大和証券オフィス投資法人 2022年11月決算概要

大和証券オフィス投資法人
2022年11月期(第34期)決算動画説明書
○動画   https://www.daiwatv.jp/daiwa-jp/kigyo/ir/21966-001/
○資料   
https://www.daiwa-office.co.jp/file/ir_library_term-25693e8f0b5057fb4bf9419197e713ca121c4d0b.pdf
○説明者   大和リアル・エステート・アセット・マネジメント株式会社 
代表取締役社長 西垣佳機
○説明 
2022年11月期(第34期)の決算内容と直近の状況、そして今後の取組みについて説明を致します。
3頁をご覧下さい。今回の説明会のトピックスです。1点目は内部成長についてです。2022年11月期末稼働率は97.4%。前期比では▲1%ですが、当初予想比では+0.3%で着地しました。想定よりプラスとなったのは、渋谷所在物件のリーシングが、好調に進捗したことなどが主因です。一方、大型区画、特に駅距離のある物件の動きは鈍く、保有物件内でも濃淡があります。契約更新時の賃料増額率は+5.6%となりましたが、入替え時の賃料は稼働を優先した結果、▲2.9%となりました。22年11月期の一口当たり分配金は、当期に自己投資口の取得および償却を実施したことで、予想比+100円の13,700円で着地しました。水道光熱費収支の逆ザヤ拡大が、決算予想に負の影響を及ぼす状況が続いております。23年5月期には、その逆ザヤが更に拡大する見込みとなりましたが、テナントへの請求方式変更の進捗や、電力需給契約の新形態への移行により、同逆ザヤは同期をもってPeak-outする公算が高まりました。2点目は外部成長についてです。当期において、昨年12月に、好調な不動産マーケットを背景に、Daiwa SHIBUYA EDGEを2.6%の利回り水準で譲渡。売却益15億円のうち、約10億円を分配、5億円を内部留保する予定です。3点目は財務、ESGについてです。22年5月期に続き11月期も、資本効率向上を狙い、約30億円の自己投資口取得および償却を実施しました。その結果、22年11月期末のLTVは、前期比+0.2%の42.8%となりました。ESGについては、GRESB2022年評価において、本投資法人初となる最高評価の5—Starsを取得しました。又、開発案件のDaiwa日本橋馬喰町ビルについては、環境負荷の低減に努めるべく設計段階から検討を進め、BELS認証で3—Starsを取得することが出来ました。詳細は該当するセクションにて説明致します。


5頁をご覧下さい。22年11月期の決算について説明致します。営業収益は、前期2物件の売却益の剥落により、前期比▲900百万円を主因に前期比▲583百万円。営業費用は、電気料金の契約先の変更および燃料調整費の高騰により、水道光熱費が前期比+338百万円と支出が増えたことから、全体では276百万円となりました。結果として、当期純利益は、前期比▲980百万円の6,512百万円。一口当たり分配金は、内部留保から122円相当の取崩しを行い、前期比▲300円の13,700円となりました。稼働率は、前期比▲1%の97.4%、NOI利回りは4.6%でした。下段予想と実績の比較です。既存物件の早期契約等による賃共収入の寄与や、解約に伴う違約金受領、水道光熱費についてはテナント様との請求方式変更等の交渉等が順調に進捗したことから、当初想定より収入が増加しました。その結果、当期純利益は、従前予想比+142百万円、一口当たりは+361円となりました。分配金は、巡航EPSの引上げ策の一環として当期に実施した自己投資口取得および償却により、従前予想比+100円の13,700円と致しました。


6頁をご覧下さい。今期の業績予想について記載しております。先ず23年5月期です。冒頭で申し上げた通り、当初想定以上に、エネルギー価格高騰による、水道光熱収支の逆ザヤが膨らむ公算が高まったことから、物件売却によって発生した売却益の一部を分配することとし、残りの一部を内部留保とすることで、今後の分配金の安定化の原資とさせて頂くこととしました。右側は、増減益分析です。SHIBUYA EDGE売却による売却益1,518百万円を計上、内10億円を分配。残りの5億円を内部留保します。併せて、将来の修繕計画の前倒しを当期で実施、修繕費を前期比283百万円積み増す計画です。稼働率は前期比▲0.3%の97.1%、NOI利回りは4.3%を想定しています。NOI利回りが前期比▲0.3%となったのは、当期で修繕費を大きく見積もっている他、水道光熱収支の逆ザヤが拡大することによります。続いて23年11月期です。修繕費を1億円台の水準としますが、前期の物件売却益の剥落分があるため、内部留保から1,190円の取崩しを行い、分配金は13,700円を維持する予定です。稼働率は、前期比+0.2%の97.3%、NOI利回りは4.4%を想定しています。


