大和証券リビング投資法人 2022年3月期決算概要
大和証券リビング投資法人
2022年3月期(第32期)決算説明 動画配信説明書
動画 https://www.daiwatv.jp/contents/kigyo/ir/21782-001/
資料
https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS97927/e7be35ec/8f34/4ac9/904d/5ecb94008d8f/140120220518550649.pdf
説明者 大和リアル・エステート・アセット・マネジメント株式会社
代表取締役社長 西垣 佳機
説明
1頁をご覧下さい。今夏のトピックスです。賃貸住宅のテナント入替え時の賃料は、プラス
0.6%の増額となり、7期連続での増賃を実現しております。尚、期末稼働率は98.5%、期中
平均稼働率97.7%とDLIの強みである高稼働を維持しています。コロナ禍においても増賃、
高稼働率を維持できていることが、全国に分散し、且つ、実需に基づいたDLIのポート
フォリオの底堅さを裏付けています。外部成長については、昨年10月に実施した公募増資
時に実施した6物件の他、大阪市に所在する新築住宅、並びに江東区に所在する築浅住宅
の2物件を取得しました。又、後程説明致しますが、4月1日に実施した組織改正により、
グループ会社である大和証券リアルティの取得機能が強化されたことでDLIの成長力向上
が見込まれます。ESGについては、運用会社として気候変動問題に取り組むべくTCFDへ
の賛同を表明し、国内の賛同企業の組織であるTCFDコンソーシアムに参加しました。又、
DBJグリーンビルディング認証を2物件で追加取得しております。引続きESGへの取り
組みを推進してまいります。詳細については夫々の頁みて説明致します。
4頁をご覧下さい。先ず、前期との実績比較です。2022年3月期第32期に営業収益は、
11,263百万円、主に増資時に取得した物件が寄与し、451百万円の増加となりました。
一方で、営業費用は、増資による物件取得に伴う減価償却費、及び、運用報酬等の増加に
より、前期から217百万円の増加となっています。当期純利益は、前期から189百万円
増加の4,621百万円となり、分配金は前期比プラス20円の2,180円となりました。
5頁をご覧下さい。続いて、当初予想との比較です。分配金は、当初予想通りの2,180円
です。その他収入が増加し、営業収益は、若干上振れております。一方で、広告宣伝費等が
増加したことに伴い、営業費用が若干増加しましたが、営業外損益が上振れた結果、当期
純利益はプラス19百万円で着地し、同額の内部留保の取り崩しを減らしています。
6頁をご覧下さい。2022年9月期第33期、2023年3月期第34期の業績予想です。
2022年9月期第33期は、2022年3月期第32期と同等水準の営業収益11,299百万円、
当期純利益4,636百万円を見込んでおります。分配金も、内部留保の取り崩しを含め、
第32期同様の2,180円になる見込みです。2023年3月第34期についても、現時点では、
第32期、第33期と同程度となる見込みであり、分配金は同じく2,180円の予想です。尚、
この頁に記載はありませんが、2023年9月期第35期において、NOIで80百万円程度の
1棟貸しの賃貸住宅の解約が見込まれております。リーシング計画等を事前にしっかり準備
し、確定次第迅速な対応をしていきます。又、リーシング期間の収益剥落部分は、内部留保
の取り崩しに充当する予定のため、分配金への影響は無い予定です。
7頁をご覧下さい。ここでは分配金の内容について説明しています。2022年3月期第32期
の分配金は、先ほど申し上げた通り、主に昨年秋の増資の効果により前期比プラス20円の
2,180円です。DLIの実力値である一口当たり当期純利益は、着実に成長していきます。
昨年秋の増資時に取得した物件が、巡航となる第33期の予想一口当たり当期純利器は、
2,102円です。追加取崩し相当額41円は、既にスポンサーのウエアハウジングに確約
されているパイプラインを、現在の取得余力をもって取得すれば、充当できる水準となり
ます。現時点においては、これまでの方針に沿ってLTV、手元資金に余裕をもつことで、
物件取得の機動性確保を優先していますが、中期目標の一つとした分配金2,200円は既に
射程圏内です。その後については、達成した時点で改めてお示ししたいと思います。
9頁をご覧下さい。賃貸住宅の賃料動向です。入替え時の賃料増減率は、プラス0.6%と
Cash-Flow最大化を目指しリーシングを行ったことで、増加幅としてはこれまでよりは
