GLP投資法人 2022年2月決算概要

GLP投資法人
2022年2月期(第20期)決算説明 動画配信説明書
動画 https://www.net-presentations.com/3281/20220414/asjdfkkah/
資料 
https://www.glpjreit.com/file/ir_library_term-1f4c210fd513140ab088aeb039bffc06119e00db.pdf
説明者  GLP 投資法人 執行役員,
GLP ジャパン・アドバイザーズ株式会社 代表取締役社長 三浦 嘉之 説明
決算資料4頁をお開き下さい。今期の運用ハイライトです。
GLP投資法人は、今期もしっかりしたDPU成長と価値向上に向けた取り組みを実施して
まいりました。2022年2月実績分配は、10月予想比で15.3%の過去最高額となる3,169円
の分配を予定しております。又、不動産市況を踏まえた物件売却についても引き続き実施を
してまいりました。GLP福崎を、鑑定評価額を31%上回る価格で売却をし、投資主の
皆様への含み益の還元を、実施してまいります。内部成長も引き続きGLP
総合力を活用して、しっかりと賃料を上げております。22年2月期については5.3%の賃料
増額を実現し、又、来期につきましても既に9割弱がリース内定済みという状況になって
おります。内部成長の中においては、GLP総合力を生かしたValue-Add戦略も実施して
おります。今般のテナント様のESG潮流への反応も受け、再エネ導入などの提案を通じ、付加価値を付けることで顧客メリット、投資主法人のメリットの双方を実現しております。
財務面ではESGの選好を活用し低利なサステナビリティボンドの発行を行いました。又、ESGについても引き続き積極的に取り組んでおります。今期、ESGの新目標を新たに設定するとともに、ESGレポートの発行を実施致しました。
6頁にお進み下さい。決算実績の詳細です。22年2月期実績については、対前期10月公表
対比で15.3%上昇しております。NOIについてはソーラー収入等の増加はあるも、先般の
舞洲Ⅱの火災による剥落により、195.8億円と対前回公表に対して微増に留まっております。
尚、舞洲Ⅱの賃料剥落につきましては、一時差異等調整分引当金の活用により利益超過分配
を実施することが出来たことで、子の剥落の影響を排除しております。又、GLP福崎の
物件売却益15.1億円の計上により、しっかりとした、力強い分配金を構成しております。
7頁へお進み下さい。分配金実績のヒストリーを示しております。1年前、21年雄4月に
公表しました22年2月期予想については2,659円でした。そこから、第9回の公募増資、
又、福崎の物件売却により、対2月期予想で2,659円から3,169円までの増額を果たして
おります。これは、過去最高の配当額ということになります。
8頁にお進み下さい。GLP投資法人はJ-REIT銘柄の中でも大型な銘柄です。その、大型
銘柄でありながら、しっかりとした分配金成長、及び、NAVの向上を実現しております。
一口当たり分配金の推移においては、対前年で7%の成長を果たし、又、NAVについても
約10%の成長を果たしております。
こうした成長を簡単なグラフに示したのが9頁です。9頁のグラフにおいては、時価総額
10番以内の、リートの銘柄をPlotしております。縦軸のNAVの成長、横軸にDPUの
成長を展開し、右の上に位置する方がしっかりとした成長を実現するリートというふうに
考えております。ご覧の通りGLPにつきましては、右上に位置し、他銘柄の追随を図れ
ないしっかりとした成長を果たしております。
8月期の業績予想について10頁をお開き下さい。一口当たり分配金は、3,021円を予定
しております。こちらについては対前回10月公表に対して約12%の増加となっており
ます。NOIにつきましては、舞洲Ⅱ、及び、GLP福崎の売却の影響を受け、190.3億円と
なっておりますが、福崎の2回目の取り込みにより、3,021円というしっかりとした分配金
を予定しております。
ここで12頁にお進み頂き、GLP舞洲Ⅱの火災の概要についてお話致します。
GLP舞洲Ⅱの火災については、去る21年の11月末に発生致しました。こちらについては、
まだ捜査が進展中ということで詳細は差し控えますが、既報の通りテナント様のスペース
で働いていた派遣会社の社員による放火の疑いという形になっております。この火災を
受け、建物簿価である44億円の滅失が行われますが、物件保険の活用により、一時差異等
調整引当金により、分配金への影響は排除しております。尚、テナント様とは引き続き協議
中であり、今後、解体、再開発というステップをとる予定です。
13頁以降は当投資法人の成長への取り組みを示しております。当投資法人は、外部成長、
内部成長に加え、不動産市況を踏まえた物件売却による3つのドライバーでしっかりと
した成長を果たしていきたいと思っています。
外部成長においては、15頁に示しておりますように、他銘柄の追随を許さないしっかりと
したパイプラインを保有しております。頁の左側にある7棟の物件は、既に優先交渉権を
当投資法人が獲得しており、時機を捉えた増資により、取得が可能となっております。又、
スポンサーである日本GLPは、年間2,000~3,000億円の開発投資を引き続き行う予定で
おります。既に、首都圏、関西圏を中心に約1兆円ものパイプラインを保有する他、先般の
プレスリリースにもありましたように、新たな開発ファンドの設立により、資産総額に
おいて1兆円の投資が可能なファンドを有しております。GLPグループは引き続き日本の
先進物流に強くコミットをしていく所存です。
