グローバル・ワン不動産投資法人 2024年9月期決算概要

グローバル・ワン不動産投資法人
2024年9月期(第42期)決算動画説明書
○動画   https://www.video-streaming.net/ir/8958/42_2024_9/
〇説明資料 https://ssl4.eir-parts.net/doc/8958/ir_material_for_fiscal_ym/168438/00.pdf
○説明者 グローバル・アライアンス・リアルティ株式会社 
代表取締役社長 山内 和紀
○説明
資料に沿って第42期の決算の概要と運用状況について説明させて頂きます。
決算説明資料の4頁の目次をご覧下さい。説明としましては、先ずⅠの「初めに」で、投資主価値の向上に向けた当期の実績と今期、来期の取り組みなどを説明し、最後に当面の取り組みについてお話をさせて頂きます。その後、Ⅱの「決算」並びにⅢの「運用状況」の詳細を説明させて頂きます。

資料6頁をご覧ください。先ず、分配金についてです。当期は、6月25日に公表した自己投資口取得の影響と水道光熱費収支の改善等により、売却益を除いたEPUは2,447円となり、売却益などの一時的な要因による損益を除いた一口当たり当期純利益、即ち巡航EPUで2,400円以上を確保することができました。これに大手町の4回目の売却益還元分が加わり、分配金としては、当初予想比+128円の2,528円となりました。今期と来期の分配金予想につきましては、次頁の右上の一口当たり分配金の推移のグラフをご覧ください。

今 43期は、大手町の5回にわたる売却の最終回となる5%持分の売却益に加え、9月27日に公表した錦糸町アルカセントラルの40% 持分の売却益や、錦糸町に紐づいた17円相当の圧縮積立金の取り崩しを予定しており、当期比+710円の3,238円を計画しています。翌44期も錦糸町の2回目の売却に伴い、13円相当の圧縮積立金の取り崩しを行う一方で、売却割合が40%から30%に減ることによって売却益が減少することに加え、売却した持分相当の賃貸事業収益が減少するため、今期比△703円の2,535円を計画しています。今、来期は売却益の還元により、高水準の分配金を計画しておりますが、巡行EPUを2,400円以上で安定化させるために、内部成長を中心としたNOI増加に向けた取り組みを検討、実施してまいります。

6頁に戻って頂き、内部成長について説明します。当期末のポートフォリオ稼働率は横浜のパナソニック退去の影響で、前期比1ポイントマイナスの96.2%となりました。パナソニック退去区画のリーシング状況については後ほど説明しますが、スポンサーである明治安田生命から入居申込書を受容しており、当該区画全てを同社に一括賃貸する予定です。右の欄の今・来期の取り組みですが、オフィスの空室率は5%を下回り 賃料は上昇局面に転換していることから インフレによる物件運営コストの上昇や 金利上昇分を 賃料に転嫁していくために ネガティブレント ギャップがある物件を中心に 賃料増額に努めます 横浜の リーシング 進展により ポートフォリオ 稼働率 は98%程度に回復する予定ですが まだ 95%を下回る仙石山と豊洲については 引き続き鋭意埋め戻しに努めます。

尚、来年9月末にメジャー テナントである三菱総研DCSが退去する品川シーサイドウエストタワーについては、リーシング活動と並行して水面下で進めてきた売却活動を通じて、複数の物件取得ニーズを確認できたことから、ダウンタイム不可避のリーシング状況を踏まえ、年内を目処として売却活動に注力します。続いて外部成長です。9月27日に築27年が経過し、将来の改修工事費の増大によって収益性の低下が懸念されていた、錦糸町の3分割売却を公表しました。これにより、ポートフォリオの償却も利回りの向上と含み益を実現し、今期より3期にわたって売却益を分配金として還元します。今・来期は、先行売却した錦糸町の代替物件の取得に努めるとともに、品川の売却実現に注力します。

