日本プロロジスリート投資法人 2022年5月期決算概要
日本プロロジスリート投資法人
2022年5月期(第19期)決算動画信説明書および質疑応答
動画 https://www.video-streaming.net/ir/3283/19_j/
資料
https://www.prologis-reit.co.jp/file/ir_library_term-3dc3a0c56f3072b2e74197ac361a9d3e8a779871.pdf
説明者 日本プロロジスリート投資法人 執行役員 坂下 雅弘 説明
日本プロロジスリート投資法人の2022年5月期、第19期の決算説明を行います。
資料の3頁をご覧下さい。当期の決算ハイライトについて6点挙げております。
1つ目に、資産運用会社の新社長になった私の方針と致しまして、本投資法人の成長戦略は
不変であることをお伝えいたします。2つ目は、当19期の決算は、ほぼ予想通りの堅実な
着地となったという点。3つ目に、安定した賃料上昇を継続させ、引続きパイプライン物件
は豊富であること。続いて、プロロジスパーク岩沼の再開発が完了したこと。更に、本投資
法人の信用格付けの見通しが向上し、財務基盤も非常に強固である点。最後にプロロジス
グループをあげてESG、DXを推進しているという点です。
それでは項目ごとに説明を進めさせて頂きます。
4頁をご覧下さい。左側、施設運営・開発を担うスポンサーのプロロジスと、右側、安定
稼働物件の保有・運用の役割を担う本投資法人との、明確な役割分担は不変で、本投資法人
に対するサポートの強固さも上場来不変です。私は、右側の本投資法人の創設に関わり、
約6年間CIOとして物件の取得、資産価値の維持・向上から投資主価値の最大化、成長に
繋がるまでの役割を中心に担い、その後の約4年間プロロジスのオペレーション本部長と
して、左側のカスタマーの入居決定、施設の管理・運営から施設の進化に結び付けるまでの
役割を中心に担い、今般、再度右側の役割全般を統括する立場となりました。
続いて5頁をご覧下さい。本投資法人の成長戦略は不変、これが私の方針です。豊富な
スポンサーパイプラインを活用し、年平均500~600億円規模の外部成長を継続。内部成長
戦略としては、安定したポートフォリオ運営とレントギャップを活用した賃料増額改定等
からNOIを成長させ、財務戦略では適切なLTVコントロールを行い、今まで通り継続的、
長期的な分配金、NAVの成長・向上にコミットし、本投資法人の運営を行ってまいります。
次に、当第19期の業績および第20期以降の業績予想です。当期のNOIは、各項目では
変動はあったものの、トータルではほぼ計画通りの実績で、予想比プラス0.5%の21,011
百万円の着地となりました。第20期から21期にかけてのNOIについては、トップライン
の賃料収入が、着実な賃料増額改定の成果等により力強く上昇すると見込んでいます。一方
費用面において、費用発生の期ずれや、世界的な燃料費の高騰等を背景とした電気料金上昇
の影響があり、当第19期に僅かながら減少する見通しとなっております。費用増の影響が
ありながらも、本投資法人のポートフォリオ運営は、引続き堅実、且つ、安定的に推移して
おり、大きな懸念点はございません。更に電気料金に関しましては、請求方法等について
必要に応じ一部のカスタマーの皆様と協議を開始しており、タイムラグはあるもののNOI
は増加していくものと考えています。
次に一口当たり分配金です。当第19期は、ほぼ業績予想通りで、予想を0.8%上回る4,908
円の着地となりました。第20期から第21期にかけては、先程ご説明した電気料金の上昇
による一時的な費用の増加を、一時的利益超過分配の実施により、分配金の平準化を図る
計画としております。その結果、一口当たり分配金は、4,900円を上回る水準で推移する
見通しで、昨年11月の公募増資の際にお伝えした、一時効果調整後の一口当たり分配金で
ある4,889円を上回り、本投資法人のポートフォリオの現在の実力は、安定的に4,900円
を上回る配当金を出せるレベルとなっております。
次に安定的に推移しているオートフォリオの運営状況です。ポートフォリオの平均稼働率
は左上の折れ線グラフで示しておりますが、当期はほぼ計画通りの97.5%で着地しました。
