大和証券リビング投資法人 2025年3月期決算概要
大和証券リビング投資法人
2025年3月期(第38期)決算動画説明書&質疑応答
○動画 https://www.net-presentations.com/8986/20250523/sdhbdfry657/
○説明資料
https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS97927/199f6074/50db/41d1/b01b/22a55194cc8e/140120250521560691.pdf
〇質疑応答
https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS97927/3a6e35a8/ae38/4190/a72d/6bfd1c8c0025/20250529171444551s.pdf
○説明者 大和リアル・エステート・アセット・マネジメント株式会社
取締役 投資運用本部長 阿部 淳
〇説明
2025年3月期の決算および運用状況について説明させて頂きます。
1頁をご覧下さい。先ず、投資主価値の向上に向けた取り組みについてです。一昨年の増資以降、売却を通じた投資主還元を推進していますが、この取り組みは今後も継続します。具体的には、年間80億円程度の物件を売却し含み益を顕在化させ、投信主還元を実施します。又、アセットアロケーションを見直します。インフレや金利上昇の環境下では、より一層の内部成長が必要であるため、成長期待が高い賃貸住宅の比率を上げていきます。長期的には、ポートフォリオに占める賃貸住宅の割合を、80%台へ引き上げることを目指します。
2頁をご覧ください。今申し上げた施策について、配当割引モデルからの考察です。本投資法人は、投資主に安定的な、且つ魅力的なリターンを考え 引き続き 高水準の分配金 維持向上に取り組んでいきます 保有物件の含み益を顕在化させる戦略を計画的に実施し 投資主還元の原資を確保していきます。又、マーケット 状況や投資口価格の推移を見ながら、自己投資口の取得も実施します。加えて、リスクプレミアムの低減と期待成長率の向上を目指し ポートフォリオの再構築を進めていきます。立地やスペックに優れた物件への入替や成長力の高い住宅への投資比率の見直しなどを通じて 安定的かつ成長力のあるポートフォリオを目指します。これらの取り組みが、投資主価値の向上、ひいては投資口価格の上昇に繋がると考えます。
3頁をご覧下さい。今回のトピックスです。1点目、25年3月期の分配金については、当初予想比+14%の2,730円としました。25年9月期の分配金においても、当初予想比+11%の2,670円を見込んでいます。又、売却資金を用いて、本投資法人初となる20億円の自己投資口取得を決定しました。2点目、賃貸住宅のテナント入替時の賃料増限率は+6.8%となり、過去最高4年連続で更新しました。又、更新時の増減率についても+1.4%となり、こちらも過去最高更新し、着実な成長を実現しています。3点目、賃貸住宅13物件およびヘルスケア施設3物件の売却、首都圏および大阪圏を中心とした築浅の賃貸住宅6 物件の取得を実施し、前期に引き続きポートフォリオの質の維持・向上を実現しました。詳細については夫々のページにて説明します。
6頁をご覧ください。前期との比較です。25年3月期の営業収益は、稼働率および増賃に伴う賃料の増加、先期取得物件の通期寄与、物件売却益により、前期比1,035百万円の増加となりました。又、営業費用は計画外工事の減少に伴う修繕費の減少、前期に実施したリーシング強化施策完了による広告宣伝費の減少により、前期比79百万円減少しました。一方 営業外損益は、支払い利息の増加により、前期比109百万円減益となりました。結果、当期純利益は前期比1,006百万円の増加となりました。ここから売却益の一部を内部留保した結果、分配金は前期比+330円の2,730円となりました。
8頁をご覧下さい。25年9月期および26年3月期の業績予想になります。25年9月期は既に物件売却が決まっており、 分配金は2670円となる見込みです 26年3月期においては、現時点では物件売却を見込んでいないため減収となる見通しですが、分配金は内部留保の活用により最低限2,400円とする予定です。
