ユナイテッド・アーバン投資法人 2023年5月期決算概要

ユナイテッド・アーバン投資法人
2023年5月期(第39期)決算動画説明書
○動画  https://www.net-presentations.com/8960/20230719/jjojpo789/
○資料
https://www.united-reit.co.jp/file/ir_library_term-f3b2ebf7fa422c3a272435e1df296c1a225540b7.pdf
○説明者 ジャパン・リート・アドバイザーズ株式会社 
代表取締役社長執行役員 馬躰 純一
○説明 
初めに本投資法人の取り組み方針、施策をお伝えしたいと思います。資料2頁をご覧下さい。本投資法人は、これまで中長期に亘り安定した収益を確保し得る本源的価値を有する不動産の取得を通じて資産規模の拡大を図り、個々の不動産の収益を持続的に成長させることで投資主の価値の最大化に努めてまいりました。本投資法人は、本年12月に上場20年を迎えますが、更なる成長を目指して3つの重点的な取組みを実施してまいります。先ず外部成長についてです。これまで同様総合型リートの強みを生かしながら、最良のタイミングで、最良のアセットタイプを取得することを継続してまいります。ビジネス環境の変化に左右されず、安定的な外部成長を持続的に実践します。次に、約6,900億円ある資産の中で、将来的に収益力、競争力の低下が見込まれるアセットについては、資産規模拡大との組み合わせによる資産の入替を実施し、ポートフォリオの若返りを促進することにより、収益力の持続的向上を図って参ります。内部成長については、Hand-On Managementにより、相対的に安定運用を続けるオフィス、住居、物流施設の収益をベースに持ちながら、アフターコロナにおける成長ドライバーとしてのホテルの業績回復・成長によりアップサイドを図ってまいります。これら3つに施策に取り組みながら、4頁以降で説明致します一口当たり分配金(DPU)は、コロナ禍前の水準である3,400円をベースとして、外部環境に左右されず、含み益・内部留保を生かしながら、安定分配を継続してまいります。

それでは資料に沿って2023年5月期の決算、2023年11月期、2024年5月期の業績予想を説明致します。
資料3頁をご覧下さい。2023年5月期決算は、営業収益250.5億円、賃貸事業利益132.7億円、営業利益109臆円、当期純利益は99.2億円となりました。一口当たり分配金、DPUは、内部留保の取崩しをせずに3,229円、前期比+85円、6ヵ月前予想比+75円の増配としました。2023年5月期については、ホテルの業績回復、オフィスの賃料増、新規物件の取得が、営業利益を押し上げた結果となっております。2023年11月期、2024年5月期においても、既存物件における賃料、共益費の増加、水道光熱収支の改善により、当期純利益は前期比プラスを見込んでおり、戦略的な外部成長と着実な内部成長による増益を持ってDPUを持続的に成長させてまいります。

資料4頁をご覧下さい。頁左上の凡例の通り、ブルーのバーチャートは実態利益を示しており、濃いベージュは内部留保分配金、薄いベージュは売却等による一過性要因を控除した利益分配金です。2023年5月期の実態利益は3,171円、一時的な修繕費等の増、水道光熱費収支の下振れはあったもののホテル、オフィスの賃料増加や、新規物件の利益貢献等により前期比+187円、6ヵ月前予想比+154円となりました。2023年11月期の実態利益は3,190円、2023年5月期比で+19円、6ヵ月前予想比で+169円、2024年5月期については3,400円、2023年11月予想比で+210円の成長を見込んでいます。ホテル市況の急速な回復、水道光熱収支の悪化傾向が落ち着いたこと、又、継続的な外部成長、資産入替、稼働率向上など、増益に繋がる施策の実行により、実態利益の着実な成長を目指してまいります。2023年5月期のDPUは、内部留保を取り崩し、126円を想定していましたが、実態利益の改善が、その126円を賄う形となり、一時収入等の一過性要因58円と合わせた3,229円と、前期比+85円、6ヵ月前予想比+75円の増配と致しました。2023年11月期のDPUは、実態利益の改善、売却益等の一過性要因による影響を踏まえて3,300円、2024年5月期については、実態利益の伸びを勘案し3,400円を見込んでいます。今後も引き続き実態利益の着実な成長、安定分配に注力し、投資主価値の持続的な成長を目指してまいります。

