インヴィンシブル投資法人 2021年12月期決算概要

インヴィンシブル投資法人

2021年12月期(第37期)決算説明 動画配信説明書

動画 https://www.net-presentations.com/8963/20220224/dnfrstgr/

資料 https://www.invincible-inv.co.jp/ir/upd/140120220221593642.pdf

説明者 コンソナント・インベスト・マネージメント株式会社

     取締役会長 市來 直人

説明

コンソナント・インベスト・マネージメントの市來でございます。

本日は、インヴィンシブル投資法人の2021年12月期、第37期の決算説明会に

ご参加頂き誠に有難うございます。本来であれば、皆様の前でご説明させて頂きたい

ところではございますが、蔓延防止等重点措置が、首都圏を含む多くの地域で適用されて

いますので、前期に引き続きWebでのご説明とさせて頂きます。

先ず、最初の頁、目次をご覧下さい。

第1章のエグゼクティブ・サマリーは、お読み頂ければご理解頂けると思いますので

割愛し、第2章 2021年12月期決算概要、第3章ホテル運営状況と市場環境、

第4章住居運用状況、第5章財務の状況、最後に第6章ESGに関する取り組み

の順番で説明させて頂きます

それでは6頁、第2章運用実績をご覧下さい。

当期は、対前期では大幅な増収、増益、増配となりました。不動産賃貸事情収益は、

38億円から58億円に約20億円増加致しました。そのうちインヴィンシブルの最大の

テナントでありますマイステイズ・ホテル・マネジメントグループ(以下マイステイズ

と申します)からの当期の支払い賃料は、現契約固定賃料の約30%に該当する固定賃料

19億5,000万円に、変動賃料12億4,600万円を加えた31億9,600万円となり、これは、

現契約固定賃料の約49%でした。尚、前期のマイステイズからの支払い賃料は、固定賃料

10億円のみでした。又、不動産等売却益25億6,800万円の計上により、当期純利益は

10億1,400万円、その概ね全額を分配し、一口当たり分配金は166円とさせて頂きます。

続いて7頁、ポートフォリオ収益構成をご覧下さい。左側の表を、右側でグラフにして、

示しております。

当期の営業収益は、前年同期と比較すると1.7%の微増でありましたが、住居と

商業ポートフォリオが合計8物件の売却により減収となる中、ホテルポートフォリオは

17.4%増収となり、構成比は57.6%から、66.5%に上昇しました。

8頁にまいります。資本的支出及び減価償却費についてです。

2020年と2021年は、コロナ禍で手元資金確保のため、物件ごとに予算を精査し、慎重に

支出を管理してまいりました。2022年は、コロナ禍からの回復を注視しながら、大型の

設備更新工事や、予防保全を目的とした工事も行っていく計画です。

次の9頁から第3章ホテル運営状況と市場環境についてご説明致します。

先ず、9頁はホテルの主要経営指標KPIとNOIについてです。

中央の2021年12月期の実績と右側の差異の列をご覧下さい。

当期は、海外ホテルのKPIは前年同期比で大きく改善しましたが、コロナ禍の長期化により、ホテル全体のNOIは、2019年の2割レベルでした。

10頁に移ります。新型コロナウイルス感染症に関する国内の状況とINVホテルの稼働率の

推移に関してご説明致します。

中段のホテル稼働率推移をご覧下さい。インヴィンシブルのホテルポートフォリオの

稼働率は、全国平均を毎月上回る水準で推移してきました。緊急事態宣言1回目の

2020年5月を底に2021年1月以降の緊急事態宣言下では全体として落幅が縮小しており、

回復傾向が見られます。しかしながら足元では、2022年年初よりの第6波により、

新規感染者数がかつてなかったレベルに急拡大し、ホテル需要にマイナスの影響が

あります。2021年12月1日より、日本でも開始されたワクチンの3回目接種や、治療薬

の普及などにより、今後需要が改善していく事が期待されます。

11頁をご覧下さい。新型コロナウイルス感染症に関する海外の状況です。

左側の米国に関するグラフをご覧下さい。左上に示します2021年11月21日の週の

米国ホテルRevPAR指数は、感謝祭の週としては史上最高を記録し、旅行意欲の高さが

顕在化しました。

左上のグラフをご覧下さい。オミクロン株による新規感染者数は、今年になってから

過去最大の数を記録しましたが、現時点で世界的にはピークアウトしていると
考えられます。右下にありますUNWTOによる調査結果では、国際観光の回復に

寄与する要因としてワクチン接種の幅広い展開が第1位となっている中、主要国の

ワクチン2回目・3回目接種率は高まってきており、今後、世界各国での行動制限緩和に

より国際観光の回復が期待されます。

12頁に参ります。ホテルポートフォリオの2022年6月期予想に関して です。

上段の稼働率に関する折れ線グラフをご覧下さい。黒が2019年、オレンジが2020年、

青が2021年の各実績値、緑が2022年1月の実績と2月から4月の予想です。

2021年のホテル稼働率は、第1四半期の33.6%から第4四半期には58.6%と四半期ごとに段階的に改善してまいりました。

中段の棒グラフをご覧下さい。RevPARも同様に第1四半期の2,326円から第4四半期には4,406円に改善し、第4四半期のRevPARは、2019年同時期に対して50.6%のレベルでした。

右下の棒グラフをご覧下さい。2021年に日本で3回行われた「今後約1年以内に国内旅行を予定・検討している割合」の調査結果は、毎回少しずつ上昇してきています。一方、

