オリックス不動産投資法人2025年2月期
オリックス不動産投資法人
2025年2月期(第46期)決算動画説明書
○動画
https://c-hotline.net/Viewer/Default/52753919bf92052d0fe0712577052c5edd4e
○説明資料
https://ssl4.eir-parts.net/doc/8954/ir_material_for_fiscal_ym/177008/00.pdf
○説明者 オリックス・アセットマネジメント株式会社 代表取締役社長 恩田 郁也
〇説明
本日は、オリックス不動産投資法人、オリックスJ-REIT、略してOJRの第46期決算説明 動画をご視聴頂き有難うございます。今回の決算のハイライトを3点に絞って説明させて頂きます。先ず、分配金から説明させて頂きます。25年2月期の分配金は、一口当たり3,991円とさせて頂きました。こちらは、前回の決算時に発表しておりました、予想分配金3,880円から111円増の着地となっております。そして将来の予想分配金につきましては、25年8月期は4,540円、このあとの2月期を4,700円と致しました。
いずれにつきましても、前回の決算発表に際に示しました、中長期に分配金を年平均3%以上成長させるという方針に基づき決定しております。次にDPUの3%成長目標を支える成長戦略について説明させて頂きます。先ず環境認識からですが、現在のOJRの投資口価格、増資を通じた外部成長は現実的ではありません。当面につきましては、OJRがこれまで磨いてきた既存物件を活用した成長戦略を展開してまいります。詳細につきましては後ほど説明致しますが、ここでは、考え方と過去1年の実績について簡単に説明致します。
OJRは、2002年に上場後、既に20年超のトラックレコードを有しております。物件の経済的な耐用年数もあり、良質なポートフォリオを維持しながら、その収益性も維持するためには継続的な物件売却が必要となります。ご案内のように、日本の不動産の取引市場は、キャップレートは低位安定しており、依然として高価格での取引が続いています。従いまして、物件売却の難易度はそれほど高くない一方、取得については厳選投資が求められます。過去1年では4物件、計298億円を売却した一方、11物件、868億円を新規に取得しました。
取得に当たっては、賃料上昇やコスト削減の余地を中心に、物件毎に将来キャッシュフローの成長余地を精査することに加え、資本市場におけるOJRに対する要求収益率を勘案したうえで、厳選投資を実践してまいりました。当然取得後は、Hand onによるバリューアップを通じて、早期にNOIの積み上げを実現してまいります。そして、OJRに対するスポンサーのコミットメントの強化について説明させて頂きます。前回決算の際、オリックスグループにおける不動産事業の統括会社であるオリックス不動産を通じて、1%を上限に、OJRの投資口の買い付けを実施する旨のご報告させて頂きました。買い付けは計画通り無事完了しておりまして、2月末現在で上位10社に入っております。投資家の皆様におかれましては、オリックスグループのOJRの業績向上に対するコミットメントの強化と、ご理解頂けたら幸いでございます。この3月に実行した、5年ぶりのスポンサーとの大型売買につきましても、この流れの一環とご理解頂ければ幸いです。
それではここからは、OJRの戦略と足元のモメンタムを中心に、説明をさせて頂きます。3頁をご覧ください。先ず、OJRのDPUに対する考え方について、改めて説明させて頂きます。前回の決算発表において、OJRは、24年8月期の一口当たり分配金3,820円を起点に、中長期で年当たり分配金を3%以上成長させることをコミットしております。これは投資家のリターンの、最大化を勘案したうえで決定致しました。投資家のリターンは、インカムゲインとキャピタルゲインから構成されます。これをOJRが示しました3%成長のガイダンスに当てはめますと、先ず、インカムゲインはシンプルに、今後インカムが3%以上成長していくと考えられます。一方、キャピタルゲインですが、こちらは皆さんがバリエーションする際に一般的に使用されている配当割引モデルを念頭に置いています。
具体的には、配当割引モデルの分母を構成する成長率に働きかけることで、分子の一口当たり分配金に対するマルチプルの上昇を企図しております。このように、OJRのDPU3%成長という戦略は、投資家への総還元、つまりトータルリターンの最大化を目指したものです。次に3頁の図表を説明させて頂きます。先ず、棒グラフの下の濃い青い部分に、3,820円を起点とした3%成長の水準を示しております。そこに2月25日にホテルユニバーサルポートヴィータ取得と、青山サンクレストビルおよび北青山ビル売却に伴い公表した、予想分配金の上方修正を中心としたアップサイドの情報を水色で上乗せしております。DPU成長はポートフォリオマネジメントにより実現してまいりますが、必要に応じて内部留保や自己投資口取得を活用することも検討致します。いずれにしましても、3%の安定成長に対する投資家の信頼を頂く為に、着実に実績を積み上げてまいる所存でございます。