16頁に示しているのは、ディール・オブ・ザ・イヤーです。先般、リフィニティブ、
キャピタル・アイの両社より21年のディール・オブ・ザ・イヤーの発表がありました。
こちらにつきまして、第9回の増資が評価され、リート部門でDeal of the Yearを2冠
取ることが出来ました。こちらについては2年連続の獲得となり、投資主の皆様への
下支えの結果と思っております。
17頁では物件売却について示しております。物流J-REITの中で最大の物件数を持つGLP
投資法人は、多様の戦略によって成長が可能です。含み益が豊富なポートフォリオから、
足元の取引市場の好調をとらまえて、継続した物件売却により投資主の皆様への配当を
還元します。先期にはGLP福崎を鑑定額から31%高い価格で売却をすることが可能に
なり、その売却益を2回に分けて分配することを予定しています。
内部成長について18頁に示しています。22年2月期も、非常に本数の多いリース満期を
迎えました。全部で15契約の更改を迎え、当社のリースチームと協働しながら5.3%と
いう非常に高い水準の賃料上昇を果たしてまいりました。これによる、3年間の平均賃料
上昇率は4.8%となり、上場来19期連続となる増額を実現致しました。又、来期8月に
ついても既に87%に内定が見込まれております。
19頁に8月期のリースの想定を示しております。賃料上昇見込みについては4~6%と、
こちらについても力強い賃料上昇、内部成長の源泉を確保していきたいと思っています。
20頁で主な賃料増額改定事例を示しております。左側GLP座間においては、既存入居
テナントである食品系テナント様のEC商品の拡大を、リースチームが捉えて増床に繋げ
ました。このテナント様については、」既に荷物がオーバーフローし、今後も売上が3倍強
になるという見込みを、通常のテナント様との打ち合わせの中から捉え、提案することに
より上昇13%という非常に高い賃料上昇を実現することが出来ました。こうしたテナント
リレーションを活かし、引き続きしっかりとした内部成長を果たしていきたいと思って
います。
21頁では、最近遂行しているValue-Add戦略について示しております。
都内のBTS物件において、新たな太陽光発電装備の新設、及び、LED導入などのESG
提案を、リースチームを通じて行いました。合わせて施設管理業務の受託を提案することに
より、テナント様の実質コストを下げながらも、大幅な賃料増額を果たしております。
これにより、テナント、投資主、双方Win・Winの関係になるといったような戦略を実現
することが出来ました。
22頁はソフト面での内部成長の取り組みです。日経新聞等でも報道されています通り、GLP
は、GLPコンシェルジュという新たなサービスをテナント様に展開しております。ホテル
にいるコンシェルジュと同様に、テナント様の悩みを聞きながら、幣グループのネット
ワークを活用し、マッチング等々を行うといったサービスです。こうしたサービスは、
非常にテナント様に好評でして、色々な実例が現れて来ております。例えば、GLP郡山Ⅲ
の例では、GLP郡山Ⅲを借りたいというテナント様につきまして、一部のスペースが
荷主で埋まっていないというような日頃のお悩みを受け、荷主を紹介するといったことを
リースチームが行いました。又、GLP北本においては、進出にあたって地元の運送会社を
知らないといったテナント様に関して、GLPリースチームのネットワークを活用し、運送
会社を紹介することによってリース成約に結び付けました。こうしたことで、従来のリース
営業に加えて、テナント様にソリューションを提供するといったサービスが、非常に好評を
博しており、GLPコンシェルジュがあるので入りたいというような声が、寄せられ始めて
おります。こういったこともGLPグループの一つの競争源泉と捉えております。
23頁では鑑定評価について目を移したいと思います。物流リートとして老舗の当投資法人
は、他社に先駆けてプライムリッチを物流施設として押さえております。昨今の資本流入を
捉え、こうした好立地にある旗艦物件を中心に鑑定評価が上昇しており、物流銘柄の中に
おいて鑑定評価額でもトップクラスの上昇幅を確保しております。
24頁では、デットファイナンスのマネジメントについてお話しします。
足元、アメリカの金利上昇見通しにより、金利の相場が非常にVolatileな状況が続いており
ます。そうした中においても、22年2月にサステナビリティボンド発行を実現し、33億円
の調達を果たしました。GLP投資法人のESGに対する取り組み、及び、信用力を活かし、
2年前の法人債と比べて半分以下のスプレッドでの調達を実現しました。又、投資家の皆様
も、保険会社を初め多様な投資家様により、投資家の分散もデットサイドでも図られている
と思います、
ESG取り組みについて25頁、26頁で示しております。去る21年度に設定しましたESG
目標の進捗状況は、順調に進んでおります。これに加えまして、本年度、新たに新目標を
掲げております。ポートフォリオの共用部のLED化100%を22年までに達成、及び
共用部使用電両区のグリーン化100%という目標を掲げ、25年度までに達成をしたいと
思っています。又、社会インフラの一つである先進物流施設について、所在の自治体様と
災害協定の締結を進めております。26頁で示しておりますように改めて、特定の5物件の
所在する自治体様との間で災害協定を締結しました。これにより、災害協定を締結している
物件は11に拡大しております。合わせてPRIの署名、そうしたことについてもしっかりと
進捗させる中において、業界トップクラスのESG戦略を展開していきたいと思っています。
以上が私からの説明となります。