以前よりお話ししています通り、上場から2018年頃までの、本投資法人のポートフォリオ
稼働率のトラックレコードは、97から98%台のレベルです。2019年以降需給バランスが
非常にタイトなマーケット状況が続いたため、本投資法人のポートフォリオ稼働率は、最近
2年程は、99%前後を記録してきました。しかし、特に首都圏における新規供給物件の増加
に伴い、マーケット環境は非常にタイトな状況から、健全な状況と言えるレベルに移行して
きています。従って、第20期、第21期の平均稼働率は、夫々98.1%、98.2%と想定して
います。賃貸借契約更改時における平均改定賃料変動率については、グラフ下の青地に
白抜きの数字で記載していますが、当第19期は、大規模な区画での増額改定があった影響
でプラス3.7%と、4%に迫る高い改定率となりました。又、右側のグラフは満了を迎えた
改定状況の内訳です。当第19期においては、再契約率が60%から70%に落ち着き、引続き
80%程度のスペースで賃料増額が出来ています。スペースが非常にタイトであった時は、
テナントの入替えが少なく、再契約率は80%を超えて高止まりしていましたが、多少
テナントの入替えが起こる適正なマーケットの状況になってきたと考えています。
次に8頁をご覧下さい。本投資法人の豊富な物件取得パイプラインです。本投資法人は、当
第19期にスポンサーから3物件を取得しましたが、優先交渉権取得済み物件は、既に
4物件あります。これに加え、スポンサーが開発中、若しくは、計画を具体化させている
物件が9物件あり、パイプライン物件の合計は13物件、約2,400億円規模と、引き続き
力強いものとなっております。これらのパイプラインの裏付けにより、本投資法人は引続き
年間500億から600億円規模の外部成長を継続できる機会を確保しています。優先交渉権
取得済み物件は、どれも竣工直後と言えるものですが、既に安定稼働に達しています。
マーケットを見渡すと、新規供給物件の供給が増える中、立地や使い勝手によっては空室が
長期化する新規物件も散見されているようですが、スポンサーのプロロジスの新規物件の
リースは順調で、プロロジスの競争力やリーシング力の高さがお分かり頂けると思います。
金融環境も見つつ、適切なタイミング、規模で本投資法人の外部成長に繋げて行きたいと
考えております。
本投資法人として初めての再開発プロジェクトとなったプロロジスパーク岩沼は、
スポンサーのプロロジスの開発、リーシング力を最大限活用しスケジュール通りに、又、
稼働率は想定を上回り、竣工翌月より80%で運用を開始しました。本投資法人のB/S上で、
開発を行うことによって、利益を外部流出させることなく、当期末時点で13億円、17.6%
の含み益が生じています。将来においては、ポートフォリオの中で、本投資法人が開発を
行う機会もあり得ると思いますので、良い経験値が積めたのではないかと考えています。
実は私、プロロジスのオペレーション本部長時代に火災が起こり、現場に駆けつけてから
約2年、資産運用会社やプロロジスの仲間とともにこの対応に当たってきましたので、
個人的にもプロロジスパーク岩沼の再稼働は、感慨ひとしおでございます。
次に財務についてです。11頁をご覧下さい。当第19期中においては、本投資法人の強固な
財務基盤が高く評価され、JCRの格付けOutlookがAA(安定的)からAA(ポジティブ)に
向上しました。本投資法人の資金調達力、コスト競争力が更に評価されることになります。
又、本投資法人の当期末時点の簿価LTVは37.9%で、これを50%まで引き上げた場合の
取得余力は、約1,900億円まで拡大しており、将来の外部環境に左右されず、成長を継続し
うる体力をしっかり確保しています。又、借入金の98.3%は長期固定金利で、平均負債
コストは0.6%という低水準。又、有利子負債の返済期限も下のグラフの通り、長期に亘り
分散が効いています。
そして6つ目にプロロジスグループ全体で進めているESG、DX関連です。本投資法人
ではESGへの取組みに更に注力し、記載の通り各指標で高評価を頂き、リーディング
ポジションを堅持しています。ESG Finance Awards Japanの資金調達者部門において
