タカラレーベン不動産投資法人 2022年8月期決算概要

タカラレーベン不動産投資法人
2022年8月期(第9期)決算動画説明書
動画   https://www.net-presentations.com/3492/20221018/cfggjgc/
資料   
https://takara-reit.co.jp/file/ir_library_term-6c880514c8362291d5d450efc4ac0c562daac029.pdf
説明者 タカラレーベン不動産投資法人 執行役員 兼
    タカラPAG不動産投資顧問株式会社 代表取締役社長 宰田 哲男
説明
資料に基づき、タカラレーベン不動産投資法人の2022年8月期(第9期)の決算説明を
行います。
3頁をご覧下さい。タカラレーベン不動産投資法人の概要と特徴を、こちらで纏めており
ます。2018年7月に上場を致しまして、決算月は2月と8月、資産規模は1,135億円と
いうのが第9期末の状況です。そして、特徴としては総合不動産デベロッパーの開発力と
ファンド運用会社のソーシング力を活用して、着実な外部成長をしていこうということ、
それから、スポンサー各社の強みを最大限に生かして、総合型ポートフォリオ、これは
オフィス、住宅を中心としておりますが、ホテルとか商業施設その他も対象としています
ので、そういった用途のものに関して、或いは、エリアも4大経済圏を中心としております
が、それ以外のエリアにも投資をしておりますけれども、そういったところに各スポンサー
の強みを生かしていきたいというところです。運用に関しては、当然安定した運用を行って
いくということで、内部成長をきちんと、着実に果たしていこうという考え方です。資産
運用会社スポンサーとしては、この10月から名称変更というか、会社組織そのものを変更
しましたて、タカラレーベンからMIRARTHホールディングス(株)に形を変えました。
10月からは、旧タカラレーベングループであるMIRARTHホールディングス(株)が主と
なり、PAGインベストメント・マネジメント(株)、(株)共立メンテナンス、(株)ヤマダ
ホールディングスの4社ということになります。
続きまして4頁、エグゼクティブサマリーです。9期について、左側には期初目標、或いは、
計画を、右には実績を記載しております。分配金に関しては目標として、一口当たり2,930
円としましたが、実績として一口当たり3,008円の実績となりました。外部成長に関して
は、物件の入替えですが、売却も含めながら取得をしているということを、第7期、第8期
に続いて行っております。第9期の期中においては3物件を取得しております。又、9期を
終わった10期の期初においては、公募増資により9物件を取得しております。内部成長で
は、ポートフォリオ全体の稼働率としては、期中を通して99%程度を維持しております。
ホテル、4物件ありますが、そのうちのオペレーターを変更した名古屋のホテルの関しては、
コロナ禍からの回復傾向に伴い、新しいオペレーターとは、業績連動で賃料が発生する賃貸
借契約を締結していますが、プラスサイドの賃料、即ち、業績が上向いて来ております。
又、ESGに関しては、GRESB或いは各物件、個別の認証等、継続して進めております。
財務に関しては、99.5億円のファイナンスを第9期に行っているということ、又、第10期
期初において、1年ぶりの公募増資を実施しております。又、格付けについては、JCRの
格付けA-(ポジティブ)からA(安定的)にOne Notch向上しております。
次の頁から、公募増資の概要と実施後の効果を記載しております。
6頁、公募増資ハイライトです。今回は、発行価格としては64億円と、それほど大きな
規模ではありません。物件としては、右に記載しています9物件、金額としては112億円
ほどの物件を取得するということで、エクイティ64億円、その他はデットにて調達致し
ました。左下に、ポートフォリオの分散化について記載していますが、2018年の新規上場
した時を開始として、今回の増資を含め物件取得を継続している中で、どのようにポート
フォリオが変化したかを記載です。規模としては、AUMが640億円程度から1,240億円
程度まで増えており、エクイティの発行価格としても320億円程度から640億円程度と
約倍になっています。こちらを見て頂くと、用途については、オフィスがかなりの比率を、
