森トラストリート投資法人 2023年2月期決算概要
森トラストリート投資法人
2023年2月期(第42期)決算動画説明書
○動画 https://www.net-presentations.com/8961/20230421/dnir874/
○資料
https://www.mt-reit.jp/file/term-bb44b523119b6d8a742c8a82335877d9e4c5bc2b.pdf
○説明者 森トラスト・アセットマネジメント株式会社 代表取締役社長 内藤 宏史
○説明
森トラストリート投資法人の2023年2月期(第42期)も決算の概要ならびに今後の見通しについて、資料に基づき説明致します。
3頁をご覧下さい。本投資法人は、3月1日をもちまして、同じスポンサーグループでホテル特化型リートである、森トラスト・ホテルリート投資法人と合併しました。同時に、これまでの森トラスト総合リート投資法人から森トラストリートに商号を変更し、新たなスタートを切りました。合併後においては、安定的なCash-Flowを生むオフィスと、今後の成長が期待できるホテルを中核資産とし、資産性、安定性、成長性を兼ね備えたリートとなることを目指してまいります。尚、これ以降の説明の中では、合併前の森トラスト総合リート投資法人をMTRと、森トラスト・ホテルリート投資法人をMTHと、合併後の投資法人を新MTR、又は、本投資法人と、夫々呼んでまいります。
次に4頁をご覧下さい。合併に際して投資口の分割を行い、合併前の投資口1口を2口に分割しております。従いまして、合併前後で一口当たり分配金などの数字に大きな違いが生じておりますので、ご注意下さい。
合併後のポートフォリオですが、5頁をご覧下さい。これまでの17物件にMTHの補いてる5物件が加わり、合計22物件、取得ベースの資産規模は合計約4,700億円となりました。左上の円グラフのように、用途別の構成比率は、オフィスが55%、ホテルが30%、商業住宅が合わせて15%となります。
それでは、MTRの合併前の最終日である2023年2月期(第42期)の決算につきまして説明致します。本投資法人では、合併に際して、決算期をこれまでの3月末、9月末から、2月末、8月末に変更したため、当期については昨年10月から本年2月末までの5ヶ月間の変則決算となっています。
7頁に決算のハイライトを纏めております。左上に記載の通り、投資口1口当たり分配金は、予想比83円上振れし、2,545円となりました。尚、こちらは分割前の投資口1口当たりの金額です。表の左側アセットについては、2月末に新橋駅前MTRビルとの交換で、オフィスビルである仙台MTビルの一部を取得したために、1物件増えた17物件となりました。期末算定価格は、この交換等により12億円減少し3,488億円となりました。
次に業績の詳細です。8頁をご覧下さい。期間の違う前期との比較が難しいため。予想値との比較に絞って説明致します。表中赤枠で囲んだC列が当期の実績、その左側のB列が、昨年11月に公表した直近の予想値です。一番右に両者の差異を示しています。収益面では賃料の上振れ等により、予想比+90百万円、費用面では保守的に想定していた仲介手数料や水道光熱費などの下振れにより、予想比▲97百万円、営業利益は予想比+187百万円の4,057百万円となりました。ここから営業外費用を控除し、371百万円を内部留保として積み立てることにより、一口当たり分配金は2,545円となりました。内部留保の残高は2,008百万円となりました。
11頁をご覧下さい。次にMTHの合併前の最終日である2023年2月期について説明致します。MTHの投資主の皆様には、投資口一口当たり1,419円の合併交付金を支払うこととなりました。合併交付金とは、MTHの合併前最終部である2023年2月期の利益の分配の代わりとして、2月末時点でMTHの投資口を保有されていた、投資主の皆様にお支払いするもので、ホテルは季節により変動が大きいことから、1年前の2022年2月期との比較で説明致します。当期は、コロナからの回復に伴う需要増を取り込み、営業収益は+306百万円の1,730百万円、営業利益は+288百万円の932百万円、経常利益は+178百万円の710百万円となりました。
12頁をご覧下さい。保有する5つのホテルのうち、ホテルサンルートプラザ新宿については固定賃料であるため、賃料がホテル業績と連動する残りの4物件の状況について、簡単に説明します。4物件合計の賃料は、1,075百万円、このうち最低保証賃料の差額相当の賃料55百万円を除いた賃料は1,019百万円となり、これはコロナ前で最も業績の良かった2019年同期の賃料の54%相当となります。昨今の旅行需要の回復状況と比べ、賃料の回復スピードが遅いように感じられますが、変動賃料のホテルは、いずれも過去の収益等の実績を基に賃料が決まるため、やや遅れて投資法人の収益に反映されてくることや、一部のホテルでは、宴会等の法人需要が回復していないことによるもので、特に昨年10月11日に始まった全国旅行支援や、海外からの個人旅行の解禁等による内外の旅行需要の拡大を取り込んだ11月以降の業績は、当期の賃料意は一部しか反映されておらず、直近の状況とはやや乖離が生じています。4つのホテルのうち最も規模が大きいシャングリ・ラ東京については、賃料が4ヵ月前の賃料と連動しており、当期の賃料は昨年5月から10月のホテル収益に対応したものとなります。