日本アコモデーションファンド投資法人 2025年2月期決算概要
日本アコモデーションファンド投資法人
2025年2月期(第38期)決算動画説明書&質疑応答
○動画 https://www.net-presentations.com/3226/20250417/mudxths6/
○説明資料
https://www.naf-r.jp/file/ir_library_term-cd2adbb81c4351a89ffa7c274d6e506ab6a3bd3b.pdf
〇質疑応答
https://www.naf-r.jp/file/ir_library_term-cdb7cba0b09ca9819abaae173857d7b8f5b4511a.pdf
○説明者 株式会社三井不動産アコモデーションファンドマネジメント
代表取締役社長 石川 敬洋
〇説明
本投資法人の第38期の決算につきまして 資料に基づき 説明致しまし。 なお 今回のご説明は2部構成となっております 前段においては 第38期の決算の概要を説明し、後段では本投資法人の今後の運用方針について説明申し上げます。
最初に38期の決算サマリーです。資料の2頁をご覧下さい。38期に確定分配金は11,506円、過去最高の分配金となりました。内部成長につきましては、稼働率は97.5%、入替時の賃料変動率は+7.7%、更新時の賃料変動率は+0.6%と、いずれも高い稼働率と賃料変動率を、合わせて達成することができました。外部成長に関しては、38期から39期にかけて計4物件、55億円を取得致しました。財務面では 期末時点の加重平均金利は0.54%、長期有利子負債の平均残存年数は4.1年、総資産LTVは51.1%となりました。
5頁をお開きください。次に決算の概要について説明します。頁左をご覧ください。38期実績としては、営業収益12,828百万円、営業利益6,202百万円、当期純利益は5,793百万円、以上の結果今期の一口当たり分配金は、予想を176円上回る、11,506円と過去最高 となりました。次に今期の稼働率について説明します。6頁の上段のグラフ、オレンジの太い線の右半分が、38期および39期で公表済みである3月末の稼働率となります。38期から39期にかけて 97%を超える稼働率が継続しており、引き続き高い水準の稼働率を目指していきたいと考えています。
次に7頁は入替時の賃料動向の説明です。下段の黒の折れ線グラフは、各期のテナントの入替のあった住戸における変動率を示しています。前期までの東京都中央区の湾岸エリアにおける、一時的な賃貸住宅の供給増加の影響も解消され、38期は7.7%と過去最高の変動率となりました。
8頁をご覧ください。賃料変動の中身について説明します。上段のエリア別分析では、引き続き東京23区が右肩上がりの高い変動率となっています。下段のカテゴリー別分析では、ファミリー、ラージタイプの賃料変動率が引き続き高位で推移していることに加えて、シングルタイプおよびコンパクトタイプの賃料変動率が、一段と上昇を続けています。引き続き 賃料のアップサイドを追求してまいりたいと思います。
次に9頁は更新時の賃料動向です。38期の更新による変動率は、0.6%と過去最高と並ぶ変動率となりました。更新時の賃料改定も、引き続き賃料上昇幅を拡大していけるよう努める所存です。
次に10頁をご覧ください。上段のグラフの通り、着実な賃料の成長が継続していることをご確認頂けると思います。
次の11頁は外部成長の状況です。先ず、本年2月にパークキューブ亀有、本年3月にパークキューブ小岩を、運用会社の独自ルートにより取得しました。この2物件は、利便性の高い立地にあるものの、現状の賃料が非常に割安であり、今後のテナント入替時に専有部の改修工事を行うことで、30%以上の賃料アップが可能と考えています。テナント入替後の賃料アップを前提とした鑑定NOIを、取得額と改修工事額の合計金額で除した利回りは、夫々4.2%、4.6%と見込んでおり、相対的に高い利回りで取得することができました。
12頁をご覧ください。続いて本年3月に、STAYAT OSAKA SHINSAIBASHI eastを取得しました。これはスポンサーの三井不動産レジデンシャルの開発物件であり、本投資法人にとって初めての民泊物件となります。想定NOI利回りは4.5%、心斎橋から徒歩圏と希少性の高い物件です。加えて、オペレーターとは変動賃料の賃貸借契約を締結しており、今後も インバウンド需要の拡大が見込まれ、更なるアップサイドが期待できます。
13頁のくれたけイン旭川は、昨年10月に取得致しました。物件の概要は、前回の決算説明で紹介した通りです。尚、以上の取得物件を含めて、39期末時点の想定LTVは50.7%、LTV55%までの取得余力は約300億円となっています。
続いて14頁でスポンサーパイプラインについて説明します。現在、スポンサーの開発したパークアクシスシリーズは、東京23区を中心として45 物件、5,160戸が竣工済み、リーシング中です。総額で約1,900億円規模と見込まれます。引き続きスポンサーと次なる取得に向けて協議を続けていきたいと考えております。