又、ポートフォリオの質の向上のための資産入替を行っていくために、優良物件取得に向けた売却活動を継続します。次に財務です。当期は、グローバル・ワンとしては、3回目となる自己投資口の取得を20億円の規模で実施しました。又、ローン55億円のリファイナンスでは、調達期間を短くしてコストアップを抑制し、投資法人債30億円については、錦糸町の売却資金の活用により、全額期日償還してコストの削減に努めました。今・来季期も、引き続きデットの期日分散とコストの抑制に努めるとともに、錦糸町の売却によって積み上がるフリー キャッシュの使途検討や、物件取得時の資金調達のアベイラビリティを確保するために、LTV水準の引き上げを検討します。最後にESGについてです。当期は2024年GRESBリアルエステイト評価で5-Stars、開示評価でAレベルを取得し、5年連続の最高評価となりました 今後については、ネットゼロを実現するための移行計画策定のために、現在CRREMリスク分析を実施中であり、TCFD提言における、気候変動リスクの定量評価に向けた取り組みを前進させ、一層の情報開示に努めてまいります。

8頁をご覧ください。グローバル・ワンは、2022年に実施した第5回公募増資以降、投資主価値の向上を強く意識しながら、巡航EPU2,400円以上での安定化に向けて、物件運営や財務、資本政策において、記載の通り様々な取り組みを実施してきた結果、当期は巡航EPU2,400円以上を実現することができました。今期より、錦糸町の売却益が計上されるため、3期に亘って高水準の分配金が見込まれますが、巡行EPUは、錦糸町売却による期中 収益の減少を主因として、2,400円を下回る見込みです。

そこで、今後巡航EPUを2,400円以上で安定化させるために、どのような取り組みをしていくかについて次の9頁に記載をしております。来期44期は、錦糸町の持ち分減少により△56円の影響があるため、巡航EPUは2,106円を予想していますが、予算外で錦糸町に代わる新規物件の取得を計画しています。45期以降の巡航EPUについても、錦糸町の持分減少により△73円の影響がありますが、売却活動中の品川を除いた空室の埋め戻しで+140円、ネガティブレントギャップ解消による賃料増額で+40円といった、内部成長によるアップサイド余地があります。更に、45期も新規物件の取得を計画しています。品川については、目論見通り売却が実現できた場合は代替物件の取得に努め、継続保有となった場合は三菱総研DCS跡の埋め戻しに注力します。尚、こちらには記載しておりませんが、水道光熱費収支の改善や自己投資口取得の実施があれば、更なるアップサイドが見込まれます。仮にEPUが2,400円に満たない場合は、これまで同様、内部留保を活用して2,400円の分配金を確保します。

10頁の当面の取り組みをご覧ください。これまでグローバル・ワンは、8頁に記載の通り、賃料増額交渉やリーシング活動を通じた内部成長や、資産入替、自己投資口の取得などに取り組んできましたが、本投資法人を始め、殆どの上場リートの価格は、一口当たりNAVを下回り、割安に放置されている状況が常態化しています。そこで資本コストや投資口価格を意識した運営を打ち出し、ROE向上のためにインフレを上回る内部成長に最優先で取り組むとともに、ポートフォリオの質の向上への取り組みを継続します。併せて、自己投資口の取得やLTV水準の引き上げなど、財務資本政策 にも注力してまいります。
続きましてⅡの「決算」です。

12頁をご覧ください。当期決算の予想との対比です。当期 42期の分配金は、当初予想比+128円の2,528円となりました。右の表に増減益分析の要因を記載しています。営業利益は103百万円、DPU換算で100円予想比上振れましたが、これは、水道光熱費収支が改善し、修繕費と外部委託費が下振れしたため、賃貸事業損益が106百万円上振れたことが要因です。この営業利益の上振れにより、圧縮積立金を予想比26百万円積み増して、分配金は2,528円となりました。

続いて13頁をご覧ください。こちらは前期41期の実績との比較です。当期は、大手町の4回目の譲渡に伴う売却益がありましたが、営業収益は、6,486百万円と前期比675百万円の減収、当期純利益は、2,816百万円と544百万円の減益となりました。右側の表の賃貸事業損益をご覧ください。賃料等収入は2百万円の減益となりましたが、水道光熱費収支の改善や、修繕費、減価償却費の減少による増益要因があったため、トータルの賃貸事業損益は99百万円の増益となりました。利益連動の運用報酬の減少や、その他一般管理費の減少による増益要因もありましたが、不動産等売却益の723百万円の減益インパクトが大きいため、営業利益は532百万円の減益となりました。