約8割以上を占めていたものが、オフィスが一番占率の高い用途ではありますが、住居の
占率がかなり増えて、それ以外の用途も増え、分散化が果たされています。又、ポート
フォリオ築年数については、IPO時25.4年でしたが、この公募増資後では18.3年と
若返っております。
続きまして7頁は、第8期、第9期、第10期で売却をした物件を右の方に、取得した物件
を左の方に記載しております。入替えを行い、右下に譲渡のポイントを書いておりますが、
テナントが退去した後に、次のテナントを埋めづらい、こうしたリスクのある物件、これが
顕在化していた物件、顕在化していない物件もありましたが、そうした物件の売却を図り、併せて、譲渡益も実現させていくという中で、安定的な収益をもたらす、例えば、テナント
退去後も、次のテナントの入居が速やかに行われるような、或いは、商業施設で言うと、営業成績の良い、賃料負担力のある物件、これもテナントの汎用性、代替性にも着目して投資
をしておりますが、そうした対象に内容を切り替えております。
続いて8頁ですが、上段から用途別、エリア別、物件取得ルート別にパイチャートを示して
います。アセットタイプ別、用途別を見て頂くと、先ほど申し上げたように、上場時の8割
以上がオフィスと偏重しておりましたが、かなり分散を果たされている。特に、メインの
スポンサーであるMIRARTHホールディングスで、力を発揮している賃貸住宅の占率が
高くなってきています。エリア別に関しては、それほど大きな変化はありません。東京経済
圏が約半分で、東京以外に大阪、名古屋、福岡の4大経済圏を中心に投資をしていく考え方
をしていますが、8割内外というところで、維持しております。物件の個別の内容を見て
頂くと、テナントの汎用性の低い物の入替えを行っています。これは、エリアの中でも
厳しいエリアのものは、入替えを行っております。物件取得ルートをご覧頂くと、メインの
MIRARTHホールディングス、従前のタカラレーベンからの取得は、元々は多くはなく、
IPOに伴い増えてきたという傾向です。
続いて9頁です。公募増資の効果について纏めております。資産規模は、第8期末の
1,087億円から1,247億円に拡大しております。平均築年数も若返っていること、公募増資
を実施することで、時価総額を引き上げて、投資口の流動性の向上を目指しております。
こちらに資料、物件数、物件の取得価格、NOI利回り、平均稼働率、平均築年数、鑑定LTV、
等を記載しております。劇的な内容の改善が、これらの数字の表面に出てきているという訳
ではありませんが、Cash-Flowの安定性というのが、物件の個別の内容を見て頂くと非常
に高くなってきております。
次の10頁ですが、一口当たりNAV、平均築年数、上位10テナントの比率を、IPO時、
2021年9月の増資時、2022年9月の増資時の3時点において、どのように変わったかを
棒グラフで示しております。一口当たりのNAVは増額傾向、平均築年数は若返りの傾向を
継続しております。上位10テナントの比率ですが、徐々に下げては来ておりますが、上位
10社というより、上位1,2社への集中を徐々に下げてきているという状況です。上位10
社では劇的に変わってはいませんが、個別の内容を見ますと、安定性は増しているとご理解
頂けると思います。
続いて11頁は、財務についてです。上段には借入金融機関の拡大と記載しておりますが、
パイチャートで借入金融機関を示しております。今回の増資において、新規借入先を1行
増やして、借入先の分散化も図っております。下段には、固定金利比率、LTVの比率を
記載しています。LTVの比率に関しては、40%台の後半を安定的に推移しております。又、
固定化比率に関しては、かなり高い水準、80%から90%に変わってきていますが、高い比率
で固定化を図っております。
13頁からは、第9期の概要を示しております。13頁左側に、第9期期初の予想と実績の
対比、右側に第8期と第9期の対比を示しております。左側の期初予想と実績を見て頂く
と、物件を期中に取得している効果が、そのまま純利益の増加に結び付いています。分配金
に関しては、その分増やしております。右側の第8期と第9期の対比については、第8期
に物件の売却を行っており、第8期にはその譲渡益がありましたが、第9期にはその
譲渡益がなくなりました。それから取得した物件の期中の収益が増えているというところ
