人の期末時点の簿価LTVは37.7%と、極めてコンサバティブなレベルを維持しており、これを50%まで引き上げた場合の取得余力は、約2,100億円にまで拡大しており、将来の外部環境の変化に左右されず、成長を継続し得る体力をしっかり確保しています。又、鑑定評価ベースのLTVは27.6%と、30%を下回る水準であり、借入金の97.1%は長期固定金利、平均負債コストは0.68%という低水準、有利子負債の返済期限も下のグラフの通り、長期にわたり分散が効いていますが、金利動向が読み切れない局面にありますが、本投資法人は、他投資法人と比較し、LTVが低く、又、負債の長期固定化を高いレベルで推移しており、調達手段の多様化も継続させ、安定的な財務運営を行っていけます。

19頁をご覧下さい。5点目はESG 関連です。本投資法人では、プロロジス・グループとともに、ESGに関わる重要課題、マテリアリティを特定し独自にKPIを設定、グループで目標達成を目指しています。2022年末を目標設定期限としていた左側2つのKPI、太陽光発電システム合計発電出力は当初目標45MW、LED照明導入比率は当初目標 80%において、ご覧の通り、2022年末で目標達成致しましたので、今回新たな目標を設定しました。2030 年末までに、太陽光発電システムにおいては合計発電出力75MW、LED照明導入においては、実務上工事が難しい冷凍冷蔵区画を除き、導入比率100%という新たな高い目標を設定致しました。グリーンリース契約比率も、2022年末で56.9%と2026年末まで70%するKPI 達成に向けて、順調に推進させています。

20頁をご覧下さい。こちらが、本投資法人が設定している環境、社会、ガバナンスの各KPIです。プロロジス・グループを上げて、各KPI 達成に向けて力強く進捗させています。

続いて物流不動産マーケットの動向について触れさせて頂きます。
22頁をご覧下さい。先進的物流施設の供給は拡大傾向ですが、 先進的物流施設のストックは、未だ日本の物流施設全体の6.5%に過ぎず、依然その希少性は高い状況です。
23頁をご覧下さい。こちらでは、首都圏及び近畿圏における大型マルチテナント型物流施設の空室率と需給動向を示しています。物流不動産マーケットにおいては、物流効率化需要、EC事業等に代表される需要は、引き続き旺盛な状況が続いていますが、一方で供給量も多く、特に首都圏では供給量は2022年で過去最大、2023年もそれ以上のペースの供給量を記録していること、2023年第1四半期が供給量のピークということもあり、2023年第1四半期末時点での空室率は首都圏で8.2%、近畿圏で4.6%となっています。築1年以上の既存物件の空室率は、竣工後1年を迎えた一部の大型物件で空室があるため、首都圏で2.5%、近畿圏で1.8%となりましたが、依然健全な低い水準にあります。本投資法人を含め、安定稼働に入った物流特化型Jリートのポートフォリオ稼働率は堅調に推しており、空室率の上昇は、競争力の低い新規開発物件が増加しているためと言えると思います。一方で需給バランスの緩和や、建築工事費の高騰を背景として、首都圏の供給は、2023年に一旦のピークを迎える見通しとなっています。堅調な需要によって新規開発物件のプレリースが、どのようなペースで進捗していくかマーケットを注視していく所存です。

本日の私からのご説明は以上となります。直近の公募増資の際にも申し上げましたが、金融市場等で世界的に大きな環境変化が起こる中、我々の上場来の規律ある運用哲学、確固たる運用方針に変更はありません。我々は今後とも成長戦略を変えず、強靭なバランスシートと安定的、且つ、強固なポートフォリオ、そして強力なプロロジスによるスポンサーサポートとともに、先を見据えた取り組みを続け、ポートフォリオの分散および質の向上と、投資口の経済的価値の向上を合わせて実現していきたいと考えています。
皆様方には引き続きご指導、ご支援を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。
本日はご清聴有難うございました。