以下、質疑応答
Q:稼働率についてが、22年2月期、8月期は上振れの結果、予想ということだが、
23年2月はいつものように保守的に見ているとの理解で良いのか、特別なことがあるの
か確認したい。
A:マーケットの需給環境から見て、引き続き供給は強いという状況ですが、一方で需要に
ついても大変強いものがあり、引き続き堅調なマーケットが続いているということかと
思っています。そうした中、足元で喫緊のリース、稼働に関する懸念は、我々は持ち
合わせていないという状況です。その中で、98.4%という22年8月期の数字を示し
ましたが、こちらについては、しっかりと稼働を上げるということは従来通りに進めて
行くことに加えて、この98.4%を構成する、所謂、空室率を構成する物件というのは
1つの特定される物件ということになります。この物件が1%程度を占めるわけですが、
こちらについては、非常に良い立地にある物件でして、テナント様と話をする中で今後
再開発のPhaseに進めて行こうと思っています。そういう意味では、再開発のPhaseに
進む中においては、テナント様に一時的に退去して頂くという打診もしているところで
ありして、そういった中で稼働の数字が構成されています。

Q:今お話のあった再開発についてですが、前回の決算説明会で、建て替え再開発の
ポテンシャルという話があったかと思いますが、そういう意味では、先ほどの話が第一弾
というか、実現に向けて動き出すという理解で良いのか。今回の火災のあった物件以外で
話しを伺いたい。
A:再開発については、正にお話頂いたように、前回の決算説明会で触れる中において、
実現に向けて本格化しているということでご理解頂ければと思います。その中で、物件
を特定し、テナント様と話をする中で、再開発を進めて行くことになりました。非常に
ロケーションが良い場所にあり、リースチームが、既にいくつか確度の高い需要を捉えて
おり、再開発以降はNOIにしっかり寄与する物件になると思っております。

