NTT都市開発リート投資法人 2023年4月期決算概要

NTT都市開発リート投資法人
2023年4月期(第41期)決算動画説明書&質疑応答
○動画  https://www.irwebcasting.com/20230615/2/2068a75c3c/mov/main/index.html
○資料  
http://nud-reit.co.jp/file/ir_library_term-6a2d90431acca2818273d5d7c7a06552c4e08c79.pdf
〇質疑応答
http://nud-reit.co.jp/file/top_financial-305f2397c5427f7309216c96911d8f1f641940bb.pdf
○説明者 NTT都市開発投資顧問株式会社 代表取締役社長 鳥越 穣
○説明 
2023年4月期(第41期)の決算概要を説明致します。
資料2頁をご覧下さい。第41期においてはシングルテナントの退去により経営課題となっていた六番町ビルの売却とアーバンネット中野ビルの購入という、スポンサービルの入替について2月に発表しましたが、3月にアーバンネット中野ビルの取得、4月に六番町ビルの50%持分売却と、予定通り進捗しております。又、六番町の残りの50%についても、42期のこととなりますが、5月に無事売却完了しております。次に内部成長です。オフィスの稼働率は41期の稼働率として94.9%と、前期と比較して1.2%減少していますが、これは六番町退去の影響がこの時点では残っていることが原因であり、一般のリーシングでの増減は殆どありません。一方レジデンスは、平均稼働率は96.5%と好調に推移しております。賃料水準については、オフィスでは引き続き減少傾向ですが、従来と比較し減少幅は縮小しています。又、レジデンスについては、入替時のネット増減率は、7.6%と更に増加しています。LTVについては、40期末の45.4%から、41期末45.0%と少し低下しました。分配金については、41期で予定通り1,470百万円の売却益を計上したことに加え、レジデンスのリーシングが順調に進んだ影響もあり、計画を66円上回る3,216円で着地することとなりました。42期は3,150円となり、43期については売却益の剥落もあり、2,680円と見込んでおります。
それでは、3頁以降で各トピックについて詳しく説明致します。

3頁をご覧下さい。外部成長です。3頁は今回の入替えの振り返りです。売却した六番町ビルは、シングルテナントであった住友大阪セメントが1月末で退去し、オフィス稼働率が一時的に落ち込み、再リーシングを実施した場合でも、かなりのリーシング期間と賃料の低下が見込まれたため、スポンサーであるNTT都市開発と協議し、六番町ビルの売却と中野ビルの購入という入替え取引を決定しました。売却については41期と42期で50%ずつ実施し、DPUの大幅な変動を抑制することができました。中野ビルについては築34年と比較的築年数の経過したビルですが、今回売却した六番町ビルが、テナント退去前までは利回りの高いビルであったことも考慮し、相対的に利回りの高い物件を優先して選定しました。中野のオフィス環境は、賃料のボラティリティが小さい、比較的安定したマーケットと考えていますが、住宅用途での活用も考えられるロケーションであり、将来的には再開発を前提に、スポンサーに売り戻す可能性もあると認識しています。

4頁では2020年以降、ここ約3年の売買の実績を纏めています。売買ともに5件ずつ、結果としてNOIは1,438百万円分の売却に対し2,442百万円分の購入、築年数は30.4年の売却に対し16.1年の購入と、大幅に若返っています。又、同時に売却益も84億円計上し、内部留保を21億円まで積み上げ、DPUの安定性を高めることができました。こうした売買における物件選定にあたっての、基本的な考え方について、次の5頁でもう少し詳しく説明致します。