です。最終的な当期純利益としては、70百万円ほどの減となりました。内部留保を若干
調整しております。第8期には、8百万円ほど内部留保しましたが、第9期には内部留保7から2百万円ほど活用しており、差異としては+10になります。最終的に当期純利益は、
分配金に10百万円ほど上乗せして、-64百万円となりました。分配金は、第8期の3,120
円に対して、第9期は3,000円強を出しております。
次の14頁はバランスシートの推移です。物件の取得により、一部は売却しておりますが、
有形固定資産が増え、その分現・預金が減るということになります。又、デットに関しては、
期中に物件取得をした際に、リファイナンスをする前提で、短期の借入金を起こしており
ますので、その分も若干入り繰りがありますが、第9期を終了して、第10期期初には全て
返済することになりますので、短期借り入れ975百万円は、今はありません。むしろ、長期の比率が高まっているということになります。
15頁は、当期の取組みで外部成長の説明です。第9期中に取得した3物件を記載しており
ます。いずれも住宅で、川崎の1棟と大阪の2棟で、金額にして57億円ほどの取得規模と
なります。稼働率は下段に記載しておりますが、川崎は、1棟借り上げていた全日空が
前所有者時代に一部返却の流れがあり、一旦低下した稼働率は、一般のテナントを募集し、
既に安定稼働として見込んでいた90%第半ばの稼働まで伸びてきております。大阪の物件
に関しては、右の高井田の物件に関しては90%を割り込んではいますが、取得時から順調
に稼働は伸びており、90%を超えるのは問題ないと思っております。
16頁はポートフォリオの分散状況です。左側にポートフォリオの地理的分散ということで
日本地図で表しております。半分ぐらいは東京経済圏に所在しているという内容で、右上に
これを上段のパイチャートで表しております。東京経済圏が51.6%、名古屋・大阪・福岡
経済圏の4大経済圏で合わせて82.1%となります。用途については、パイチャート下段で
色分けして示しております。オフィスと住宅を中心に投資対象としておりますが、約2/3の
67%程度がオフィスと住宅に投資の対象としているのが9期末の状況です。10期に入って
から、住宅の比率が更に増えてきております。
17頁は、稼働率・資産規模の推移です。上段の稼働率の推移で、黄色の折れ線グラフが
ホテルですが、6月末に落ち込んでおります。これは、4つあるホテルのうち、1つの
ホテルでオペレーターの変更を余儀なくされ、一旦稼働が0になるという事態があり、
こうした推移になっています。それ以外の用途、それ以外の3ホテルでは安定的な稼働率
の推移を見せております。第9期末でも、非常に良い稼働を示しています。ポートフォリオ
全体では99.0%が期中平均稼働率で、期末は99.1%となっています。資産規模の推移を
下段に記載しております。物件の取得をしながら一部を売却もしており、コロナが始まって
のち、取得もそれなりにやっておりますが、200億円以上の売却も行っており、劇的に増え
ているということではありませんが、1,100億円を超えております。この公募増資後では、
1,200億円を超えてきます。
18頁からは、各用途の運用実績です。18頁は、オフィスについてです。上段には、稼働率
と賃料単価の推移を記載しています。第9期までは安定的な推移となっています。賃料
改定状況に関しては、更新時、テナントが入替る新規契約時の数字を、件数で記載して
おりますが、更新時にはほぼ横這いとなっており、新規契約時には賃料増加のテナント様も
ありますが、減額のテナント様もあります。更新時において、第9期では1件のみが減と
なっていますが、オフィスの中の商業区画に関して、マイナーな部分ですが1件減額対応
しております。
19頁はリーシング強化物件を説明します。第9期中、或いは、第9期末、非常に良好な
状況ですが、これは半年前の決算説明の時にも、或いは、9月の増資の際にも申し上げて
おりますが、我々として課題のある2物件、NTビルと博多冷泉町ビルについて記載して
おります。NTビルは、ポートフォリオ全体の中でも一番金額の大きな物件、旗艦物件の
位置づけになるわけですが、アンカーテナントが一部解約をするということで、5.5フロア
に空きが出ることになり、稼働率は55.9%まで落ちるということを、半年前の決算説明会で
説明しております。実態としては、かなり上向きとなっており、80%を超えるような状況を