14頁は、43期2025年3月期の業績予想です。今期は、営業収益6,870百万円、当期純利益3,231百万円と増収増益を見込み、売却する錦糸町に紐づく内部留保17百万円を取り崩し、分配金は前期比710円プラスの3,238円を計画しています。右の表をご覧ください。賃貸事業損益は、賃料等収入が326百万円下振れ、更に水道光熱費収支の悪化や、修繕費の増加による減益要因もありますが、外部委託費、減価償却費、公租公課の減少による増益効果があるため、トータルでは292百万円の減益を見込みます。又、利益連動の運用報酬やその他一般管理費の増加による減益要因がありますが、不動産等売却益で錦糸町40%持分の売却による729百万円の大幅増益があるため、営業利益は前期比416百万円の増益を見込みます。

15頁は44期2025年9月期の業績予想です。来期は、営業収益6303百万円、当期純利益2,824百万円と減収減益を見込み、43期と同様に売却する錦糸町に紐づく内部留保13百万円を取り崩す一方で、錦糸町に替わる物件取得を前提とした買い替え特例の適用で、294百万円を内部留保し、分配金は43期比703円マイナスの2,535円とする計画です。右の表をご覧ください。197百万円の減益となる賃貸事業損益は、テナント退去や錦糸町売却によって賃料等収入が197百万円の減益となる一方で、外部委託費の減少、水道光熱収支の改善、修繕費や減価償却費の減少による増益要因があり、トータルでは26百万円のマイナスを見込みます。又、 また利益連動の運用報酬やその他一般管理の減少 などの 増益 要因がありますが 不動産等売却益 で37,900万円の減益 要因があるため 営業利益では前期比 37,800万円の減益を見込みます。
続きましてⅢの「運用状況」について説明します。内部成長についてです。

18頁の稼働の状況をご覧ください。当期は横浜の大口テナントであるパナソニックの退去を主因として、ポートフォリオ稼働率は、前期比1ポイントマイナスの96.2%に低下しました。
19頁では、当期に発生した空室の埋め戻し状況と、リーシング注力物件である豊洲の稼働率の見通しについて説明します。頁左側のグラフをご覧ください。当期は仙石山、品川、横浜、埼玉、御堂筋でリーシングが進展しましたが、横浜のパナソニックの退去の影響が大きく、1,717m2 の退去超となりました。続いて豊洲の稼働率の見通しです。豊洲は当初9月に0.5フロアの新規入居を予定しておりましたが、テナント候補先の翻意により最終的に制約には至りませんでした。その後リーシング活動を再開し、当初予定していた入居面積を上回る埋め戻しに成功し、稼働率は93.2%に回復し、残る空室は2区画、0.75フロアとなりました。

次の頁では横浜のリーシングについてご説明します。パナソニック後の約700坪のショールーム区画は、集客型テナントやB to C事業者への一括貸しから、B to C事業者、又は、オフィステナントへの分割貸しに方針を転換し間口が広まったため、問い合わせ件数は増加しました。テナント候補先として複数の案件を検討している中、スポンサーである明治安田生命より、検討を進めていた案件を上回る条件で入居申込書を受領し、現在同社に一括賃貸する内容で契約締結に向けて調整しているところです。1年以上前からショールーム区画のリーシング活動に取り組んでまいりましたが、明治安田生命の入居によって稼働率は100%に回復する見込みです。

21頁では来年9月末に三菱総研DCSの退去が予定されている品川について説明します。同社の退去情報を1年以上も前に入手し、居抜き入居が可能な点を、本物件の差別化ポイントとしてリーシング活動を実施してまいりました。これまでテナント候補先と協議、交渉を進めてきましたが、10 フロア、4,000坪の埋め戻しにはダウンタイムは不可避であり、競合ビルの賃貸条件を考慮すると相応のフリーレントは必須で、賃料発生には一定の期間を要する見込みです。そうした中、水面下で進めていた売却活動を通じて、複数の物件取得 ニーズを確認できたことから、好調な不動産売買市場は継続し、投資家の利益を確保できるうちに売却活動に注力することとしました。本件は、投資家の皆様にとっても大変関心の高い取り組みであると認識していますので、当該売却活動について進展がありましたら、随時ご報告させて頂きます。
次に22頁のテナント入替と、賃料改定である月額賃料変動についてです。当期はテナント入替でマイナス1.8%の入れ替え減額がありましたが、賃料改定では、プラス4%の平均増減率を実現し、契約ベースの月額賃料は、ネットで前期比250万円の増加となりました。続いて23頁と24頁で賃料改定の状況について説明します。