次に資本的支出について説明します。15頁の右上グラフの通り、38期の資本的支出は1,067百万円となりました。今後も資本的支出の減価償却に占める割合は、50から60%程度にコントロールし、効率的なキャッシュマネジメントを継続する方針です。一方で、下段の図表で示している通り、大川端賃貸棟における専用部のバリューアップ投資は、これまでも安定的に高いリターンの投資効果を得られており、引き続き毎期 80百万円程度の規模で取り組んでいきたいと考えています。
次の16頁はサステナビリティに関する取り組みです。2030年までの定量目標に向けた進捗状況については、先ず頁左上段をご覧ください。38期においてグリーンビルディング認証の取得割合については、9物件、30.6%となりました。又、CDP 気候変動プログラムに初めて参加しました。CO2の排出量につきましては、頁右中段に記載の通り削減を進めています。引き続きサステナビリティへの取り組みを重要な経営課題の1つとして、着実に推進してまいりたいと思います。
次に財務の状況です。17頁に示しております通り、38 期末の有利子負債は合計1670億円、総資産に対するLTVは51.1%、鑑定評価額に対するLTVは32.8%となりました。コミットメントラインおよび格付けは頁下段の通り変更ありません。
18 頁をご覧ください。38期は日銀が利上げを進める環境下での財務運営でしたが、期末時点の加重平均金利、および長期有利子負債の平均残存年数における影響は限定的であり、安定して推移しています。今後も米国の金利動向や日銀の政策金利の変更など、先行き不透明なマーケット環境が続くと考えられますが、引き続き平均借入コストのコントロールに努め、中長期の財務の安定性を重視した財務運営を行ってまいる所存です。
次は鑑定評価です。19頁をご覧ください。今期末時点の、鑑定評価に基づくポートフォリオ全体の含み益は1,818億円、一口当たりのNAVは652,000円となっております。鑑定評価における直接還元利回りは、前期と同様3.4%となっております。
20頁をご覧ください。39期、40期の業績予想です。先ず、賃貸マーケットの見通しですが、引き続き東京都区部を中心に、堅調なマーケットが継続するものと見込んでいます。又、賃貸住宅においては、仕事や家庭上のライフイベントなどを理由に、一定程度の入替は定期的に発生するため、これらの入替時に賃料の着実な増額は実現可能と見込んでいます。しかしながら、国内外の金融マーケットの不確実性の増大、各国の中央銀行の金融政策、政治上のイベントの影響、地政学リスクの拡大などにも十分に留意する必要があると考えています。これらの前提のもと、業績予想における稼働率は、39期は97.4% 、翌40期は97.6%と高い水準で続くものと見込んでいます。尚、11、12および13頁で説明致しました物件取得は、業績予想に織り込み済み、それ以外の物件取得・譲渡については、現時点で確定したものはないことから、業績予想の前提条件として織り込んでおりません。
21頁をご覧下さい。38 期、39期の業績予想について、一口当たり分配金の変動要因とともに説明します。尚、本投資法人は、本年3月に投資口を5分割しており、5分割後の数字で説明します。従って38期の一口当たり分配金は、ここでは実績値を5分割したと仮定した2,301 円と記載しています。39期は、テナントの入替が多い期となり、既存物件では増収の一方で、原状回復費やリーシング費用が増加し38円の減益、これに38期と39期に取得した物件の増益効果およびその他の要因を加味して、一口当たり分配金は2,230円と予想しております。40期については、テナント入替の少ない期であり、既存物件では、礼金等が減少するため減収となりますが、一方で、原状回復費やリーシングの費用が減少するため、前期に比べ86円の増益、その上で39期取得物件の通期稼働およびその他の要因を加味して、一口当たり予想分配金は2,304 円と見込んでいます。
最後に22頁は、LTVの推移と分配金のトラックレコードです。38期は季節要因に加えて、高稼働率と賃料変動率のバランスを最適化することに注力し、過去最高の分配金を計上することができました。引き続き39期、40期においても、継続的な分配金成長と投資主価値の最大化を目指し尽力してまいります。
続きまして、今後の運用方針について説明致します。25頁をご覧ください。頁上段に記載のように、足元、本投資法人を取り巻く環境は大きく変化しています。本投資法人は、このような環境変化に機動的に対応し、力強い内部成長と着実な外部成長によって、年平均2%から3%の分配金成長を目指し、投資主価値の向上を実現したいと考えています。これに加えて、物件売却には当たっては、売却益の加算による分配金の、更なるアップサイドも実現できればと考えています。本投資法人の分配金成長の実績としては、スライドの中央に記載の通り、2022年2月期(第32期)から2025年2月期(第38期)までの3年間で計算すると、年平均3.1%のプラス成長を達成してまいりました。