続いて 決算概要資料 5頁の一口当たり分配金、 主な差異要因、2023年5月期にお進み下さい。2022年11月期のDPU 3,145円と2023年5月期の3,229円との実績差異は+85円ですが、この頁ではDPUの増減影響を要因別に一口当たりに換算して表記しています。大きな増減として、右から3列目の存物件利益増減は吹き出しの内訳のとおり、一時的な修繕費の増で-104円、エネルギーコスト増の影響により水道光熱収支悪化で-15円となったものの。ホテルの業績改善、オフィスの賃料、共益増によりプラス223円、原状回復費収入等の賃貸事業一時収入+74円等により、+201円となりました。頁左から2列目にある売却益剥落-145円は、2022年11月期に売却したあすと長町デンタルクリニック、UURコート札幌篠路壱番館の売却益の剥落分です。その他新規取得物件利益寄与+44円、販管費・業外損益他-14円等々となっています。

次に資料6頁、2023年11月期、2024年5月期で、業績予想における要因ごとの影響差額、増減額をご説明します。頁左側の2023年5月期実績と2023年11月期予想対比は+71円で、左から新規取得物件利益寄与+41円、売却物件利益消失-7円、売却益計上+100円、 既存物件利益増減-5円、販管費営業外損益他-59円を想定しています。尚、既存物件利益増減-5円の主な内訳は、原状回復等の賃貸一時収入減-142円に対し、修繕費の減+84円、水道光熱費収入改善+41円、ホテルの業績改善、オフィスの契約条件改善による賃料 共益費の増+23円です。またグランルージュ栄の売却益+100円が、2023年11月期の収益に大きく貢献しています。2023年11月期と2024年5月期の予想対比は頁右側となり、 既存物件利益増減+209円、売却益剥落-100円、売却物件利益消失-5円、販管費・業外損益他-4円の+100円を想定しています。尚、既存物件利益増減+209円の主な要因は、 商業施設のLuz福岡天神での埋め戻し、商業施設の売上歩合、季節要因を含むホテルの業績改善による賃料・共益費増の+169円です。

次に外部成長、2023年5月期、11月期の物件取得について説明致します。資料7頁には 物件一覧を掲載しています。ポートフォリオの質的向上を目指し、外部成長を継続した結果、 物件数5物件、取得価格合計9,190百万円、鑑定評価額合計9,840百万円、想定NOI利回4.7%、平均築年数15年の案件を取得致しました。これまで通り本資産運用会社の情報ネットワークとスポンサー機能を活用し、総合リートの投資方針のもと、利回り水準を意識しながら、多様なアセットタイプの物件を取得することができました。引き続きスポンサー機能も活用しながら 継続的な外部成長に努めてまいります。

資料8頁は配発案件の物件取得についてです。グランダ宮の森は、本投資法人開発事業主体として初めて取り組んだ開発案件であり、又、初めてのヘルスケア用途への投資案件です。スポンサーのプロジェクトマネジメント機能を活用し、高齢者向け住宅を開発、当初計画通り本年 5月に完工致しました。1棟全体を施設オペレーターと早期に予約賃貸借契約を締結するなど、開発案件におけるリスクの抑制に努め、無事完成を迎えることができました。開発案件の取り組みにつきましては、新築案件を高利回りで取得できるため、開発リスクやリーシングリスクを極力抑えた取り組みを構築し、これからも継続してまいります。その他の取得物件の詳細につきましては、補足説明資料 40から43頁を後ほど確認下さい。

