森ヒルズリート投資法人 2022年7月期決算概要

森ヒルズリート投資法人
2022年7月期(第32期)決算動画説明書 & 質疑応答
動画  https://www.irwebcasting.com/20220915/4/6094b173bc/mov/main/index.html
資料 
https://mori-hills-reit.co.jp/LinkClick.aspx?fileticket=Bshp4te4teM%3d&tabid=36
説明者   森ヒルズリート投資法人 執行役員 兼
     森ビル・インベストメントマネジメント株式会社 代表取締役社長 礒部 英之
説明
説明を始めます。資料の6頁をご覧下さい。第32期(2022年7月期)の決算の概要です。
主要な数値を赤枠で囲っております。上から営業収益が11,197百万円、営業利益が6,985
百万円、当期純利益6,443百万円、その結果、一番下の赤枠ですが、一口当たり分配金が
3,030円という結果となりました。概要について左上に纏めております。第32期は前期比
で増収・増益となりまして、これで24期連続増配を実現しております。その下のポイント
の1番目になりますが、大きなイベントとしては、ラフォーレ原宿(底地)の7%持分を
譲渡しております。そちらに記載の通り、譲渡益1,347百万円のうち、636百万円を圧縮
積立金に計上しております。その他、資産運用報酬水準を見直しております。2番目の
ポイントですが、保有物件の鑑定評価額が上昇したことにより、1口当たりNAVが23期
連続増加となっております。そちらに記載の通り、1年間で11.6%と大きな増加となって
おります。コロナ禍においても、森ヒルズリートの保有物件は、資産価格がまだまだ上昇
している状況です。それでは、右側のボックスに目を移して頂いて、前期からの変動要因の
主な点を説明致します。先ず、営業収益ですが、前期比で1,376百万円ですが、最大の要因
は、上段に記載のように、ラフォーレ原宿の譲渡益となっております。その他は、細々と
した内容になりますが、賃貸住宅、オフィスのいずれも賃貸収入が増加しております。営業
費用は、全体で476百万円の増加ですが、最大の要因は下に記載の通り資産運用報酬の
影響です。それ以外の項目としては、その下に記載の通り、管理委託費とか公租公課等々が
やや増加しております。昨今話題となっております水道光熱費に関しては、本投資法人に
おいては、影響が極めて限定的な状況です。続いて営業外費用ですが、こちらは前期比減
26百万円ということで、リファイナンスに伴う金融コストの低減です。以上が第32期の
決算概要となります
続いて7頁をご覧下さい。2010年以降、24期連続増配が続いております。今回の第32期
は、右から3本目の棒グラフです。記載の通り、3,030円の分配金のうち、371円分が譲渡
益となります。その右側2本の棒グラフが、第33期、第34期の予想です。第33期は半年
前に3040円という予想を発表しておりますが、それと変わらない数値となっております。
そして、今回新たに発表した予想が、一番右側の第34期ということで、こちらに関しては
ラフォーレ原宿の分割譲渡を想定しております。こちらは、まだ決定しておりませんので
契約をしておりませんが、蓋然性が高いということで、予想に織り込んでおります。
棒グラフを見て頂くと、分配金は、少しずつ増加はしているのですが、一方で、売却益を
除く部分の分配金は、低下基調にあります。次頁でも説明はしますが、第32期、第33期
で譲渡したラフォーレ原宿、我々は、また資金は手元にありますが、それを活用した新規の
物件取得、こちらを織り込んでいない影響によるものです。それ以外の要素については、
特段の大きな変化はないという状況です。
それでは続いて次の8頁に参ります。この頁は前回の決算説明会で、大変詳しく説明し
ましたので、今回は、感嘆なおさらいにしたいと思います。先ず、上段の譲渡については、