小さくなったものの、7期連続での増額を実現しております。更新時賃料については、件数
割合、増加率とも前期同水準を維持しております。DLI投資運用部メンバーの運用力とDLI
のポートフォリオの底堅さが生んだ結果です。
10頁は、エリア別の入替え時賃料の動向です。前期マイナスであった仙台エリアがプラス
に転じ、愛知を除く全てのエリアでプラスを記録しています。愛知においては需給環境の
悪化が続いている関係で弱含んでおり、引続ききめ細やかな運用が必要であると考えて
います。エリア毎に見ると強弱はあるもの、全国分散したポートフォリオ構成により、
ポートフォリオ全体として賃料の増加傾向を継続出来ております。
11頁をご覧下さい。賃貸住宅の稼働率、NOI利回りの推移です。2022年3月末で98.5%、
期中平均も97.7%と、DLIの強みである高稼働率を維持しています。フォワードコミット
メントなどで取得してきた新築取得物件の稼働率も、概ね巡航水準に到達しております。
引続き賃貸マーケットの環境を注視しながら、高稼働率の維持を目指していきます。NOI
利回りは、継続した新築物件の取得により低下しておりますが、外部成長を中心とした実力
値の底上げ、分配金成長を目指し、強固で安定したポートフォリオを構築していきたいと
考えております。
12頁は、プロセス管理の実績です。3週間ルールの達成率91.5%、ダウンタイム60日達成
率は、71.5%です。長期空室は27戸のみであり、いずれの指標もコントロール内と言え
ます。
13頁をご覧下さい。2022年3月期に実施したリノベーション工事です。全部で12室に
実施し、8室での増賃を実現しております。1件、10年超の長期入居の解約が影響した
ため、Grossの賃料上昇率ではマイナスとなっておりますが、その1件の影響を除くと、
プラス9%の賃料増額を実現しております。大規模修繕工事も適宜実施し、物件競争力の
維持・向上を図っています。
15頁をご覧下さい。ヘルスケア施設のポートフォリオの各指標の推移です。コロナ禍での
募集活動の停滞も、直近では徐々に解消されつつあり、ポートフォリオ全体の入居率も
底入れしたと考えております。右上の賃料負担力については、全体の平均で1.5倍となって
おり、十分安定した状態にあると考えております。介護報酬割合、入居一時金償却収入割合
についても、前期から大きな変化はございません。
16頁をご覧下さい。17頁と併せてポートフォリオの一覧を記載しています。運営状況が
大きく悪化した施設はなく、オペレーター様の経営状況にもネガティブな兆候は見られて
おりません。又、本投資法人へのCash-Flowは、長期の固定賃料契約により安定しており
ます。DLIにとって収益の約3割を安定的に収受できることは、運用の安定性に大きく
貢献しています。全体での入居率は82%程度となっておりますが、2人部屋を1人で使用
されているケースもあり、居室数ベースでは、87%程度の入居率となっています。コロナ禍
の状況も、徐々に落ち着きつつあり、オペレーター様と連携して、入居促進に繋がる施策を
サポートしていきます。
18頁をご覧下さい。ヘルスケア施設のオペレーター様の取り組みについてです。介護人材
の確保競争の激化など、介護業界を取り巻く環境が変化する中で、施設運営の効率向上や、
運営コスト削減、入居される方々が快適な生活を送れるよう、オペレーター様各社がICT
など、最新の機器を導入するなど施設運営において様々な取り組みを実施されております。
ここではその一部を紹介しております。施設運営の効率化、オペレーター様の経営の安定化
はDLIのポートフォリオの安定性向上にも繋がるものです。
20頁をご覧下さい。外部成長の推移についてです。DLIでは中期的なDPU目標2,200円
を実現するためのドライバーを外部成長であると考え、継続的な資産規模の拡大を目指し
ています。ご覧の通りこれまで順調に資産規模の拡大を実現出来ており、2022年4月1日
時点で、資産規模は3,456億円に達しました。資産規模の拡大とともに、一口当たり分配金
と一口当たりNAVは、着実に成長して来ており、引続き外部成長を軸とした投資主価値の
向上を実現していきます。
21頁をご覧下さい。新規物件取得についてです。2022年3月期には、2021年11月の公募
増資時に取得した6物件の他、大阪府に所在する賃貸住宅1物件を取得、東京都江東区に
所在する賃貸住宅1物件を取得することを決定しました。合併後約2年間で、23物件、
428億円を取得してきましたが、多くが新築、或いは、築浅の物件であり、全て三大都市圏
に所在しているなど、ポートフォリオの質の向上も果たしています。又、賃貸住宅とヘルス
ケアの投資比率も7:3を維持しており、ポートフォリオの分散を意識した、バランスの