資料9頁は2023年5月期から2024年5月期の資産入替についてです。本投資法人においては、ポートフォリオの質的改善および収益力向上に資する資産入替を実行しております。将来の設備投資負担、代替テナント誘致の蓋然性、不動産投資マーケット動向等を踏まえて、物件売却を判断し、売却代金は次なる優良資産の取得資金に活用しています。2023年11月期には、鑑定評価額および帳簿価格を上回る水準で購入意向を受容したグランルージュ栄を1,450百万円で売却しました。2024年5月期は、既に建物部分を売却済みである府中ビルの土地部分を20億円で売却する予定で、合計126億円の資産入替より、資産規模は約48億円拡大し、2023年11月期には売却益310百万円を見込んでいます。収益力と築年数の観点からも、ポートフォリオの質的向上を図り、NOI利回りは譲渡物件の実績3.1%に対し、取得物件の想定4.7%と大幅に改善、築年数は17年から15年と若返りを図りました。 引き続き多様な手法を駆使し、多種多様な地域・用途の物件を取得しながら、ポートフォリオの質的改善に資する資産の入替を行う方針です。

続いて内部成長について説明致します。資料13頁をご覧下さい。ホテルの運用状況についてです。日本人の宿泊需要の回復に加え、2022年10月の入国規制緩和以降の外国人入国増による宿泊需要の急回復により、本投資法人が運用するホテルのRevPARはコロナ禍前の水準まで急速に改善しています。左上段のラインチャートでは、期中平均のRevPARをコロナ前の2019年11月期を100として示しています。2023年5月期は97.6と前期の65.5から急速に回復し、6ヶ月前の予想 78.7も大きく上回りました。一方、左下段の国際線の2023年夏スケジュールにありますように、国際線定期便の回復スピードは国ごとに異なっています。特に中国からの定期便は、2019年比マイナス89%と、回復に大きな遅れが見られ、2023年秋以降の回復を期待しております。こうした状況を踏まえ、特に、航空便の影響により、インバウンドの戻りが遅れているエリアのホテルについては、宿泊需要がコロナ禍前水準には戻りきらないことを前提に業績予想を策定し、予想の前提となるRevPARは、2023年11月期には 100.1、2024年5月期は100.9としました。

14頁はホテルのタイプ別共込賃料とホテルポートフォリオ概要、賃料形態を纏めています。頁左側のグラフにある通り共込賃料は、RevPARの改善に伴い大幅に回復しました。但し、 フルサービス型ホテルにおける料飲部門の需要回復が緩やかで、コロナ禍前水準には回復しておりません。今後、社会経済活動の活発化により、コロナ禍前水準へ徐々に回復するものと期待しております。本投資法人のホテル群は、頁右側下の賃料形態別のパイチャートにある通り、変動賃料型ホテルが6割、そのうち大型のフルサービス型ホテルが約半数を占めています。これらのホテルでは、コロナ渦中にも需要回復に備えて、レストランや宴会場等の施設の改修等を進めてきましたが、今後も、SNS やテレビを活用したマーケティングによる料飲部門の売上向上施策を進めることで、 ホテル全体の売上、GOP が更に引き上がり、本投資法人への収益還元が期待されます。

資料15、16頁はオフィスの運用状況です。多様なリーシング機会を追求し、安定稼働を継続しております。右上段の稼働率のグラフをご覧下さい。2023年5月期は、97%と前期と同等の稼働を維持しました。フリーレント付与率も、前期比で良化する結果となっています。左のバーチャートの通り、入退去状況については、2023年11月期で退去面積が一時的に上回るものの、貸主による一部内装工事の実施、機動的な貸付関連工事により物件競争力を高め、稼働率重視のリーシングを継続しつつ、結果としてCash-flowへの影響を抑えながら、高稼働を維持してまいります。又、大型テナントが退去予定の川崎東芝ビルでは、物件価値の最大化を目指し、今後の方針を早い段階で決定する予定です。予てより、売却、リテナント、建替えの検討を行っておりますが、大規模リニューアルや再開発等を前提とする複数の購入希望先との協議と並行して、改修、バリューアップ、建替えの工事計画を作成の上、継続保有の検討も行っております。本投資法人においては、過去にも大型テナント退去後にリテナンスや売却に取り組んだ実績があります。今回は、テナントの退去による収益への影響が出るまでには、相応の時間もあることから、これらの検討結果を慎重に検討上、投資主価値の最大化と安定分配を念頭に、今後の運用方針を決定致します。