想定できるような状況まで来ております。又、博多冷泉町ビルについても、新築のビルを
セラーのマスターリースを1年間やってもらうという中で、一定のリースアップを図ろう
と目論んだビルですが、なかなか稼働が上がらず、第10期の想定としては、58.0%を半年
前に示しておりましたが、今現在の数字としては68%を示すことができるようになり、
今現在、足元では、リーシングは順調に進んでいるというところです。
続いて20頁は住宅についてです。上段に、稼働率・賃料単価推移を記載しております。
稼働率に関しては、96%、97%弱での安定的な推移です。コロナ禍に入り、都心のシングル
向け住宅が一部弱含みという時もありましたが、回復をしているという中で稼働率も安定
的な推移、そして賃料改定状況に関しては、前回の説明会でも説明しましたように、新規の
契約時、テナントが入替る時に賃料を上げさせてもらう機会が多い、というのが我々リート
の住宅セクターの特徴ですが、特に、前回、第8期においては、更新時も増加するものが
あると説明しておりますが、第9期も引き続き増加をするものも出てきております。
21頁は、スポンサーから取得をした物件において、立地条件の良い新築になりますが、
テナントの入替え時、更新時に賃料増額が、如何ほど図られているか示しております。
IPO時に取得した物件、2019年の増資時に取得をした物件、2020年の期中に取得した
物件、2021年の増資時に取得をした物件の4つを例として取り上げております。夫々
1年、1年半でどれだけ賃料単価が上がっているか、プラスサイドをご覧になれるかと思い
ます。特に、ラグゼナ流山おおたかの森は、2021年に取得をして1年を経ず、3%ほど
上がっております。
22頁は、商業施設の運用実績についてです。左の方に生活密着型商業施設に新しいものが
加わりまして、今回の増資の時にYAMADAの奈良の店舗を取得しており、生活密着型が
85%、それ以外の、非日常型・こと消費型という言葉で分類しておりますが、これらが15%
となります。この非日常型・こと消費型も、大半を底地が占めておりまして、非常に安定的
なCash-Flowを示し、且つ、テナント様も営業状況は良好というものです。
23頁はホテルについてです。左にオペレーターを変更した名古屋以外のホテルの、2021年
と2022年の施設稼働率とRevPARの推移を記載しております。2022年の稼働率はかなり
回復しており、RevPARに関しても2020年よりかなり改善しておりまして、2019年、
コロナ以前の状況をまだCatch-upできておりませんが、順調に推移をしております。この3ホテルとも、固定賃料を問題なくテナント様から収受している状況です。オペレーター
変更した名古屋のホテルは、右に記載しておりまして、ACCESS by LOISIR HOTEL
Nagoya、こちらは賃料が業績に連動する、所謂、GOPに連動して賃料の支払いを行います
が、GOPがマイナスの場合は賃料が発生しませんが、本年の3月以降は賃料が発生して
おります。2021年12月にも賃料が発生したのですが、2022年の1月、2月はオミクロン
の流行がありGOPがマイナスとなりましたが、3月以降はGOPがプラスサイド、業績も
上向いてきております。特に名古屋の場合は、イベントが中心の需要というところもあり、
特定の、人気のあるイベントが行われる時には、Occupancy、単価がそれなりの水準に
なってきております。
24頁は、一口当たり分配金の推移です。この中で、いつも説明しておりますのは、濃い
ブルーの巡航ベースで、これがどのように推移しているのかに注目します。実際に投資主の
皆様に支払う分配金は、これにプラス物件の売却益とか新規に物件を取得した時の取得税
の効果とかもあり、こうした一時的な内容も加えて、お手元に3,000円乃至3,100円を
支払っておりますが、そうした一時金の要因を排除した実力ベースの、巡航の数字が
どのようになっているのかを、我々は着目しております。これが、2019年までは2,900円、
3,000円、3,100円というところで、濃いブルーが順調に推移していましたが、コロナ禍に
なり、賃料の減免とか、ホテルにおいてのオペレーターの変更とか、リスクのある物件、
リスクが顕在化してしまった物件の売却が先行して取得が後になり、期中の収益が減ると
いったことも含めて、濃いブルーの部分が堅持できているという点です。直近の第9期の