左下の表に記載しました通り、2022年は年初より新規感染者が急速に増え、蔓延防止重点措置の対象地域が次々と増えました。

上段緑の折れ線グラフをご覧下さい。オミクロン株による第6波の影響をうけ、本年の

第一四半期の稼働率は、昨年の第四四半期を下回ると考えられますが、2022年最初の

4ヶ月間の稼働率、及びRevPARは2021年の同時期を上回ると予測されており、第6波の

沈静化によりさらに改善することが期待されます。但し、現在31都道府県で適用されて

おります蔓延防止等重点措置が、予定通り3月6日に解除されるか、又、第7波は無く、

コロナ禍が収束するかなどが不透明なため、2022年6月期の業績予想は未定とさせて

頂きます。

続きまして13頁をご覧下さい。最大のテナントであるマイステイズグループによる

コロナ禍における対応をご紹介致します。

マイステイズグループはコロナ禍において、ニューノーマルとなった徹底した感染対策を

継続して行いながら、変わりゆく外部環境に対応すべく、様々な取り組みを行ってまいり

ました。左上に記載していますワクチン接種関連では、新たな取り組みとして、9月、10月

に大阪コンファレンスセンターの会議室をワクチン接種会場として提供しました。又、

ホテルマイステイズ神田、ホテルマイステイズ上野イースト、浅草では、9月から11月に

ワクチン大規模接種に従事するスタッフの皆様の需要に対する入札案件を受注しています。

ホテルマイステイズ大分においては、大分県からの要請により、1棟貸しを実施致しました。

運営費用の削減も鋭意継続しており、2021年6月期と比較して、当期は稼働率が

上昇する中で、2019年同期比のコスト削減率は、2021年6月期と変わらないレベルで

実施しています。下段の表に記載しました通り、コロナ前にはなかった様々な営業努力も

継続、強化致しております。

続いて14頁、マイステイズによる今後の見通しと戦略についてです。

左中段のチャートは、海外の事例からオミクロン株の感染拡大期間は限定的である可能性

を示しています。この分析によると、東京でのオミクロン株の感染拡大時期は、

2月中旬には終了したと考えられ、国内需要については春以降回復し、インバウンド需要は

夏以降戻り始めると見込んでいます。2022年は、リベンジトラベルなどにより、国内需要

が増加し、需要が強いエリアは、稼働率の上昇とともに単価の回復も早いと考えています。

今までとは異なった今後の新しいアクションとして、マイステイズは、かんぽの宿29物件

のオペレーションを4月から開始する予定で、約50万人強の会員数を持つ、かんぽの宿

メンバーズカード会員様を新たに迎え、マイステイズのブランディングの再構築や

顧客訴求力の底上げを企図しています。又、かんぽの宿などの、温泉系物件の増加により

国内におけるマイステイズグループに対する認知度が向上し、訴求力は高まると

考えられます。

次に15頁では、シェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテルの取り組みについて

ご紹介致します。

当期においてシェラトンは、充実した施設やブランド力を活かし、マリオットグループ

各ホテルや他業種とコラボレーションし、月替わりで魅力的なプロモーションを連続して

実施してきました。又、多人数が実際に集まってのイベント需要が低迷する中、

デリバリー・ケータリング等の新たな商品開発を行い、幅広い需要獲得と、コスト削減努力

の継続により収益改善を図っています。

続いて、16頁、17頁ではケイマン2ホテルの状況についてご説明致します。

最初に16頁下段のグラフをご覧下さい。

灰色の折れ線グラフが示している通り、ケイマン諸島では、2回目のワクチン接種が順調に

進み、政府は、2021年9月9日からワクチン接種が完了した旅行者を、入国後の自己隔離

を条件に受入れを再開しました。しかしながら、9月中旬にケイマン諸島で、初めて

集団感染が発生し、水色点線の折れ線グラフが示します通り、感染者が急増しましたため

当初の予定より遅れて、11月20日からは、ワクチン2回接種指定証明書保有者に対する

自己隔離義務を免除しました。但し、ワクチン未接種の12歳未満の子供には、引き続き

入国後14日間の自己隔離が義務付けられていたため、昨年は、家族連れでの旅行需要は