前年同期からは約5%伸びており、2019年同期の賃料の64%相当となります。ヒルトン小田原は首都圏近郊のリゾートホテルという特定から、他の3ホテルとは違った動きを見せており、コロナ禍の早い段階からリゾート需要を取り込んで、一足早く回復しております。当期の賃料は、2021年7月から2022年6月までの1年間のホテル利益に連動したものですが、既に2019年の92%相当まで回復しており、2019年を上回った月もあります。次に、コートヤード東京と、コートヤード新大阪の2つのホテルについては、賃料が3ヵ月前の利益に連動しており、当期の賃料は昨年6月から11月までの、各々のホテルの利益水準に連動したものとなります。従い、収益が固定費等の一定の水準を超えるまでは、賃料が伸びにくい構造となっており、賃料が収益に連動するシャングリ・ラに比べて回復のスピードが緩やかとなります。そのため、2019年同期比で、コートヤード東京は37%、コートヤード新大阪は32%の賃料水準に止まり、他の2つのホテルと比べて、今後の回復余地がまだ大きいホテルと言えます。ホテルごとに回復スピードの違いはありますが、コロナによるボトム期は脱し、収益は上向きになりつつあると言えます。
続きまして、新MTRの今後の見通しについて説明致します。
15頁をご覧下さい。本ページは、これまで運用上の課題として捉えてきた東京汐留ビルディングや新横浜TECHビルの稼働の回復や、物件入替や新規取得による効果が、今後いつ頃収益に反映していくかを纏めたものです。一番上に記載した東京汐留ビルディングについては、既に99%の床について契約が決まっていますが、2023年2月時点での稼働率は、70.8%に止まります。今後2024年2月期にかけて入居が進み、2024年8月期には、契約済みの全ての収益が反映されることとなります。又、2つ下の新橋駅前MTRビルと仙台MTビルの入替については、2023年2月期末から2024年2月期末にかけて、3回に分けて実施されます。これにより、現在賃料収入のない新橋駅前MTRビルの、固定資産税や減価償却費の負担が徐々に低減され、一方で高稼働の仙台MTビルの収益が、徐々に上積みされていくことになります。こちらも2024年8月期に通期寄与することになります。
16頁をご覧下さい。ここでは、合併後第1期となる2023年8月期および2024年2月期の業績予想について、纏めて示しております。頁左上をご覧下さい。先ず、2023年8月期については、一口当たり分配金は1,584円と、昨年11月の前回予想より65円の上振れを予想しています。尚、当期は、新橋駅前MTRビルの売却益や合併関連費用等の特殊要因があるため、これらの一時的要因を除いた予想分配金は1,367円となり、前回予想より57円の上振れとなります。予想に際しては、オフィス等の固定賃料の契約については、入居済みおよび確定済みの契約に対して、一定の空室の発生や改定による賃料増減等を織り込み、ホテルの変動賃料については、過去の実績により賃料が確定する期間はその数値を用い、確定していない期間については、ホテルオペレーターによる運営計画等を参考にした想定値を用いております。下の表中B列に今回予想の詳細を示しております。収益面では、新橋駅前MTRビルの第2回目の売却益約14億円を計上するとともに、オフィス、ホテルの賃料上昇により、前回予想より270百万円上振れた116億円を営業収益として見込んでいます。費用面では、営業費用や支払利息等で33百万円の上振れを見込んでいます。この結果、経常利益は前回予想比+237百万円の5,647百万円と予想しています。尚、変動賃料のホテル4物件については、2019年同期比で、78%の賃料水準まで回復することを見込んでいます。続いて、頁右上をご覧下さい。その次の期である2024年2月期の予想を示していますが、未確定の要素が多いため、現在の想定がそのまま推移する前提での予想となります。尚、ホテルについては、外部環境による振れ幅が大きく、予想が困難であることから、MTHではこれまで2期先の開示を行っておりませんでした。今回いくつか考えられるシナリオのうち、Conservativeな想定を用い、変動賃料のホテル4物件ついては、2019年同期の賃料比で78%相当と、2023年8月期予想と同水準の回復度合いとしました。この結果、一口当たりの分配金は1,600円と、前回予想比+16円を予想しています。又、一時的要因を除いた予想分配金は1,371円を予想しています。この予想については、ホテル業績の回復スピードによっては、大きく変動する可能性があります。
17頁をご覧下さい。ここでは、2023年8月期の予想について、前回予想と今回予想を比較しております。賃料の増加等により、濃い赤色で示している一時的要因を除いた一口当たり分配金は、頁中央の前回予想1,310から、右側の今回予想1,367円に、+57円上方修正していることが分かります。
次に18頁をご覧下さい。2023年8月期予想と2期先の2024年2月期予想との比較では、一時的要因を除いた一口当たり分配金について、+4円ほどの成長を見込んでいます。又、その後も、新橋、仙台の3回目の取引や、ホテル賃料の回復による、成長の伸びしろがあることを示しています。尚、その一方で、現時点では予想していない退去やコストの上昇等による、マイナスのリスクがあることをご了承下さい。
