大和証券リビング投資法人 2023年3月期決算概要

大和証券リビング投資法人
2023年3月期(第34期)決算動画説明書および主なQ&A
○動画  https://www.daiwatv.jp/contents/kigyo/ir/22042-001/
○資料
https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS97927/3e7301c4/bedc/497e/9399/4b6bc879dade/140120230418549089.pdf
○主なQ&A 
https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS97927/8b4003cb/07dc/41e3/bc97/3a707d9935cf/20230526135251702s.pdf
〇説明者 大和リアル・エステート・アセット・マネジメント株式会社
代表取締役社長 西垣 佳機
○説明 
2023年3月期の決算、2023年9月期・24年3月期の業績予想、並びに、運用状況について説明致します。
1頁をご覧下さい。今回のトピックスです。1点目ですが、賃貸住宅のテナント入替時の賃料は+1.9%の増額となり、9期連続での増額を実現しました。又、前回の1.5%から上昇しており、コロナ禍以前の2020年3月期とほぼ同水準を達成しました。加えて、稼働もご覧の通り高水準を維持することができました。2点目、外部成長については、昨年10月の増資による物件取得に加え、東京23区内に所在する賃貸住宅2物件を取得し、継続的な外部成長を実現しています。3点目、格付け評価につき、R&Iにおいて、A+安定的からA+ポジティブへと評価が向上しました。これまでの、安定的な運用が評価されたものと認識しています。詳細については、夫々の頁で説明致します。

4頁をご覧下さい。先ず、前期との実績比較です。2023年3月期の営業収益は、高稼働の維持および新規に取得した物件が寄与し、前期比461百万円の増加となりました。一方営業費用も前期比232百万円の増加となり、当期純利益は前期比175百万円の増加となりました。分配金は、前期比+20円とし、従前の中期目標2,200円を達成しました。

5頁をご覧下さい。続いて当初予想との比較です。先ほど申し上げた通り賃貸住宅において、高稼働で推移したこと、一定の賃料増額が図れたことにより、営業収益は当初予想比+174百万円となりました。トップラインが当初予想を大きく超えたため、修繕の前倒し消化を行ったことに加え、グランカーサ緑地公園のテナント退去が2月末となったことに伴い、原状回復やリーシングの前倒しを行ったことで、営業費用も当初予想比176百万円増加しました。結果としては、営業外費用の減少により、当期純利益は、当初予想比+11百万円で着地し、一口当たり当期純利益は、当初予想比+5円の2,135円となりました。これにより、内部留保の取崩し額を減額することとし、分配金は当初予想通りの2,200円としました。

6頁をご覧下さい。2023年9月期および2024年3月期の業績予想です。2023年9月期は、以前からお伝えしていた通り、1棟貸しを行っていたグランカーサ緑地公園の賃貸借契約が、2023年2月末に終了し、一時的に収益が剥落します。当初の予定通り、リースアップまでの期間は内部留保の追加取崩しを行い、収益剥落分に充当することで分配金への影響はなく、20232年3月期と同じく12,200円の見込みです。緑地公園のリースアップは、当初の想定以上に順調に進んでおり、4月末時点の稼働率は、約66%まで上がっています。2024年3月期については、緑地公園が2024年3月末にはリースアップが完了し、賃料収入も増加する見込みです。分配金は、2023年9月期と同じく2,200円の見込みです。

7頁をご覧下さい。ここでは分配金の内容について記載しています。当初予定通り2023年3月期の一口当たり分配金は2,200円としました。2023年9月期においては、緑地公園のテナント退去の影響で、一時的に収益が剥落し、一口当たり当期純利益は2,100円に、2024年3月期には2,106円となりますが、約74億円の豊富な内部留保を活用し、今回のような一過性の減収が発生する場合でも、機動的に取崩しを行うことで、安定分配を堅持し、一口当たり分配金2,200円を維持する方針です。尚、2024年9月期の一口当たり当期純利益は、緑地公園のテナント退去前と同水準の、2,130円以上に戻ることを想定しています。

9頁をご覧下さい。ここからは運用状況について説明致します。賃貸住宅の賃料動向です。左側、入替時の賃料動向は+1.9%と、申し上げた通り、コロナ禍以前とほぼ同水準を達成致しました。タイプ別では、ファミリータイプが+4.0%、ワンルームタイプが1.1%と、前期同様、ファミリータイプが全体を牽引している傾向が見られますが、シングルも上昇基調が続いています。右側の更新時の増減率も、若干ですが増額を維持しています。地域差はありますが、更新時においても増額が定着してきているように思えます。