続いて16頁ではオフィスの賃料改定状況ならびに賃料ギャップを確認下さい。
テナントニーズ・マーケット環境の変化を的確に捉え、各物件の運用状況を踏まえ、戦略的に契約条件交渉を行いました。稼働重視を念頭にしながらも、既存テナントの契約更改・新規テナントの入替において、マーケット環境や物件の運用状況を踏まえた合理性の高い提案を粘り強く行い、個々のテナントと誠実に条件協議を実施することで、オフィス・ポートフォリオ全体では、大幅に賃料増額を継続することができました。 賃料ギャップについても、 地方物件を中心に賃料増額を実現させました。 頁右下に主な賃料増額事例を記載しておりますのでご確認下さい。

資料 17頁は商業施設の運用状況です。2023年5月期の稼働率は、98.2%とプロアクティブなリーシングにより高稼働を維持しております。頁左側のバーチャート入退去状況をご覧下さい。2023年5月期には、Luz福岡天神の主要テナントの退去約5,200m2 が含まれていますが、頁右側に記載の通り、テナント退去後5ヶ月でのリテナントを実現しました。 本投資法人では、中長期的な施設全体の収益安定化、リスクの低減とダウンタイムの最短化を念頭に、テナント入替を継続しております。又、プロアクティブなテナントミックス、入替により増収を実現したLuz湘南辻堂の事例もあり、2023年11月期、 2024年5月期においても、引き続き 99%以上の高稼働を継続する見込みです。

18頁はその他物流施設の運用状況です。物流施設は15 物件、516億円を現在運用中で、近年、資産規模の拡大を図ってまいりました。頁左側下段にありますように、主要国のEC 化率を比べると、日本のEC化にはまだまだ成長余地があります。しかしながら、物流施設は開発中のものも含め、大型案件の供給が増加しております。エリアごとに細かく需給バランスを見ながら、資産規模の拡大を目指していきたいと考えています。又、各テナントとは 契約期間の長期化を図り、今後も安定運用を継続致します。

19頁は住居の運用状況です。大都市での転勤 需の回復もあり、高稼働で安定的に運用できています。賃料も増額傾向にあります。中でもファミリータイプについては、近年の分譲マンション価格の高騰を受け、賃貸需要が高まる傾向にあり、今後もこの傾向が継続する見込みです。頁右側の住戸タイプ別のパイチャートにもありますように、住宅のポートフォリオは幅広い需要での獲得が可能で、今後も住宅の安定運用を見込んでおります。

続いて財務運営となります。資料20頁にお進み下さい。頁左上段に記載の通り、2023年5月期の資金調達では、229億円の返済に対し299億円を調達しました。内サステナビリティファイナンスは100億円となります。借入償還期間7.2年とコストと期間のバランスを図り、一部変動金利での調達を組み合わせ、金利は従前より低位な水準となっています。今後も安定した財務基盤を維持しつつ、柔軟な資金調達による金融コストの抑制を継続してまいります。

最後に 資料21頁にESGおよび気候変動への取り組みを纏めております。2023年6月に、温室効果ガスGHG排出量の削減目標を新たに2つ設定致しました。1つ目は、2030年までにポートフォリオのスコープ1および2のGHG総排出量を42%削減、2つ目は、2050年までにバリューチェーンスコープ3を含む、GHG総排出量をネット 0とすることです。これらの目標を達成すべく、今後も、GHG総排出量ネット0に向けて様々な取り組みを継続してまいります。
ご説明は以上となります。決算業績予想、運用状況の詳細は、補足説明資料に纏めておりますので、併せてご確認下さい。
ご清聴有難うございました。