質疑応答
Q:外部成長についてですが、17頁に今後のパイプライン、優先交渉権取得物件と示されておりますが、既に取得されている優先交渉権取得物件も含めいずれも大型な物件であり、今後の取得に際してはこれらの物件が中心になるかとは思いますが、一方で、稼働率が低迷している外部物件を、スポンサーが一旦取得して、稼働を埋めてからプロロジスリートで購入するとかの可能性はあるのか、或いは、ちゃんとした物件で行きたいのでスポンサー物件のみで行くという考えなのかお聞かせ願いたい。
A:外部成長については、クオリティおよび立地、我々のAクラス物流施設への重点投資という上場時から変わらない方針というものがございます。立地、クオリティはしっかりと追及していきたいと考えております。外部物件に関しましては、それを買わないっていうことではなくて、我々の目線に叶うものがありましたら、少し空室があるけれどもスポンサーなりが買って埋めてとか、我々が買ってプロロジス方にプロパティマネジメントとして埋めてもらってとか、両方あるかと思いますが、その選択肢というものは我々としても持っているつもりでございます。ただ、やはり、まだ現状としては、外部の物件で我々の目線に合うような形でのプライシングができるような物件、そもそもAクラス物流施設で、そういう物件少ないわけですけれども、そういった中で、外部で取得ができるような状況には、今のところはちょっとないかなと。ただ、少し期待はしているところではありますので、今後そこは追求していくという我々の姿勢は変わらず行きたいと思いますし、スポンサーの方もそういうネットワークをしっかり張っておりますので、その機会をどこかで捉えたいなと思います。しかし、今は足元考えられるところでいきますと、17頁に載っているプロロジスが開発をしたクオリティの高いAクラス物流施設を取得していくというのが、メインシナリオと考えております。

Q:今後のリーシング方針として、あくまでも賃料増額をしっかり追求して、多少のダウンタイムは享受するという考えであるのか、一部の物件では、賃料は低くして稼働率重視で行くのか、今後のリーシング戦略について伺いたい。
A:端的に言えば、稼働率を取るのか賃料増額を取るのかの二択というところかもしれませんが、どっちだっていうところはCase by Caseと思ったりもしますが、今、考えられるのは、こういう形で今回は5.4%という増額改定がある程度できましたし、稼働率につきましても、先ほどプレゼンテーションでも申し上げました通り、97%台から98%台という健全なところを、多少ダウンタイムが長引いたとしても、維持できている状況でございますので、この状況下におきましては、又、今、賃料増額を狙える足元があるというところでいきますと、我々としては稼働率というより賃料改定の増額改定にある程度力を置くというのが、今の足元の状況と考えております。ただ、極端に稼働率を捨てて賃料増額のみを求めるとかそういうことでは全くなく、97%から98%台を維持できる環境であれば、多少ダウンタイムがあったとしても、賃料増額が取れる環境であれば、取っていこうと考えているところです。

Q開発物件の空室が埋まらず、空室率が上昇しているという状況ですが、この空室が埋まってない開発物件が、賃料下げて売りにきた場合、その影響を受けてプロロジスの稼働率が低下するリスクっていうのをどういう風に見ているのか、この点に関してご説明頂ければと思います。
A:空室率を長期間抱えている物件が、おそらくマーケットでは出てきているところかと思います。この辺りの特徴と言いますか、全て当てはまるかどうか分かりませんが、やはり、カスタマーのニーズと少しミスマッチを起こしている物件というのが特徴と思われます。具体的に言いますと、インターチェンジから離れているとか、少し土地に多くの値段を張りすぎて賃料の設定が高いとか、容積率は小さな土地であるのに容積率を目一杯取り、少し窮屈なプランニングになっていて箱型でバースが少ないという、運営上少し厳しめの物件というのが特徴ではないかと思っております。そうした物件が、賃料を下げて出てくるとは思いますけれども、そうした物件と我々の物件を比べて、賃料の低い方に行かれるということであれば、そこは「どうぞ」と言いますか、それで使える方がいるのであれば、今埋まって頂ければと思います。多少ダウンタイムが生じるということがあるのかもしれませんが、我々としては、我々の施設をしっかりと評価を頂いて、評価頂けるものと思いますので、そこで適正な賃料を払って頂く良いカスタマーの方に、長期間利用して頂くことを目指してリーシングしておりますので、ご質問に答えますと、影響がないというわけにはいかないと思いますけれども、まあそういった物件はそういった形で埋まって頂いて、我々はしっかりとした運営を、今まで通り続けていくことになると思いますし、そこまで大きな影響は及ぼさないのではないかと思っております。

Q:細かいことになりますが、一時的利益超過分配の実施の基準についてお伺いしたいと思います。短信を拝見すると、ガイダンスで出ている23年の11月期と、その先の5月期に関しては、水光熱費等の影響で一時的な利益超過分配と、少しぼやっとした記述になっておりますけれども、これの基準についてどういう状況になると実施するのか、又、これを引っ込めるタイミングはどのような時か、何か 基準があればお伺いしたい。
A:一時的利益超過分配に関しては、分配金の平準化という目的で設定をしております。あのご案内の通り、ウクライナ戦争とか、世界的なインフレ、資源の高騰等で、電気代が急激に上がり、これが急激に分配金に影響を与えるということで、そこの部分で平準化をするために発動したというのが、一時的利益超過分配です。こちらは、カスタマーの皆様との協議が進捗をしており、今後の上下動 ありますけれども、それが カスタマーの皆様への請求の方法が順調に変更されております。タイムラグがありますけれども、これが定常的な、安定的になり、こちらが判断したところで、我々としては一時的に分配を止めて、継続的利益超過分配を行っていく、そういったことに戻していくということになろうかと思っております。戸田さん(取締役副社長 兼 財務企画部長 戸田 淳)の方から何か補足とかありますでしょうか。
<戸田 淳氏より>
今、山口が申し上げた通りです。飽くまでも、現在のエネルギー価格は一時的なものという認識のもと、発動してそれが解消したら止めるという基準でやっております。