23頁をご覧下さい。42期の実績は、改定対象32件のうち、増額14件、据え置き17件、減額1件で、平均増減率は4%のプラスとなりました。43期は、改定対象22件に対し10月末時点で増額7件、据え置き7件、減額0件、交渉中8件の状況で、平均増減率は+4.5%を予想し、5期連続で賃料増額を達成する見込みです。

次の24頁は、賃料改定の今後の見通しについてです。当期も幾つかの物件でマーケット賃料が上昇し、現行賃料よりもマーケット賃料の方が高い、ネガティブレントギャップの割合が前期よりも増加しています。前期と同様、上野、横浜、名古屋、大阪、札幌は、現行賃料がマーケット賃料を下回るネガティブレントギャップの状況にありますが、ポートフォリオ全体では1.1%のポジティブレントギャップとなっています。空室率の低下により賃料は上昇トレンドに転換し、賃料増額交渉に手応えを感じていますので、インフレや金利上昇分の賃料への転嫁を強く意識しながら、エリアのオフィス需給の動向を踏まえ、時には稼働率を意識した賃料減額など柔軟な対応も取りつつ、トータルでの賃料増額を目指してまいります。

25頁をご覧ください。これまでは局所的な受給の緩みから、マーケット賃料は一部の物件で下落していましたが、当期は下げ止まり、東京の物件を中心に上昇しています。

27頁をご覧ください。資産入替に対する取り組みとして、先行売却した錦糸町のアルカセントラルについて説明します。本物件は経年により、将来の改修工事費が増大し、収益性の低下が見込まれていたため、不動産売買マーケットが好調なこのタイミングで売却する方が得策であると判断しました。この売却により、ポートフォリオ利回りは向上し、約23億円の売却益については、その全部、又は、一部を、3期に亘って分配金として還元します。配当や内部留保した後に手元に残る売却資金については、物件売却によって減少するNOIや一口当たりNAVの対応策として、物件取得や自己投資口取得等に充当する予定です。
以降は財務についてご説明します。28頁をご覧ください。

これまで敷金リリースの追加実施、修繕積立金の廃止、売却資金等の、余剰資金を活用した借入金の返済など効率的なキャッシュマネジメントに取り組んできた結果、当期期末の簿価ベースLTVは44.8%まで低下し、簿価ベースLTV 50%までの調達余力は約210億円となっています。グローバル・ワンの投資口価格は、一口当たりNAVを下回る状況が続いていますので、物件取得時の資金調達のアベイラビリティを確保し、ROEを向上させるために、簿価ベースLTVの上限の目安を、55%程度まで引き上げることを検討しています。今期のIRを通じて、投資家、レンダーの反応を確認することが前提となりますが、このLTV水準の引き上げによって、物件取得余力は460億円程度まで確保可能となります。

29頁をご覧ください。当期に実施したリファイナンスの内容と、返済期日の分散状況について示しています。当期に返済期日を迎えた借入金55億円は、全額リファイナンスを行い、借入年限の短縮や分散を図ることによって、分配金換算で4円のコストアップを抑制しました。投資法人債30億円については、錦糸町の売却資金で全額期日償還することで、12円のコスト削減を実現しました。今期は75億円のローンのリファイナンスがありますが、引き続き手段を尽くして、期日分散と財務コスト上昇の抑制に取り組んでまいります。

30頁は内部留保の状況です。内部留保は、大手町の4回目の売却益の一部を積立、43期には1,368百万円、一口当たり1,364円となる計画です。今後、錦糸町の代替物件を取得することができれば、長期保有資産の買替特例の適用により、内部留保が更に積み上がり、一層 安定した分配金マネジメントの実現が可能となります。

31頁は財務に関する最後の頁となりますが、こちらでは、6月25日に公表した自己投資口取得に関する総括を行っています。資料に記載の通り、今回の20億円の規模での自己投資口の取得によって、概ね、想定通りの効果を得ることができました。
最後にESGへの取り組みについてです。32頁に当期のトピックス、33頁以降は、トピックスに上げた取り組み以外にも、「New」という吹き出しを付けて紹介していますので、後ほどご確認ください
私からの説明は以上とさせて頂きます。今後ともグローバル・ワン不動産投資法人に対しまして、ご理解、ご支援のほど宜しくお願い申し上げます。
ご清聴有難うございました。