ラフォーレ原宿、これの分割譲渡を開始しました。中央やや右側に赤文字で記載の通り、
中長期的な分割譲渡を想定しております。そして、最終的には、一番右側になりますが、
我々にはOptionが2つあります。先ず、Option Aですが、そのまま全て持分を譲渡する、
売り切るというのが一つです。そして、Option Bですが、我々がマイノリティになった
段階で、ラフォーレ原宿の再開発に参画するというプランもあるかと思います。いずれに
しても、その判断を行うのは、まだかなり先になりますので、その時点で最適な判断を
したいと考えております。そして中段の取得の部分ですが、物件の取得を譲渡と並行して
行い、そして買換え特例を活用することで、譲渡益に一部を分配する、そして一部は内部
留保する、そしてまた新しい不動産の取得に活用するということを考えております。そして、
中段の右側に記載している通り、中長期的には資産規模は拡大するということを目指して
おります。それから下段のDPUの部分です。こちらに、第34期の予想を例にとって表示
しておりますが、第34期の予想一口当たり分配金が、3050円となります。内訳を分解し
ますと、譲渡益に部分が443円、譲渡益を除く部分が2,607円です。第32期においては、
譲渡益を除く部分が2,650円台でしたので、これだけ見ると50円分ぐらい下がっている
ように見えますが、先ほど申し上げましたように、譲渡した資金で新たな取得を見込んで
いないからということになります。参考までにそこに記載をしました+43円というのが
ありますが、この数字はラフォーレ原宿譲渡2回分の合計金額5,780百万円により、前回
の我々が行った取得の虎ノ門ヒルズ森タワーを、前回と同条件で仮に取得した場合、分配金
押上げ効果が43円あるということで、譲渡益の除く2,607円に足しますと、第32期の
譲渡益を除いた分配金と、概ね同水準となるというイメージです。そしてその右に赤文字で
記載の通り、継続的なDPU向上を目指すと、勿論、売却益込みのDPUの成長も目指すの
ですが、やはり、その中でも重要なのは、譲渡益の除いた部分のDPUの成長、これが大変
重要だと思っていますので、中長期的に時間をかけながら、DPUの成長を図るというのが
方針です。
次の9頁、こちらは一口当たりNAVの推移で、これも2011年以降、11年に
亘り、23期連続して増加となっております。一番右側が、今回の第32期の数値ですが、
164千円台ということで、2つ隣の棒グラフ、1年前のグラフで比べるとその伸びが良く
分りますが、11.6%伸びております。このようなコロナ禍の中のオフィス市況が厳しい中
でも、非常にクオリティの高い森ヒルズリートの物件に関しては、資産価格がまだまだ上昇
しているということがお分かり頂けると思います。
次の10頁は、第33期、第34期の業績予想です。先ほど簡単に述べましたので、ここでの
追加は特段ありませんが、左上に記載の通り大きな影響があるのが、ラフォーレ原宿の譲渡
の継続となります。右側の上下のボックスに、一つ前の期からの変動要因を記載しています
が、ラフォーレ原宿の譲渡以外に、特出すべき内容と言うのはありませんが、先程も少し
触れました昨今話題となっています水道光熱費に関しましては、営業費用の上から2番目
を見て頂きますと、多少増加はしておりますが増加自体が極めて限定的であることに加え、
一方で、水道光熱費に関してテナント様から頂く収入ですが、営業収益の上から3番目の
付帯収益を見て頂くとお分かりになりますが、こちらも増加しておりますので、ネットとし
て考えますと、森ヒルズリートにとって道光熱費の増加、DPUの押し下げ要因は極めて
限定的であるというのが、ご理解頂けると思います。
それでは、次の11頁以降で我々のポートフォリオの最新状況を簡単にお話しします。11頁
に記載の通り、我々が保っている方針ですが、①、②、③の通り、東京都心、プレミアム
物件、そして更には、投資した不動産の周辺で更なる再開発等が行われて、取得の後も資産