Q:外部成長についての確認ですが、パイプラインが1兆円あるというお話でしたが、資産
規模拡大、物件取得に対する考え方として、これまでのペースを維持されるのか、或いは、
Cap-Rateが低いので再開発等で力を入れて、取得の方は緩めようかとか、何か変化が
あれば伺いたい。
A:外部成長の考え方については従来と変更はないとお考え下さい。優先交渉権の物件も
 100%稼働の物件が7件控えております。足元、地政学的な情勢も踏まえて、株式市場が
 非常に変動幅が大きいところでありますので、そういったところについてはしっかりと
タイミングを捉えて増資の機会を考えていきたいと思います。又、外部成長に加えて、
先ほど説明した内部成長についても、Value-Add戦略等々もかませながら、23年2月期
についてもこれまでのガイダンス以上の、非常に高いレベルの賃料成長を見込んで
おります。これは、物流の内部成長、賃料成長はどうなのかということについて、我々
GLP、マーケットのリーダーとしてしっかりと日本の物流施設の賃料を上げていきたい
という思いが数字となって、今後お見せできると思っております。

Q:リーシングの確認ですが、29頁の後段に御社の物件と他社物件のリーシングの進捗の
差異ということがありますが、なぜ御社のリーシングの進捗が速いのかを、御社ではどの
ように整理されているのか、又、御社から見て他社が遅い理由はどういったことが原因と
思われているのか説明をお願いするとともに、業績予想の前提を見ますと、リーシング
コミッションというところで増加と書いてあります。元来よりリーシングコミッション
はあったかと思いますが、これが少し増えていくという見通しを立てておられると
思いますが、この背景、リーシングを優先させるためにリーシングコミッションが増加
しているのか、それとは別の理由でリーシングコミッションが増加しているのかを
お聞かせ下さい。
A:リーシング進捗率については、GLPグループは非常に高い状況を維持しております。
 これについては、テナント様とのコミュニケーションというか、日頃、日々、打ち合わせ
 をしているというところから、例えば大手のEC、それから3PL様の拠点戦略に対して
 我々が床の使い方とかロケーションの持ち方などを提示していくという、パートナー
シップのような営業が非常に評価されていると思っています。開発の時も、どういった
ロケーションに構えるのが良いのか、施設のスペックはどのようなものが良いのかなど、
常に社内にフィードバックし、テナント様からすると痒い所に手が届くような施設を
届けているというのが強みの一つかなと思っております。他社様についてはすべてを
把握しているわけではないのですが、裏を返せば、需給の分析のところで弊社の
プレリース率が、対他社において高い状況が続いているのではないかと思います。
リーシングコミッションですが、リースが決まればコミッションを払いますが、足元
ここ3期は、更改の本数が高いということで、リーシングコミッションが上がって
いくのは織り込み済みと思っています。一方で23年2期についても、非常に力強い内部
成長、賃料上昇を果たしていくことが見えており、リーシングコミッションを相殺して
余りある上昇率と思っており、そのようにご理解頂きたいと思います。

Q:エネルギーコストの考え方について再度整理をさせて頂きたいと思います。
 業績予想で色々と見込まれていると思いますが、昨今、エネルギーコストの上昇が顕著な
 中で、どのように捉えておられるのか、具体的な数字よりも考え方になると思いますが、
 今後、マルチテナント型の物件でのコスト影響、先ほどの話では、根強い需要があり賃料
 は上げることが出来るとのことでしたが、例えばCPI連動という形とか、Top-Lineと
してどのような形で物価上昇をヘッジしていくのかの考え方があるのかとか、コストの
ところでどういったところが考えられるのかとか。御社の場合は、太陽光とか3Lも話も
あると思うので、エネルギーコストを中心にテーマとしながらコストの部分、Revenueの
部分をお話し頂ければ幸いです。
A:考え方としてマルチの専有部につきましてはテナント様にコストについては負荷をする
 としていますが、我々も想定を考える中で、一定の保守的な想定、バッファを織り込んで
おります。当然、エネルギー価格は足元の情勢を踏まえて上昇基調と思っていますので、
大体5~10%のバッファは織り込みながら、Cash-Flowを見ております。物価上昇の
ヘッジ、或いは、Top-Lineへの影響ですが、これはテナント様と話していても、大きな
スペースで、より効率的な物流オペレーションを果たしていくことで、物流会社様、
テナント様についても、こういったインフレに対応していきたいという考え方もある
中において、我々の先進物流施設のニーズということに繋がっていくと思っています。
再エネルギー等についてですが、当然Value-upのところでもありましたように太陽光等
新たに、既存の物件で一部敷いていない、持っていない物件もあります。そのような物件
については、テナント様と話をする中で、テナント様も当然グリーン化については、非常
に興味があるとのことで、館内への再エネ電気の引き込みといったところでコスト
ベネフィットを出すというようなこと、若しくは、幣グループにおいて、新たに小売りの
電力であるFPS社を譲り受けという形で傘下に入れておりますが、そういったところの
 ノウハウも活用しながら、競争力のある電力コストを果たしていきたいと考えています。