7頁をご覧下さい。一口当たり分配金の増減要因と水道光熱収支の与える影響を説明します。23年5月期の収支が、従前予想比大きく変動している要因に関し説明します。左側、半年前予想との比較をご覧下さい。当期においては、当初見込んでいなかった電力会社B社との契約が解約となり、割高な東京電力等、地域電力会社が提供する市場連動の要素を含んだプランへ一旦移行することに加え、当初想定以上に燃料調整費が上昇した等により、水道光熱収支の逆ザヤが拡大する見込みとなりました。結果として同逆ザヤは、従前予想比投資口一口当たり451円の分配金マイナス寄与となりました。この状況を踏まえポートフォリオの中で相対的に低利回りであったSHIBUYA EDGEの売却を行い、その売却益の一部を分配金に充当することで、2,102円の分配金底上げを図ることとしました。その一方、一部抑制していた修繕費を、従前予想比一口当たり623円分積み上げることとし、結果として分配金は、22年11月期と同額の13,700円を維持することとしました。本投資法人においては、電力供給元を定期的に見直すことで、電気料金を抑制する努力をしてきました。他方、テナント様への売電価格は固定が大半でしたので、仕入れ価格である電力会社との契約単価が下がれば、収支の順ザヤが拡大し、投資法人の利益増となる構図でした。しかしながら、昨年来のエネルギー価格の高騰により、ポートフォリオの4割弱を占める電力会社A社より、電力需給契約の更新が出来ない旨の通達を受け、最終保証契約と呼ばれる割高な契約への移行を余儀なくされたことに加え、燃料調整費が大きく上昇したことで、電力調達コストが上昇することとなりました。その結果、水道光熱収支の悪化が不可避となり、昨年7月の決算発表時に、22年11月期以降の分配金水準の引下げを行うこととしました。分配金引下げをアナウンスさせて頂く一方、水道光熱収支悪化のもう一つの背景である、テナントへ固定単価で電気料金の請求を行っている現状を、電力会社からの請求額と連動する形でテナントへ請求する形へと見直す交渉を開始しました。改めてグラフ中央をご覧下さい。22年11月期における水道光熱収支は、前期比417円の分配金へのマイナス寄与となりました。電力会社A社からの供給契約解約により、最終保証契約に移行したことを主因に、費用は前期比▲702円のマイナス寄与となりました。一方、テナントへの請求方式変更を開始したことによる効果で、収入は同282円のプラス寄与となりました。お願いしたほぼ全てのテナントに、昨今のエネルギー価格高騰の状況をご理解頂き、請求方式変更を承認頂いている状況です。23年5月期においても、水道光熱収支は、前期比で600円の分配金へのマイナス寄与となる見込みです。前期とは異なる電力会社B社との需給契約が解約となり、こちらも割高な東京電力等地域電力会社が提供する、市場連動を含んだプランへ一旦移行するため、水光熱費用は前期比627円のマイナス寄与となる見込みです。当期もテナントに対する請求方式の変更のお願いを継続しますが、太宗のテナントについては、2023年4月以降に適用される、東京電力エナジーパートナー社が提供する新プランへの移行と同時期に、請求方式の変更を再度依頼する前提で進めているため、当期においては収入面での寄与は小さく、27円のプラス寄与に止まっています。23年11月期における水道光熱収支は、前期比174円の分配金へのプラス寄与となる見込みです。一度は、割高な最終保証契約への移行を余儀なくされたものの、本年4月以降には、東京電力エナジーパートナー社が提供する新プランへ切り替える見通しが立っております。旧電力会社A社物件の最終保証契約等に比べ、新プランでの支出は減少する見込みですが、割安であった旧電力会社B社物件については、プラン切替えによる支出の方が大きいこと、夏場を迎え使用量自体が増加することにより、当期の水光熱収支は、前期比175円のマイナス寄与となります。一方、収入面では、23年4月より実施するテナントへの請求方式変更による段階的寄与が見込まれること、費用同様夏場で使用量が増加することにより、前期比350円のプラス寄与を見込んでいます。水道光熱収支の見通しについて3点お伝えします。1点目、テナントに電力使用料金請求方式変更のお願いを続け、水道光熱費請求のパススルー化を目指します。2点目、全物件の電力需給契約が、東京電力等地域電力会社に切り替わるため、今後は契約切り替えに伴うマイナスの影響は発生しません。3点目、今後も燃料調整費上昇等に伴う電力コスト負担上昇の可能性はゼロではありませんが、その影響は主に大型物件の共用部のみとなります。以上3点を前提としますと、電力コスト上昇に伴って分配金が大きく押し下げられる状況は、23年5月期をもってほぼ終息に向かう見込みです。半年前の決算発表時には、エネルギー価格上昇や電力会社との契約の行方を読み切れず、投資家の皆様には大変ご迷惑をおかけしましたが、今後は大きなトピックとはならないのではないかと考えております。今後は共用部比率が高く、その部分の水光熱費負担のテナントへの転嫁が難しいマインズタワーのような大型物件のみ本投資法人の負担が残ることとなります。こうした部分を除くパススルー化が達成された時点で、逆ザヤは1期あたりで約2.5億円、一口当たり分配金では、500円程度のインパクトとなる見込みです。23年11月期の水光熱収支の逆ザヤ見込みは、実額で4.4億円、分配金にして約900円ですので、巡航期にはここから400円程度改善する見込みです。