価値の向上が期待できる、そうした物件に投資をしようということで取組んでおります。
次の12頁は立地についてですが、引続きJ-REIT最高の東京都心比率となっており、東京
都心3区の比率が88.4%です。そして、右側の地図の赤丸印が森ヒルズリートの保有物件となりますが、東京都心の中でも極めて優れた場所に不動産が所在します。
次の13頁は、先程の立地の続きとなりますが、左側の地図は前頁の地図に楕円を掛けて
おりますが、我々の保有する物件に、どのようなテナント様の需要が多いのか示したもので、
青の楕円がグローバル大企業集積ゾーンということで、丸の内、大手町と並んで我々の保有
物件のエリアは、大企業の集積ゾーンでもあります。赤の楕円は、渋谷と並んでベンチャー
企業とかIT企業の集積ゾーンでもあります。ですので、我々のエリアは、そうした両方の
企業群のオフィス需要が獲得できるという状況にあります。参考までに右上ですが、昨年
新規上場した企業の本社所在地をカウントしたものですが、一番多いのが港区、2番目が
渋谷区という状況です。右下には港区に本社を置くIT}企業の例ということで、さまざまな
グローバルなIT企業、日本のIT企業の名称を記載させて頂いております。
続いて14頁です。物件のクオリティに関するお話です。表に纏めています通り、我々の
代表する物件を記載しておりますが、我々の保有物件は大変規模が大きく、駅アクセスも
良く、ショップ、レストラン、ホテル、カンファレンス、文化施設等々の付帯施設が大変
充実しており、一番右側に記載の通り敷地緑被率も高いということで、付帯施設が充実して
いて、安全性に優れる本社機能として、大変強いオフィス需要があります。これらの物件は、
我々のポートフォリオにおいて固定型マスターリースの物件ですが、エンドのテナント様
の稼働率も好調で、殆ど空室はありません。よって、賃料も、このような環境においても、
下がっていないという状況ですので、今回のコロナ禍における大きな特徴として。本当に
クオリティの高い物件関しては、空室が殆どない、そして賃料も下がっていないということ
が出来るかと思います。
次の15頁の左側に記載のように、環境性能も大変優れております。円内に書いています
ように、グリーンビル認証の保有物件比率は93.5%と、J-REITでも最高水準となっており
ます。
次に、頁を一つ飛ばして17頁、こちらは付加価値創造ということで、左側に虎ノ門ヒルズ
エリアの紹介をしています。皆様がご存じの通り、このエリアはまだまだ開発が進んでいる
途中でして、最終的に4本のタワーが建ちますが、我々が保有する虎ノ門ヒルズ森タワー
を含め既に3本が竣工しており、来年の7月に最後の虎ノ門ヒルズステーションタワーが
竣工します。
次頁の左側に紹介しておりますが、この物件が完成することで、虎ノ門ヒルズの全体が完成
するということになります。
加えて次の19頁には、スポンサーの森ビルが現在取り組んでおります、虎ノ門・麻布台
プロジェクトですが、こちらも来年の竣工となっております。昨今、様々な報道で、この
両物件に関するリーシングの進捗等も耳にされると思いますが、リーシング活動は、極めて
好調のようです。そして、こうした物件が完成し、魅力的な街が出来上がることで、我々の
保有物件の所在するエリアが更に魅力的になり、更に資産価値の向上が期待できるという
状況になっています。
頁を飛ばして25頁をご覧下さい。内部成長の説明を致します。左側に稼働率の推移を示し
ておりますが、一つ特徴的なものは、オフィス稼働率がこのような環境においても非常に
高いということです。第32期の特徴としては、住宅の稼働率が前期と比べて非常に大きく
伸びました。94%台から97%台へと伸び、現在東京都心部の住宅の需要が大変強くなって
来ており、稼働率も大きく上昇しています。それと、数値が書かれていないグレイの細い
折れ線グラフがありますが、これはオフィスの中でのパススルー物件の稼働率です。かなり
解約がでて、物件によって差がありますが、一部の物件でかなり解約が多かったのですが、