ところでは、2,557円に一時的な要因を加えて、3,008円を分配しますが、この2,557円を
底として、今後更に、先ほど申し上げた内容の改善、リスクの低下を行うことで増額NAVいきたいと思います。
25頁は、一口当たりNAVの推移です。こちらは、安定的に10万円台から11万円台で
推移しております。
26頁は税務についてです。左上にLTVを初めとした指標を、右上には発行体格付けを
記載しています。冒頭のエグゼクティブサマリーでも申し上げましたが、格付けは2社
から頂いておりまして、1社からはOne Notch格上げになっております。継続してNotch
upを図っていきたいと思っております。又、下段に返済期限の分散状況を記載しています。
長期化をし、固定化をし、併せて分散化を図っておりまして、所謂、マチュリティラダー、
これは、新規上場から2年の間では、150億円支払いが。一つの日に集中するということがありましたが、ピークでも100億円とし、最大でも100億円として分散を図っております。
27頁に、エクイティサイド、投資口の構成を記載しております。左に所有者別投資口数の
比率を表しておりますが、リート全体の平均に対比すると、個人の比率が多いという内容に
なっています。この辺は流動性が低い、時価総額が低くて、流動性が低いということに起因
していると思っておりますが、徐々に内容が変わってきていることが、ご覧になれるかと
思います。
続いて28~30頁で、ESGについて示しております。
28頁はスポンサー関連のついての説明です。今年10月1日に持株会社体制へ移行し、
タカラレーベンから上場企業としては、MIRARTHホールディングス株式会社に商号変更 しております。総合不動産業ということですが、エネルギー分野も含めグループにおける
取組み、特にESGに関しては力を入れていき、環境に配慮し、エネルギーもコアビジネス
として捉えることとしています。MIRARTHホールディングがどのような事業を行って
いるのか記載されています。ソーラー関係、50周年ということもあり、50周年記念事業と
して、いくつかのビジネス、ホテル、或いは、分譲マンションの建設等行っております。又、
グループ初の物流施設を2022年3月に竣工しております。
29頁は、方針・外部認証についてです。GRESBとか物件別の認証などを検証して取得
しております。GRESBに関しては、2—Starsを取得しました。今回も2—Starsですが、
3—Starsにもう少しの点数でして、3—Starsは目指していきたいと思っています。当然、
ESGの向上を図っていきたいというところですが、コストとの兼ね合いもありますので、
バランスに留意しながら取り組んでいきたいと考えています。
30頁には、具体的なLED化工事についてとか、ESGのS、社会への取組みについて記載
しております。特に、我々のCash-Flowの源泉であるテナント様とのコミュニケーション
の向上を図るとか、運用会社の力の源である従業員とのコミュニケーション或いは
エンゲイジメントの向上を積極的に取り組んでいます。ESGのGの部分、ガバナンスに
関しては、運用報酬体系を2022年3月から一部見直しを行い、どちらかというと、成績に
連動する方に重きを置くという形に変更しております。又、ESGの情報の開示に関しては、英文も含めて、かなり詳細なものを提供しております。
次に32頁以降で、2023年2月期(第10期)、2023年8月期(第11期)の運用戦略に
ついて説明致します。
32頁をご覧下さい。左に第9期の実績と第10期の予想、左に第10期の予想と第11期の
予想の対比を載せております。左側をご覧頂くと、第9期には物件の売却による譲渡益が
ありました。第10期には期中に物件を取得しており、期中の損益の増、或いは、減等の
入り繰りがあり、最終的な当期純利益は110百万円ほどの減となっています。分配金に
ついては、内部留保を取り崩すということで、金額としては、ほぼ同額の数字を出すという
ことで、一口当たりは2,710円となります。第11期の予想は、右に記載しておりますが、
第10期、第11期とも、今後物件の売買が起きないという前提で組んでおりまして、物件
譲渡益の剥落、物件売却による期中の事業収益の減、内部成長している物件、第10期に
一旦稼働が落ちてその後稼働が上がる物件プラスサイドとか、こうしたものの入り繰りが