Q:物件のオーナーサイドとして考え方を伺いたい。インフレヘッジに関するところで
言うと、先ほど、インフレは、テナント様の規模拡大による経済メリットで相殺するとの
ことでしたが、一方で物件のオーナーサイドとしてTop-Lineのインフレヘッジという
意味ではインフレ連動賃料の採用とか、御社の場合内部成長が5.3%を取れているので
日本の状況を考えると、無理してCPI連動を考えなくてもインフレに勝てるのではない
かとか、インフレヘッジについての考え方をお聞かせください。
A:賃料については、しっかりとインフレの状況も踏まえながら提示していくことになると
思います。幸いマーケットの状況も稼働が高いという中で、テナント様もご理解頂ける
と思っていますので、先ずは、更改のタイミングでしっかりと賃料を上げていくという
ことになろうかと思います。一方で10年、15年、20年超と長期に亘る、例えばBTL
契約を締結する際には、CPI連動等を条項に織り込むことによってインフレへの対応を
していくといったことについては、Japan Advisersのアセットマネジメントチームから
リースチームに既に話はしておりまして、CPI連動の取入れについてはテナント様との
交渉のテーブルに乗せて頂くということになっています。

Q:31頁に物流施設のCap-Rateが低下しており、既に2.8%まで見えて来ている状況で
 御社の外部成長に関して、鈍化していくというリスクを懸念していますが、1兆円の
パイプラインもあり特段の影響は受けないということなのか、影響するとして対策を
とるのかお聞かせください。
A:取引市場を見ていると、国内、国外から、投資家様の現物の物流不動産に対する引合い
 が引続き強い状況と思いますので、こうした第三者のリサーチで示されているCap-Rate
 の縮小の基調についても理解はできると思っています。そういう意味では、理論的に
考えれば、取引市場のCap-Rateが収縮していく中においては、リートのImplied Cap-
Rateについても収斂していくのだろうと思っておりますが、ブリッジスキームの活用、
 及び、一定の利回りが取れる第三者物件等の活用を通じて、しっかりとAccretiveな外部
成長を果たしていくといったところについては、これまでと変わらない状況です。

Q:借入れコストについてですが、業績予想でリファイナンス時の借入れコストの前提と
いうのはどういった形をおいておられるのか、従来と何か違う方針でやられているのか、
お聞かせください。又、金利上昇に伴って今後の借入れコストとかスプレッドの方向性に
関して、金融機関から何か話を受けておられるのかお聞きしたい。
A:業績予想上での借入れコストについては現時点で特段大きな変更を加えておりません。
 背景としましては、レンダー様ともお話しする中で、日本においても日銀の金融政策が
変わりない中で、特段スプレッド部分について何かお話が来ているということではあり
ませんので、特段借入れコストの変更というのは行っておりません。将来においてという
ところですが、こちらにおいても日銀の金融政策が今後大きな変更を見込んでいない中
では、今の状況というのは、当面続くと考えています。一方で、借入れという部分だけ
ではなくボンドというところも、ESG選好の投資家の方々が増えて生きている中では、
年限メリットが取れますので、検討して、柔軟にデットファイナンスを行っていきたいと
考えています。