そのあたりもだんだん止まりつつあり、又、一方で、徐々に成約も生まれて来ていること
から、こちらのパススルー物件に関しても底打ち感というのが見えていると言えます。右側
の折れ線グラフは、三木商事の発表する都心オフィスの空室率と、我々のポートフォリオの
空室率の比較です。真ん中の赤いフラフが都心の空室率、その上が内数としての港区の空室
率となります。一番下が森ヒルズリートの空室率ですが、港区の空室率が高くなっても、
我々の保有物件は港区に所在するものが多いのですが、我々の保有物件は港区になかでも、
極めて立地が良い、そして何より、物件クオリティが格段に高いということで、港区に
あっても我々の保有する物件に関しては、競争力が高く、港区平均とは全く状況が違うと
いうことが、このグラフからもご理解頂けるかと思います。
続いて26頁です。こちらはパススルー物件の賃料改定の状況ですが、オフィスについては
引続き僅かではありますが、平均でマイナスという結果となっております。その下の住宅に
ついては、引続き小幅ではありますがプラスという状況になっております。
次の27頁です。左側にレントギャップを記載しております。こちらもパススルー物件の
レントギャップ率ですが、前回より拡大をしております。右下にコメントをしておりますが、
オフィス(パススルー物件)の一部で、稼働率・賃料が弱含みとなり、レントギャップ率も
拡大しておりますが、ポートフォリオ全体に占める割合は少なく、影響は軽微です。そして、
オフィス(固定型マスターリース物件)は、物件クオリティがより高く、エンドテナントの
稼働率も引き続き高水準であり、契約更改時の懸念は全くないという状況です。
次の28頁は、今申し上げた固定型マスターリースの概要となります。左上の円グラフに
記載の通り、固定型の比率が、最新情報として、66.4%となっております。
続いて29頁ですが、こちらは財務の部分で、特出すべきことはありませんが、LTVを参考
に見ておきたいと思います。左上のグラフですが、折れ線グラフが2つあります。上が、
帳簿価額ベースのKTV、下が鑑定評価額ベースのLTVです。最新値として帳簿価額ベース
が46.6%、鑑定評価額ベースが36.6%となっています。先ほども言う仕上げた通り、鑑定
評価額がまだまだ上昇しておりますので、この鑑定評価額ベースのLTVが更に下がり、
財務体質が強化されているという状況です。
次に、31頁以降にサステナビリティへの取組みを記載しておりますが、ご覧頂きたいのは
32頁です。前回の決算発表以降の新しい情報としては左の上の、MSCIジャパンESG
セレクト・リーダーズ指数に、森ヒルズリートが新たに採用されるということがありました。
右側のGRESB評価は、以前からですが、最上位の5Starsを獲得しております。MSCIの
セレクト・リーダーズ指数に入っていて、更にGRESB評価で最上位の5Starsを獲得して
いるリートは、7社のみです。J-REIT61社の中の7社ということで、ESGの評価において
当リートは、トップクラスの水準にあるということがお分かり頂けると思います。又、左下
ESGレポートは、2年前から出しておりますが、今年はこれを進化させて統合報告書を
発行しようと準備を進めております。発行予定は来月となります。
次の33頁では、TCFD関連の情報開示で、前回までの開示とほとんど変わらないのですが、
大きく変わったのが目標の部分です。更に一層の削減を進めるため、今年の6月に見直し
を行っております。具体的にはその下に記載の通り、CO2排出量を総量ベースでスコープ
1、2、3が対象となって、基準年比で2030年度までに50%削減、2050年度までにネット
0(Zero)という目標を掲げております。これは、総量ベースであることとか、スコープ
1、2、3を対象としていること、そしてこの目標の削減率等々が、他の投資法人様の状況を
拝見しましたが、現時点で我々が最も意欲的で、強い目標を立てております。
私共の説明としては以上です。