あり、当期純利益としては、ほぼ同額というところです。内部留保の取り崩しが、第10期
の部分と第11期の部分で、若干数字を減らしていることもあり、第11期の予想としては、
分配金総額として1,630百万円、一口当たり分配金として2,554円という想定になります。
因みに、第10期予想、第11期予想の数字は、直近の公募増資時に出した予想値を、その
まま踏襲しております。我々としては、この数値をボトムとしながら、できるだけの向上を
図りたいと考えています。
続いて、33頁、34頁に、第10期期初の公募増資に伴い取得した物件を、記載しています。
住宅が8物件、商業施設が1物件、金額は住宅が63億円ほど、商業施設が48億円ほどの、合計約110億円となります。NOI水準、稼働率の水準等記載しております。今回、公募
増資に伴って取得した住宅物件はタカラレーベングループから取得で、築年の新しい物件
です。その場所、スペックに応じた収益性、そして我々の目論む稼働が出ている物件です。
又、1物件のみが商業施設ですが、これは外部からの取得ですが、我々のスポンサーの一角
であるヤマダ電機が、テナントとして入っている奈良の一大拠点でして、取得後ヤマダ電機
様とは相談をしながら、更なる内部成長、賃料の安定化を協働で図っていきたいという、
物件の位置付けです。
35頁は、第10期に譲渡した物件、優先交渉権を取得した物件を記載しております。第10
期に売却した案件は、ホテルサンシャイン宇都宮、コープさっぽろ春光店の2物件です。
譲渡益を若干なりとも出しながら、中長期の観点で追加投資とかテナントの汎用性等を
観点としながら、今回売却を図りました。下段には、優先交渉権を得た物件11件を記載
しております。今回、アイランドシップ4号というファンドを組みまして、優先交渉権を
取得しました。
37頁は外部戦略についてです。前回に引き続き、どれくらいの情報を取得しているか、
件数、或いは、金額で、2020年、2021年、2022年の状況を示しています。2022年は
1月から10月までの数字となります。傾向としては、金額、件数とも増えてきております。
こうした情報の中から、運用会社独自ルートで概算370億円ほど、これは先ほど前の頁で
説明しました、アイランドシップ4号といった優先交渉権の付与を、ファンドから頂いて
いるものも含めてこのような金額になっております。
スポンサーパイプラインからの検討案件は、偶々同額の370億円となっていますが、次の
38頁をご覧頂くと詳細の記載があります。個別の物件の金額は記載されておりませんが、
記載の物件の合計額は370億円ほどになります。そのうち住宅の比率が7割以上となって
おり、オフィスを含むその他が3割以下となります。エリアは、東京経済圏が87%程度、
残り13%程度が,大阪、名古屋、福岡、その他で、東京を含む4大経済圏がかなりの占率
といえます。
次に39頁、中期分配金目標の進捗状況です。これは、上場来3,500円を目標としており
ますが、コロナ禍で目先の分配金が下がっておりますが、目標としては3,500円を堅持して
いく方針です。コロナ禍が始まる前までは、濃いブルーの巡航ベースの分配金は、第4期で
3,100円までいきましたが、第5期から減額傾向となっています。ブルーの部分は下がって
いますが、期中の収益を上げていくこと、リートの場合資金調達をしながらの物件の取得と
なりますので、どのような形で資金調達をするか、どのような物件を取得するかにより、
分配金の成長も変わってきますが、目標の3,500円は変更していません。
次頁からはAppendixとなります。
41,42頁で個別物件の稼働率の推移を記載しております。第9期においては、非常に高い
稼働率を、各用途で出しております。ただ、先ほど説明しましたが、一旦稼働率が落ちる
NTビルとか博多冷泉町ビルが去りますので、2022年8月末時点のオフィスの稼働率は
98.5%となりますが、第10期には93%程度に落ちるという前提をおいております。それ
以外の住宅、ホテル、商業・その他は、それほど変わらないと思っております。住宅で、
マルチテナントタイプの住宅に関しては保守的な想定をしておりますが、それ以外は特段の大きな変化はないと見ております。ポートフォリオ全体としては、2022年8月末に99.1%
という非常に高い数字を出しておりますが、第10期、第11期の収益の前提としては、97%
台の稼働を見込んでおります。
43頁からは、不動産鑑定評価の概要です。一番上のNTビルですが、テナントの入替えに