8頁をご覧下さい。一口分配金推移および内部留保活用方針についてです。20年11期以降物件を売却した際の売却益については、一部を配当に廻し、それ以外を内部留保として積み立ててきました。表内一番右の23年11月期のグラフをご覧下さい。23年11月期の分配金予想は、内部留保の一部取り崩し分1,190円を含め13,700円としています。23年11月期では、内部留保を取り崩して分配金に充当した一口当たり1,190円分の収益が、同期以降水道光熱収支の巡航化、開発案件収支の巡航化、譲渡物件の譲渡代金を活用した施策の実行などにより回復してくる見込みです。これらを見込み、巡航EPSの水準を従前より100円アップの13,700円と致しました。又、下段のグラフ右端が示している通り、23年11月期末の取り崩し後の内部留保の想定残高は約24億円です。

12頁をご覧下さい。東京のオフィスビルの賃貸市場動向です。空室率は、2020年2月を底に上昇、今年に入ってからも引き続き高水準の状態で推移しています。右側レンタルクロックをご覧下さい。大規模、全体ともに、足元では空室率が若干の改善をしておりますが、新規賃料の回復にはまだ至っておらず、右側の矢印は前回位置より斜め下に進めました。

13頁をご覧下さい。DOIの運用状況について説明致します。稼働率は22年11月末が、前期比▲1.0%、予想比+0.3%の94.7%での着地。23年5月末で97.1%、23年11月末で97.3%との予想です。23年5月期では、たいきゅうかが3,600坪ありますが、今後も97%前半から半ばでの稼働率を目指します。左下、入退去率の推移です22年11月期の退去率は、半年前は4%まで上昇する見込みとしていましたが、全解約か部分解約かで逡巡されていた複数のテナントが、結果として部分解約に止まったため、同期の退去率はトレンド並みの3.3%で着地しました。23年5月期以降も、全解約か部分解約かで相談を受けている企業があり、退去率は、一旦全解約としてカウントしているものの、落ち着いた状況で推移するものと考えています。右下、入居・退去件数は、前期と同水準です。縮小移転、コスト削減といったリストラ型の退去が退去理由の多くを占める一方、拡張移転での入居も過半数以上となっています。テレワーク推進など働き方の見直しを主な理由として解約となったテナントは、縮小移転9件のうち数件に止まっています。
14頁をご覧下さい。更新時の賃料意増額の詳細です。22年11月期は、全体の15.3%の契約更新を行い、レントギャップが大きかった5.6%のテナントに賃料増額を了解頂きました。今期においても、減額改定はありませんでした。右上、賃料増額率の推移です。22年11月期は5.6%の増額率となりました。内訳は、右下のドーナツチャートの通りです。