この3.1%の内訳として、内部成長により+3.0%と、分配金成長の主要な原動力となってきました。引き続き高稼働率を維持し、NOIの最大化を図りながら、入替時および更新時の、賃料変動率の積極的なアップサイドの追求によって、力強い内部成長を達成していきたいと考えています。又、本投資法人は、下段に記載の通り、過去3年間で8物件を取得し、2物件を売却しました。この結果、外部成長による分配金の押し上げ効果としては+0.5%となっています。外部成長につきましては、厳選して物件取得することを通じて、ポートフォリオの安定性と成長性の更なる向上を実現したいと思います。
内部成長戦略の詳細は 26頁をご覧ください。内部成長を取り巻く環境は、頁左の通り、東京における賃貸マンションの着工件数は減少傾向となる一方で、東京23区においては、20歳代の大幅な転入超過が継続・拡大しています。又、年代別で見ると20歳、30歳代の賃金が上昇しています。本投資法人のポートフォリオは、東京23区をメインターゲットとし、且つ20歳、30歳代のテナントがボリュームゾーンとなるシングル・コンパクトが中心です。従って、このような環境のもとで、引き続きシングル・コンパクトが賃料変動率を押し上げるドライバーとなるものと考えています。
又、内部成長の実現に向けた取り組み方針については頁右をご覧ください。先ず、テナント入替時においては、高水準の稼働率を維持、 賃料のさらなるアップサイドの追求、そして礼金の最大限の確保 、この3つのベストミックスを目指す戦略を継続していきたいと思います。加えてコストマネジメントも丁寧に行い、NOIの最大化を実現したいと思います。次に更新時においては、更新料を着実に確保するとともに、更なる賃料増額に向け改定方針を強化し、アップサイドを目指して取り組みを進めています。3つ目としては、占有部改修工事による収益力の向上です。本投資法人は、大川端賃貸棟の専有部バリューアップ投資による、大幅な賃料アップと高い投資効率の実績を積み上げてきました。この 大川端で得た知見・ノウハウを、本年2月、3月に取得したパークキューブ亀有および小岩のバリューアップにも、有効活用する体制を整えています。
外部成長戦略については 27頁をご覧ください。安定性と成長性に富んだポートフォリオを目指す上では、厳選した外部成長を心得ていきたいと考えています。先ず、パークアクシスシリーズにつきましては、引き続きスポンサーパイプラインからの取得を検討していきたいと思います。最近取得したパークアクセス菊川においては、取得時点と現時点とを比較すると、10%以上の成約賃料が上昇しています。次にパークキューブシリーズについては、築浅物件だけでなく、今回取得したパークキューブ亀有、小岩のような、バリューアップ型物件も含め取得対象を拡大しています。又、ホスピタリティ施設は、これまで通り、ポートフォリオの10%を上限としつつ、固定賃料に基づく安定したキャッシュフローの物件に加えて、今回取得した変動賃料に基づくアップサイドが期待される物件も、選別のうえ取得対象とする方針です。物件売却については頁左下をご覧ください。過去3年においては、2物件の売却、約17億円の資金回収を行いました。引き続き物件入替を含めて、物件売却は継続検討課題としています。
キャッシュマネジメントについては28頁をご覧ください。手持ち資金の使途としては、厳選した物件取得、資本的支出、自己投資口取得、借入金返済の4つを想定していますが、先入観を持つことなく最有効活用を吟味し、投資主価値の最大を目指したいと考えています。最後に投資家リレーションの強化について、3つの取り組みを紹介します。1つ目は投資口分割です。本年3月に実施済みですが、分割により、個人投資家を含めて投資家層の拡大に寄与するものと期待しています。2つ目は本投資法人の称号変更です。本年5月に開催予定の投資主総会における承認を前提として、三井不動産アコモネーションファンド投資法人に、変更を予定しております。スポンサーネームを本投資法人の称号をして使用することで、更に多くの投資家の方々に訴求できればと考えています。3つ目は資産運用報酬の算定方法の変更です。具体的には、運用報酬Ⅱを改定し、一口当たりの分配可能利益、即ちEPUに連動する算定式に変更することを予定しています。この運用報酬Ⅱの改定により、投資主と資産運用会社との間で、EPUの最大化の目標が共有されることを企図しています。尚、資産運用報酬の算定方法の変更も、投資主総会の承認が前提です。
以上の説明の通り、内部成長と外部成長を着実に実現し、戦略的キャッシュマネジメントおよび投資家リレーション強化にも努めることにより、継続的な分配金成長と投資主価値の最大化を目指し、本投資法人の運営に尽力してまいります。
私からの説明は以上です。ご清聴有難うございます。