4頁をご覧ください。ここからは、分配金の成長を支える運用面についての説明となります。先ず、OJRが総合型リートとして目指している方向感について説明させて頂きます。一般的に、総合型リートのパフォーマンスは、用途毎に見ると、その時々のマーケットに応じて多少のデコボコは出てきます。言い換えると、そのデコボコがポートフォリオの相互補完の形になっており、どこかが悪くてもどこかで補えるという特徴があります。加えて、OJRの成長のドライバーである物件取得も、マーケットを良し悪しの時宜を捉えた投資が可能です。このように物件取得にかかる柔軟性を確保したうえで、OJRは環境変化を踏まえた分散したポートフォリオを構築することで、着実に年間3%成長のリターンもお届けすることを目指しております。
5頁をご覧ください。次に用途毎に足元のモメンタムを中心に説明させて頂きます。先ず、全体のポートフォリオNOIは順調に成長しており、この傾向は今後も継続する見込みです。前回の決算で説明しました通り、ホテルユニバーサルポートの変動賃料の減少が本決算に含まれております。改めて説明しますと、昨年発生した猛暑に加え、台風、地震など複数の事象が同時期に発生した影響で、期ずれで受け取る変動賃料が減少しました。結果、本決算のホテルのNOIは減少となっております。
この影響を除くと、ポートフォリオNOIは、前期比で成長しており、この傾向は今後も継続するとご理解ください。物件ごとに説明致します。先ずオフィスですが 決算数値ベースでは、25年2月期のNOIは減少して見えますが、こちらは前期発生した特定物件において、受領した解約違約金の影響が主な要因であり、環境投資用の増加や物件売却の影響もございます。これらの要因を除く既存物件のNOIは、緩やかに成長を継続しています。今後も賃料ギャップのある物件を中心に、賃料増額を進めてまいります。次に商業施設ですが、25年2月期のNOIは、前期比86百万円上昇しました。インバウンドの旺盛な需要に支えられ、都市型商業施設を中心にNOIは順調に成長しております。因みに稼働率は、JouLe SHIBUYAのリーシング完了により、99.6%まで上昇しております。
住宅は前期までに取得した新築物件のリーシングが、計画を上回るペースで完了したことにより、NOIは前期比244百万円上昇しました。既存物件についても、入れ替え時の新規賃料は6期連続で上昇しております。物流施設は、初めて物流施設を取得した2006年以降100%稼働を維持しております。物流施設は、契約期間が長いものが多いですが、賃料改定のタイミングで大幅な賃料増額に成功しております。25年8月期には、戸田ロジスティクスセンターの改定が予定されておりますが、こちらも賃料増額を見込んでおります。
最後にホテルですが、前述のように25年2月期は、一時的な要因によりホテルユニバーサルポートの変動賃料が低迷したことが主因で、159百万円減少となりました。25年8月期は、ホテルユニバーサルヴィーやMIMARU2物件の取得により、NOIは大幅に成長する見込みです。このように用途毎に多少の色はありますが、又、商業、物流、住宅は安定的に成長しております。又、ボトムアウトが確認でき、緩やかな上昇基調が出てきたのが オフィス、成長ドライバーとして期待しているホテルとなります。結果、5つの用途が組み合わさり、分散の効いた安定的な収益ミックスとなっていることをご理解頂ければ幸いです。
6頁をご覧ください。ここでは近年実施している資産入替戦略について説明させて頂きます。
足元の日本の不動産取引は、高価格での取引が続いており、優良物件の単純取得の機会は極めて限定的です。従いまして実際の取引においては、売却と取得を一体的に行うことで、売却物件の開発素地としての魅力を有効活用し、アウトライトではなかなか取得できない優良な物件取得に繋げてまいりました。こちらでは、過去1年の取得資産と売却資産を掲載しておりますが、NOIの大幅な改善に加え、築年数の若返りなど、ポートフォリオの改善をご確認頂けると思います。今後も、分配金を中長期的に3%以上成長させるための、中心的な施策として推進してまいります。
7頁をご覧ください。借り入れについてご説明致します。先ず、財務運営の基本的な考え方ですが 長期固定金利の調達を中心に 比率を持って行っております。具体的には、R&IおよびJCRから取得している現在のAA格の格付け維持をKPIとしてとして考えております。現状、簿価ベースのLTVは45%前後ですが、両格付会社とは、OJRの含み益を勘案すると、現在の格付を維持したうえで、50%まで問題なく高められると整理できております。資金調達の観点では、借入を活用することにより増資による希薄化がなく、分配金を成長させる施策として位置付けております。
8頁をご覧ください。今回示しました分配金がどのような要因により変動するのか、所謂、感応度について掲載しております。外部成長から資本政策まで、網羅的に掲載しておりますが、いずれについても大きな変動要因はなく、非常に分散したポートフォリオになっていることを改めて確認頂けるかと思います。
最後になりますが、国際的な地政学リスクやアメリカ大統領選挙後の政治リスクの顕在化など不透明な社会情勢ではありますが、長らく続いたデフレ期を経て、我が国においても インフレ基調への転換が進みつつあります。こうした環境下、総合型リートのパイオニアとして次のステージに向けた成長戦略を描き、着実に実行していくことこそ我々に与えられた使命であると認識しております。
今後もOJRの持続的成長に向け尽力してまいりますので、変わらぬご支援を何卒宜しくお願い申し上げます。