銀賞(環境大臣賞)を受賞。GRESBでは最高位の5スターを7年連続で取得、MSCI
ESG RatingではA(シングルA)評価を獲得、適格グリーンプロジェクト比率は
ポートフォリオの98.1%に達し、J-REITで唯一Dow Jones Sustainability Indicesに
組入れられています。
又、13頁に記載の通り、本投資法人は、自ら定めたKPIの格取組みを確実に実行し、今期
には、TCFD関連の定性情報を新たにWeb-Siteで開示致しました。
ESGにおいては、本投資法人による環境性能に優れた物流施設の投資・運用に止まらず、
資産運用会社、スポンサープロロジスが中心となり、カスタマーや地域コミュニティの皆様
に向けた様々な取り組みを行なっております。脱炭素社会に向けては、保有施設における
グリーン電力の導入、電気自動車向け充電設備の実装を開始しました。従来から継続して
いるカスタマー向けイベントについては、コロナ禍で中止しているものもありますが、今年
より、新たにカスタマーへの感謝をテーマとしたイベントを開催。又、地域コミュニティへ
の貢献の一環として、保有施設所在の9つの行政機関等と防災協定を締結、スポンサー
プロロジスが近隣企業様とともに、近くの土手に桜の植樹などを行っております。
最新テクノロジーを活用し、効率的に物流施設にもESGを推進、更にカスタマーの課題を
解決するDXを推進しています。人感センサー付きLED照明により、電気使用量の削減
可視化や庫内作業の可視化を進め、スマートボックスでは気象条件や庫内環境をリアル
タイムで取得・分析できるようにし、ロジメーターという庫内作業の可視化を行うシステム
をプロロジスが他社と協同開発して、カスタマーに提供。又、ワークシェアのTimee社と
プロロジスが協力し、カスタマーの労働不足と言ったカスタマーの課題の解決に役立って
います。
続いて物流不動産マーケットについて触れさせて頂きます。17頁をご覧下さい。近年、
先進的物流施設の新規供給量は多くなっていますが、そのストックはまだ、日本の物流
不動産市場全体の6%程度に止まっています。
次に18頁をご覧下さい。こちらでは首都圏および近畿圏における大型マルチテナント型
物流施設の空室率と需給動向をお示ししました。物流不動産マーケットはここ2年程度、
コロナ禍の巣ごもり需要等を背景とした堅調な需要に支えられ、非常にタイトな状況が
続いておりました。需要量は継続して大きいものの供給量も多く、特に首都圏では供給量が、
過去最大を記録していることもあり、2022年第一四半期末時点での空室率は、首都圏で
4.4%、近畿圏では2.1%となっています。新規物件の供給が増えて来たことにより、今まで
の非常にタイトなマーケット環境から、ある程度低い空室率ではあるものの、カスタマー
サイドでも多少物件が選べるという、ある意味健全な、通常レベルのマーケット環境に
なってきています。今年から2023年にかけて供給が更に増えていく見通しですので、市場
全体を見渡すと、立地やスペックにおいてカスタマーニーズとミスマッチを起こしている
新規開発物件の中には、なかなかスペースが埋まらないというケースも出てきているよう
に感じています。尚、築1年以上の既存物件の空室率は、首都圏で0.9%、近畿圏では0.7%
と非常に低い水準にあります。本投資法人を含め、安定稼働に入った物流特化型リートの
ポートフォリオの稼働率は堅調に推移しており、空室率上昇の要因は、一部の新規開発物件
に限定されているとも言えるかと思います。
続いて19頁をご覧下さい。世界的なEC関連の需要ついて、皆様も注目されていると思い
ますが、こちらに示している通り、日本のEC化率は諸外国と比べると、まだまだ上昇の
余地があり、左下のグラフの通り3PLのテナント需要とともに、物流施設に対する主要な、
大きな事業であると言えます。又、2022年は、特に、首都圏において過去最大の供給量と
なる見込みですが、右下のグラフにあります通り、そのプレリースは、ある程度順調に推移
しており、先進的物流施設の構造的な需要の底堅さがお分かり頂けると思います。
本日の私からの説明は以上となります。
申し上げました通り、本投資法人の、上場来一貫した成長戦略、安定した業績推移に変化は