5頁をご覧下さい。先ず、取得時の考え方としては、立地、築年数、そのほかのビルスペックなどの面から、ポートフォリオの改善に資する点が基本となりますが、一方で、全体としての利回りの向上を図るという視点もあり、これにNTTグループとのシナジーという視点も加味し、ポートフォリオ全体でバランスを取っていくという考え方です。右の図は物件の利回りを縦軸とし、クオリティを横軸として、各物件をプロットしたものですが、特にクオリティについては便宜的に点数化したもので、主観的、概念的なものとご理解ください。クオリティが高く、利回りも高い物件を取得できれば一番良いのですが、一般論として、利回りとクオリティは負の相関関係にありますので、実際には、クオリティは高いが利回りは低い物件か、クオリティはやや低いが利回りは高い物件が中心ということになり、ポートフォリオのクオリティを高めていくことが基本方針ですので、クオリティを重視して取得していくことが中心となりますが、近年はクオリティは高いが利回りは低い物件の取得が多かったことも考慮し、一定程度は、クオリティはやや低いが利回りは高い物件も取得していきます。今回の中のビルの取得は、こうした考え方に基づくものです。今回の入替え取引においては、売却額の105億円に対し取得額は64億円と、相対的に小さい金額であったこともあり、今後の更なる物件取得に向けてスポンサーと協議中ですが、まだ具体的な分物件は決定していません。又、売却については、リーシングリスクが高くなっている物件や、経年劣化等により、修繕費の増加リスクが高くなっている物件については、重点的に売却候補とし、スポンサーの再開発ニーズなども踏まえ、総合的に判断します。その際、売却益についても検討にあたってのポイントの一つとはなりますが、売却益の計上を主たる目的とは考えていません。

7頁はポートフォリオの状況です。用途としては、オフィスが7割程度、住宅が3割程度、エリアとしては都心5区が7割程度という概要に変化はありません。
8頁からは内部成長です。先ず、オフィスの稼働状況ですが、今季の入退去は、六番町の退去分を除けば、入居も退去も移動面積は非常に小さく、ネットの増減影響は前期同様ほぼありませんでした。これを稼働率で見ると、41期には六番町ビル退去の影響などで、稼働率は一時93%程度まで落ちていましたが、このビルの50%の売却と中野ビル取得の効果などで、期末には94.5%まで戻しています。又、前期までは五反田NNビルなど一部のビルで大型化したフリーレントの影響で、契約稼働率とCash-Flow稼働率の間に3%程度のやや大きなギャップがありましたが、これらのフリーレント期間が終了してきたために、41期末の契約稼働率とCash-Flow稼働率の差は、1%程度とかなり縮小しています。
次にオフィス賃料について説明致します。9頁をご覧下さい。入替時の賃料動向について記載しています。先ほど説明しました通り、41期は入居も退去も少なかったという事情もあり、入替による賃料については、減少の方がやや大きいものの、その金額は80万円と小さなものになっています。
次に10頁は更新時の賃料改定状況です。こちらについてご覧の通り、全体に大きな変化はありません。据置きというケースが非常に多くなってきており、賃料の増減も殆どなく、横這いという状況です。

続きまして11頁は周辺相場場と賃料ギャップです。本リートの賃料坪単価は、六番町と中野の入替の結果、200円ほど下がっている一方、周辺相場も200円ほど下がっており、賃料ギャップについては、前期に対してほぼ横這いということになりました。賃料ギャップの拡大に少し歯止めがかかった状況ですが、依然オーバーレントの割合が高い状況には変化がありませんので、今後も、引き続きテナントとのRelationに十分注意を払いながら、運営を行う予定です。
次にオフィステナントの状況を13頁でお話し致します。41期末における前期からの変化としては、従来、賃貸面積で全体の4位で六番町ビルのテナントであった住友セメント大阪と入れ替わって、アーバン中野ビルのテナントである東京リーガルマインドが4位となっています。その他のテナントとの状況について大きな変化はありません。
14頁からはレジデンスの説明です。レジデンスの稼働については、全体に引き続き堅調に推移しており、大きな変化はありません。今期の入居面積と退去面積はほぼ同じで、結果として96.2%と高い稼働を維持しています。

次の15頁は入替時の賃料改定動向です。今期はネットの増減率が+7.6%、金額での影響は月額280万円となりました。大型物件や高額物件を中心に、賃料増額の努力を継続しており、少しずつマーケットの状況も改善されてきていると感じています。
16頁は更新時の賃料改定動向です。こちらは、ほぼ据え置きという状況が続いており、若干増額というケースも出て来ていますが、金額としての影響はまだ限定的です。
17頁は修繕費などの状況です。第41期については、修繕費が1,091百万円、設備投資が1,139百万円と、前期に比べて大きく増加しています。これは季節変動要素の加え、今季の売却益の計上があることを勘案し、積極的な修繕工事の前倒しを行った結果でもあります。42期も売却益の計上を行うため同様に工事を進めますが、季節要因もあり、41期からはやや減少する見込みです。