続きまして、新MTRの外部成長・内部成長戦略について説明致します。
20頁をご覧下さい。外部成長戦略についてです。上に、外部環境に対する当社の認識およびこれに対する今後の方針を纏めて示しています。引き続き優良物件の売却情報は限定的であり、価格も高止まりしている状況が継続しています。一方で、昨年末以降の金融環境の変化による影響には注意が必要であると考えます。本投資法人としては、このような環境の中で、引き続き外部成長の可能性を模索してまいります。具体的な方針としては、スポンサーサポートの更なる活用、地方部のオフィス、ホテルのソーシングに取り組むとともに、ホテルについては、オペレーションの改善が必要な案件についても、スポンサー等の協働も含め、幅広く検討致します。
続いて22頁では、合併後第一弾の外部成長となりました神谷町トラストタワーの取得について纏めています。本件は合併効果により、LTVを大きく上げることなく取得価格230億円超の、都心部の最新オフィスを取得したものであり、合併後の成長性の回復およびスポンサーサポートとの象徴となる取得案件であると捉えています。
23頁には、本投資法人のスポンサーである森トラストグループがこれまで開発・運営してきたオフィスやホテルについて、改めて纏めています。スポンサーグループは、都心部のオフィスやインターナショナルブランドのホテルについて豊富な実績を有し、保有するポートフォリオには本投資法人の投資方針と合致するオフィスやホテルが多数あります。このうちいくつかの物件は本投資法人が保有しており、今後も取得の候補となることが考えられます。
24頁をご覧下さい。内部成長戦略について説明致します。先ず、現状の環境認識ですが、頁左上オフィスについては、足元ではコロナ回復を見据えた立地改善や移転の動きが活発化しています。又、2023年以降、東京都心部における大量供給が予想されており、立地やグレードにより、更に選別が進む可能性があると考えています。頁右上ホテルについては、海外旅行者の水際対策の緩和や全国旅行支援の継続を背景に、力強い回復が見られ、インバウンドの戻りも更に拡大することが予想されます。
25頁をご覧下さい。これに対する今後の方針として、オフィスは空室の発生する物件については、立地改善や拡張移転といった、コロナ後のテナントニーズを適切に捉ることで、早期の回復を目指します。ホテルについては、ホテルオペレーターとも協力しながら、ADRを重視しつつ、適切な稼働率のコントロールを行い、更にはインバウンドを取り込むことで、コロナ禍前である2019年の水準に、早期に戻すことを目指します。
財務の状況について説明致します。
28頁をご覧下さい。合併に際して、MTHの有利子負債を承継したことにより、有利子負債残高は225,975百万円、LTVは48%となりました。引き続き各金融機関とも良好な関係を維持しながら、成長を目指していきたいと考えています。又、投資法人債についても、起債のタイミングを逃さないように、情報収集に力を入れていきたいと考えております。
続いて29頁をご覧下さい。合併に伴うのれんの処理について説明致します。今回の合併に伴い、約6億円強の正ののれんが発生する見込みです。2023年8月期以降、これを営業費用として40期で均等償却する予定であり、1期あたりの償却額は15百万円となります。尚、のれんの償却に伴い税会不一致が生じ、毎期9百万円ほどの法人税の課税が生じる見込みです。この償却見合い額を、一時差異償却引当額、所謂、ATAとして、上乗せして分配することで、課税を回避することもできますが、そのためには制度上、現在本投資法人が積み立てている内部留保金約20億円を、全て取り崩す必要があり、又、新たな積立もできないこととなります。本投資法人では、内部留保を保持することによる様々なメリット等を、比較・考慮した結果、現時点ではATAによる利益超過分配を行わないこととしました。尚、今後の内部留保の状況や、制度の見直しにより方針を変更する可能性もあります。
最後に、ESGに関する取組みについて簡単に触れさせて頂きます。
31頁をご覧下さい。当期においては、ESGに関する取組みを継続しており、環境認証では、新たにイトーヨーカドー湘南台店が、CASBEE不動産評価認証で最高ランクのSランクを、広尾MTRビルと天神プライムの2物件が、新たにDBJ Green Building認証を取得しています。
32頁をご覧下さい。又、長期的な目標としての温室効果ガスネットゼロを見据えたサステナビリティ方針の改訂を行っています。尚、MTHとの合併に伴い、2025年までの環境パフォーマンス目標を見直し、ホテルアセットを含めたベースライン、および目標値に引き直しております。
決算説明資料では、これ以降、本投資法人の特徴や詳細なデータについて掲載しておりますので、どうぞご覧下さい。又、合併に伴い、本投資法人のHPもリニューアルし、最新の情報を掲載しておりますので、併せてご覧頂きますようお願い申し上げます。
説明は以上となります。
最後になりますが、合併前の両リートに対してご支援を頂いてきた、森リート総合投資法人および森トラスト・ホテルリート法人からのステークホルダーの皆様、そして、合併後の森トラストリート投資法人からのステークホルダーの皆様、全ての皆様のご期待に沿えるよう最善を尽くして運用してまいる所存です。引き続き、どうぞ宜しくお願い致します。