見込みにくい状況が続きました。その結果、中段、客室稼働率の水色の折れ線グラフが

示します通り、当期はオレンジ色で示しました前年同時期と比較して、稼働率を上回り

ましたが、感謝祭からクリスマスにかけての繁忙期に、業績は大きくは改善しませんでした。

2020年になってからの変化をご説明します。

ケイマン諸島政府は、2022年1月20日付で国境再開プランのPhase 5に移行し、

ワクチンの1回目接種率が、60%以上の国から来訪するワクチン接種済の旅行者に

対しては入国後の自己隔離を、免除することとしました。これにより、米国からの

ワクチン接種済旅行者は、自己隔離なしで入国することが可能となりました。

Phase 5では、ワクチン未接種の12歳未満の子供であっても、ワクチン接種状況に

関しては、同伴する大人と同一とみなされることになり 、ファミリー客が休暇で訪れ

やすくなることが期待されています。

加えて、5歳以上の旅行者に対する2日目、5日目、7日目の抗原・抗体検査義務が、

2022年2月17日の時点で解除されました。この検査で陽性と判定された場合には、

10日間の隔離義務が課せられ、帰国が遅れる可能性があることから、ケイマン諸島への

旅行が敬遠される大きな要因の一つとなっていました。

尚、サンシャイン・スイーツ・リゾートは、政府指定の自己隔離施設としての契約を

月単位で更新しており、2022年3月までは使用される予定です。

17頁をご覧下さい。ケイマン諸島へのフライト運航状況です。

2022年1月末時点では、ケイマン諸島への商業便を運航している航空会社は、4社のみ

でした。目的地はマイアミ、タンパ、ニューヨークなど6都市に限られ、運航本数も限定的

でした。明るいニュースとしては、米系航空会社の大半は、2月中旬から3月上旬にかけて

ケイマン諸島への商業便の運航を再開致しました。運航再開は、観光の本格的回復には

必須です。一方、オミクロン株による感染者急増を受け、エア・カナダは2022年1月に

再開したグランドケイマン島へのフライトを、カリブ海地域の他の目的地とともに

再度中止し、2022年4月下旬に改めて再開する予定です。このような状況下で、

2022年1月から4月のケイマン2ホテルの業績は、前頁のホテルKPIの推移の中で、

緑色で示します通り、1月から4月は前年同時期を上回ると予想しており、今後徐々に

回復していくものと期待しています。

それでは、18頁にまいります。国内の新規ホテル供給状況についてです。

「週刊ホテルレストラン」による半年ごとの調査によると、2021年12月3日時点で

判明した今後の新・増設ホテル計画確認客室数、及び軒数は、65,689室、445軒です。

2019年12月時点の調査以降、5回連続で減少傾向が続いています。

次の19頁は、:ビジネス・レジャー需要の動向に関する一定の前提条件に基づく試算です。

前提条件は、下段に記載しておりますのでご覧下さい。下段の棒グラフをご覧頂きますと、

当期は、オレンジ色で示していますレジャー需要の割合が増え、約60%となりました。

上段の、目的別稼働率に関する積み上げ面グラフをご覧頂ければ、コロナ禍に入り、

従前3割超を占めていたインバウンド客が不在の中、国内需要はビジネス・レジャーの

両面において一定の回復が認められます。

20頁をご覧下さい。インバウンド市場の動向についてです。

左上の月別訪日外国人推移と、左下のコロナ禍による入国規制・緩和の主な経過をご覧

下さい。引き続き訪日外国人数は低い水準にあり、相次ぐ新型コロナウイルス変異株の

流行などにより、入国規制が続いています。2021年11月には一旦緩和に向かいましたが、

同月末には再び外国人新規入国は、原則停止となり、日本は諸外国と比較して、厳しい

入国規制が続いています。

右上のチャートにありますJTB 総合研究所などによる調査では、東京オリンピック・

パラリンピックの視聴体験が、訪日旅行への関心を高めるポジティブな影響があり、

特に、2019年の地域別訪日外国人旅行者数が、30.1%と最も高かった中国では、約7割が

「日本に行ってみたい」と回答しました。入国規制の大幅な緩和が待ち望まれます。

続いて、21頁、22頁では、第4章住居運用状況に関してご説明しています。

21頁をご覧下さい。2021年12月期の住居54物件ベースのNOIは、12月の7物件売却