Q:物流施設市場、賃貸市場の需給に関しての、今後の見通しについてです。
22年、23年と過去最高水準の施設の供給が続きますが、マーケット全体の見通しに
関してご説明を頂ければと思います。
A:マーケット全体というのは、ただ今ご指摘の通り、供給は引続き多いものが続くという
状況です。ただ一方で、我々がテナント様、若しくは、四半期ごとにリースの成約状況等々
を追ってみる中で、これまでの大手のEC様の進展から3PLの統合といったニーズに
加え、新たに、コロナの状況も踏まえて、EC、若しくは、On-Line Marketに入ってくる
テナント様と、テナント様のビジネスモデルの変更からの床需要というのを、我々の中で
見て取れるような状況になってきたと思えます。そうした意味では、ECテナントの件数
が増えるというところが、我々のポートフォリオの中でも出てきておりますので、これは、
食品とかアパレルとか、そうしたEC化率の低いセクターにおいて、On-Line化、EC化
が進んで来ているという状況とマッチしていると思っており、そうしたところも新たな
需要に加えながら、足元は堅調に進んでいくと見ております。

Q:市場全体の空室率についてはどのような動きになると考えておられますか。
A:足元1.6%という空室率で、ここについては、暫く同様の流れで行くと思っております。
 一つ我々が注視をしているのは、競合他社さんが非常に増えて来ているというのは
ご案内の通りだと思います。そういった方達の物件の竣工が始まっていく状況において、
特に地方の物件において、しっかりテナントが付くのか、仮にテナントが付くスピードが
遅くなるのであれば、一定の空室率の増加というのが見込まれる部分もあると思って
いますが、そこについても1%台というのは、所謂、グローバルな不動産マーケットで
見れば、驚異的に低水準の空室率ですが、それが一桁の範囲内で推移することで、引続き
健全なマーケットであることに変わりはないという見立てをもっています。

Q:継続して物件を売却しておられ、損益を還元するという形であります。物件を選定する
にあたって、含み益が出ているということは前提とは思いますが、それ以外の要素、
例えば築年数が経過しているとか、CAPEXがかかってしまいリース利回りが低くなって
しまうとか、そうしたこともあるかと思いますが、物件の選定の基準がありましたら
お聞かせ頂きたい。
A:売却物件の選定については、資産運用会社のGLPジャパン・アドバイザーズにて選定
をしておりますが、お話のように、一定経年をしていると、ただ、経年をしているという
ことが、成長がないということではないというのが、我々のポートフォリオにある物件で
証明済みであり、ロケーションから見た今後の需要予測、それから今後のCAPEXの想定
を並べて見ながら選定をしているというところです。加えて、リートの特性上、NOIに
対して大きなインパクトを与えながら、売却益を出すというようなことは違うのかなと
いうところもありますので、比較的小振りな物件を抽出して、候補をさせて頂いており
ます。ジャパン・アドバイザーズのチームで、一旦プロセスを走らせてスポンサーの
リースチームと、今後のマーケット状況について相談をしたうえで、最終的に確定をして
いくという流れとお考え下さい。

Q:財務のやり方についてです。御社ですと一昨年のAPPとかAGOとか、かなり先駆的
な増資のやり方をされていると思います。今後も新たな手法を考えておられるのか、
主幹事証券会社とのやり取りもあるのか、お話しできる範囲でお聞かせ頂きたい。
A:調達については、エクィティもデットについても、常に投資法人の投資主の皆様の、
中長期的な価値向上の視点に立って選択をしていくというところかなと思っています。
 その中において、日本のJ-REIT Marketに、引き続き資本がしっかりと流入するような
 形を我々としても、一銘柄として牽引していきたいという考えに基づいて、調達手法等々
 を検討していくというところです。そういう意味においては、主幹事証券会社様に、米国
 であるとか、その他の国の調達の手法、又、GLPにはファンドマネジメントチームの中
 で、公募のマーケットに精通している人間もおりますので、そうしたところと協議を
しながら調達手法を選んでいくというところです。繰り返しになりますが、我々にとって
一番大切なのは、投資主様のタイミング、若しくは、ご期待して頂いている成長に沿える
調達手法だと思っておりますので、そうしたことを踏まえて調達手法の選定をしていく
所存です。