10頁をご覧下さい。エリア別に示した入替時の賃料の動向です。2023年3月期は、全てのエリアでプラスを記録しています。昨年9月期においてマイナスとなっていた仙台エリアについても、繁忙期に不足なく需要を取り込むことかでき、プラスとなりました。愛知エリア、近畿エリアについては、プラス水準ではありますが、力強さを感じるには至っておらず、引き続き稼働率とのバランスを注意しながら、丁寧な運用が必要であると考えています。但し、ポートフォリオ全体の結果を見ると、コロナ禍を脱し、安定的な運用になって来ていると考えています。

11頁をご覧下さい。賃貸住宅の稼働率・NOI利回りの推移です。稼働率は2023年3月末で98.7%、期中平均も98.6%とDLIの強みである高稼働率を維持しています。先ほど申し上げましたように増賃率も改善が見られ、安定的な賃貸マーケットになって来ていると考えています。今後は高稼働を維持しつつ、更なる増賃を目指していきます。NOIU利回りは、新築物件中心の物件取得継続により低下していますが、外部成長を継続し、長期に亘って安定分配を行うための、強固で安定したポートフォリオを構築していきたいと考えています。

12頁をご覧下さい。高稼働率を維持するためのプロセス管理の実績です。3週間ルール、ダウンタイム60日、長期空室、いずれの指標もコントロール下にあると言えます。駐車場稼働率については、過去に行った様々な施策が、現在も効力を発揮しており、高稼働を維持しています。
13頁をご覧下さい。2023年3月期に実施したリノベーション工事です。全部で9室実施し、未契約を除き全て増賃を実現しています。築年が経過しても長期的に見て、競争力がある物件には投資を行い、収益性の維持・向上を図っています。
15頁をご覧下さい。ヘルスケア施設の運用状況です。ヘルスケア施設は賃料固定の長期契約となっていますが、各指標はご覧の通りになります。入居率は80%台を維持しており、直近では、コロナ禍での募集活動停滞の影響も改善しつつあり、入居率の向上も期待できるのではないかと考えています。3月期に下がっている主な要因は、昨年取得した大型物件のサニーライフ芝浦の影響が主な要因です。ただ、オペレーターが様々な施策を打ち出しており、夏ごろまでにはある程度の改善が見込まれると伺っております。右上の賃料負担力については、全体の平均で安定的と言われる1.2倍を超えており、安定した状態にあると考えています。内訳が変動した主な要因は入居率と同様です。残存賃貸借契約期間は、平均で18年超となっており、長期的な安定収入が見通せるポートフォリオとなっています。

16頁をご覧下さい。オペレーターの一覧を記載しています。賃料条件の改定時期が、2023年3月期において7物件ありましたが、減賃等はなく従前通りの条件で更新できております。又、2023年9月期に改定時期が到来する1物件については、既に減賃等なく更新できております。電気代等のコストアップが聞こえてきますが、オペレーターが入居者から収受する入居料の増加も見受けられますので、オペレーター各社の収益性の維持は図られていると思います。DLIにとって、収益性の3割を安定的に収受できることは、運用の安定性に大きく貢献しています。

17頁をご覧下さい。ヘルスケア施設のオペレーターの取組みについてです。介護人材の確保競争激化など、介護業界を取り巻く環境が変化する中で、施設運営の効率化や運営コスト削減等、介護業界においてもDXの導入が進められています。ここでは、その一部を紹介していますが、施設運営の効率化、引いては、オペレーターの経営の安定化は、DLIのポートフォリオの安定性向上にも繋がるものです。

19頁をご覧下さい。直近の物件取得です。昨年の増資時の7物件の取得に加え、2021年にフォワードコミットメントによる取得を発表していた、グランカーサ蔵前を予定通り3月に取得し、4月にはグランカーサ蔵前を取得しました。両物件とも新築、築浅で、蔵前は1月竣工ですが、既に稼働率は約80%となっており、順調にリースアップしています。又、鑑定評価も2021年の当初より、約3%上昇しています。

20頁をご覧下さい。パイプラインについてです。現時点でのスポンサーパイプラインは、23物件、総額は480億円超、前回より100億円超積み増しています。殆どが新築物件であり、全て3大都市圏に所在しており、取り込んだ際には、ポートフォリオの質の向上に寄与する物件群となっています。今後もウエアハウジングを担うグループ会社である大和証券リアルティとの連携により、更なるパイプラインの拡充が図れる見込みです。ひいき続き優良物件の確保に努めてまいります。

21頁をご覧下さい。外部成長の推移についてです。2020年4月の合併等以降、約3年で計32物件、600億円超の物件を取得してきました。多くが新築、或いは、築浅の物件で、全て3大都市圏に所在しており、ポートフォリオの質の向上も実現しています。又、賃貸住宅とヘルスケア施設の投資比率は7:3程度を維持しており、バランスの取れた外部成長を果たせていると考えています。DLIでは分配金控除油を実現するためのドライバーを、外部成長であると考え、継続的な資産規模の拡大を実行しています。ご覧の通り一口当たり分配金と一口当たりNAVは、資産規模の拡大とともに着実に成長してきました。引き続き外部成長を軸とした投資主価値の向上を実現していきます。