ありません。物流不動産マーケットの需給やリーシング環境、更に株式マーケット等の金融
環境に、多少変化の兆しが見え始めていることから、気を緩めることなく、引続き安定的な
ポートフォリオ運営と投資主価値の着実な拡大を目指し、堅実な業務運営を継続して
まいりたいと考えております。皆様方には引続きご指導、ご支援を賜りますよう、宜しく
お願い申し上げます。最後に、決算発表の内容とは少し異なりますが、プロロジスパーク
岩沼の再開発に関しまして、一言私の考えを話させて下さい。先ず、投資家の皆様を初めと
して関係者の皆様にはご心配、ご迷惑をおかけしましたことを改めてお詫び申し上げます。
火災発生後、地域、地元行政機関の皆様、不幸にも共に災害にあってしまったカスタマーの
皆様、建設会社、管理会社、そのほか関係者の皆様とともに、時には衝突もし、時には共感
し、諸問題の解決にあたってまいりました。土地取得から、東北大震災もあった約15年に
なる長い岩沼プロジェクトの歴史の中の登場人物の方々が、今回の問題解決にあたり、重要
な役割を果たして頂き、我々のことを本当に助けて頂きました。又、地元の方々からは、
常に、再建してほしい、がんばれと本当に心からの応援を頂いて来ました。そして今般、
各ステークホルダーの皆様との間で、更に良好な関係を再構築しながら、諸問題を解決し、
再開発を完了することが出来ました。地域に根差し、正々堂々、謙虚にステークホルダーの
皆様に向き合い、業務にあたってきた我々プロロジスのカルチャーが、このような結果に
なったものと感じております。このESGの礎にも繋がるプロロジスグループのカルチャーを基に、投資家の皆様を初めとする、本投資法人が掲げる全てのステークホルダーの皆様の
発展に貢献できる投資法人、一企業であり続ける所存でございます。
本日はご清聴ありがとうございました。
質疑応答
Q:新規の需要について伺いたい。
先ほど、新規供給が多いのでマーケットの空室率は上昇傾向、ただ既存物件は安定的と
の話はありましたが、新規の需要がマーケットで限りがなく発生しているのか、需要面
が陰りが出てきているとかの変化があるのか、新規需要面での変化についてお聞き
したい。
A:ECの需要が底堅くあり、3PLの方の話でも、物流施設の再構築は長期的にあり、
構造的なニーズとして捉えている。
あるリサーチ会社のアンケートでも、物流施設の再構築なり、移転なり、増床を考えて
いるというアンケート結果の比率が高かったと聞いている。供給はコントロール
できなくて2023年以降すごく伸びますが、需要としてもここ数年同じぐらいの分量が
でていており、今、極端に下がってきていると感じていることは無いと思っている。
Q:今後の物件取得、外部成長について。
パイプラインを活用して、年間500億円~600億円の資産取得についても不変との話が
あったが、キャップレート目線と言うか、じりじり下がっていくという状況でしたが、
足元のグルーバルの金利上昇の環境等を踏まえて、他の売買プレイヤーで、
少し取得の目線、利回りの目線が上がってきたなとか、買い一辺倒だったマーケットが、売りも増えてくるかなとかも踏まえて、取得のキャップレート目線で、これ以上下がるようなことは無いのかとの状況なのか、そうではないのかご意見を伺いたい。
A:キャップレート目線に関してですが、グルーバルな金利の動向、円安でどちらに作用
するかわからないが、キャップレート目線が少し変わってくるのではないかと
マーケットを見ているが、トランズアクションあるわけではないのですが、
キャップレート目線が上がって来ているとか、下げ止まったとかの兆しは感じられて
いない。鑑定評価も概ね1年で0.1%のキャップレート、コンプレッションがあって
という状況で、これが今後も続くかどうかは分らないが、それが止まる、或いは上がるとかは、日本の金利の政策からして、何か変わってきているということは無いと感じて
いる。
海外の金利は上昇し、日本だけが上がっていない状況で、注目している海外の投資家
がいるという話も聞いている。そういう状況であり、キャップレート目線が上がって
いくという状況にはないと思っている。我々としては体力を温存しているつもりで
あり、今後の経済環境の中で良い投資環境と言うか、良い投資機会があれば、積極的に