18頁以降は財務状況です。金利の上昇傾向を踏まえ、当リートにおいては有利子負債の借り換え時に、借入期間をできるだけ長期化する方向で交渉を行っており、残存年数は4.6年に伸びています。金融機関の皆様には、当リートの戦略を十分のご理解頂き、財務運営に協力を頂いており、借入期間の長期化、基準金利の上昇などに対して、平均金利は0.6%と低位に抑えることができております。LTVについては、六番町の売却額が中野の取得額を上回ることもあり、40期末の45.4%から41期末の45%と、更に42期末には44.3%と下がる見込みです。

19頁は借入金の返済スケジュールです。今期の調達額は147億円で、そのうち87位億円が短期借入金と少し多くなっていますが、このうち50億円は物件の入替に関わるブリッジローンで、既に返済をしております。長期借入金は110億円で、平均借入期間は9.5年と、従来よりも長期化しており、支払スケジュールの平準化も順調に進んでおります。
20頁は有利子負債/格付けの状況です。借入先の状況に大きな変化はなく、格付けについては前回お伝えした通り、JCRの各付けにおいてAA-で、見通しがポジティブという状況です。

21頁は含み益の推移です。鑑定評価において41期では、引き続きCap-Rateの低下が継続したものの、六番町ビルの売却に伴い、これに関わる含み益が減少したこともあり、含み益は710億円と前期から10億円の増加に止まっております。

23頁から分配金について説明致します。舞う、23頁上段が40期実績から41期への推移です。売却益を除いたEPUは、2,787円から2,523円と264円減少しています。六番町ビルの売却に伴う原状回復費の受け入れや運用費用の減少、アーバンネット中野ビルの取得による増益などで、外部成長が合計171円となった一方、内部成長は、売却益の計上を踏まえた修繕費の増加を主たる要因として‐375円となりました。六番町ビルの売却益は、一口当たり1,050円で、このうち357円を内部留保した残りの693円を加え、DPUは3,216円となっています。23頁下段が41期予想と実績との比較です。予想は3,150円でしたが、実績としては3,216円と、少し増やした結果とすることができました。主な理由としては、レジデンスの稼働が予想より好調であったことによる賃料や礼金などの収入の増加などです。24頁が42期、43期の分配金の説明です。先ず、上の図が41期から42期の推移です。EPUでは41期の2,523円から42期2,448円と75円減少しています。内部成長では121円増加していますが、これは、41期に積極的に計上した修繕費の減少を、主たる原因とするものです。一方外部成長では-210円となっており、これは41期に計上した原状回復関連収入の剥落を主な原因としています。この内部関町のプラスと外部成長のマイナスの差がDPUの減少となっています。下の図が42期から43期への説明です。EPUは42期の2,448円から少し増加し、43期は2,515円となる見込みです。今回の入替で、六番町ビルの売却益よりも中野ビルの取得額の方が小さく、LTVが低下することも踏まえ、今後更に物件の取得を協議しており、こうした外部成長やリーシングの推進、修繕費の削減などの内部成長の努力なども加えて、従来、当面の目線として話していたDPUの2,680円と言う目標は維持する計画です。但し、現時点では物件取得の対象、時期は未定で、効果の定量化は困難であり、取得時期がずれ込む可能性もあるため、現時点でのEPU見込みの2,515円との差額165円については、達成できない場合圧縮積立金の取り崩しで対応致します。

25頁が業績予想の前提となっている稼働の計画です。オフィスについては、六番町ビルでのテナント退去の為、2月に大幅に稼働率が低下しましたが、3月から5月にかけて実施した物件入替えにより、5月には1月以前の水準に戻る見込みです。その他には、大きな入退去は見込んでいませんが、8月に複数のビルで退去が出て、少し稼働率が下がるものの、その後は95%前後で安定的に運用する見込みです。レジデンスについては、今後も大きな変動はなく、高い稼働率を維持できる見込みです。
26頁は今まで説明した数字を纏めたもので、詳細な説明は割愛しますが、圧縮積立金残高が、今回の六番町ビルの売却の影響で、従来の11億円から21億円へ増加する見込みであることを追加させて頂きます。ESGについては、今回大きな、新しいトピックはありませんので、後ほど資料をご覧頂ければと思います。
今回の私からの説明は以上となります。本日は時間の制約もあり、説明が行き届かなかった点もあったかと思います。ご質問、ご意見等ございましたら、弊社IR担当までご遠慮なくご連絡下さい。
本日はご視聴有難うございました。