最後に52頁をご覧下さい。以前簡単に説明しましたが、森ヒルズリートでは、このような
中長期ビジョンを掲げて運営を行っております。「最高水準のポートフォリオクオリティ」、
「最高水準のESG評価」、「配当重視の運用」を3本柱として運用を続けております。
そして今後も、これらを更に推進することで投資主価値の更なる向上に努めてまいりたい
と思います。
私からの説明は、以上でございます。

質疑応答
Q:25頁では、三木商事の空室率に対して森ヒルズリート様の空室率が低いという説明と、
13頁では、港区では御社のポートフォリオも含めてグローバルとIT企業が多いと
いう説明がありましたが、最近の入替の事例を含めてグローバル企業よりもI企業の
方が強いというのはありますでしょうか。
三鬼商事の空室率が渋谷区では4.2%に下がるとか、東急不動産とか東急リートとかは
渋谷が強くて、どちらかといえばグローバル企業よりもよりI企業が牽引していると
いうことはないのか、テナントの動きということで伺いたいと思います。
A:森ヒルズリートのポートフォリオの中でも、規模の差が結構あります。固定型マスター
リース物件とパススルー物件では、グレード感もやや違うという部分がありますので、
一概に言えないということはありますが、総じて言えば、グローバル企業よりもIT
企業、或いは、ベンチャー企業の需要が強いとは思います。ただ、繰り返しになります
が、ポートフォリオの中でも、物件によってある程度異なるというところもあります
ので、確実にそうだと言えないとは思いますが、そのような傾向はあるのではないかと
思います。

Q:26頁、27頁の内部成長の説明で、オフィスの賃料改定で、終わった期ではマイナスが
  広がり、27頁では、レントギャップが少し広がっているとのことでしたが、ここだけを
見ますと、賃料改定については、もう少しマイナスが続くように見えてしまうのですが、
一方では、高稼働であり、これ以上は下がらないだろうとも見えますし、賃料改定の
見通しは、どのようなイメージを持ったらよいのかご意見をお願いしたい。
A:先ず、誤解の無いようにご理解頂きたいのは、稼働率については、パススルーの部分も
示しており、98%というのは固定型マスターリース物件も含めた数値となります。
そして26頁の数値はパススルー物件の説明です。我々のポートフォリオは全体的に
クオリティが高いのですが、その中でも最も高い物件が固定型マスターリース物件で
あり、それに準ずるのがパススルー物件です。我々のポートフォリオの中でも、パス
スルー物件は、ハイエンドの固定型マスターリース物件よりもやや苦戦しており、ここ
の数値も賃料改定はマイナスとなっております。状況としては、パススルー物件に関し
ては、稼働率の底打ちはしたのですが、まだまだ固定型物件ほど高くはなく、引続き
小幅ながらマイナスとなる可能性は十分にあるということです。ただ、パススルー物件
は全体に占める割合が極めて限定的であり、ポートフォリオ全体に与える影響は
あまりないということになります。

Q:ラフォーレ原宿を売却して得た資金の使い道が、まだ決まっていないとの説明があり
ましたが、スポンサーの森ビル様とも協議はされていると思いますが、今後の取得の
見込みは、現在どのような段階にあるのか、取得の見通しについて説明頂ければと思い
ます。
A:これは10年以上申し上げていますが、スポンサーである森ビルの東京都心部の再開発
  はまだまだ続きます。森ビルは、毎年一定程度不動産を売却しますが、森ビルが売却を
する時には、我々に優先交渉権があり、これが外部成長のドライバーになるという、
このストーリーに全く変更はないのですが、先程も少し紹介しましたように、虎ノ門
ヒルズ、虎ノ門・麻布台プロジェクトにおいて、比較的大きなレジデンシャルの供給が
あり、一部は森ビルが賃貸をし、一部を分譲しております。この森ビルの分譲が大変
好調なようで、そうしますと、森ビルが毎年一定程度の不動産を売却することに変わり
は無いのですが、住宅の分譲でそのニーズが満たされてしまうという面が、ここ直近