23頁をご覧下さい。財務の状況です。3月末時点のLTVは51.3%、固定比率は69.1%、平均残存期間は4.2年となります。3月期は94億円のリファイナンスと増資時に64.5億円の新規借入れを実行しました。増資時の借入においては、ソーシャルローンによる借入れ41億円も実行しています。又、新規取引金融機関として、山梨中央銀行に加わってもらっています。冒頭申し上げましたが、R&Iの格付けの方向性が、安定的からポジティブへ向上しました。築浅物件の継続的な取得によるポートフォリオの質、規模の向上、安定したパフォーマンス、レバレッジコントロールなどについて評価を受けた結果です。今後も安定した財務運営に努めてまいります。

24頁をご覧下さい。上段は借入金返済期日の分散状況です。引き続きレンダーの皆様とも相談しながら、更なる安定化と持続性の向上を目指してまいります。下段は有利子負債の内訳です。多くの金融機関の方々にサポートを頂いており、誠に有難うございます。引き続きご支援、ご協力をお願い致します。

25頁をご覧下さい。投資主構成についてです。大和証券グループで、投資口の16%程度を保有しています。昨年の増資時においても、大和証券グループは、持分比率に相当する投資口を引き受けており、DLIの更なる成長のために、引き続き様々なスポンサーサポートが得られるものと考えています。

27頁をご覧下さい。今後の戦略です。昨年10月の物件取得により、従前の分配金目標である一口当たり2,200円を達成しましたので、次に目指す分配金目標は、一口当たり2,250円以上です。メインドライバーは外部成長と考えており、先ほど申し上げた通り、パイプラインは十分確保されていますので、投資主価値の向上に資すると判断した場合には、機会を逃すことなく増資も実行していきたいと考えています。又、入替も実施したいと思います。現時点で問題がある物件はありませんが、長期的な視点でポートフォリオを構想し、将来の収益性を見据え、質の維持・向上のために一定程度実施したいと考えています。

28頁をご覧下さい。内部留保の活用についてです。約74億円の豊富な内部留保は、これまで同様分配金の安定化のために活用していきます。又、今後想定している物件の入替時に発生する売却益については、長期定期な分配金維持のために、一部は内部留保していく予定です。現在の基準一口当たり分配金は2,200円です。入替のタイミングのずれ等での一時的な収益剥落にも内部留保を活用し、基本この水準は維持する予定です。

30頁をご覧下さい。ここからはESGの取組みの一部を紹介致します。環境認証の取得状況についてです。2023年3月期には、新たにBELSを15物件、CASBEEを2物件追加しました。ポートフォリオ全体での認証比率は、延床面積ベースで、2022年11月時点の6.3%から、15.8%に大きく向上しています。引き続き中期目標として掲げている環境認証比率20%以上を目指してまいります。
31頁をご覧下さい。頁左側は環境負荷軽減に向けた取組みを紹介しています。照明のLED化や、省エネ機器や節水機器の設置・改修など、環境に配慮した施策を、引き続き推進しています。頁右側は、それら施策による2021年度の環境パフォーマンス実績です。2022年度の数字については、現在集計中の為、2022年度の実績通知および新たな削減目標については、2023年7月発行予定のサステナビリティ・レポートにて開示を予定しております。

32頁をご覧下さい。社会への取組みについてです。本投資法人は、J-REIT最大のヘルスケア施設への投資を行っています。高齢化が進む中で、良質のヘルスケア施設の不足という、日本が直面する社会的課題の解決を目指すとともに、良質のヘルスケア施設の供給を通じ、特に女性の社会進出、復帰の促進に貢献したいと考えています。頁の右側は、ソーシャルファイナンスによる資金調達を記載しています。前期末からソーシャルローンで、リファイナンスも含め73億円の借入を行い、2023年3月末時点での調達額は、約119億円となりました。ソーシャルファイナンスによって調達した資金は、ヘルスケア施設の購入資金に充当しています。

最後になりますが、本投資法人のVisionは、「全ての人の生活、暮らしを支える」をコンセプトに、快適に居住空間を提供していく社会インフラとなることです。我々の強みである安定した運用をベースに、Visionに沿った投資主価値の向上に資する着実な成長を、今後も目指していきます。引き続き皆様から信頼して頂ける、応援して頂ける投資法人、運用会社を目指してまいります。
以上で説明を終わります。ご視聴、有難うございました。