15頁をご覧下さい。入替えによる賃料は、22年11月期でマイナスに転じ、2.9%の減額率となりました。21年5月期にも入替えによる賃料減額がありましたが、太宗がコロナ禍での商業区画の苦戦によるものでした。当期においては、事務所区画における減額が太宗を占めています。現状、ポートフォリオ全体としてのレントギャップはゼロという認識です。今後もテナントの状況把握に努め、適切に対応していく方針は変わりません。又、リーシングの際に付与しているフリーレントは、引き続き各物件の特性や周辺の競合物件の状況を踏まえ、柔軟に対応していく方針です。

16頁をご覧下さい。物件別契約単価の増減です。上昇が14件、下落が7件ありました。新宿・渋谷エリアでの下落物件は、Daiwa渋谷スクエアの1件だけとなりましたが、当ビルの内訳をみると、前契約を上回る賃料単価で成約出来た区画もあります。渋谷エリアにおいては、コロナ禍の影響で空室率が上昇し、6%台後半に上昇した時期もありましたが、足元では3%台まで下落、早めに調整が始まった反動もあり、主要5区の中では依然として強い需要が確認できます。

17頁をご覧下さい。運用の仕事を支えているDOI投資運用部の投資運用チーム、コンストラクション・マネジメントチームの紹介です。物件取得・売却、リーシング、資産の工事管理を行う人員を一元化しており、多能工化による運用力の向上を図っています。日本橋馬喰町の開発案件については、投資運用チームとコンストラクション・マネジメントチームが、工事関連で協働し、テナントの要望に柔軟に対応した結果として、早期リーシングに成功するなど、目に見えた成果が出ています。今後も外部環境に対応して、人員の最適配置を行ってまいります。

18頁をご覧下さい。DOIの初の開発案件であるDaiwa日本橋馬喰町ビルのリーシング状況です。昨年11月に無事竣工、建物部分も取得しました。稼働率は、7月の決算発表時にお伝えした約74%から、更に2区画が契約締結完了し、11月末での稼働率は84.7%となりました。賃貸面積の約7割を占めるメインテナントとの契約交渉にあたっては、コンストラクション・マネジメントチームと投資運用チームが一体となり、テナントとコミュニケーションを続けました。先方のニーズを丁寧に汲みとり、竣工後では対応が難しい設備工事を事前に対応することにより、竣工、取得前でのリーシングに成功しました。相応の工事を施したことで、テナントの長期定着も期待でき、賃料も取得時の想定水準が確保できています。馬喰町駅上の好立地であること、エリア内では貴重な新築物件であることを生かして、残り2区画のリーシングを進めていきます。

19頁をご覧下さい。前期リーシング強化物件の結果です。上段左、Daiwa渋谷神泉ビルです。1棟借りのテナントの退去により、22年7月末には稼働率は20%台まで低下しました。4フロアに入居頂けるテナントを早期に確保出来たことにより、11月末には稼働が67.5%となり、想定より早く埋め戻すことが出来ました。残り3フロアのうち4階部分は隣接する首都高と同レベルになり、リーシングの苦戦が予想されたため、セットアップオフィスを設えました。これが功奏して、それ以外のフロアにも反響が拡大、3月には満室稼働を想定できるような引合い状況です。右側、Daiwa赤坂ビルです。3期前より強化物件として掲載しています。一部埋め戻した後も、複数テナントの退去が続き、稼働率80%前後での推移が続いてきました。この2年で4割のテナントが入れ替ったことになりますが、更なるテナントの退去可能性は低く、今後は稼働が落ち着く見込みです。赤坂においても、1部区画をセットアップすることにより反響が増え、合計4区画の契約を締結しました。3月末時点での稼働は、96.7%見込みです。渋谷、赤坂に関しては、セットアップオフィスの実装により、リーシングの手応えを実感していますが、どのビルでも成功するものではないと考えており、立地、物件特性、費用対効果を考えて実施を検討してまいります。下段左、Daiwa渋谷スクエアです。22年11月に解約が発生し、稼働が80%台半ばまで落ち込む予想でしたが、渋谷エリアの回復を背景に、IT、広告関連企業のニーズを早期に取り込み、満室稼働で着地することが出来ました。上段の渋谷神泉ビルとともに、渋谷エリアの需要の高さは健在です。下段右側、日本橋セントラルスクエアです。22年11月期中に退去した2区画について、既に契約を締結しており、23年4月には満室稼働となる見込みです。賃料は、34期末時点の基準階の平均坪単価を上回る水準で、成約することが出来ました。