9頁をご覧ください。ここでは分配金の内容について記載しています。25年3月期の一口当たり分配金は、売却益により前期比および当初予想比+14%の2,730円としました。25年9月期については、ヘルスケア施設を含め7物件の売却が決まっており、こちらも売却益により2,670円とする見込みです。又、自己投資口の取得により、20円程度押し上がる見通しです。26年3月期については、内部留保の活用により2,400円と想定していますが、売却次第では、当期と同様に2,400円以上に上振れる可能性はあります。
11頁をご覧ください。ここからは足元の運用状況について説明します。賃貸住宅の賃料動向です。左側の入替時の動向ですが、上昇件数比率については、87.1%と拡大傾向が続いています。又、増減率は前期比+2.3%の6.8%となり、13期連続の増額、且つ4期連続で過去最高を更新しました。右側の更新時についても、上昇件数比率は49.6%と前期比倍増となり、増減率も1.4%といずれも過去最高を更新しています。今まで、更新時の賃料増額件数比率は低位で推移していましたが、25年3月期においては約半数が増加しており、更新時においても、賃料増額が拡大しつつあります。インフレによるコスト増が継続していますが、入替時および更新時の賃料増額を積極的に図り、内部成長を実現していきます。
12頁をご覧ください。エリア/タイプ別で示した入替時賃料の動向です。25年3月期は全てのエリアにおいて増賃を実現しました。特に東京23区を除く関東エリアは+9.8%、東京23区は+9.2%と、東京圏への人口流入を要因とした強い需要が賃料増額に繋がっています。又、都心5区においては、+10.8%と二桁成長を実現しています。近畿、札幌、福岡エリアについても前期に引き続き好調で、過去最高の増賃率を達成しました。岡山エリアについては、他のエリアと同様増賃を達成していますが、ポートフォリオの選択と集中により、保有していた物件を先月全て売却しました。タイプ別で見ると、特にファミリータイプにおいては、増賃率+9.7%と2桁に迫る成長を実現しました。今後もエリア、築年等、個別物件の将来性を鑑み、成長性が高いポートフォリオへの再構築を図るとともに、更なる増賃を目指します。
13 頁をご覧ください。更新時の状況、稼働率、NOI利回りの推移です。入替時の賃料増額に加え 更新時の賃料増額も推進しています。25年3月期においては、好調な賃貸マーケットを背景に、更新戸数の70%に増賃打診を行いました。応諾率は、71%と前期実績を上回り、結果として、全物件を売却した岡山エリアを除く、全てのエリアで前期比プラスの賃料上昇率を実現しました。賃料更新の習慣がない近畿エリアにおいても、積極的に交渉を行った結果、月額51万円の増額を実現しています。今後も入替時、更新時、ともに積極的に交渉を行っていきます。
14頁をご覧ください。賃貸住宅のリノベーション実績です。25年3月期は、30戸でリノベーションを実施しました。未契約を除いた全ての部屋で大幅に増賃を実現し、賃料変動率は+27.4%となりました。引き続き増進効果が高い東京23区のファミリー、ラージタイプを中心にリノベーションを実施し、内部成長の強化を目指します。
17頁をご覧ください。ヘルスケア施設の運用状況です。ヘルスケア施設は賃料固定の長期契約となっていますが、各資料はご覧の通りになります。右上の賃料負担割合については、1,2倍以内が前期に引き続き減少し、安定した経営状態の施設が増加しました。
20頁をご覧ください。ここからは外部成長についてです。ポートフォリオの再構築に伴う変化を示しています。23年3月期以降、築古、且つ将来的な成長力に懸念のあるエリアの物件の売却を行い、首都圏および大阪圏を中心とした、将来にわたって成長するエリアの築浅物件を継続的に取得しています。25年3月期においても、上段に記載のグラフ左下に位置する築古、且つ賃料増額率が全体平均を下回るか、或いは将来に亘って賃料増額が見込めない仙台、名古屋、岡山エリアの物件を売却し、右上に位置する築浅、且つ人口や世帯数の増加が見込まれる注力エリアの物件を取得しました。それにより、23年3月期と比較して、関東エリアの比率は+4.6%の60.9%、平均築年数は-1.4年の14.3年になりました。又、安定性はあるものの、成長期待が難しいヘルスケア施設の売却も行っています。今後も物件の選択と集中を図ることで、力強い内部成長を実現することができるポートフォリオを目指します。