取れた外部成長を実現できています。
22頁をご覧下さい。DLIの外部成長力についてです。運用会社の高いソーシング力を活か
し、DLIでは約2年間で23物件を取得してきました。取得した物件の取得先は20社。
業種も多岐にわたり、多様なルートからの物件取得を実現できています。5つの投資法人、
運用資産残高1兆円の規模を誇る、当社の業界でのプレゼンスはここ数年で大きく向上
しました。又、証券会社をスポンサーとする当社は、どの不動産会社とも等距離でビジネス
が出来る稀有な立場であり、これらの相乗効果で、多様なソーシングルートが確保されて
います。引続きソーシングの強みを活かした物件取得を行っていきます。
23頁をご覧下さい。グループ会社の大和証券リアルティとの連携強化についてです。
2022年4月1日付で実施した大和リアル、及び、大和証券リアルティの組織改正により、
主に大和リアルが担当する、各投資法人向けのウエアハウジング機能を担う、大和証券
リアルティのメンバーを増強しました。これにより、入替え、交換取引や、バルクセール、未竣工案件等の高度化する取引への対応力が向上し、物件取得力の強化が見込まれます。
この結果、大和証券リアルティの物件供給力が向上し、DLIにとっては増資時期等に
合わせた柔軟な物件取得等が可能になり、更なる外部成長の向上が見込まれます。
24頁はパイプラインについてです。現時点でのパイプライン総額は、330億円超。前回
決算から約半年で8物件、約180億円をラインアップに加えることが出来ました。全て、
新築、築浅物件です。先ほど紹介した大和証券リアルティにおいても、順調にウエア
ハウジングを進めており、先般の取得機能の強化により、今後さらなるパイプラインの拡充
が図れる見込みです。引続き優良物件の確保に努めてまいります。
26頁をご覧下さい。財務の状況です。昨年5月の策定したソーシャルファイナンス
フレームワークに基づき、昨年10月にソーシャルローンによる借入れ7.7億円を実行、
本年1月にはソーシャルボンド20億円を発行しております。又、当期は35億円の
リファイナンスを実施し、借入れ遺憾の長期化を実現しております。取引金融機関として
横浜銀行に加わってもらいました。3月末のLTVは51.0%、固定比率は77.1%、平均残存
期間は4.3年となります。今後も取引行の拡大や、資金調達手法の多様化など安定した財務
運営に努めてまいります。
27頁をご覧下さい。借入金返済期日の分散状況です。引続きレンダーの皆様とも相談し
ながら、更なる安定化と持続性の向上を目指してまいります。又、3月末時点で28社と、
多くの金融機関の方々にサポートを頂いております。誠にありがとうございます。引続き、
ご支援、ご協力をお願い致します。
28頁をご覧下さい。投資主構成についてです。大和証券グループで投資口の16%程度を
保有しています。昨年10月の増資時においても、大和証券グループは持分比率に相当する
投資口を引き受けており、引続き力強いスポンサーコミットメントが得られるものと考え
ています。
30頁をご覧下さい。現在のDLIの戦略ロードマップです。DLIの基本戦略は外部成長を
通じた投資主価値の向上です。分配金の中期的な目標は、DPU2,200円以上。昨年秋の増資
により2,180円まで到達しております。ドライバーとなるのが外部成長であり、これまで
通り当面は、資産取得フェーズを継続していきます。DPU2,200円は見えつつありますが、
次に目指すべき姿は、DPU2,200円を実現した時点で、再度外部環境やポートフォリオの
状況を見定めたうえで、お示しできればと考えています。その継続的な外部成長を支える
土台となるのは、安定した運用です。全国に分散され、実需向け住戸で構成された賃貸住宅
と、長期固定賃料契約によるヘルスケア施設の安定性は、これまでお話ししてきた通りです。
安定成長により分配金成長は大きくありませんが、継続的な外部成長を実現していくため
には、ベースとなる既存ポートフォリオの安定した運用が必要不可欠です。これまで通り、
やるべきことを地道にやっていくことで、継続した安定運用を目指してまいります。
財務面についてです。これも安定した外部成長を支える重要なパートとなります。DLI
ではこれまで、資金調達の多様化や、財務健全性の強化のための様々な施策を実施して
まいりました。引続き安定した財務運営に努めてまいります。併せて、投資主価値の向上に
資すると判断した場合には、機会を逃すことなく増資を実行していきたいと考えています。
31頁は、毎期お示ししております内部留保の活用方針についてです。約77億円の豊富な
内部留保は、分配金の安定化のために活用してまいります。これまでも、法定取崩しに加え、