ではあります。その分譲が続いている間は、やや我々の取得ボリュームが少なくなる
可能性はあるということになります。その分譲が終われば、元に戻るというイメージに
なります。

Q:25頁で、内部成長の稼働率を示しておられましたが、住宅の稼働率が94.8%から97.1%
  に上昇しているとの説明がありましたが、御社の住宅物件はクオリティが高いので、
  他の住宅リートが言っている住宅リートのファミリータイプの好調さと違うのでは
ないかと思っております。御社のレジデンスの中で稼働が高まった理由、背景について
教えて頂きたい。
A:我々の住宅物件は、住宅物件のパススルー物件になりますが、全体に占める割合が
少なく、具体的には3棟しかありません。よって、ちょっとしたことで稼働率が上下
する面はあります。3物件の中で、かなり賃料も高くグレードが高いものから、以前
UR様が運営されていたグレードの賃貸住宅もありますので、数が少ないということと、
3棟の中でもグレードの差があるので、一概に申し上げられない面もありますが、以前
に比べるとまだまだ少ないですが、外国人の入国規制の緩和というのが一つあるで
しょうし、加えて、東京都心部への需要の再度の高まりというのがあると思います。
再度の需要の高まりで、コロナ禍で一旦外に出た人が、再度戻ってくるというのもある
でしょうし、新たに入ってくる人も増えたということがあろうかと思います。申し上げ
ましたように、外国人の入国規制緩和、プラス、東京都心部需要の再度の高まりがある
と思います。

Q:スポンサーである森ビル以外への物件の売却の可能性はあるのかお聞きします・
  質問の趣旨としては、ラフォーレ原宿の分割売却を見ますと、売却価格は鑑定評価額と
イコールとなっています。鑑定評価額自体が高い状況ですので、この価格で売れると、
売却益を創出できると思いますが、一方、足元では円安等があり、ポートフォリオの
鑑定評価額以上での売却も、十分可能かと思われます。今マーケットに出すと非常に
高い価格での売却が出来ると想像しており、そうした状況を享受できる可能性もある
のではないかと思っており、この点に関してのコメントをお願いしたい。
A:例えば、1棟保有している物件があり、その1棟丸ごと譲渡するような場合には、入札
をして、最高値の相手先に売却する、それは恐らく鑑定評価額よりも高い価格になる
のではないかと思います。ただ、ラフォーレ原宿は、そうした状況と全然違っており、
持分の7%を連続して売却しても14回、7年、8年かけての売却になります。そして
我々としては、魅力的であれば再開発に参画するというOptionも持って組んでいます
ので、この取引に関しては、スポンサーである森ビル以外には成立し得ません。加えて
いえば、その間、物件入替えの新規取得もあるということも踏まえると、ラフォーレに
関してのプログラムを遂行するには、森ビル以外への売却は考え難いというのが現状
です。そして、ラフォーレの分割譲渡を始めたばかりであり、今のところそれ以外の
物件売却の考えはない状況です。

Q:ラフォーレ原宿の売却を進めている一方で、代替物件の取得が進んできた場合に、既に
足元2期に、7%の持分での売却は決定していますが、巡航の利益が上がってくると、
そこまでの売却は必要ではないとの考え方で、売却ペースが下がってくることはない
のか、売却ペースについての考え方があれば教えて頂きたい。
A:今後、新規の取得物件が進むと、ラフォーレの売却ペースを落とすかどうかですが、
特段そのようなことは考えておりません。今契約している部分は2回分ですし、今回
新たにもう7%分を想定しましたが、先のことが何か決まっている訳ではありません。
都度、都度、毎年、毎年、何がベストかを考えて、森ビルと協議をしながら、やる場合
にはやるということになりますが、その際に、何かが起きたらペースを上げるとか、
下げるとかは考えておりません。

以上で、質疑応答を終了させて頂きます。本日は決算説明会に参加頂き有難うございました。