20頁をご覧下さい。今期のリーシング強化物件です。上段左側、新宿マインズタワーです。22年11月期については解約もあったものの、埋め戻しが進み、93.4%の稼働となりました。足元では、1区画270坪の商談が進行中です。マインズタワーについては、渋谷エリアの需給がタイトになれば、新宿への需要の染み出しが起こり、その恩恵を受けることが出来ると考えます。又、上層、中層、下層と階層ごとに賃料を分け、様々なニーズに対応できるようにリーシングを進めております。上段右側、Daiwa神田美倉町ビルです。動きが活発な募集区画100坪未満の床になります。解約発生により22年11月末の稼働率は84.7%です。JR神田駅徒歩5分の他、複数駅利用可能という利便性の高さを生かし、早期の稼働回復を目指します。下段左からDaiwa芝浦ビル、Daiwa麻布テラス、Daiwa月島ビルです。いずれも1フロアの賃貸面積が300坪前後か、それ以上と大きく、相対的に駅距離がある物件のため、リーシングに時間を要する物件と認識しております。柔軟なフリーレント設計、フロア分割も視野に入れ、早期の埋め戻しが出来るよう取り組んでまいります。この3物件については、先ずは稼働優先とさせて頂き、賃料については市況に応じた水準を求めていく方針です。
続いて外部成長についてです。22頁をご覧下さい。頁上段、昨年12月にDaiwa SHIBUYA EDGEを譲渡しました。好調な不動産マーケットを背景に、鑑定評価額の1.33倍となる約73億円、NOI利回り2.6%の水準で譲渡することが出来ました。下段には、18年5月期から23年5月期までの物件売買の軌跡を、コーポレートアクションと合わせて記載しております。約5年かけて13物件、約1,040億円の取得と、9物件、約1,061億円の譲渡を実行し、22年11月期までに自己投資口の取得を4回行いました。

23頁をご覧下さい。本投資法人にとって、開発プロジェクト第2弾となる神田須田町二丁目開発プロジェクトです。予定通り昨年10月に着工、24年6月竣工に向けて順次工事を進めています。本物件は延床面積で3,600坪超、基準階貸室面積は約240坪を確保しているため、小型ビルが多い周辺エリアにおいては、希少性が高い物件だと考えます。今春を目安として、順次リーシング活動を開始する予定です。本案件の進捗に関しては、今後も決算資料等で案内させて頂きます。
24頁をご覧下さい。部臆見の取得・売却の基本方針は変更ありません。取得環境が厳しいことは変わりませんが、これまで通り物件を厳選、独自の工夫によりポートフォリオの質の向上に資する物件獲得を継続していきます。
25頁をご覧下さい。これまでの取得実績等を載せております。Daiwa日本橋馬喰町の建物部分の取得、Daiwa SHIBUYA EDGEの譲渡を行い、現時点での資産規模は、4,625億円となります。

27頁をご覧下さい。有利子負債の状況です。当期は175億円のファイナンスを実施し、当期における新規借入年限は平均約7.4年、平均残存年限は4.1年となりました。右側の返済期日については、十分な分散が維持出来ていると考えています。借入れのマチュリティを分散させることがリファイナンス自体のリスクおよびリファイナンス時の金利上昇によるリスクの分散にも資すると考えており、引き続きマチュリティの分散に注力してまいります。
28頁をご覧下さい。その他の財務の状況についてです。当期末のLTVは42.8%、自己投資口を償却したことにより、0.2ポイント上昇しております。固定金利比率は約70.9%、長期借入比率は87.3%です。固定化金利比率は、半年前の77%程度から70.9%に低下しています。長期金利については、足元では上昇しているものの、短期金利については、今後も引き続き低水準で推移すると想定されますので、金融市場全体を注視し、リスクヘッジ効果の最大化を目指し、機動的に進めてまいります。格付けは、ご覧の通りです。引き続きレンダ-の皆様の協力を得ながら、資本市場も活用し、適切な財務運営に努めてまいります。