による減収と、コロナ禍により予想を下回りましたが、本日現在保有する41物件に

関しては、安定的な収益を見込んでいます。下段の折れ線グラフをご覧下さい。オレンジ色

で示す現在保有する41物件ベースの方が、売却前の54物件ベースより、高い

月次稼働率で推移していることが分かります。

22頁に住居ポートフォリオの賃料改定状況を示しています。

コロナ禍に入り、都市部における人口流入超過傾向が弱まる中、新規契約の賃料増加は

難しい環境ですが、募集条件を調整しながら稼働率の維持と、NOIの最大化に努めており、

当期の平均賃料増減率は全契約ベースでは、従前契約に対して0.3%の増加でした。

23頁に参ります。第5章財務の状況についてです。

本投資法人は、コロナ禍が始まってから、本日現在まで財務制限条項への抵触は一切無く、

当期は、合計626億円の借入金の借換えを行いました。又、2022年1月にも85億円を

借換え済みです。

2021年12月及び2022年1月に実施した住居物件の譲渡により、2022年1月末時点の

手元資金は171億円あり、利払い等に十分な額を保有しております。売却で増加した

手元資金については、財務の健全性を高めるため、2022年3月以降に期限が到来する

既存借入金の弁済などに活用し、LTVの低下を図ります。

右上の濃紺の折れ線グラフをご覧下さい。コロナ発生以降、借入金利の低減を

リファイナンス時の最優先課題としており、平均借入金利は、2019年末の

55ベーシスポイントから、本日現在の48ベーシスポイントまで7ベーシスポイント

低下させています。

次に24頁、25頁で第6章ESGに関する取り組みをご紹介致します。

先ず、24頁は本投資法人による取り組みです。

本投資法人は、2021年に初めてGRESB1に参加し、GRESBレーティングで2スター、

GRESB開示評価で最上位のAレベルの評価を得ました。加えて、ESG推進のための

方針や組織体制などを評価するマネジメント・コンポーネントと、保有物件での

環境パフォーマンスや、テナントとの取組等を評価するパフォーマンス・コンポーネントの、

双方において優れた参加者であることを示す、グリーンスターの評価を獲得致しました。

又、環境目標を設定し、環境パフォーマンスのモニタリングと、HPでも開示を開始致し

ました。

25頁にまいります。本投資法人、及び主要テナントであるマイステイズに具体的な

取り組みをご紹介しています。

本投資法人は、経済・社会の発展、地球環境の保全への貢献といったサステナビリティの

観点から、サステナビリティの向上を、重要な経営課題の一つとして位置付け、

エネルギー効率化や節水、環境保全や災害対策を推進しています。マイステイズにおいても、

当期は、東京都内の30ホテルで、東京都のワクチン普及キャンペーンに参画し、又、

各ホテルのゴミ削減、地域活性化などの取り組みを継続するとともに、女性が働きやすい

職場環境を推進し、持続可能な社会に貢献するための取り組みを、積極的に実行しています。

最後にAppendix(1)の最初にあります27頁 投資主優待をご覧下さい。

投資主の皆様は、シェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテル及びすべての

マイステイズホテルに、最安値宿泊料金から10%安い料金で宿泊することが出来ます。

2020年6月期の基準日以降、対象投資主について「10口以上を保有する」との条件を

撤廃し「全投資主様」に変更致しました。投資主優待制度による当期のマイステイズホテル

ご利用実績は、前年同期比で65.9%増加致しました。皆様も、ぜひご利用頂きますよう

お願い申し上げます。

引き続き予断を許さない難しい事業環境が続きますが、オミクロン株が中心の第6波は

日本でもピークアウトしたと考えられ、蔓延防止等重点措置は最大36都道府県にまで

適用されましたが、緊急事態宣言に至ることは無く、一部解除が始まっています。

今後、3回目のワクチン接種の進捗、第6波の収束、そしてコロナを治療する飲み薬の

普及などにより、ホテル需要が回復していけば、エリアやタイプが高度に分散した

インヴィンシブルが保有するホテルは、投資家の皆様のご期待に応えていけるのでは

ないかと考えております。

私からの説明は以上とさせて頂きます。長時間、有難うございました。