取りに行ければ良いかと思っている。その時にはキャップレートも少しは違う目線の
ものが出てくるのでないかと感じております。
Q:LTVのコントロールについて。
資産規模もかなり増えてきたということもあり、一定の物件取得額であれば資産の
増加率と言う観点では低減していくことになる。よって、これまでの増配率をある程度
維持するためにLTVを活用するとかの考え方はないのかお聞かせ頂きたい。
A:増配、LTVコントロールについては、基本的には今までと戦略が変わっていないが
戸田CFOから説明をさせて頂きます。
LTVの戦略について説明申し上げます。従来から、本投資夫法人については、簿価
ベースLTVの40%程度を目途に、その中でコントロールしていきたいと説明している
が、その方針は変わっておりません。今の投資口価格水準で、今後のアクイジションの
試算をすると、今の水準で、まだ十分に投資家の皆様にご満足頂けるようなDPUの
成長を、物件の取得によってお見せできるのではないかと思っています。現在、簿価
ベースLTVは37.9%ですが、出来ることならば、今後マーケットの潮目が変わって
取得に魅力的なものが出てくれば、躊躇うことなくレバレッジのパワーを発動して
資金調達をしたいと思いますし、スポンサーからのパイプラインも引続き豊富です
ので、今のところは、今程度のレバレッジに止めるのが適切ではないかと考えており
ます。
Q:資料8頁の賃料改定で、終わった期で3.8%との話でしたが、今後の賃料改定の見通し
はどのようなイメージでしょうか。例えばマーケットのレントギャップに絡めるとか、
捕捉説明をお願いします。
A:賃料改定の今後の見通しについてですが、この第19期はプラス3.7%と、良い数字が
出ていると思います。表に示しているように、昨年は3.3%、その前は3.1%、更にその
前は1.6%というところですが、マーケット賃料の上昇に伴ったところで3%レベルの
賃料改定を達成出来ているというのが現状です。賃料ギャップですが、こういう形で
3%ずつ上がってきておりますが、マーケット賃料もそれなりに上がっております。今
の我々のポートフォリオ全体での賃料ギャップは2~3%と見ております。我々の
ターゲットとしているマーケット賃料と今現在の既存の契約賃料は2から3かなと
思っておりますので、足元であれば、賃料ギャップを埋めていくということで2~3%
レベルの賃料改定を、今年、来年も目指していきたいと思っております。
Q:9頁目にパイプラインがありますが、開発中の物件の中にプロロジスアーバンの物件が
3件入っています。これは従来のプロロジスパークと需要面とか、CAPの目線とかの
違いはあるのでしょうか。都市部の近場で、消費地に近いというイメージがあるので、
利回りが低めになるのではないかとか、色々考えるところもありますが、通常のものと
の違い、差があれば教えて頂きたい。
A:米国のプロロジスも含めて、グローバルで、ラストワンマイルという都市型、消費地に
近い、本当に近い所での物流の開発を、プロロジスパークとは若干違う立地で考えて、
少しずつやり始めているというのが現状です。日本においてもプロロジスアーバンと
いうシリーズでいくつかやり始めているというところです。ご指摘の通り、物件の
CAP-Rateは、立地とかで大きく異なってくるので、この都市型は東京大田区、足立区
と都心に近くなっており、CAP—Rateの目線は低くなってくるとは思います。今後に
ついては、プロロジスアーバンの物件に関しては、CAP-Rateの目線も含めて慎重に
検討したいとは思っています。用途的にはラストワンマイルというところで都心に
かなり近くなっており、オフィスに近い使い方、倉庫とオフィスの間の使い方とか、
従来のプロロジスパークとは、中のお客様も異なってきているとの感じはしており
ますので、そうした状況も含めて検討をしていきたいと思っています。
Q:需要の確認ですが、先程の説明では、基本的には新規需要は変わっていないとのことで
したが、米国で一部のテナントが、これまでかなり積極的に床を増やされていたが、
ただ足元で余剰感を指摘されたと聞いています。こうした話については、日本国内にも
先に先に床を押さえていくようなプラクティスがあり、同じようなことが起こりうる