29頁をご覧下さい。借入先の一覧を記載しております。多くの金融機関の皆様に支えて頂いております。誠に有難うございます。2020年9月に39億円のグリーンボンドを発行しておりますが、当期のリファイナンスにおいて、昨年8月には28億円、11月には20億円をグリーンローンにて調達し、本投資法人のグリーンファイナンス残高は、122億円になりました。引き続きグリーンファイナンスも検討していきたいと思っております。

30頁をご覧下さい。34期末時点の投資主の状況を記載しています。コロナ禍での、機関投資家とのコミュニケーションは電話会議が中心ですが、33期の決算発表以降この半年では、国内69件、海外34件の計103件、前回に比べ20件増加しました。又、コロナの状況が収まりつつあったこともあり、昨年11月には竣工前の日本橋馬喰町の物件見学会を運用会社主催で、数回に分けて実施し、44名の投資家、アナリストの方に出席頂き、実際に対話する貴重な機会となりました。今後もこのような機会を作ってまいります。個人投資家向けには、9月に対面でのセミナーや、オンラインセミナーを実施しております。
33頁をご覧下さい。ESGの取組みについて記載しております。先ず、環境についてです。
GRESB2022では、環境パフォーマンスデータの第三者評価の実施や、ESGに関する細かな対策の積み上げにより、点数が向上し、本投資法人では初めて5—Stars評価を取得することが出来ました。今後も維持できるように努めてまいります。又、物件入替えや開発物件である日本橋馬喰町についても、BELSで3—Starsを取得できる設定にした結果、足元の環境認証取得比率は61.9%まで向上しています。今後の新たな中長期的な目標水準として、2030年度までにポートフォリオ全体の環境認証取得比率を70%以上まで向上させることを目指します。

35頁、社会についてです。上段をご覧下さい。保有物件の一部で寄付型自動販売機の設置、売上の一部を小児医療支援等を行うNPOへ寄付する活動の支援や、運用会社の会議室等に障がい者のアート作品を展示するなど、新たな取組みを始めています。下段をご覧下さい。社内の人材育成の強化を目的に、昨年10月には大手資格スクールと連携したe-ラーニング研修を導入、12月からは大和証券が実施するスキル研修への参加開始など、従業員研修制度の拡充を図っています。右下で紹介していますシャッフルランチは、社員のアイデアで始めたものです。コロナ禍で希薄していた社員間コミュニケーションの再活性化に大きな効果が得られると考えています。

36頁、ガバナンスについてです。当期に実施した自己投資口取得および償却に伴い、スポンサーグループのセイムボート出資比率が、前期より上昇しました。ガバナンスの取組みに関しても、引き続き強化してまいります。
本説明動画においては、上昇した水道光熱費の説明に時間を割きました。水道光熱費以外にも工事費用や金融費用の一部など、費用項目が昨今の経済情勢により、上昇傾向を示しております。一時の勢いは衰えつつあるとはいえ、インフレが懸念される現状において、運用会社として上昇が目される費用項目をコントロールし、本投資法人が受けるマイナスの影響を極力最小化したいと考えております。他方、ある程度のインフレが継続するのであれば、インフレがもたらすプラスの影響にも、今後は目を向けるべきだと考えております。現在、多くの企業がコスト上昇に直面する中、それら上昇分をカバーすべく、その製品、サービスの価格引き上げを行う動きが広がっています。数年前までは、コストが上昇した場合でも、企業努力という名のもと、自らの収益を削って自社の製品、サービスの価格にはコスト上昇分を転嫁しないことが多かったと記憶していますので、この点で環境が変わりつつあるかもしれません。本投資法人に準えれば、上昇しつつあるコストを賃料増額によって補おうとする動きになろうかと思いますが、ご案内申し上げてきましたように、都心のオフィスマーケットにおいては、いまだに空室が一定程度存在し、賃料増額を求めるにはいささか時期尚早です。他方、コロナ禍において進んだリモートワークと、並行して囁かれたオフィス不要論は、各企業に都心のオフィスを手放させるような状況には至らず、現状では都心オフィスの利用方法が、少々変わった程度の変化にもたらしたに過ぎない様に見えます。今後も、景気、インフレ、金利動向などオフィスマーケットを取り巻く環境に注力し、運用会社役職員一同、次なる変化の兆しを捉えて、本投資法人の価値向上に取り組んでまいりたいと思います。どうか今後とも、本投資法人と運用会社を宜しくお願い致します。
以上で説明を終わります。ご視聴、有難うございました。