22頁をご覧ください。冒頭で申し上げた、考察に対応する実施したアクションです。本投資法人は、各施策を通じた投資口価格の向上を目指しています。25年3月期においては、築古、且つ地方を中心とした競争力が弱い物件を売却したことで、将来のリスクは低下すると考えています。これらの売却益については、分配金として投資主への還元や内部留保することで、高水準、且つ持続可能な分配金を実現します。更に売却資金を用いて自己投資口取得を実施し、一口当たりの収益を向上させます。又、売却資金の一部については、競争力の高い物件の取得に活用しました。これにより、将来の成長力を高め期待成長率を向上させます。今後も様々な施策を積極的に展開し、投資口価格の向上を目指していきます。
23頁をご覧ください。各施策の意義についてです。物件入替を通じた投資主還元、ポートフォリオの再構築を進めていますが、今後も年間80億円程度の物件売却を継続し、各施策を実行します。具体的な施策として、投資口価格やNAV倍率を踏まえた自己投資口の取得や、内部留保活用等による投資主還元の強化、収益力維持・向上を目的とした優良物件の取得など、こうした施策を機動的に行うことで評価の向上を目指します。右側の図は、物件入替の意義について示しています。基本的には優良エリアの物件であっても、経年劣化による修繕費等の増加により収益力は低下します。
将来的な収益力の低下を見込む物件については、売却を行い、再度築浅、優良エリアの物件を取得することで、ポートフォリオの収益性および資産価値の維持・向上を図ります。人口動態やライフスタイルの変容などにより、物件の競争力は変化します。J-REITが永続企業として存在するためには、物件入替が不可欠と考えます。持続的なポートフォリオの最適化によって、収益性と資産価値を維持・向上させることが、安定した配当の実現と投資主からの信頼獲得に繋がると考えています。
26頁をご覧ください。財務の状況です。25年3月期のLTVは50.9%、平均残存期間は4.1年となります。又、25年3月期は109億円のリファイナンスを実施しました。25年3月末の金利固定比率については58.0%ですが、4月上旬の金利急落時に自動的に固定化を行い、足元の固定比率は64.6%になっています。今後も金融市場を注視しながら機動的な財務運営を行っていきます。
29頁をご覧ください。今後の戦略です。今後も物件入替により、含み益の顕在化による投資主還元と、ポートフォリオの質の維持・向上を行っていきます。分配金については、入替実行中は2,400円を下限 ラインとして、2,400円から2,700円程度で推移することを想定しています。内部成長、外部成長、売却益、内部留保を活用した分配金成長により、投資主価値向上を図っていきます。
30頁をご覧ください。今後の分配金についてです。25年3月期末において内部留保は92億円を有しています。内部留保を担保に今後のDPUの下限値を2,400円とし、EPUが下限値に届かない場合は、内部留保の活用により2,400円を構築します。又、売却益により、EPU2,400円を超過する場合には、25年3月期同様、内部留保残高に応じて、一部、又は全額を分配金として還元します。下段は内部成長と金利コストについて示しています。利上げのペース次第ですが 金利上昇により金利コストが内部成長を先行する可能性があります。ただ、着実に増賃を積み重ね、将来的には内部成長が金利コスト増加を上回る見込みです。金利コストが先行する間は、売却益および内部留保を活用してDPUを維持し、将来的に内部成長が上回ってきた段階では、DPUの下限値の底上げを実施していきます。
以上で2025年3月期の決算、および運用状況の報告を終了させて頂きます。
ご清聴、有難うございました。