Q:賃貸マーケットは、供給が増えても増賃、増額が続くと見ておられますが、先行きに
ついてどのように見ておられるのかお聞かせ願います。
A:我々が保有して、運営をしている先進物流施設は、日本においてはまだ5%程度と、
 全物流施設の中で極めて低いシェアです。一方で、この先進物流施設を借りて頂いている
 テナント様の数は堅調に伸びており、GLPグループで5年前に抱えていたテナント様の
数は約120社でしたが、現在200社を超えるテナント様と取引があります。その背景に
あるのは、テナント様が先進物流施設の使い方について、非常に多様な使い方をされて
いる、つまり、ユーザーの裾野が増えて来ているということであり、テナント様の数が
増え、新しい使い方、例えば、工場の最終工程を行うお客様も増えてきており、需要が
新たに加わるといった状況で、賃料は上げていくことになるということと、我々は、
 ALFALINK Seriesでも、物流業界の皆様と手を携えて提案をしているところですが、
 我々の物流施設の中で新たなビジネスが生まれるというようなこと、テナント様同士で
 何か協働、Collaborationが生まれるという機会をご理解頂いたテナント様については、
 その部分をプレミアムとして払っても、余りあるビジネス機会を取らえられるという話
をリースチームにして頂いているテナント様もいます。そういった中ではGLPとして
出来る競争の提案といったところをしながら、賃料増加に繋げていきたいと思って
います。
 
Q:賃料の増額に対して、Value-Addとかも加えて他社にない賃料の引上げとか、今後も
 リーダーとして云々というのも説明の中にあったかと思いますが、こちらがより展開が
進んでいくと、ここ数年4%とか5%とかの賃料増額率が、これにプラスアルファの部分、
バリューチェーンの取り込みを増やしていく中で、プラスアルファで効いてくると考え
ておられるのか、今のような増額率を維持したままその賞味期限、もっと長くEnjoy
出来るようなToolとして使えるのかそのあたりの考え方を教えて頂きたい。
A:我々が、グループ内で話していることを少し共有させて頂くと、こうしたValue-Addは
 GLPだから出来るSolution提示というものを、お客様に届けることで既存の、これまで
 の賃料増加に上乗せの形で賃料増加を果たしていくことで、日本の先進物流施設の内部
成長、賃料についてもしっかり増加をしていくという姿を見せていきたいと思って
おります。一方で物流施設のリース期間というのは、他のセクターに比べて比較的長い、
4年程度ですので、一朝一夕で全て上乗せできるかというと難しいところですが、実際、
更改のタイミングで、こうしたValue-Add等のSolution提案をしながら、これまでの
基本の賃上げに対して、上乗せの賃料を上げられるような要素を加えていきたいという
のが、我々の目指すところです。

Q:その部分について定量的に、1%とか2%とか腰だめで良いので、定量的な目論見が
 現時点でありますか。
A:我々は、色んなSolution提案、21頁に示しているものというのは、テナント様と話し
ながら、出てくるとことがありますので、非常にTailor Made的なものがあります。
そういう中においては、Platformというか、一つModuleみたいな形で、一つ何%と
いう形では示しにくいところですが、テナント様においても、価値が認められれば17%
の賃料増額を認めて頂ける、というこうした例示を示しながら中長期的に定量的に
測れるものは測っていきたいと思っていますが、足元は、定量的にプレミアムが何%だと
いうのは持ち合わせておりません。

Q:DPUのボトムラインのところですが、8頁のグラフにもあるように、期毎、或いは、
 年間ベースでも、売却益込みでも、右肩上がりというのが実績だと思います。
 ストラテジーのところでも、物件売却のストラテジーは継続ということですので、何か
 コミットということではないのでしょうが、当面は売却もかませながら、8頁のグラフの
ように、売却益込みでも右肩上がりになることを当面は企図しているという理解で良い
でしょうか。
A:成長戦略を2019年に策定してから、それに基づいて物件売却についても継続的に
行ってきているという状況です。そういう中では足元、取引市場の状況が引続き堅調で
あれば、その戦略というのは継続していくという中において、しっかりとした、お示し
しているようなDPU成長、NAVの成長というのを果たしていきたいというところです。
 
以上で、質疑応答を終了します。