或いは、そういったことが既に起こっていたりするものなのか。この辺りについて
ご意見伺えればと思います。
A:ご指摘のものは、おそらくAmazon Shockと呼ぶものなのかわかりませんが、そうした
話があったというのは聞いています。ただ、解約をして、規模を小さくするとか、
そこまでのものではないと認識しております。今までのコロナ禍でECにシフトして、
凄い推進力をもってどんどん増やしていた、少し出力は落ちるかもしれないとは
思っていますが、我々のリーシングとかでやっているところで言うと、確かに、何万坪
を全部とかの話はないのかもしれませんが、今では足りないという話は彼方此方で
聞いておりまして、通販の会社様の、特に3PLの方が、今やっているところでは足り
ないので来年には他で探すとか、直ぐにこれくらいのものは必要ですとか、じわじわと
足らない部分、増床ニーズが滲み出してきているのが、今の状況と思います。今迄
大きなものが目についたので、少し弱含みかなと思うところはあるかもしれませんが、
日常的には、あまり大きなものには触れませんが、足らない部分、増床する部分が
じわじわと滲み出して、まだまだニーズは出てきていると感じています。
Q:今日、金融庁から行政処分が出されたリートがありましたが、背景としてはスポンサー
から取得した物件を、スポンサーの希望する価格で買わせるために、鑑定評価に不適切
な圧力を掛けるとか、鑑定会社の選定プロセスに不備があったとのことですが、御社も
スポンサーとの取引が多いので、確認ということで質問しております。御社にて、取得
に関するプロセスで、順法性を守ってやられているということに関して、再度ご説明を
頂ければと思います。
A:我々は上場から10年経っておりますが、年に1回、時として年に2回取得する時も
あり、55物件取得しております。プロロジスも米国の上場のリート会社でありますし、我々も上場会社でもあり、スポンサーサイドもコンプライアンスの意識は相当強い
ものがあり、スポンサーサイドにもグローバル全体で見ているバリエーションの
チームがあり、価格の正当性を見ております。鑑定評価も、我々なりに鑑定評価を
取りますし、スポンサーサイドも鑑定評価を取っておりますし、フェアに、しっかり
やっております。それに、内部監査ですが、第三者による社内の内部監査も年1回
受けており、相当細かく見られており、非常に高い評価を頂いております。基本的には、
しっかりとコンプライアンスを守って10年間やって来て、内部監査も第三者に見て
頂いて、お墨付きを頂いていると認識をしております。
基本的には全ての資料を鑑定会社に提出し、正当に評価を頂いていると認識をして
おります。
Q:説明にもありましたが、供給が増えているが需要もそれなりにあり、殆ど心配はない
状況と思われます。そして、賃料水準も引き上げられているということで、現状の
ところ不安感がないのではないかと思われます。そうした状況の中で、物流施設を運営
している皆様として懸念、不安と言うのはあるのかお聞かせ願いたい。
A:実際に運用している私どもとして、全く何の心配はないというようなことは無く、周り
から見ればそのようには感じられないかもしれませんが、日々リスクを感じながら
対応しているのが、全体としての状況です。大きなマイナスのインパクトがあるという
ことではないのかもしれませんが、世界的なインフレとか、エネルギー価格、電気料金
の高騰とか、原材料費の高騰は修繕費も高くなるとか、人件費とか、費用増と言うのが
少しずつ、徐々に出てきているというのが現状です。賃料は増額改定が出来ていて、
トップラインの成長はその分で来ているとは思ってはおりますが、電気料金のように
費用と収入で、全体としてタイムラグもありますし、そのようなことを、日々気を付け
ながら、夫々に足元、1年、2年のスパンでの対応をしていかなくてならないと思って
います。更には、金利の動向、J-REITの株価とか、資金調達には大きく関わってくる
と思いますので、そのようなことにも注視しながら、米国の金利動向とか、米国では
来年のリセッションは織り込み済みとの話もよく聞きますし、そうした世界的な流れ
を心配しつつ、運用をしております。
以上を持ちまして2022年5月期、第19期の決算説明会を終了いたします。