Q:先ほどの説明プレゼンテーションで、東京大田について冷蔵・冷凍設備を有するテナントが退去されたとの話があり、プラスにアップサイドが取れたとのことでしたが、このテナントが退去された事情、理由についてお伺いできればと思います。既存の施設を除却というか後継テナントに譲ったということだと思いますので、これを投げてでも退去されたという背景を伺えればと思います。
A:<取締役投資運用部長 佐伯 賢治氏より>
東京大田の退去されたお客様の話かと思いますけれども、そちらのお客様、最終利用者の方は、北陸から海産物を東京大田に持ってくるとそういうお仕事をされておられましたけれども、その配置の検討の末、移転を決められたということで、退去を確定されたという状況です。
<山口 哲社長より>
拠点戦略ところかと思います。これは、冷凍・冷蔵に限ったことではなくて、色んなところで起こり得るものと思います。拡張、縮小と色々あると思いますけれども、拠点戦略の見直しというところで、よくある1つの事例かなと思います。

Q:10ページ目に、経済価値のアップサイドという形で利回りを示しておられます。過去ですと取得時は5%あったところが、足元ですと、草加で見ると3.7%、或いは、猪名川ですと4%半ばという形もあり、価格が下がっていますので致し方ないというところもありますが、今後の物件の取得の利回りとしても、やっぱり3.7%とか3.2%台半ばというのが下限ぐらいになるのか、もっと突っ込んでしまう可能性もあるのか、価格の面と利回りの水準が今後どのような形になりそうなのか、ご見解を教えて頂ければと思います。
A:直近の5月末時点での、我々の持っている物件全体の鑑定NOI利回り、鑑定 NOI割る鑑定価格、所謂、時価ですね、それで申し上げますとNOIの平均が4.1%になります。ですので、同じ立地、同じクオリティのものを買うとなれば、概ね4.1%前後というような、4%の前半でしょうか、その辺りが我々のキャップの取得目線という形になろうかと思います。草加は、非常にプライム物件で、フラッグシップ物件ってことで、3.7%ということになりましたけども、当然、ポートフォリオにいろんな物件がありまして、平均すると4.1%になりますので、キャップ目線としては同じようなクオリティ、同じような立地というような物件でいけば、平均すると4.1%程度の物件取得のキャップ目線と考えております。

Q:物流施設が、立地の悪いものも含め沢山建設されている感じですが、マンションのようなものですと、それなりにニーズが汲み取られ、ニーズのある所に立地されていると思いますが、以前伺ったこともあるかと思いますが、その際は、需要は結構あるということで、リーシングさえちゃんとやっていけばというお話だったと思いますが、基本的には需要はちゃんとあるという状況なのか、教えて頂ければと思います。
A:需要が多いどうかに関しましては、プレゼンテーションで軽く触れておりますけれども、物流効率化需要、ECの需要は、やはり大きくありまして、需要としてはしっかりとあるというのは実感です。それに今少し加えますと、人手不足は、当然、物流業界でもあり、それに伴い自動化の流れ、機械化の流れがあり、そういった中ではやはり大型の物流施設、高品質の物流施設に、ロボットなり自動化設備を導入して効率化をしていくという需要もあり、そういったところで我々のようなAクラス物流施設の需要は、今も高いと思っております。そして、力強いリーシング活動という言葉で申し上げましたけれども、我々は、インハウス、即ち、プロロジス・グループの中で、リーシングを独自に中のメンバーで行っており、全てを外注するというようなところではなく、本当にお客様の声とお客様のニーズを日夜積み上げてきております。そこでのリーシングの強さというものもありますので、マーケット的な需要も強く、プロロジス・グループのリーシング力、インハウスで抱えているリーシング力が非常に強く、我々のポートフォリオとしては、しっかり安定した運営、そして外部成長をする時の新規物件というものが、スケジュール通りと言うか、ある程度タイミング良く我々が取得できるというような形になるのではないかと考えております。

以上を持って、質疑応答を終了致します。本日は有難うございました。