伴ってリーシングを図っているという状況で、鑑定上の賃料の単価の目線で数百円切り
下げられており、鑑定上のNOIの減を起因として、期末の鑑定評価額も減となっており
ます。博多祇園ビルが-30百万円となっておりますが、これは空調を追加投資したことで、
収益面ではなく費用面で、鑑定評価に影響が出たものです。博多冷泉町ビルは-90百万円
となっておりますが、こちらもNTビルと同様に、鑑定上見込んでいた安定的な賃料の水準
の見直しが行われており、Cash-Flowが減、それに伴い期末鑑定評価も減となっており
ます。こちらは、賃料単価が数百円というレベルではなく、千円ほど減と、鑑定上は見直し
が行われました。住宅に関しては、鑑定機関によって多少の差が出ますが、鑑定CAPが
下がることに伴って、若干鑑定評価が上がるものが多く出てきます。その中で、鑑定が
マイナスになっているジェイシティ八丁堀に関しては、前回の説明会でも説明しましたが、
エンジニアリングレポートを定期的に再取得しているということがありまして、今回は、
再取得のタイミングになっていて、その時に長期修繕計画に見直しが図られるなか、修繕
費用を従前の費用よりも厚く見たために、-20百万円という鑑定評価になっております。
44頁は概ね鑑定評価については、変化がない状況です。
45頁は貸借対照表、46頁に損益計算書/キャッシュ・フロー計算書を示しております。
47頁以降に個別物件の収支予想を記載しております。
47頁に、先ほど来申し上げておりますNTビルの、第9期の収支状況の記載があります。
一番下段のNOI利回りは、第8期3.74%でしたが、第9期の空室が反映されて、3.30%と若干下がっております。
48頁ですが、こちらは概ね、順調に推移しております。
続いて49頁ですが、ドーミー浮間船渡ですが、第8期の5.32%が、第9期では4.31%に
下がっておりますが、これは1階部分の店舗が空室になったことで、若干の低下が見られ
ました。次のテナントの目途もついております。
続いて50頁のラグゼナ勝どきですが、第8期の3.29%から第9期に4.15%となりました。
第7期、第8期と、リースアップ、リースアップのコストを起因として若干落ちていま
したが、第9期において回復してきております。
51頁の物件は、当初より見込んでいる収益が、安定的に推移しております。
52頁も同様です。昨年の増資で取得した物件が中心ですが、収益性は安定的に推移して
おります。
53頁ですが、左が今回の期中に取得をした3案件です。目論んでいた収益との比較になり
ますが、川崎大師については、稼働が80%台からスタートしており、4%を超える収益性を
見込んでいる物件で、3%台となっていますが、実態は回復してきております。高井田も
4%を切り込んでおりますが、若干4%を超えてくることを企図している物件で、今現在は
4%を超えて推移しております。
同頁に2つのホテル、54頁に2つのホテルがあります。物件番号H—04の名古屋のホテル
ですが、第8期は-0.4%で赤字でしたが、第9期で+0.75%とプラスサイドに動いてきて
おり、利回りベースで言うと1ポイント以上向上してきております。
54頁の半ばから、商業施設・その他になりますが、テナントの入替えもなく、安定的な
稼働、固定の賃料が推移しております。尚且つ、テナント様の営業状況も良好に推移して
いるという物件です。これが、56頁まで続いております。56頁の最後のビッグモーター
鴻巣は、第8期に2.74%という数字がありましたが、地代が半額からスタートしている
ところがありましたが、第9期には4.49%と目論見の収益性が出てきております。
57頁は各種指標、58頁は資産運用会社の概要、59頁に上場来の投資口価格の推移の、
記載があります。参考までにご覧になって頂ければと思います。
我々としては、時価総額を増大させ、投資口の流動性を向上させて、安定的な投資口の推移
を企図しております。当然、不動産に投資をしている中で、不動産のCash-Flowが安定的で、更にはプラスサイド、所謂、内部成長がプラスに行く、或いは、全体が下がる中で
下がらないといった内部成長が出来るような物件に、ポートフォリオを変えていきながら、
全体の流動性を増やして投資口の安定を図っていくようなことを、継続して行っていき
たいと考えております。
更なるご指導、ご鞭撻をお願致します。ご清聴有難うございました。