分配金安定化のために、追加取崩しを実施しており、今後もこの方針は継続します。追加
取崩しは、リーシング途上の物件を取得する際の、巡航稼働に到達するまでの期間における
収益の欠落分や、機動的な物件取得を実行するための、待機資金の機会損失分など、DLIの
戦略上必要な施策に伴う収益補填のためのみに実施致します。これにより安定した分配金
政策と、積極的な外部成長を両立させることが出来ると考えています、
33頁をご覧下さい。ESGの取り組みを紹介致します。先ず、環境への取組みについてです。
保有する賃貸住宅の共有部におけるエネルギー消費量、CO2排出量、水消費量について、
2017年度に定めた目標に対する実績推移を開示しております。2017年度を基準年度とし、
2020年度の増減率を記載しておりますが、全ての項目で消費量、消費量原単位ともに減少
しております。現在、ヘルスケア施設でも開示できるよう準備を進めております。右側では、
エネルギーやCO2削減に向けた取組み事例をいくつか紹介しております。照明のLED化
や、省エネ機器の設置、改修、ポスター掲示を通じた啓発など、環境に配慮した施策を
引続き推進していきます。
34頁をご覧下さい。環境認証の取得状況についてです。新たに、ザ・レジデンス本牧横浜
ベイサイト、及び、グランパーク天神にてDBJ Green Building認証を取得しました。この
結果、合計4物件で同認証を取得しております。引続き環境に配慮したポートフォリオ
構築を進めてまいります。又、本運用会社として気候変動に関するリスク、及び、機会への
対応、並びに、気候関連課題への事業、戦略に取組むことを、対外的に示すべく、2021年
12月付でTCFD提言に賛同を表明、本年1月には、国内の賛同企業による組織であるTCFD
コンソーシアムに加入しました。
35頁は、社会への取組みについてです。本投資法人の、現在のヘルスケア施設の保有数は
57物件、取得価格合計は1,019億円となっており、J-REIT最大のヘルスケア施設投資を
実施しています。高齢化が進む中で、良質のヘルスケア施設の不足という日本が直面する
社会的課題の解決を目指すとともに、良質なヘルスケア施設の供給を通じて、在宅による
介護を要因とする離職者、特に女性の社会進出、復帰の促進に貢献したいと考えています。
財務パートでも申し上げましたが、右上に記載の通り、ソーシャルローンでの借入れ、
並びに、ソーシャルボンドの発行による資金調達を行っており、調達した資金はヘルスケア
施設の購入資金などに充当して言います。
36頁をご覧下さい。ガバナンスへの取組みについてです。運用会社では、ESGに関する
取組みをさらに強化するために、昨年6月にサステナビリティ推進室を設置致しました。
当部署においては、本運用会社が運用する全ての投資法人、及び、運用会社のESG、並び
にSDGsに関する企画・立案・実行を担っております。これまで環境パフォーマンス
データの開示や、投資法人のサステナビリティ取組み頁の拡充、TCFDへの賛同表明を
指導してまいりました。今後も会社一丸となってESG、並びに、SDGsを推進していき
ます。又、スポンサーグループによるセイムボート出資は、昨年の増資においても、一定数
を引き受けることで、保有比率を維持しており、スポンサーとリートのベクトルの一致を
図ることで、スポンサーサポートの実効性を確保しています。
37頁をご覧下さい。大和証券全体としての取組みです。大和証券グループでは、中期的に
目指す姿として、経営ビジョン「2030ビジョン」、及び、その達成に向けた中期経営計画を策定しております。大和証券グループでは、引続きグループ一丸となって、SDGsの実現に
向けて取組んでまいります。今後も、ESGへの取組みを強化することにより、広く社会や、
投資主の皆様といった、ステークホールダーの皆様から指示頂くことで、本投資法人の安定
的、且つ、持続的な成長に繋げて行きたいと考えています。
最後になりますが、今まで通り、当たり前のことを当たり前にやっていくこと、機を逸する
ことのないよう感度の高いアンテナを張り続けること、レンダーの皆様やエクイティ投資
家の皆様にサポートして頂けるよう誠実に報告、説明責任を果たしていくこと、これらを
遂行するにあたっての厳格なガバナンスを維持していくこと、この基本方針は今後も変え
ません。引続きマーケットの状況に応じて、柔軟に対応していくことで、皆様の期待に
応えられるよう安定運用と投資主価値の最大化に努めてまいります。引続き皆様から信頼
して頂ける、応援して頂ける投資法人、並びに、運用会社を目指してまいります。
以上で説明を終わります。ご清聴、有難うございました。